iPadでChromeを使ってWebサイトを見ているとき、「画面全体を使って表示したい」「ツールバーが邪魔だな」と感じたことはありませんか?
動画を見るときや、記事を読むとき、プレゼンテーションを表示するときなど、できるだけ広い画面で表示したいシーンは意外と多いですよね。
この記事では、iPadのChromeで全画面表示(またはそれに近い表示)を実現する方法をわかりやすく解説します。注意点や制限もあるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
iPadのChromeでは「完全な全画面表示」はできない

まず最初に知っておいてほしい重要なポイントがあります。
実は、iPadのChromeでは、PCのような完全な全画面表示(フルスクリーンモード)は基本的にできません。
なぜできないの?
理由は、iOSの仕組みにあります。
iPadを含むiOS端末では、Appleが提供するブラウザエンジン(WebKit)を使うことが義務付けられています。つまり、ChromeもSafariも、内部では同じエンジンで動いているんです。
そのため、Safariでできないことは、基本的にChromeでもできません。
そして、iOS版のSafariには、アドレスバーやツールバーを完全に消す「フルスクリーンモード」が用意されていないため、Chromeでも実現できないというわけです。
でも、似たようなことはできる!
完全な全画面表示はできませんが、ツールバーを自動的に隠すことで、画面を広く使うことは可能です。
次のセクションから、具体的な方法を見ていきましょう。
方法1:スクロールでツールバーを自動的に隠す
ChromeでWebページを見ているとき、上にスクロールするとツールバーが自動的に隠れて、画面が広く使えるようになります。
手順
ステップ1:Chromeアプリを開く
iPadでChromeアプリを起動し、見たいWebサイトを開きます。
ステップ2:上にスクロールする
画面を上方向にスクロール(指を下から上に動かす)します。
すると、画面上部のアドレスバーやツールバーが徐々に縮小し、最終的には画面外に隠れます。
ステップ3:ツールバーを表示したいときは下にスクロール
ツールバーを再び表示させたいときは、少しだけ下にスクロール(指を上から下に動かす)すれば、自動的にツールバーが現れます。
この方法のメリット
- 特別な設定が不要
- 自然な操作で実現できる
- 必要なときはすぐにツールバーを呼び出せる
この方法の注意点
- 完全にツールバーが消えるわけではなく、「隠れる」だけ
- iOSのステータスバー(時計や電池残量が表示される部分)は残る
- すべてのWebサイトで同じように動作するとは限らない
方法2:動画を全画面表示にする
動画を見る場合は、しっかりとした全画面表示が可能です。
YouTube動画の場合
ステップ1:動画を開く
ChromeでYouTubeを開き、見たい動画を再生します。
ステップ2:全画面ボタンをタップ
動画プレーヤーの右下にある全画面ボタン(四角に矢印が出ているアイコン)をタップします。
ステップ3:画面が横向きの全画面になる
iPadが横向きになり、動画が画面全体に表示されます。
ツールバーやアドレスバーも完全に隠れます。
ステップ4:全画面を解除する
画面をタップすると操作ボタンが表示されるので、もう一度全画面ボタンをタップすれば元に戻ります。
埋め込み動画やHTML5動画の場合
多くの動画プレーヤーには全画面ボタンが用意されています。
動画を再生して、プレーヤー内の全画面ボタンを探してタップしましょう。
方法3:Split ViewやSlide Overを解除する
「Chromeが画面の一部にしか表示されない」という場合、Split ViewやSlide Overという機能が有効になっている可能性があります。
Split Viewを解除する方法
Split Viewは、画面を分割して2つのアプリを同時に表示する機能です。
手順
- 画面中央の仕切り線を探す
2つのアプリの間に、縦の仕切り線があります。 - 仕切り線を左端または右端までドラッグ
指で仕切り線を掴んで、左端または右端まで引っ張ります。 - フルサイズに戻る
片方のアプリが画面全体に表示されるようになります。
Slide Overを解除する方法
Slide Overは、画面の端に小さなウィンドウでアプリを表示する機能です。
手順
- ウィンドウの上部のグレーのバーを下にドラッグ
小さく表示されているChromeウィンドウの一番上にある灰色のバーを、下方向に引っ張ります。 - Dockに戻る
ウィンドウが下のDockに格納されます。 - 必要ならもう一度Chromeを開く
Dockや他の場所から、通常通りChromeを開き直せば、フルサイズで表示されます。
方法4:ホーム画面に追加して疑似的な全画面表示(Safariの場合)
Chromeではできませんが、Safariを使えば、特定のWebサイトをホーム画面に追加して、アプリのように全画面表示できます。
手順
ステップ1:SafariでWebサイトを開く
iPadのSafariアプリで、全画面表示したいWebサイトを開きます。
ステップ2:共有ボタンをタップ
画面上部の共有ボタン(四角に上向き矢印のアイコン)をタップします。
ステップ3:「ホーム画面に追加」を選択
表示されるメニューから「ホーム画面に追加」を選びます。
ステップ4:名前を付けて追加
ホーム画面に表示されるアイコンの名前を入力して、「追加」をタップします。
ステップ5:ホーム画面からアイコンをタップ
ホーム画面に追加されたアイコンをタップすると、そのWebサイトがアプリのように開き、Safariのツールバーが表示されない状態で閲覧できます。
この方法の注意点
- Chromeではこの方法は使えません(Safariのみ)
- Webサイト側が特定のメタタグ(
apple-mobile-web-app-capable)を設定している必要がある - すべてのWebサイトで完璧に動作するわけではない
- iOSのステータスバーは残る場合がある
各ブラウザの全画面表示対応状況
iPadで使える主要なブラウザの全画面表示機能を比較してみましょう。
Chrome
- スクロールでツールバーを隠す機能: ○
- 完全なフルスクリーン: ×
- 動画の全画面表示: ○
Safari
- スクロールでツールバーを隠す機能: ○
- 完全なフルスクリーン: △(ホーム画面追加で疑似対応)
- 動画の全画面表示: ○
その他のブラウザ
一部のサードパーティブラウザ(Mercury、Puffin、Atomicなど)は、独自の全画面表示機能を持っている場合があります。
ただし、これらも完全にツールバーを消せるわけではなく、制限があることが多いです。
よくある質問

Q1. PCのChromeみたいに、F11キーのような全画面ショートカットはないの?
A. iPadには、PCのF11キーに相当するショートカットはありません。
iPadは主にタッチ操作を前提としているため、キーボードショートカットでの全画面切り替えは用意されていないんです。
Q2. 縦向きでも全画面表示できる?
A. スクロールでツールバーを隠す機能は、縦向き(ポートレート)でも横向き(ランドスケープ)でも動作します。
ただし、動画の全画面表示は通常、横向きで表示されることが多いです。
Q3. 全画面表示にしたら戻せなくなった!
A. ほとんどの場合、画面をタップするか、少し下にスクロールすれば、ツールバーや操作ボタンが再び表示されます。
動画の全画面表示の場合は、画面をタップしてから全画面解除ボタン(×印や縮小アイコン)を探しましょう。
Q4. プレゼンテーションを全画面で表示したい
A. プレゼンテーション用のアプリ(Keynote、PowerPoint、Google スライドなど)を使うのが最も確実です。
これらのアプリには専用の全画面表示機能が用意されています。
Webブラウザで表示する必要がある場合は、スクロールでツールバーを隠す方法か、ホーム画面に追加する方法(Safariのみ)を試してみてください。
Q5. iPadOSのバージョンによって挙動が違う?
A. はい、iPadOSのバージョンによって、ブラウザの表示や挙動が少し変わることがあります。
最新のiPadOSにアップデートすることで、より快適に使えることもあるので、アップデートを検討してみてください。
iPadで全画面表示を最大限活用するコツ
完全な全画面表示はできませんが、次のようなコツで快適に使えます。
コツ1:横向き(ランドスケープ)で使う
iPadを横向きにすると、画面の縦方向のスペースが限られるため、ツールバーを隠すことで相対的に表示面積が大きく増えます。
記事を読むときや、動画を見るときは、横向きがおすすめです。
コツ2:「リーダー表示」を活用する(Safari)
Safariには「リーダー表示」という機能があり、記事を読みやすい形式で表示してくれます。
広告やサイドバーが消えるので、より集中して読めますよ。
Chromeには標準でこの機能がありませんが、拡張機能や他のブラウザで似た機能が使えます。
コツ3:Split Viewで2つのサイトを並べて表示
全画面ではなく、あえてSplit Viewを使って、2つのWebサイトを並べて表示するのも便利です。
資料を見ながら別の作業をするときなどに活用できます。
コツ4:動画専用アプリを使う
YouTubeなどの動画を見る場合は、専用アプリを使うのがおすすめです。
専用アプリなら、より快適な全画面表示が可能ですし、バックグラウンド再生などの機能も使えます。
まとめ
iPadのChromeで完全な全画面表示はできませんが、次の方法で画面を広く使えます。
- スクロールでツールバーを隠す
上にスクロールするとツールバーが自動的に隠れる(最も手軽) - 動画の全画面表示を使う
動画プレーヤーの全画面ボタンで完全な全画面表示が可能 - Split ViewやSlide Overを解除する
画面分割機能が誤って有効になっている場合は解除する - ホーム画面に追加する(Safariのみ)
疑似的な全画面表示が可能(対応サイト限定)
iOSの制限により、PCのような完全なフルスクリーンモードは使えませんが、これらの方法を組み合わせることで、十分快適にWebサイトを閲覧できます。
動画を見るとき、記事を読むとき、プレゼンを表示するときなど、状況に応じて使い分けてみてください!

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