メールソフトを使っていて、「ポップアウト」という言葉を見かけたことはありませんか?
「ポップアウトって何?」「どうやって使うの?」「使うと何が便利なの?」
こんな疑問をお持ちの方も多いと思います。
実は、ポップアウトはメールを効率的に使うための超便利な機能なんです。一度使い方を覚えると、もう手放せなくなりますよ。
この記事では、メールのポップアウト機能について、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。具体的な使い方から、各メールソフト(Outlook、Gmail、Thunderbirdなど)での設定方法まで、詳しくご紹介しますね。
ポップアウトとは?分かりやすく解説

ポップアウトの意味
ポップアウト(Pop Out) とは、メールを別の独立したウィンドウで開く機能のことです。
英語の「Pop out」は「飛び出す」という意味で、メイン画面から「飛び出して」別ウィンドウになるイメージですね。
普通の表示との違い
通常の表示(インライン表示):
- メールソフトの画面内で返信・転送を作成
- 元のメールが隠れてしまう
- 一つの画面でしか作業できない
ポップアウト表示:
- 別の独立したウィンドウで返信・転送を作成
- 元のメールを見ながら作業できる
- 複数のメールを同時に開ける
つまり、ポップアウトを使えば、元のメールを見ながら返信を書けるんです。これがとても便利なんですよ。
どんな時に使うの?
具体例1:日程調整のメール
相手から「以下の日程の中から都合の良い日を教えてください」というメールが来たとします。
- 通常表示:返信画面と候補日のリストを何度も行ったり来たり…
- ポップアウト:元のメールで候補日を見ながら、返信画面で日程を入力できる
具体例2:複雑な質問への回答
お客様から長い質問メールが届いた時:
- 通常表示:質問内容を確認→返信画面→また質問確認→返信画面…
- ポップアウト:質問メールを見ながら、返信画面で一つずつ丁寧に回答
具体例3:資料を参照しながら返信
添付ファイルや過去のメールを確認しながら返信したい時:
- 通常表示:何度も画面を切り替える必要がある
- ポップアウト:複数のウィンドウを並べて同時に確認できる
ポップアウトのメリット
メリット1:作業効率が大幅アップ
時間の節約:
- 画面の切り替えが不要
- スクロールの手間が減る
- 同時に複数のメールを処理できる
実際に使ってみると、メール処理のスピードが格段に上がることを実感できますよ。
メリット2:ミスが減る
正確性の向上:
- 元のメールを確認しながら返信できる
- 日付や数字の転記ミスが減る
- 質問の見落としがなくなる
特にビジネスメールでは、正確さが重要です。ポップアウトを使えば、確認しながら作業できるので安心ですね。
メリット3:複数のメールを同時に処理
マルチタスクが可能:
- メールAを書きながら、メールBの内容を確認
- 複数の返信を並行して作成
- 緊急のメールが来ても、作成中のメールを保ちながら対応
忙しい時でも、効率的にメール処理ができます。
メリット4:画面を広く使える
作業スペースの確保:
- 返信画面を大きく表示できる
- 複数のモニターを活用できる
- 見やすい位置に配置できる
特に長いメールを書く時は、広い画面で作業できると楽ですよね。
Outlookでポップアウトを使う方法
Outlookは、ビジネスシーンで最もよく使われるメールソフトの一つです。ポップアウト機能も充実していますよ。
手動でポップアウトする方法
方法1:ポップアウトボタンを使う
- メールの「返信」または「転送」をクリック
- 返信画面が表示されます
- 画面右上にある「ポップアウト」ボタンをクリック
- 別ウィンドウで返信画面が開きます
方法2:ダブルクリックする
- 受信トレイでメールを選択
- そのメールをダブルクリック
- メールが別ウィンドウで開きます
- 「返信」ボタンをクリック
- 返信画面も別ウィンドウで開きます
方法3:ショートカットキーを使う
- メールを選択した状態で「Enter」キーを押す
- メールが別ウィンドウで開きます
キーボード操作だけで素早く開けるので、慣れると便利です。
自動でポップアウトする設定
毎回手動でポップアウトさせるのは面倒ですよね。実は、常に自動でポップアウトするように設定できるんです。
設定手順:
ステップ1:オプションを開く
- Outlookを起動
- 画面左上の「ファイル」をクリック
- 左側のメニューから「オプション」を選択
ステップ2:メール設定を変更
- 「Outlookのオプション」ウィンドウが開きます
- 左側のメニューから「メール」をクリック
- 画面を下にスクロール
ステップ3:返信/転送の設定
- 「返信/転送」というセクションを探します
- 「返信と転送を新しいウィンドウで開く」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
これで完了です!次回から、返信や転送をクリックすると自動的に別ウィンドウで開くようになります。
Outlookのバージョン別の注意点
Outlook 2013以降:
- デフォルトでは、返信画面が閲覧ウィンドウ内に表示されます
- 上記の設定で簡単にポップアウトに変更できます
Outlook 2010以前:
- デフォルトで別ウィンドウで開く設定になっていることが多いです
- 設定場所は同じです
Outlook for Mac:
- 基本的な操作は同じですが、メニュー名が若干異なる場合があります
- 「環境設定」から設定を変更します
Gmailでポップアウトを使う方法
Gmailでもポップアウト機能が使えます。ただし、Outlookとは少し操作方法が異なりますよ。
返信をポップアウトする方法
方法1:Shiftキーを使う(最も簡単)
- 返信したいメールを開く
- 「Shift」キーを押しながら「返信」ボタンをクリック
- 返信画面が小さなウィンドウで表示されます
この方法が一番簡単でおすすめです。
方法2:メニューから選択
- 返信したいメールを開く
- 通常通り「返信」をクリック
- インライン返信画面が表示されます
- 返信画面の右下にある「▼」(その他のオプション)をクリック
- メニューから「ポップアウト返信」を選択
方法3:キーボードショートカット
- メールを選択
- 「Shift + R」を押す(返信の場合)
- 「Shift + A」を押す(全員に返信の場合)
キーボードだけで操作できるので、慣れると速いです。
新規メールをポップアウトする方法
方法1:Shiftキーを使う
- 「Shift」キーを押しながら「作成」ボタンをクリック
- 画面中央に大きな作成ウィンドウが開きます
方法2:作成後にポップアウト
- 通常通り「作成」をクリック
- 画面右下に小さな作成ウィンドウが表示されます
- ウィンドウ右上の「□」(全画面表示)アイコンをクリック
- さらに「↗」(新しいウィンドウで開く)をクリック
Gmailで常にポップアウトする設定
残念ながら、Gmailには「常にポップアウトする」という標準設定はありません。
代替手段:
- Chrome拡張機能を使う
- 「Gmail Auto Pop Out Reply」などの拡張機能をインストール
- 自動的にポップアウトするようになります
- Shiftキーを習慣化する
- Shiftキーを押しながらクリックする習慣をつける
- 慣れると自然にできるようになります
- クラシックなメール作成に戻す
- 設定から変更できる場合があります
- ただし、新しい機能が使えなくなることもあります
その他のメールソフトでの使い方

Thunderbird(サンダーバード)
Mozilla Thunderbirdでもポップアウト機能が使えます。
手動でポップアウト:
- メールをダブルクリック
- 別ウィンドウでメールが開きます
- 「返信」をクリック
- 返信画面も別ウィンドウで開きます
設定で変更:
- ツール→オプション(またはツール→アカウント設定)
- 「編集とアドレス入力」
- 「新規メッセージの作成を別ウィンドウで行う」を選択
Apple Mail(Mac標準メール)
ポップアウトの方法:
- メールを選択
- メールをダブルクリック
- 別ウィンドウでメールが開きます
- 「返信」をクリック
Macの場合、デフォルトで別ウィンドウが開く設定になっていることが多いです。
Yahoo!メール
Webブラウザ版:
- メールを開く
- 「返信」をクリック
- 返信画面の右上にある「新しいウィンドウで開く」アイコンをクリック
Yahoo!メールアプリ:
アプリ版では、ポップアウト機能は限定的です。
Outlook.com(Web版Outlook)
ポップアウトの方法:
- メールを開く
- 「返信」をクリック
- 返信画面の右上「新しいウィンドウで開く」をクリック
デスクトップアプリ版とは若干操作が異なります。
ポップアウトの便利な活用術
活用術1:複数のメールを並べて表示
シーン:
複数の人からの日程調整メールに一括で返信する時
やり方:
- メールAをポップアウトして返信画面を開く
- メールBもポップアウトして返信画面を開く
- メールCもポップアウト
- 3つのウィンドウを並べて配置
- 全員の都合を確認しながら日程を調整
これで、行ったり来たりせずに効率的に作業できます。
活用術2:マルチモニターでの活用
シーン:
デュアルモニター(2つの画面)を使っている場合
やり方:
- メインモニターにメールソフトの受信トレイを表示
- サブモニターにポップアウトした返信画面を表示
- メインで次々にメールを確認
- サブで落ち着いて返信を作成
作業スペースが広がって、とても快適です。
活用術3:下書きの管理
シーン:
複数のメールを同時に下書きとして保存したい時
やり方:
- メールAの返信をポップアウトで作成
- 途中まで書いて、そのまま別ウィンドウとして残しておく
- メールBの返信もポップアウトで作成
- 複数の下書きを並行して作業
緊急のメールが来ても、作成中のメールを失わずに対応できます。
活用術4:資料を見ながら返信
シーン:
Excelファイルやブラウザの情報を参照しながらメール作成
やり方:
- 参照したい資料(Excel、Word、ブラウザなど)を開く
- メールをポップアウトして返信画面を開く
- 両方のウィンドウを見やすく配置
- 資料を確認しながら正確にメールを作成
数字や情報の転記ミスを防げます。
活用術5:長いメールスレッドの管理
シーン:
何度もやり取りしている長いメールスレッド
やり方:
- メールスレッド全体をポップアウトで開く
- 別ウィンドウで返信画面をポップアウト
- スレッドをスクロールして過去のやり取りを確認
- 返信画面で漏れなく対応
過去の経緯を確認しながら、的確な返信ができます。
よくある質問と回答
Q1:ポップアウトとポップアップの違いは?
ポップアウト(Pop Out):
- メールを別ウィンドウで開く機能
- ユーザーが意図的に操作する
- 便利な機能として使われる
ポップアップ(Pop Up):
- 自動的に開く小さなウィンドウ
- 広告などで使われることが多い
- ブロックされることもある
メールソフトでは「ポップアウト」という言葉が正しいです。
Q2:スマートフォンでもポップアウトは使える?
残念ながら、スマートフォンやタブレットのメールアプリでは、ポップアウト機能はほとんど使えません。
理由:
- 画面が小さいため、複数ウィンドウの同時表示が難しい
- モバイルOSの仕様上、ウィンドウの概念が異なる
ただし、一部のAndroidタブレットでは、分割画面機能を使えば似たようなことができる場合があります。
Q3:ポップアウトしたウィンドウが見つからない
対処法:
- タスクバーを確認
- Windowsの場合、タスクバーにアイコンが表示されています
- クリックするとウィンドウが前面に表示されます
- Alt + Tab で切り替え
- キーボードの「Alt」を押しながら「Tab」を押す
- 開いているウィンドウが表示されるので、選択します
- 画面外に隠れている可能性
- ウィンドウを画面外に移動してしまった場合
- ウィンドウのタイトルバーを右クリック→「移動」→矢印キーで移動
Q4:ポップアウトのサイズを変更できる?
はい、できます。
方法:
- ウィンドウの端をマウスでドラッグ
- 好きなサイズに調整
- 次回からは、最後のサイズが記憶されることが多いです
メールソフトによっては、サイズや位置が自動的に保存されます。
Q5:ポップアウトを元に戻せる?
Outlookの場合:
設定画面から「返信と転送を新しいウィンドウで開く」のチェックを外せば、元の表示に戻ります。
Gmailの場合:
Shiftキーを押さずにクリックすれば、通常のインライン表示になります。
Q6:複数のポップアウトウィンドウを一度に閉じられる?
Windows:
タスクバーのメールソフトのアイコンを右クリック→「すべてのウィンドウを閉じる」
Mac:
Command + Q でアプリ全体を終了できます。
Q7:ポップアウトのショートカットキーは?
Outlook:
- Enter:選択したメールを別ウィンドウで開く
- Ctrl + N:新しいメールを作成(別ウィンドウ)
- Ctrl + R:返信(設定により別ウィンドウ)
Gmail:
- Shift + R:返信をポップアウト
- Shift + A:全員に返信をポップアウト
- Shift + C:新規メールをポップアウト
Q8:ポップアウトが勝手に閉じてしまう
原因と対処:
- 自動保存機能
- 多くのメールソフトは、一定時間操作がないと下書きに保存されます
- 意図的な動作なので問題ありません
- エラーが発生
- メールソフトを再起動してみましょう
- 下書きフォルダに保存されていることが多いです
- メモリ不足
- パソコンのメモリが少ない場合、強制終了することがあります
- 他のアプリを閉じて、メモリを確保しましょう
トラブルシューティング
ケース1:ポップアウトボタンが表示されない
Outlookの場合:
- ビュー設定を確認
- 表示→ビューの変更→コンパクトまたはシングルに設定
- バージョンを確認
- 古いバージョンでは表示が異なる場合があります
- 最新版へのアップデートを検討しましょう
Gmailの場合:
- ブラウザのキャッシュをクリア
- 設定→プライバシーとセキュリティ→閲覧履歴データの削除
- 別のブラウザで試す
- Chrome、Firefox、Edgeなどで動作を確認
ケース2:設定を変更したのにポップアウトしない
確認ポイント:
- 設定の保存を確認
- 設定変更後、必ず「OK」または「保存」をクリックしましたか?
- メールソフトの再起動
- 一度完全に終了してから、再度起動してみましょう
- 複数のアカウント
- アカウントごとに設定が異なる場合があります
- すべてのアカウントで設定を確認しましょう
ケース3:ポップアウトウィンドウが小さすぎる/大きすぎる
調整方法:
- ウィンドウの端をドラッグしてサイズ変更
- ウィンドウを閉じる
- 次回から、新しいサイズが適用されます
それでもダメな場合:
設定ファイルがおかしくなっている可能性があります。メールソフトをいったん完全にアンインストールして、再インストールすると直ることがあります(データのバックアップを忘れずに)。
ケース4:ポップアウトが画面外に表示される
対処法:
- Windowsの場合:
- タスクバーのアイコンを右クリック
- 「移動」を選択
- 矢印キー(↑↓←→)でウィンドウを移動
- Macの場合:
- Command + Option + Mでウィンドウを最小化
- ドックから再度開く
ケース5:ポップアウトの動作が重い
改善方法:
- 不要なメールを削除
- 受信トレイが多すぎると動作が重くなります
- 添付ファイルの削除
- 送信済みアイテムの添付ファイルを整理
- メールソフトの修復
- Outlookの場合:コントロールパネル→プログラム→修復
- パソコンのメモリを確認
- 他のアプリを閉じてメモリを確保
まとめ
メールのポップアウト機能について解説してきました。
もう一度、重要なポイントをおさらいしましょう:
ポップアウトとは
- メールを別の独立したウィンドウで開く機能
- 元のメールを見ながら返信・転送ができる
- 複数のメールを同時に処理できる
主なメリット
- 作業効率が大幅アップ
- ミスが減って正確性が向上
- マルチタスクが可能
- 画面を広く使える
Outlookでの使い方
- 手動:ポップアウトボタン、ダブルクリック、Enterキー
- 自動:ファイル→オプション→メール→「返信と転送を新しいウィンドウで開く」にチェック
Gmailでの使い方
- 返信:Shift + クリック、または Shift + R
- 新規メール:Shift + C
- 自動化:Chrome拡張機能の利用
便利な活用術
- 複数のメールを並べて表示
- マルチモニターでの活用
- 下書きの管理
- 資料を見ながら返信
- 長いメールスレッドの管理
よくあるトラブル対処
- ボタンが表示されない→ビュー設定を確認
- 設定が反映されない→再起動を試す
- ウィンドウが見つからない→Alt + Tab で探す
- 動作が重い→不要なメールを削除
ポップアウトを使いこなすコツ
初心者の方へ
まずは、以下のステップで慣れていきましょう:
ステップ1:手動で試す
- いきなり自動設定にせず、まずは手動でポップアウトを使ってみる
- 使い勝手を確認する
ステップ2:便利だと感じたら自動化
- ポップアウトが便利だと思ったら、自動設定にする
- Outlookなら設定を変更するだけ
ステップ3:ショートカットキーを覚える
- Shift + クリックなどのショートカットを覚える
- さらに効率アップ
上級者向けの使い方
マルチモニター環境での最適化:
- メインモニター:受信トレイと閲覧
- サブモニター:ポップアウトした返信画面
- 第3モニター:参照資料やブラウザ
キーボードだけで操作:
- 矢印キーでメール選択
- Enterキーでポップアウト
- Shift + Enterで返信をポップアウト
- Ctrl + Enterで送信
マウスを使わずに、すべてキーボードで完結できます。
関連用語解説
インライン表示:
メールソフトのメイン画面内で、返信や転送を作成する表示方法。ポップアウトの対義語として使われます。
閲覧ウィンドウ(読み取りウィンドウ):
メールの内容を表示する領域。受信トレイの右側や下側に表示されることが多いです。
リボン:
Outlookなどのメールソフトで、画面上部に表示されるツールバー。「返信」「転送」などのボタンが配置されています。
新しいウィンドウ:
ポップアウトと同じ意味で使われることがあります。「別ウィンドウ」「独立ウィンドウ」とも呼ばれます。
ショートカットキー:
キーボードのキーの組み合わせで、特定の操作を実行する機能。効率的な作業に欠かせません。
マルチモニター(デュアルモニター):
複数のディスプレイを接続して、作業スペースを広げる環境。ポップアウト機能と相性が良いです。
メールスレッド:
同じ件名で続いている一連のメールのこと。「会話」「スレッド表示」とも呼ばれます。
下書き:
作成途中のメールを一時保存する機能。ポップアウトしたまま他の作業をしても、自動的に保存されることが多いです。
Chrome拡張機能:
Google Chromeブラウザに追加できる機能。Gmailの動作をカスタマイズできます。
ポップアウト機能を上手に使いこなせば、メール処理の効率が格段に上がります。ぜひ試してみてくださいね!
最初は慣れないかもしれませんが、一度使い始めると「なんで今まで使わなかったんだろう」と思うはずですよ。
快適なメールライフをお過ごしください!

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