Android Studioのエミュレータが起動しない!10個の原因と確実な解決策

プログラミング・IT

Android Studioでアプリ開発を始めようとしたら、エミュレータが起動しない。

「さっきまで動いていたのに急に起動しなくなった」「新しくエミュレータを作ったけど全然動かない」そんな経験、ありませんか?

エミュレータのトラブルは、Android開発者なら誰もが一度は経験する問題です。でも安心してください。この記事では、よくある原因とその解決方法を、初心者の方でも分かるように丁寧に説明していきます。

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エミュレータが起動しない主な原因とは?

Android Studioのエミュレータが起動しない原因は、大きく分けて以下のようなものがあります。

パソコン側の問題

  • ディスク容量が足りない
  • メモリ(RAM)が不足している
  • 仮想化技術が有効になっていない

設定の問題

  • HAXMが正しくインストールされていない
  • グラフィックス設定が適切でない
  • システムイメージの選択ミス

ファイルの問題

  • ロックファイルが残っている
  • エミュレータのデータが破損している

それでは、これらの問題を一つずつ解決していきましょう。

【最重要】ディスク容量を確認する

エミュレータは起動時に最低でも5GB以上の空き容量をチェックします。容量が足りないと、そもそも起動できません。

確認方法

Windows の場合

  1. エクスプローラーを開く
  2. 「PC」または「コンピューター」をクリック
  3. Cドライブの空き容量を確認

推奨される空き容量

  • 最低限:5GB以上
  • 安定動作:10GB以上
  • 快適動作:20GB以上

空き容量が足りない場合は、不要なファイルを削除したり、ディスククリーンアップを実行したりして容量を確保しましょう。

ロックファイルを削除する

エミュレータが前回正常に終了しなかった場合、ロックファイルというものが残ってしまうことがあります。このファイルがあると、「既に起動中」と判断されて新たに起動できなくなります。

削除手順

  1. 以下のフォルダを開く
   C:\Users\ユーザー名\.android\avd\エミュレータ名.avd
  1. 「multiinstance.lock」というファイルを探す
  2. このファイルがあれば削除する
  3. Android Studioを再起動してエミュレータを起動

エミュレータのデータをリセット(初期化)する

エミュレータのデータが破損している場合、初期化することで問題が解決することがあります。

リセット方法

  1. Android Studio上部のメニューから「Tools」→「Device Manager」を開く
  2. リセットしたいエミュレータの右端にある「⋮」(縦3点)をクリック
  3. 「Wipe Data」を選択
  4. 確認画面が表示されたら「Yes」をクリック

これでエミュレータが初期化されます。もう一度起動を試してみてください。

仮想化技術を有効にする

Intel製のCPUを使っている場合、BIOS設定で仮想化技術(VT-x)を有効にする必要があります。

確認方法

Windows の場合

  1. タスクマネージャーを開く(Ctrl + Shift + Esc)
  2. 「パフォーマンス」タブをクリック
  3. 「CPU」を選択
  4. 「仮想化」の項目を確認

「有効」になっていればOKです。「無効」の場合は、BIOS設定から有効にする必要があります。

BIOS設定の変更方法

  1. パソコンを再起動
  2. メーカーロゴが表示されたらF2キー、F10キー、またはDeleteキーを連打(メーカーによって異なる)
  3. BIOS設定画面で「Virtualization Technology」や「Intel VT-x」を探す
  4. 「Enabled」に設定
  5. 設定を保存して再起動

※BIOS設定は慎重に行ってください。分からない場合は、パソコンメーカーのサポートページを確認することをおすすめします。

HAXMを再インストールする

HAXM(Hardware Accelerated Execution Manager)は、エミュレータを高速化するための重要なツールです。これが正しくインストールされていないと、エミュレータが起動しないことがあります。

再インストール手順

  1. Android Studioのメニューから「Tools」→「SDK Manager」を開く
  2. 「SDK Tools」タブをクリック
  3. 「Intel x86 Emulator Accelerator (HAXM installer)」のチェックを外す
  4. 「Apply」をクリックしてアンインストール
  5. Android Studioを再起動
  6. 再度「SDK Tools」を開き、「Intel x86 Emulator Accelerator (HAXM installer)」にチェックを入れる
  7. 「Apply」をクリックしてインストール
  8. 以下のフォルダに移動して、HAXMのインストーラーを実行
   C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Android\Sdk\extras\intel\Hardware_Accelerated_Execution_Manager
  1. 「intelhaxm-android.exe」をダブルクリックして実行

グラフィックス設定を変更する

グラフィックスの設定が合っていないと、エミュレータが起動しなかったり、起動しても画面が真っ黒になったりします。

設定変更方法

  1. Device Managerを開く
  2. エミュレータの「⋮」から「Edit」を選択
  3. 「Show Advanced Settings」をクリック
  4. 「Graphics」の項目を探す
  5. 以下の順で試してみる
  • まず「Hardware – GLES 2.0」を試す
  • ダメなら「Software – GLES 2.0」に変更
  • それでもダメなら「Automatic」を選択
  1. 「Finish」をクリックして保存
  2. エミュレータを起動

システムイメージを変更する

特にAPI 35など新しいバージョンで問題が起きやすいです。システムイメージの種類を変更すると解決することがあります。

変更方法

  1. 「Tools」→「SDK Manager」を開く
  2. 「SDK Platforms」タブで、右下の「Show Package Details」にチェックを入れる
  3. 使用中のAndroidバージョンを展開
  4. 「Google Play~」で始まるイメージを使っている場合は、チェックを外す
  5. 代わりに「Google APIs~」で始まるイメージにチェックを入れる
  6. 「Apply」をクリックしてインストール
  7. Device Managerでエミュレータを編集し、新しくインストールしたシステムイメージを選択

メモリ設定を調整する

エミュレータに割り当てるメモリが多すぎると、パソコンのメモリが足りなくなって起動できません。

推奨設定

パソコンのメモリが4GBの場合

  • エミュレータのRAM:1GB(1024MB)

パソコンのメモリが8GBの場合

  • エミュレータのRAM:2GB(2048MB)

パソコンのメモリが16GB以上の場合

  • エミュレータのRAM:4GB(4096MB)

変更方法

  1. Device Managerでエミュレータを編集
  2. 「Show Advanced Settings」をクリック
  3. 「RAM」の項目を上記の推奨値に変更
  4. 「Finish」をクリック

Hyper-Vを無効にする(Windows)

Windows 10/11のHyper-Vという機能が有効になっていると、HAXMと競合してエミュレータが起動しないことがあります。

無効化の手順

  1. 「コントロールパネル」を開く
  2. 「プログラム」→「プログラムと機能」をクリック
  3. 左側の「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリック
  4. 「Hyper-V」のチェックを外す
  5. 「OK」をクリック
  6. パソコンを再起動

※Hyper-Vを使用している他のソフトがある場合は注意が必要です。

アンチウイルスソフトの設定を確認する

セキュリティソフトがエミュレータの動作を妨げている可能性があります。

対処方法

  1. Android Studioのインストールフォルダを、セキュリティソフトの除外リストに追加
  • 通常は「C:\Program Files\Android\Android Studio」
  1. SDKのフォルダも除外リストに追加
  • 通常は「C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Android\Sdk」
  1. エミュレータのプロセス「qemu-system-x86_64.exe」も除外

設定方法はセキュリティソフトによって異なるので、各ソフトのマニュアルを確認してください。

コマンドラインから起動してエラーを確認する

Android Studioから起動すると具体的なエラーが分かりにくいことがあります。コマンドラインから起動すると、詳しいエラーメッセージが表示されます。

起動方法

Windows の場合

  1. コマンドプロンプトを開く
  2. SDKのemulatorフォルダに移動
   cd C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Android\Sdk\emulator
  1. エミュレータを起動
   emulator -avd エミュレータ名 -verbose

エラーメッセージが表示されたら、そのメッセージで検索すると具体的な解決策が見つかることがあります。

それでも起動しない場合の最終手段

上記の方法を全て試しても解決しない場合は、以下の方法を試してみてください。

エミュレータを作り直す

  1. Device Managerで問題のあるエミュレータを削除
  2. 「Create Device」から新しくエミュレータを作成
  3. 異なる機種やAPIレベルを試してみる

Android Studioを再インストール

  1. Android Studioをアンインストール
  2. 以下のフォルダを削除
  • C:\Users\ユーザー名\.android
  • C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Google\AndroidStudio*
  • C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Google\AndroidStudio*
  1. Android Studioを再インストール
  2. SDKとエミュレータを再設定

実機でテストする

エミュレータにこだわらず、実際のAndroid端末でテストするのも一つの方法です。USBデバッグを有効にした実機をパソコンに接続すれば、すぐにテストできます。

よくある質問

Q: エミュレータが起動するけど真っ黒な画面のままです

A: グラフィックス設定を「Software – GLES 2.0」に変更してみてください。それでもダメな場合は、グラフィックドライバを最新版に更新してください。

Q: エミュレータの起動が遅すぎます

A: これは正常な動作です。初回起動時は特に時間がかかります(3〜5分程度)。2回目以降は「Cold Boot」ではなく通常起動すると速くなります。

Q: AMD製CPUを使っていますが動きません

A: AMD製CPUの場合、Intel HAXMは使えません。システムイメージでx86ではなくARM系のイメージを選択してください。ただし、動作は遅くなります。

まとめ:エミュレータトラブルは段階的に解決しよう

Android Studioのエミュレータが起動しない問題は、原因が多岐にわたります。焦らず、以下の順番で確認していきましょう。

最初に確認すべきこと

  1. ディスク容量(5GB以上の空き)
  2. ロックファイルの削除
  3. エミュレータのデータリセット

次に試すこと

  1. 仮想化技術の有効化
  2. HAXMの再インストール
  3. グラフィックス設定の変更

それでもダメなら

  1. システムイメージの変更
  2. メモリ設定の調整
  3. Hyper-Vの無効化
  4. アンチウイルスの除外設定

最終手段

  • エミュレータの作り直し
  • Android Studioの再インストール
  • 実機でのテスト

パソコンのスペックが低い場合(メモリ4GB以下、古いCPU)は、エミュレータよりも実機でのテストを強くおすすめします。エミュレータは便利ですが、それなりのマシンパワーが必要なツールです。

一つずつ試していけば、必ず解決する問題です。諦めずにトライしてみてくださいね。

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