Androidスマホで文字入力をする時、「ガラケーのように同じキーを何度も押して入力したい」と思ったことはありませんか?その入力方法は「トグル入力」と呼ばれ、Androidでも設定できます。
この記事では、Androidでトグル入力を設定する方法を詳しく解説します。主要なキーボードアプリ(Gboard、Galaxyキーボード、ATOKなど)ごとの設定手順も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
トグル入力とは?

まずは、トグル入力の基本について説明します。
トグル入力の仕組み
トグル入力とは、同じキーを複数回押すことで、そのキーに割り当てられた文字を順番に表示する入力方法です。
例:「お」と入力する場合
「あ」のキーを5回タップ
「あ」→「い」→「う」→「え」→「お」
例:「く」と入力する場合
「か」のキーを3回タップ
「か」→「き」→「く」
この入力方法は、従来のガラケー(フィーチャーフォン)と同じなので、「ケータイ入力」「ケータイ打ち」「マルチタップ」「5タッチ」とも呼ばれます。
トグル入力の特徴
メリット:
- ガラケーと同じ操作なので、ガラケーユーザーには馴染みやすい
- 直感的に操作できる
- 画面を見なくても、ある程度入力できる
- フリック操作が苦手な人でも使いやすい
デメリット:
- 同じ行の文字(「あ」「い」「う」「え」「お」など)を入力するのに時間がかかる
- タップ回数が多くなり、長文入力では疲れる
- フリック入力に比べて入力速度が遅い
フリック入力とトグル入力の違い
フリック入力とは
フリック入力は、キーをタップして、そのまま指を上下左右にスライド(フリック)させて文字を入力する方法です。
例:「お」と入力する場合
「あ」のキーをタップして、下にフリック(1回の動作)
例:「く」と入力する場合
「か」のキーをタップして、上にフリック(1回の動作)
入力回数の比較
「こんにちは」を入力する場合の比較:
トグル入力:
- こ:「か」を3回
- ん:「な」を6回
- に:「な」を2回
- ち:「た」を2回
- は:「は」を1回
- 合計:14回タップ
フリック入力:
- こ:「か」を上にフリック(1回)
- ん:「わ」を左にフリック(1回)
- に:「な」を右にフリック(1回)
- ち:「た」を右にフリック(1回)
- は:「は」をタップ(1回)
- 合計:5回の操作
このように、フリック入力の方が圧倒的に少ない操作回数で入力できます。
どちらを使うべき?
トグル入力がおすすめな人:
- ガラケーからの乗り換えで、フリック入力に慣れない人
- 画面を見ずに文字入力したい人
- スマホの画面が小さくて、フリック操作が難しい人
フリック入力がおすすめな人:
- 素早く文字入力したい人
- 長文を入力することが多い人
- これからスマホに慣れていきたい人
基本的には、フリック入力の方が効率的なので、時間がある時に練習してフリック入力に慣れることをおすすめします。ただし、どちらが正解というわけではないので、自分に合った入力方法を選びましょう。
Androidでトグル入力を使う方法
Androidでは、使用しているキーボードアプリによって設定方法が異なります。
【重要】12キー配列が必要
トグル入力を使うには、キーボードが「12キー配列」(テンキー配列)になっている必要があります。
12キー配列とは:
「あかさたな」などのひらがなが、ガラケーのように12個のキーに配置されたキーボード
QWERTY配列とは:
パソコンのキーボードと同じように、すべての文字が並んだキーボード
トグル入力は12キー配列でのみ使用できるので、まずはキーボードを12キー配列に切り替えましょう。
キーボード配列の切り替え方法
方法1:キーボード上で切り替え
- 文字入力画面を開く(メモアプリやLINEなど)
- キーボードの左下または右下にある「あa」や言語切り替えボタンを長押し
- 表示されたメニューから「12キー」または「テンキー」を選択
方法2:設定から切り替え
後述する各キーボードアプリの設定方法を参照してください。
Gboard(Google日本語入力)でトグル入力を設定する
Gboardは、Googleが提供する無料のキーボードアプリで、多くのAndroidスマホに標準搭載されています。
Gboardでの設定方法
トグル入力とフリック入力の両方を使う設定:
- 「設定」アプリを開く
- 「システム」をタップ
- 「言語と入力」をタップ
- 「仮想キーボード」または「画面キーボード」をタップ
- 「Gboard」をタップ
- 「言語」をタップ
- 「日本語」をタップ(すでに追加されている場合)
- 「12キー」をタップ
- 「フリックのみ」がオフになっているか確認
「フリックのみ」がオフの状態では:
- フリック入力もできる
- トグル入力もできる
- 両方の入力方法を自由に使い分けられる
トグル入力のみに設定する方法
フリック入力を完全に無効にしたい場合:
- 上記の手順8まで進む
- 「12キー」の設定で「フリックのみ」をオフのままにする
- 「トグル入力を有効にする」などのオプションがある場合はオンにする
注意:Gboardでは、完全にフリック入力を無効にする設定はありません。フリックのみをオフにすることで、トグル入力も使えるようになります。
Gboardでのキーボード配列の切り替え
文字入力中に切り替える:
- キーボードの左下にある「あa」を長押し
- 「テンキー(12キー)」または「QWERTY」を選択
または:
- キーボード上部の歯車アイコン(設定)をタップ
- 「言語」→「日本語」→使いたいキーボード配列を選択
Galaxy(Samsungキーボード)でトグル入力を設定する

GalaxyシリーズのスマホにプリインストールされているSamsungキーボードの設定方法です。
Galaxyでの設定方法(トグル入力有効)
手順:
- 文字入力画面を開く
- キーボードの歯車アイコン(設定)をタップ
- 「言語とタイプ」をタップ
- 「日本語」をタップ
- 「入力方法」で「テンキーフリック」または「テンキー」を選択
- 「フリック入力のみ」をオフにする
または:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般管理」をタップ
- 「キーボードリストと規定値」をタップ
- 「Samsungキーボード」をタップ
- 「言語とタイプ」をタップ
- 「日本語」→「入力方法」で設定
Galaxyでトグル入力のみに設定
- 上記の手順5まで進む
- 「入力方法」で「テンキーフリックなし」を選択
この設定では、自動的にトグル入力のみになり、フリック入力は無効になります。
トグル入力の自動カーソル移動設定
トグル入力で同じ行の文字(例:「あ」の次に「い」)を連続入力する際、自動的にカーソルが移動する時間を設定できます。
- Samsungキーボードの設定を開く
- 「入力オプション」をタップ
- 「自動カーソル移動」をタップ
- カーソルが移動するまでの時間を設定(0.5秒〜2秒)
ATOK(エイトック)でトグル入力を設定する
ATOKは、ジャストシステムが提供する有料のキーボードアプリで、変換精度が高いことで人気です。
ATOKでの設定方法
トグル入力を有効にする:
- ATOKの設定を開く(キーボード上の設定アイコンをタップ)
- 「入力補助」をタップ
- 「テンキーの設定」をタップ
- 「トグル入力」をタップ
- 「ジェスチャー/フリック入力時にもケータイ入力を有効にする」をオンにする
ATOKの自動カーソル移動設定
- 「トグル入力」の設定画面で「自動カーソル移動を行う」をオンにする
- カーソルが移動するまでの時間を設定(0.5秒、1秒、1.5秒、2秒から選択)
時間の目安:
- 0.5秒:素早く入力したい人向け
- 1秒:標準的な設定
- 1.5秒〜2秒:ゆっくり入力したい人向け
ATOKのジェスチャーガイド設定
トグル入力時に、フリック方向のガイドを表示するか設定できます。
- ATOKの設定→「入力補助」→「テンキーの設定」→「ジェスチャーガイド」
- 「ジェスチャーガイドを表示する」をオンまたはオフ
- ガイドが表示されるまでの時間を設定(0秒〜1秒)
その他のキーボードアプリでの設定
POBox Plus(Xperia)
Xperiaシリーズに搭載されているキーボードです。
手順:
- 「設定」→「言語と入力」→「POBox Plus」の設定アイコンをタップ
- 「キーボードと入力操作」をタップ
- 「入力操作」をタップ
- 「フリック&トグル」または「トグル」を選択
iWnn IME(シャープなど)
手順:
- 「設定」→「言語と入力」→「iWnn IME」の設定をタップ
- 「ソフトウェアキーボード」をタップ
- 「12キーボード」をタップ
- 「フリック入力」と「トグル入力」の両方をオンにする、またはトグル入力のみをオンにする
Simeji(シメジ)
手順:
- Simejiアプリを開く
- 「設定」→「キーボード」→「キーボードタイプ」
- 「テンキー」を選択
- 「フリック入力設定」で「フリックのみ」をオフにする
トグル入力とフリック入力を併用する際のコツ
トグル入力とフリック入力の両方を有効にしている場合、以下のようなコツがあります。
同じ行の文字を連続入力する方法
問題:トグル入力で「あ」の次に「い」を入力したい場合、カーソルが自動で移動するまで待たないといけない。
解決方法1:右矢印キー(→)を押す
- 「あ」を1回タップ(「あ」が入力される)
- すぐに右矢印キー(→)をタップ
- 「あ」を2回タップ(「い」が入力される)
解決方法2:自動カーソル移動の時間を短くする
キーボードの設定で、自動カーソル移動の時間を0.5秒〜1秒に設定する。
解決方法3:フリック入力を使う
同じ行の文字を連続入力する時だけ、フリック入力を使う。
- 「あ」→タップ
- 「い」→右にフリック
入力モードを使い分ける
長文を入力する時:フリック入力を使う
短い単語やメモ:トグル入力を使う
慣れない文字:トグル入力でゆっくり入力
フリック入力のみに設定する方法(トグル入力を無効化)
逆に、フリック入力に慣れたいので、トグル入力を完全に無効にしたい場合の設定方法です。
Gboardの場合
- 「設定」→「システム」→「言語と入力」→「仮想キーボード」→「Gboard」
- 「言語」→「日本語」→「12キー」
- 「フリックのみ」をオンにする
この設定では、同じキーを何度押しても「あああああ」と同じ文字が連続入力されます。フリック操作でしか違う文字を入力できなくなるので、フリック入力の練習に最適です。
Galaxyキーボードの場合
- Samsungキーボードの設定→「言語とタイプ」→「日本語」
- 「入力方法」で「テンキーフリック」を選択
- 「フリック入力のみ」をオンにする
ATOKの場合
- ATOKの設定→「入力補助」→「テンキーの設定」→「トグル入力」
- 「ジェスチャー/フリック入力時にもケータイ入力を有効にする」をオフにする
トグル入力がうまくできない時の対処法
問題1:トグル入力ができない
原因:「フリックのみ」の設定がオンになっている
解決方法:
各キーボードアプリの設定で「フリックのみ」をオフにしてください。
問題2:同じ行の文字が連続入力できない
原因:自動カーソル移動の時間が長すぎる
解決方法:
キーボードの設定で、自動カーソル移動の時間を短く(0.5秒〜1秒)に設定してください。
問題3:意図しない文字が入力される
原因:トグル入力とフリック入力が混在している
解決方法:
どちらか一方の入力方法に統一するか、使い分けに慣れる練習をしてください。
問題4:トグル入力の設定項目が見つからない
原因:使用しているキーボードアプリが異なる
解決方法:
- 「設定」→「言語と入力」→「現在のキーボード」で、どのキーボードアプリを使っているか確認
- そのキーボードアプリの公式サイトやヘルプで設定方法を確認
よくある質問(Q&A)

Q1:トグル入力とフリック入力、どちらを使うべきですか?
A:一般的には、フリック入力の方が効率的です。ただし、以下の場合はトグル入力がおすすめです:
- ガラケーからの乗り換えで、フリック操作に慣れない
- 片手で操作することが多く、フリックが難しい
- 年配の方や、スマホ初心者の方
最初はトグル入力で慣れて、徐々にフリック入力に移行するのも良い方法です。
Q2:トグル入力の速度を上げる方法はありますか?
A:以下の方法で速度を上げられます:
- 自動カーソル移動の時間を短く設定する(0.5秒〜1秒)
- 同じ行の文字を入力する時は、右矢印キーを素早く押す
- 一部の文字はフリック入力を使う
- キーの配置を完全に覚える
ただし、どれだけ速くしても、フリック入力には速度で勝てません。
Q3:トグル入力で「ん」を入力するにはどうすればいいですか?
A:「な」のキーを6回タップします。または、多くのキーボードでは「わ」のキーを左にフリックすることでも入力できます。
Q4:トグル入力で小文字(「ぁ」「っ」など)を入力するにはどうすればいいですか?
A:2つの方法があります:
方法1:
文字を入力した後、「⬅」(小文字変換キー)をタップ
例:「つ」→「⬅」で「っ」
方法2:
「や」「ゆ」「よ」などは、そのキーを連続タップ
例:「や」を3回タップで「ゃ」
Q5:QWERTY配列でトグル入力はできますか?
A:いいえ、トグル入力は12キー配列(テンキー配列)でのみ使用できます。QWERTY配列では、トグル入力は使えません。
Q6:トグル入力で記号を入力するにはどうすればいいですか?
A:以下の方法があります:
- キーボード左下の「!?#」や「☆123」をタップして記号キーボードに切り替える
- 一部の記号は、トグル入力で入力可能
- 「、」:「。」のキーを2回
- 「?」:「。」のキーを3回
- 「!」:「。」のキーを4回
Q7:トグル入力で数字を入力するにはどうすればいいですか?
A:以下の方法があります:
方法1:数字キーボードに切り替える
キーボード左下の「123」または「☆123」をタップ
方法2:12キーでトグル入力(キーボードによる)
各キーの数字(「あ」=1、「か」=2など)を割り当て回数だけタップ
Q8:他の人のスマホを借りた時、一時的にトグル入力に切り替えられますか?
A:キーボードの設定を変更することなく、一時的に切り替えることは基本的にできません。ただし、「フリックのみ」がオフになっていれば、トグル入力も使えます。
まとめ
Androidでトグル入力を使う方法を詳しく解説しました。
トグル入力の基本:
- 同じキーを複数回押して文字を入力する方法
- ガラケーと同じ操作
- 12キー配列(テンキー)で使用可能
主要キーボードアプリでの設定:
Gboard:
「設定」→「システム」→「言語と入力」→「Gboard」→「言語」→「日本語」→「12キー」→「フリックのみ」をオフ
Galaxyキーボード:
キーボード設定→「言語とタイプ」→「日本語」→「入力方法」で「テンキーフリック」または「テンキーフリックなし」を選択
ATOK:
ATOK設定→「入力補助」→「テンキーの設定」→「トグル入力」→「ジェスチャー/フリック入力時にもケータイ入力を有効にする」をオン
トグル入力とフリック入力の使い分け:
- トグル入力:慣れた操作、直感的
- フリック入力:高速入力、効率的
- 両方を併用することも可能
おすすめの設定:
- 最初はトグル入力で慣れる
- 徐々にフリック入力を練習
- 最終的にはフリック入力をメインに
自分に合った入力方法で、快適なスマホライフを楽しんでください!

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