TrelloとSlackの連携で仕事が変わる!設定から活用法まで完全ガイド

プログラミング・IT

「Slackでタスクの話をしたのに、Trelloに登録し忘れた…」

「Trelloで作業が完了したのに、チームに報告するの忘れてた…」

こんな経験、ありませんか?

実は、TrelloとSlackを連携させると、こういった「うっかり」がなくなるんです。しかも、設定は思ったよりずっと簡単で、10分もあれば完了します。

この記事では、TrelloとSlackを連携する方法から、実際の活用テクニックまで、画像付きでわかりやすく解説します。プログラミングの知識は一切不要なので、安心して読み進めてください。

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  1. TrelloとSlackの連携って何?基本を理解しよう
    1. そもそもTrelloとSlackって?
    2. 連携すると何が起こるのか
    3. なぜ連携が必要なのか
  2. 連携するメリット:具体的に何が便利になるのか
    1. メリット1:作業時間の短縮
    2. メリット2:報告漏れがなくなる
    3. メリット3:コンテキストスイッチが減る
    4. メリット4:チーム全体の透明性が上がる
  3. 連携方法1:Trelloアプリを使う(基本編)
    1. 事前準備:必要なもの
    2. ステップ1:TrelloワークスペースとSlackワークスペースをリンク
    3. ステップ2:Slackに Trelloアプリを追加
    4. ステップ3:個人アカウントをリンク
    5. ステップ4:チャンネルにTrelloを招待
    6. ステップ5:ボードとチャンネルをリンク
  4. 連携方法2:Trello Power-Up(通知編)
    1. Power-Upとは
    2. Slack Power-Upの設定手順
  5. SlackからTrelloを操作する:便利なコマンド一覧
    1. 基本コマンドの使い方
    2. よく使うコマンド
    3. ボタンを使った操作
    4. Slackメッセージから直接カードを作る
    5. Inboxに保存する(あとで処理)
  6. 通知のカスタマイズ:必要な情報だけ受け取る
    1. 通知が多すぎる時の対処法
    2. 通知を効果的に使うコツ
  7. 実践的な活用例:こんな使い方ができる
    1. ケース1:カスタマーサポートチーム
    2. ケース2:開発チーム
    3. ケース3:マーケティングチーム
    4. ケース4:リモートワークチーム
    5. ケース5:イベント運営チーム
  8. トラブルシューティング:よくある問題と解決方法
    1. 問題1:「Unable to load user details」エラーが出る
    2. 問題2:Slackアラートが届かなくなった
    3. 問題3:コマンドが反応しない
    4. 問題4:通知が多すぎてウザい
    5. 問題5:個人アカウントのリンクが切れる
    6. 問題6:Trello側で変更したのにSlackに通知が来ない
  9. セキュリティと権限管理
    1. 連携で何が共有されるのか
    2. 非公開情報の扱い
    3. 権限の管理
    4. 安全に使うためのベストプラクティス
  10. まとめ
    1. この記事で学んだこと
    2. 次のステップ
    3. さいごに

TrelloとSlackの連携って何?基本を理解しよう

そもそもTrelloとSlackって?

まず、それぞれのツールについて簡単におさらいしましょう。

Trello(トレロ)とは

Trelloは、カードを使ってタスクを管理するツールです。付箋をホワイトボードに貼って整理するような感覚で使えます。

  • ボード:プロジェクト全体を管理する場所(例:「ウェブサイトリニューアル」)
  • リスト:作業の段階を表す列(例:「未着手」「作業中」「完了」)
  • カード:個別のタスクを表す(例:「トップページのデザイン作成」)

カードをドラッグ&ドロップで移動させるだけで、作業の進捗状況を視覚的に把握できるのが特徴です。

Slack(スラック)とは

Slackは、チームで使うチャットツールです。メールよりも気軽で、リアルタイムにコミュニケーションが取れます。

  • ワークスペース:会社やチーム全体の空間
  • チャンネル:テーマごとの会話部屋(例:「#営業部」「#開発チーム」)
  • ダイレクトメッセージ:個人間のやりとり

LINEのビジネス版と考えるとイメージしやすいかもしれません。

連携すると何が起こるのか

TrelloとSlackを連携すると、次のようなことができるようになります。

1. SlackからTrelloを操作できる

Slackのチャット画面から、わざわざTrelloを開かなくてもカードを追加できます。会話の流れでタスクが生まれたら、その場ですぐにTrelloに登録できるんです。

2. Trelloの更新がSlackに通知される

誰かがTrelloでカードを移動させたり、コメントを追加したりすると、自動的にSlackに通知が届きます。チーム全員が常にTrelloを見ていなくても、大事な更新を見逃しません。

3. 情報の行き来がスムーズに

「Slackで話したこと」と「Trelloのタスク」が直接つながるので、「あれ、この話どこでしたっけ?」という混乱がなくなります。

なぜ連携が必要なのか

多くのチームが、次のような問題を抱えています。

情報が散らばる問題

  • Slackで決まったことをTrelloに転記し忘れる
  • Trelloで完了したタスクを口頭で報告し忘れる
  • 同じ内容を複数の場所に書く手間がかかる

通知を見逃す問題

  • Trelloを定期的にチェックしないメンバーがいる
  • 重要な更新があっても気づかない
  • メールで通知が来ても埋もれてしまう

連携することで、これらの問題が一気に解決します。

連携するメリット:具体的に何が便利になるのか

実際に連携すると、どんな良いことがあるのか、具体的に見ていきましょう。

メリット1:作業時間の短縮

従来のやり方

  1. Slackで「このタスクやってください」と依頼を受ける
  2. Trelloを開く
  3. 適切なボードを探す
  4. 新しいカードを作成する
  5. タイトルや説明を入力する
  6. Slackに戻って「Trelloに登録しました」と報告

これだけで2〜3分かかります。1日に10回やれば30分です。

連携後のやり方

  1. Slackで依頼を受ける
  2. /trello add タスク名 と入力して送信

これで完了。わずか10秒です。

メリット2:報告漏れがなくなる

Trelloで作業を進めるたびに、自動的にSlackに通知が行きます。

自動で通知される例:

  • 新しいカードが作成された
  • カードが「作業中」に移動した
  • カードが「完了」に移動した
  • 期限が近づいている
  • コメントが追加された

上司や同僚に「これ、どうなってる?」と聞かれる前に、みんなが状況を把握できるんです。

メリット3:コンテキストスイッチが減る

コンテキストスイッチとは、作業を切り替えることで集中力が途切れる現象のことです。

研究によると、人は一度集中が途切れると、元の集中状態に戻るまで平均23分かかると言われています。

TrelloとSlackを行ったり来たりしていると、1日に何度もこの「23分のロス」が発生します。連携すれば、Slackにいながらほぼすべての作業ができるので、集中力を保ったまま仕事を進められます。

メリット4:チーム全体の透明性が上がる

誰が何をしているか、どこまで進んでいるかが、チーム全員に見えるようになります。

透明性が高いチームの特徴:

  • メンバーが互いの作業状況を把握している
  • 助けが必要な時にすぐ気づける
  • 同じ作業を重複してやってしまうミスがない
  • 新しく参加したメンバーもすぐに状況がわかる

連携方法1:Trelloアプリを使う(基本編)

それでは、実際の連携方法を見ていきましょう。まずは基本となる「Trelloアプリ」を使った方法から説明します。

事前準備:必要なもの

連携を始める前に、以下を確認してください。

  • Trelloアカウント:まだ持っていない場合は、trello.comで無料登録できます
  • Slackワークスペース:会社やチームのSlackアカウント
  • 権限:Slackで新しいアプリを追加する権限(管理者権限が必要な場合があります)

ステップ1:TrelloワークスペースとSlackワークスペースをリンク

まず、TrelloとSlackの「ワークスペース同士」を接続します。

手順:

  1. Trelloにログイン
  • ブラウザで trello.com にアクセス
  • 右上のアカウントアイコンをクリック
  1. 設定を開く
  • 「設定」または「Settings」を選択
  1. Slack連携を探す
  • 左側のメニューから「ワークスペース設定」を選択
  • 「Slackワークスペースとのリンク」という項目を見つける
  1. 「Add to Slack」をクリック
  • 青いボタンが表示されているはずです
  1. Slackでの認証
  • 新しいタブまたはウィンドウが開きます
  • 複数のSlackワークスペースに参加している場合は、連携したいワークスペースを選択
  • 「許可する」または「Authorize」ボタンをクリック
  1. 完了確認
  • 「連携が完了しました」というメッセージが表示されればOK
  • Slackに戻ると、Trelloからメッセージが届いているはずです

ステップ2:Slackに Trelloアプリを追加

次に、Slack側の設定を行います。

手順:

  1. Slackでアプリを探す
  • Slackを開く
  • 左サイドバーの「アプリ」セクションを見つける
  • 「+」マークまたは「アプリを追加する」をクリック
  1. Trelloを検索
  • 検索ボックスに「Trello」と入力
  • 検索結果から「Trello」を選択(「Trello Alerts」ではない方)
  1. インストール
  • 「追加」または「Install」ボタンをクリック
  • ブラウザでTrelloのページが開く場合があります
  • 「Slackに追加」ボタンをクリック
  1. 権限の確認
  • Trelloが必要とする権限の一覧が表示されます
  • 内容を確認して「許可する」をクリック

ステップ3:個人アカウントをリンク

ワークスペース同士の連携が完了したら、次は「あなた個人のアカウント同士」を連携します。

手順:

  1. SlackでTrelloアプリを開く
  • Slackの左サイドバーの「アプリ」から「Trello」を選択
  1. ホームタブに移動
  • Trelloアプリが開いたら、上部の「ホーム」タブをクリック
  1. アカウントをリンク
  • 「Link account」または「アカウントをリンク」ボタンをクリック
  • Trelloのログイン画面が表示される場合はログインする
  • アクセスを許可する
  1. 完了
  • 「アカウントが正常にリンクされました」と表示されればOK

ステップ4:チャンネルにTrelloを招待

実際に使いたいSlackチャンネルに、Trelloアプリを招待します。

手順:

  1. チャンネルを開く
  • Trelloと連携したいSlackチャンネルを開く(例:「#プロジェクトA」)
  1. Trelloを招待
  • チャンネルのメッセージ入力欄に以下を入力して送信:
   /invite @Trello
  1. 確認
  • 「TrelloがこのチャンネルにJoinしました」というメッセージが表示されればOK

ステップ5:ボードとチャンネルをリンク

最後に、特定のTrelloボードと、特定のSlackチャンネルを紐付けます。

手順:

  1. TrelloボードのURLをコピー
  • Trelloでリンクしたいボードを開く
  • ブラウザのアドレスバーからURLをコピー
  • 例:https://trello.com/b/abc12345/プロジェクトA
  1. Slackでリンクコマンドを実行
  • 連携したいSlackチャンネルで、以下を入力して送信:
   /trello link https://trello.com/b/abc12345/プロジェクトA

(URLは実際のボードのものに置き換えてください)

  1. 確認画面が表示される
  • 「Link to Channel」ボタンが表示されるのでクリック
  1. デフォルトリストの設定
  • 「Set Default List」をクリック
  • SlackからTrelloにカードを追加する際、どのリストに入れるか選択
  • 通常は「未着手」や「To Do」などを選ぶとよいでしょう
  1. 完了
  • 設定が保存されれば完了です

これで基本的な連携が完了しました!

連携方法2:Trello Power-Up(通知編)

Trelloで何か変更があった時にSlackに通知を送りたい場合は、「Slack Power-Up」を使います。

Power-Upとは

Power-Up(パワーアップ)とは、Trelloに追加機能を加えるためのプラグインのようなものです。SlackやGoogle Drive、カレンダーなど、様々な外部サービスと連携できます。

Slack Power-Upの設定手順

手順:

  1. Trelloボードを開く
  • 通知を送りたいボードを開く
  1. Power-Upメニューを開く
  • 画面右上の「Power-Up」アイコン(ロケットのようなマーク)をクリック
  • または、ボードメニューから「Power-Up」を選択
  1. Slackを検索して追加
  • Power-Upの一覧から「Slack」を探す
  • 「追加」または「Add」ボタンをクリック
  1. Slackアラートを追加
  • Power-Upが追加されたら、もう一度そのアイコンをクリック
  • 「Add Slack alert」または「Slackアラートを追加」を選択
  1. ワークスペースとチャンネルを選択
  • 通知を送りたいSlackワークスペースを選択
  • 通知を送りたいチャンネルを選択(例:「#プロジェクトA」)
  1. 通知内容をカスタマイズ
  • どの操作をSlackに通知するか選択できます
  • チェックボックスで選択: おすすめの通知設定:
  • ☑ 新しいカードが作成された
  • ☑ カードが別のリストに移動した
  • ☑ カードが完了した
  • ☑ 期限が設定された
  • ☑ 期限が近づいている
  • ☑ コメントが追加された
  • ☑ メンバーが追加された 最初は全部チェックして使ってみて、邪魔な通知は後から外すのがおすすめです。
  1. 保存
  • 「Save」または「保存」ボタンをクリック
  1. テストしてみる
  • Trelloで何かカードを作成してみましょう
  • Slackに通知が届けば成功です!

SlackからTrelloを操作する:便利なコマンド一覧

連携が完了したら、Slackから様々な操作ができるようになります。ここでは、よく使うコマンドを紹介します。

基本コマンドの使い方

Slackのメッセージ入力欄に /trello で始まるコマンドを入力すると、Trelloを操作できます。

よく使うコマンド

1. カードを追加する

/trello add カード名

例:

/trello add ロゴデザインの修正

このコマンドを送ると、リンクしたTrelloボードの指定したリスト(デフォルトリスト)に、新しいカードが追加されます。

詳細を追加したい場合:

コマンドを送った後、Slackにボタンが表示されるので、そこから説明や期限、担当者などを追加できます。

2. カードを検索する

/trello find キーワード

例:

/trello find デザイン

「デザイン」という言葉が含まれるカードを検索して表示します。

3. ボードを表示する

/trello show

現在リンクされているボードの情報を表示します。

4. 自分に割り当てられたカードを見る

/trello mine

あなたが担当になっているカードの一覧が表示されます。「今日何をすればいいんだっけ?」という時に便利です。

5. リンクプレビューのオン/オフ

/trello previews

TrelloのURLをSlackに貼り付けた時に、自動でカードの内容を展開するかどうかを切り替えます。

ボタンを使った操作

コマンドを覚えるのが面倒な人は、ボタンを使うこともできます。

ボタンの表示方法:

  1. Slackのメッセージ入力欄の左にある「⚡」(稲妻)アイコンをクリック
  2. 「Trello」を選択
  3. やりたい操作を選ぶ

これで、コマンドを入力しなくても直感的に操作できます。

Slackメッセージから直接カードを作る

会話の中で「これタスクにしよう」と思ったら、そのメッセージから直接Trelloカードを作れます。

手順:

  1. カードにしたいメッセージにカーソルを合わせる
  2. 右側に表示される「…」(その他のアクション)をクリック
  3. 「Create card from message」または「メッセージからカードを作成」を選択
  4. Trelloにカードが作成され、元のSlackメッセージへのリンクも自動で添付されます

これなら、「あの会話、どこだっけ?」と探す必要がありません。

Inboxに保存する(あとで処理)

「今は忙しいけど、後でちゃんと対応したい」というメッセージは、Trello Inboxに保存できます。

方法1:絵文字リアクション

  • メッセージに :inbox_tray: の絵文字でリアクション
  • 自動的にTrello Inboxにカードが作成される
  • リアクションは自動で消えます

方法2:後で読む

  • Slackの「後で読む」機能を使ってメッセージを保存
  • 自動的にTrello Inboxにもコピーされる

通知のカスタマイズ:必要な情報だけ受け取る

最初は全部の通知をオンにすることをおすすめしましたが、使っているうちに「この通知は邪魔だな」と感じるものが出てくるはずです。

通知が多すぎる時の対処法

1. 特定の通知だけをオフにする

Trelloの Power-Up設定に戻って、不要な通知のチェックを外しましょう。

よくオフにされる通知:

  • カードにメンバーが追加された(頻繁すぎる場合)
  • カードの説明が編集された(細かい変更が多い場合)
  • チェックリストが追加された(プロジェクトによっては不要)

2. 特定のチャンネルにだけ通知する

全体に通知する必要がない場合は、限られたチャンネルだけに通知を送ることができます。

例えば:

  • 開発チームのカードは「#開発」チャンネルにだけ通知
  • 営業チームのカードは「#営業」チャンネルにだけ通知

3. 通知のタイミングを工夫する

Slackには「おやすみモード」があります。集中したい時間帯は通知を止めて、あとでまとめて確認するのも良い方法です。

通知を効果的に使うコツ

重要度で分ける

全ての通知を同じように扱うのではなく、重要度に応じて対応を変えましょう。

すぐに対応が必要:

  • 自分にメンションされた
  • 自分が担当のカードが期限間近
  • 緊急のタグがついた

後で確認すればOK:

  • 他の人のカードの進捗
  • コメントの追加(自分宛でない場合)
  • リストの移動

キーワードで通知を設定

Slackの設定で、特定のキーワードが含まれるメッセージだけ通知するようにできます。

例えば:

  • 「緊急」
  • 「承認お願いします」
  • 自分の名前

これで、本当に重要な通知を見逃さずに済みます。

実践的な活用例:こんな使い方ができる

理論はわかったけど、実際にどう使えばいいの?という疑問にお答えします。

ケース1:カスタマーサポートチーム

課題:
お客様からの問い合わせが、Slackの「#サポート」チャンネルに流れてくるが、対応漏れが発生していた。

解決策:

  1. 問い合わせがSlackに来たら、そのメッセージから即座にTrelloカードを作成
  2. カードには自動的に元のSlackメッセージへのリンクが添付される
  3. 対応が完了したらカードを「完了」リストに移動
  4. Slackに「対応完了」の通知が自動で流れる

効果:

  • 対応漏れゼロ
  • 誰がどの問い合わせを担当しているか一目瞭然
  • 対応履歴が残るので、同じ問い合わせに複数人が対応してしまうミスがない

ケース2:開発チーム

課題:
バグ報告がSlackの会話に埋もれてしまい、修正されないまま忘れられることがあった。

解決策:

  1. バグを発見したら、Slackで報告しつつ /trello add [バグ] ○○が動かない でカードを作成
  2. Trelloのボードは「報告」「確認中」「修正中」「テスト中」「完了」のリストで構成
  3. 各段階に移動するたびに、Slackの「#開発」チャンネルに通知
  4. 週次ミーティングでTrelloボードを見ながら進捗確認

効果:

  • バグの見逃しがなくなった
  • 各バグの現在の状態が明確
  • 誰がどのバグを担当しているか把握できる

ケース3:マーケティングチーム

課題:
複数のキャンペーンが同時進行しており、タスクの優先順位がわからなくなっていた。

解決策:

  1. キャンペーンごとにTrelloボードを作成
  2. 各ボードを対応するSlackチャンネル(#キャンペーンA、#キャンペーンB)にリンク
  3. Slackでアイデアが出たら、その場でTrelloカードに追加
  4. 毎朝、SlackでTrelloボードの期限が近いカードの通知が来る

効果:

  • 情報が散らばらない
  • 期限を守れるようになった
  • チーム全員が各キャンペーンの進捗を把握できる

ケース4:リモートワークチーム

課題:
メンバーが世界中に散らばっており、誰が今何をしているか見えにくい。

解決策:

  1. 朝の作業開始時に、今日やることをSlackから /trello add で追加
  2. 作業が終わったらカードを「完了」に移動(自動でSlackに通知される)
  3. 困っていることがあればカードにコメント(Slackに通知される)
  4. 助けられるメンバーがSlackで反応して協力

効果:

  • 時差があっても状況を把握できる
  • 孤独感が減り、チームとしての一体感が生まれた
  • 進捗報告のための定例ミーティングが不要に

ケース5:イベント運営チーム

課題:
イベント当日までにやるべきタスクが多すぎて、何から手をつけていいかわからない。

解決策:

  1. Trelloで「3ヶ月前」「1ヶ月前」「1週間前」「当日」などのリストを作成
  2. 各タスクに期限を設定
  3. 期限が近づくとSlackに自動通知
  4. タスクが完了したらSlackで「✨ 会場の予約完了!」などメッセージが流れる

効果:

  • タスクの抜け漏れがゼロ
  • チーム全員の士気が上がる(完了通知でお互いを称え合える)
  • イベント当日に慌てることがなくなった

トラブルシューティング:よくある問題と解決方法

連携を使っていると、時々うまくいかないことがあります。よくある問題と解決方法をまとめました。

問題1:「Unable to load user details」エラーが出る

原因:
TrelloとSlackのワークスペース連携に一時的な不具合が発生している。

解決方法:

  1. Trelloのワークスペース設定を開く
  2. Slackとの連携を一度解除する
  3. 15分ほど待つ
  4. もう一度連携し直す

ほとんどの場合、これで解決します。

問題2:Slackアラートが届かなくなった

原因:
Power-Upの設定が変わってしまった、または権限の問題。

解決方法:

  1. Power-Upの設定を確認
  • Trelloボードの Power-Up設定を開く
  • Slackアラートが正しく設定されているか確認
  • 通知先のチャンネルが正しいか確認
  1. Slackの権限を確認
  • TrelloアプリがそのチャンネルにJoinしているか確認
  • していない場合は /invite @Trello で招待し直す
  1. Power-Upを削除して追加し直す
  • 最後の手段として、一度Slack Power-Upを削除
  • もう一度追加して設定し直す

問題3:コマンドが反応しない

症状:
/trello add カード名 と入力しても何も起こらない。

原因:
そのチャンネルがTrelloボードとリンクされていない。

解決方法:

/trello link [ボードのURL]

を実行して、チャンネルとボードをリンクし直しましょう。

問題4:通知が多すぎてウザい

症状:
Slackがずっと通知音が鳴りっぱなしで仕事にならない。

解決方法:

  1. 通知の種類を絞る
  • Trelloの Power-Up設定で、不要な通知のチェックを外す
  • 最低限必要なもの(カードの完了、期限間近など)だけを残す
  1. 通知先チャンネルを変える
  • メインの作業チャンネルではなく、専用の通知チャンネルを作る
  • 例:「#trello-通知」チャンネルを作って、そこに全て流す
  1. Slackのミュート機能を使う
  • そのチャンネル自体をミュートして、時間があるときにまとめてチェック

問題5:個人アカウントのリンクが切れる

症状:
「Trelloアカウントをリンクしてください」と何度も言われる。

原因:
セッションが切れた、またはブラウザのCookieが削除された。

解決方法:

  1. SlackでTrelloアプリを開く
  2. 「ホーム」タブから「Link account」をクリック
  3. もう一度認証する

これで通常は解決します。それでもダメな場合は、ブラウザのキャッシュとCookieをクリアしてから試してみてください。

問題6:Trello側で変更したのにSlackに通知が来ない

チェックポイント:

  1. Power-Upが有効か
  • Trelloボードで Slack Power-Upが追加されているか確認
  1. 通知設定が正しいか
  • その操作(例:カードの移動)が通知対象になっているか確認
  1. ボードの公開設定
  • 非公開のボードの場合、通知が制限されることがある
  • ワークスペース内で共有されているボードか確認
  1. 時間差
  • 通知まで少し時間がかかることがある(通常は数秒〜1分以内)

セキュリティと権限管理

便利な連携ですが、セキュリティも気になりますよね。安全に使うための注意点を説明します。

連携で何が共有されるのか

TrelloとSlackを連携すると、以下の情報がやり取りされます。

Slackから見えるTrello情報:

  • ワークスペース内で共有されているボードの内容
  • カードのタイトル、説明、コメント
  • 担当者、期限、チェックリスト

Trelloから見えるSlack情報:

  • 連携を許可したチャンネルの情報
  • メッセージの内容(カードに変換した場合のみ)

非公開情報の扱い

重要:
TrelloアプリはSlackで「非公開のボード」の詳細を表示しません。

つまり、個人的なタスクや機密プロジェクトのボードは、たとえTrelloのURLをSlackに貼り付けても、内容が展開されることはありません。

権限の管理

Slackでの権限:

  • ワークスペース管理者:Trelloアプリの追加・削除ができる
  • 一般メンバー:自分のアカウントをリンクできる、コマンドを使える

Trelloでの権限:

  • ワークスペース管理者:Slackとのワークスペース連携を設定できる
  • ボードメンバー:そのボードに関する通知を受け取れる

安全に使うためのベストプラクティス

1. 最小権限の原則

必要なチャンネルにだけTrelloアプリを招待しましょう。全チャンネルに追加する必要はありません。

2. 機密情報は別管理

本当に機密性の高い情報は、TrelloとSlackの両方で「制限付きボード」や「プライベートチャンネル」を使いましょう。

3. 定期的な見直し

3ヶ月に1回程度、以下を確認すると良いでしょう:

  • 退職したメンバーがまだアクセス権を持っていないか
  • 使われていないボードや連携がないか
  • 権限設定が適切か

4. チーム内でルールを決める

「どの情報をSlackで共有していいか」をチーム内で明確にしておくと、トラブルを防げます。

まとめ

TrelloとSlackの連携は、最初の設定こそ必要ですが、一度セットアップしてしまえば大きな生産性向上が期待できます。

この記事で学んだこと

基本知識:

  • TrelloとSlackを連携すると、アプリ間の行き来が不要になる
  • 作業時間の短縮、報告漏れの防止、透明性の向上などのメリットがある

設定方法:

  • Trelloアプリを使った基本的な連携(SlackからTrelloを操作)
  • Slack Power-Upを使った通知設定(TrelloからSlackへの通知)

実践的な使い方:

  • /trello add などのコマンドでカードを簡単に追加
  • メッセージから直接カードを作成
  • 通知をカスタマイズして必要な情報だけ受け取る

トラブルシューティング:

  • よくある問題とその解決方法
  • セキュリティと権限の管理

次のステップ

この記事を読んだら、実際に手を動かしてみましょう。

今日やること:

  1. TrelloとSlackのワークスペースをリンクする
  2. 1つのチャンネルで試してみる
  3. 簡単なテストカードを作ってみる

1週間以内にやること:

  1. チーム全体に使い方を共有する
  2. よく使うプロジェクトで本格的に運用開始
  3. 通知設定を最適化する

1ヶ月後にやること:

  1. チームで振り返りをする
  2. もっと効率的な使い方を探る
  3. 他のツールとの連携も検討してみる

さいごに

TrelloとSlackの連携は、単なる「便利なツール」以上のものです。

チームのコミュニケーションの質を上げ、情報の透明性を高め、みんなが同じゴールに向かって進んでいる実感を得られるようになります。

「タスク管理がうまくいかない」「情報が散らばって困っている」という悩みを持っているなら、ぜひこの連携を試してみてください。

最初の10分の設定が、これからの働き方を大きく変えてくれるはずです。

頑張ってください!

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