AndroidからiPhoneに機種変更したけど、データ移行を忘れたまま初期設定を済ませてしまった。
「もう手遅れ?」「iPhoneを初期化しないとダメ?」そんな不安を抱えていませんか?
実は、iPhoneの初期設定後でもAndroidからデータを移行する方法はいくつもあります。この記事では、初期化せずにデータを移行できる方法を中心に、あなたに合った最適な移行方法を詳しく解説していきます。
まず知っておきたい:「iOSに移行」アプリの制限

AndroidからiPhoneへのデータ移行で最もポピュラーなのが、Apple公式の「iOSに移行」(Move to iOS)アプリです。
しかし、このアプリには大きな制限があります。
「iOSに移行」アプリが使えるのは初期設定時のみ
このアプリは、iPhoneの初期設定画面で「アプリとデータを転送」という項目が表示されているときにしか使えません。
つまり、以下の状態でないと使用できないのです。
- 新品のiPhoneを開封したとき
- iPhoneを工場出荷状態に初期化した直後
すでに初期設定を完了してしまった場合、「iOSに移行」アプリを使うには、iPhoneを一度初期化する必要があります。
初期化すると何が起こる?
iPhoneを初期化すると、以下のデータがすべて削除されます。
- インストールしたアプリ
- アプリ内のデータ
- 写真や動画
- 連絡先
- 設定内容
- ログイン情報
すでにiPhoneでアプリをダウンロードしたり、写真を撮影したりしている場合、これらのデータは失われてしまいます。
初期化せずにデータ移行する5つの方法
「初期化は避けたい」という方のために、iPhone の初期設定後でもデータを移行できる方法を5つ紹介します。
方法1:Googleドライブで移行【おすすめ】
最も簡単で安全な方法が、Googleドライブを使った移行です。無料で15GBまで使えるので、写真や動画、ドキュメントなど、ほとんどのデータを移行できます。
移行できるデータ
- 写真・動画
- ドキュメント(PDF、Word、Excelなど)
- 音楽ファイル
- その他のファイル
手順
Android側の操作
- Google PlayストアからGoogleドライブアプリをインストール(すでに入っている場合も多い)
- Googleドライブアプリを開く
- 右下の「+」ボタンをタップ
- 「アップロード」を選択
- 移行したいファイルを選んでアップロード
※大量のファイルがある場合は、フォルダごとアップロードすると便利です。
iPhone側の操作
- App StoreからGoogleドライブアプリをダウンロード
- Android で使っていたのと同じGoogleアカウントでログイン
- アップロードしたファイルが表示される
- ダウンロードしたいファイルの右側にある「︙」(縦3点)をタップ
- 「ダウンロード」または「コピーを送信」を選択
メリット・デメリット
メリット
- 無料で使える(15GBまで)
- 初期化不要
- クラウド上にバックアップが残る
- 操作が簡単
デメリット
- 大容量データは時間がかかる
- 15GB以上は有料(月額250円〜)
- Wi-Fi環境が必要
方法2:Googleアカウントで連絡先とカレンダーを同期
連絡先やカレンダーなどは、Googleアカウントの同期機能を使うと簡単に移行できます。
移行できるデータ
- 連絡先
- カレンダーの予定
- Gmailのメール
手順
Android側の準備
- 「設定」アプリを開く
- 「アカウント」または「アカウントと同期」をタップ
- Googleアカウントを選択
- 「連絡先」「カレンダー」がオンになっているか確認
- 「今すぐ同期」をタップ
iPhone側の操作
- 「設定」アプリを開く
- 「メール」をタップ
- 「アカウント」をタップ
- 「アカウントを追加」をタップ
- 「Google」を選択
- Androidで使っていたGoogleアカウントでログイン
- 「連絡先」「カレンダー」「メール」のスイッチをオンにする
これで、Googleに保存されている連絡先やカレンダーがiPhoneに自動的に反映されます。
方法3:Googleフォトで写真・動画を移行

写真や動画は、Googleフォトを使うと簡単に移行できます。
手順
Android側の操作
- Googleフォトアプリを開く
- 右上のプロフィールアイコンをタップ
- 「フォトの設定」→「バックアップと同期」をタップ
- 「バックアップと同期」をオンにする
- バックアップが完了するまで待つ
iPhone側の操作
- App StoreからGoogleフォトアプリをダウンロード
- Androidで使っていたGoogleアカウントでログイン
- バックアップした写真・動画がすべて表示される
- iPhoneのカメラロールに保存したい場合は、写真を選択して「ダウンロード」
Googleフォトの保存容量について
- 無料:15GBまで(Googleドライブと共用)
- 有料:100GB(月額250円)、200GB(月額380円)など
写真や動画が多い場合は、有料プランを検討してもよいでしょう。
方法4:パソコン経由で移行(iTunesを使用)
パソコンを持っている方は、PC経由でデータを移行することもできます。
移行できるデータ
- 写真・動画
- 音楽
- ドキュメント
手順
Android からパソコンへ
- AndroidスマホをUSBケーブルでパソコンに接続
- 「ファイル転送」または「MTP」モードを選択
- パソコンで「エクスプローラー」(Windows)または「Finder」(Mac)を開く
- Androidスマホが表示されるので開く
- 「DCIM」フォルダ(写真)、「Music」フォルダ(音楽)などから、移行したいファイルをパソコンにコピー
パソコンからiPhoneへ
- iPhoneをUSBケーブルでパソコンに接続
- iTunesまたはFinderを開く(macOS Catalina以降はFinderを使用)
- デバイスアイコンをクリック
- 「写真」タブで「写真を同期」にチェック
- パソコンから転送したいフォルダを選択
- 「適用」または「同期」をクリック
注意点
- Windows PCの場合、iTunesのインストールが必要
- 音楽ファイルはiTunesライブラリに追加してから同期
- 大量のデータを移行する場合は時間がかかる
方法5:サードパーティ製アプリを使う
より簡単にデータを移行したい場合は、専用のアプリを使う方法もあります。
おすすめアプリ
AnyTrans
- Android からiPhoneへ直接転送可能
- 連絡先、写真、音楽、メッセージなど幅広く対応
- 有料(約5,000円〜)だが、トライアル版もあり
MobileTrans
- ワイヤレスでデータ転送
- WhatsAppのチャット履歴も移行可能
- 有料(約4,000円〜)
Send Anywhere
- 無料で使える
- 6桁のコードを使ってファイル転送
- 広告が表示される
サードパーティアプリのメリット・デメリット
メリット
- 操作が簡単
- まとめて大量のデータを移行できる
- 一部はワイヤレス転送に対応
デメリット
- 多くは有料
- アプリによって対応データが異なる
- セキュリティ面でApple公式より心配
データ種類別の移行方法まとめ
それぞれのデータに最適な移行方法を一覧にまとめました。
連絡先
最適な方法:Googleアカウントの同期
手順:
- Androidで連絡先をGoogleアカウントに同期
- iPhoneでGoogleアカウントを追加
- 連絡先の同期をオン
写真・動画
最適な方法:Googleフォト
手順:
- AndroidでGoogleフォトにバックアップ
- iPhoneでGoogleフォトアプリを開く
- 必要に応じてダウンロード
代替方法:Googleドライブ、パソコン経由
メール
最適な方法:メールアプリで直接ログイン
手順:
- iPhoneの「メール」アプリを開く
- Gmailやその他のメールアカウントを追加
- 過去のメールも自動的に同期される
音楽
最適な方法:パソコン経由(iTunes)またはストリーミングサービス
- 購入した音楽:iTunesで同期
- ストリーミング(Spotify、Apple Musicなど):アプリをインストールしてログイン
ドキュメント
最適な方法:Googleドライブ
PDFやOfficeファイルはGoogleドライブで簡単に移行できます。
個別に引き継ぎが必要なアプリ

以下のアプリは、「iOSに移行」アプリやクラウドサービスでは引き継げません。個別に引き継ぎ作業が必要です。
LINE
引き継ぎ方法
- Android版LINEで「設定」→「かんたん引き継ぎQRコード」を表示
- iPhone版LINEをインストール
- 「QRコードでログイン」からAndroidのQRコードを読み取る
- 画面の指示に従って引き継ぎ完了
注意点
- トーク履歴は直近14日間分のみ引き継ぎ可能
- コインは引き継げない
- スタンプや着せかえは再ダウンロードが必要
ゲームアプリ
引き継ぎ方法
ゲームアプリごとに異なるため、各アプリの公式サイトで確認が必要です。
一般的な方法:
- アカウント連携(Google、Facebook、Twitter など)
- 引き継ぎコードの発行
- 機種変更用のパスワード設定
重要な注意点
- 有料アイテムやゲーム内通貨は引き継げない場合がある
- 引き継ぎ手続きをしないとデータが消える
- 必ず移行前に引き継ぎ設定を完了させる
おサイフケータイ・電子マネー
AndroidのおサイフケータイからiPhoneのApple Payへは、基本的に引き継げません。
移行方法
- Androidで電子マネーを使い切るか、払い戻し手続きをする
- iPhoneでApple Payに改めてカードを登録
Suicaの場合
- AndroidのモバイルSuicaからiPhoneのApple Payには移行可能
- 逆(iPhoneからAndroid)は不可
データ移行する際の注意点
スムーズにデータ移行するために、以下の点に注意しましょう。
Wi-Fi環境を用意する
クラウドサービスを使う場合、安定したWi-Fi接続が必須です。
- モバイルデータ通信で移行すると、データ量を大量に消費する
- 転送が途中で止まる可能性がある
- 自宅のWi-Fiや、データ無制限のWi-Fiを利用する
バッテリー残量を確保する
データ移行には時間がかかります。
- 両方のスマホを充電しながら作業する
- バッテリー残量が80%以上あることを確認
- 途中でバッテリーが切れると、移行が失敗する可能性がある
iPhoneの容量を確認する
Androidから移行するデータが、iPhoneの空き容量に収まるか確認しましょう。
容量の確認方法
Android:「設定」→「ストレージ」
iPhone:「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」
容量が足りない場合は、不要なデータを削除してから移行を始めましょう。
アプリのログイン情報をメモする
各種アプリのログイン情報(ID、パスワード)を事前にメモしておきましょう。
- SNS(Twitter、Instagram、Facebookなど)
- メールアカウント
- ショッピングサイト
- 動画配信サービス
パスワードを忘れた場合は、移行前にリセットしておくと安心です。
データのバックアップを取る
万が一に備えて、Androidのデータをバックアップしておきましょう。
- Googleドライブにバックアップ
- パソコンにデータをコピー
- 重要なデータは複数の場所に保存
よくある質問
Q1: 初期化せずにすべてのデータを移行できますか?
A: 完全に全てのデータを移行することは難しいです。連絡先、写真、動画、ドキュメントなどの基本的なデータは移行できますが、アプリ内のデータやゲームの進行状況などは個別に引き継ぎが必要です。
Q2: データ移行にどのくらい時間がかかりますか?
A: データ量によって異なります。
- 連絡先のみ:数分
- 写真・動画(数GB):30分〜2時間
- 大量のデータ(20GB以上):数時間〜半日
Wi-Fi速度にも左右されます。
Q3: Androidのアプリは引き継げますか?
A: アプリ自体の引き継ぎはできません。iPhoneでApp Storeから同じアプリをダウンロードする必要があります。また、Android専用アプリは使えないので、代替アプリを探す必要があります。
Q4: LINEのトーク履歴は全部引き継げますか?
A: いいえ、AndroidからiPhoneへの引き継ぎでは、直近14日間分のトーク履歴のみ引き継ぎ可能です。それより古い履歴は引き継げません。
Q5: 一度Android に戻すことはできますか?
A: できますが、iPhoneからAndroidへのデータ移行も手動で行う必要があります。頻繁に行き来するのは現実的ではありません。
まとめ:あなたに合った方法でデータ移行しよう
AndroidからiPhoneへのデータ移行は、初期設定後でも十分可能です。
おすすめの移行方法
- 連絡先・カレンダー → Googleアカウントの同期
- 写真・動画 → Googleフォト
- ドキュメント → Googleドライブ
- 音楽 → パソコン経由またはストリーミングサービス
- LINE・ゲーム → 個別に引き継ぎ設定
データ移行の手順まとめ
- AndroidのデータをGoogleアカウントに同期・バックアップ
- iPhoneでGoogleアカウントにログイン
- 各データをダウンロードまたは同期
- LINEやゲームアプリは個別に引き継ぎ
- 重要なアプリのログイン情報を再設定
ポイント
- Wi-Fi環境で作業する
- バッテリーを十分に充電しておく
- 事前にバックアップを取る
- 時間に余裕を持って作業する
「iOSに移行」アプリが使えなくても、諦める必要はありません。この記事で紹介した方法を使えば、初期化せずに大切なデータをiPhoneに移すことができます。
一つずつ丁寧に作業を進めて、新しいiPhoneライフを楽しんでくださいね!

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