「Steamクライアントの動作がカクカクする」
「Steamで起動したゲームがやたら重い」
「ゲームのダウンロードが遅すぎて終わらない」
PCゲーマーなら、一度はこんな経験があるのではないでしょうか?
この記事では、Steamが重いときの原因と対処法を、クライアント・ゲーム・ダウンロードの3つのパターン別に徹底解説します。
初心者でも分かりやすいように、手順を詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
まず確認!「重い」の症状はどれ?

「Steamが重い」といっても、実は3つのパターンがあります。
自分の症状がどれに当てはまるか確認してから、該当する対処法を試してみましょう。
パターン1:Steamクライアント自体が重い
Steamアプリを起動したときに、ストアやライブラリの画面がカクカクする、読み込みが遅い、フリーズするなどの症状です。
→「クライアントが重いときの対処法」へ
パターン2:Steamのゲームが重い
ゲーム自体のフレームレート(fps)が低い、カクつく、ラグがあるなどの症状です。
→「ゲームが重いときの対処法」へ
パターン3:ダウンロードが遅い
ゲームのダウンロードやアップデートに時間がかかりすぎる症状です。
→「ダウンロードが遅いときの対処法」へ
【共通】まず試してほしい基本の対処法
どのパターンでも、まずは以下の基本的な対処法を試してみてください。
対処法1:PCを再起動する
意外とこれだけで解決することがあります。
PCを再起動すると、メモリやCPUの一時的な負荷がリセットされ、動作が軽くなることが多いです。
対処法2:Steamを再起動する
Steamを一度完全に終了して、再度起動してみましょう。
完全に終了する手順:
- タスクバー右下のシステムトレイ(上矢印アイコン)をクリック
- Steamアイコンを右クリック
- 「Steamを終了」をクリック
- 数秒待ってから、Steamを再度起動する
対処法3:バックグラウンドで動いている不要なアプリを終了する
他のアプリがPCのリソース(CPU、メモリ、ネットワーク)を使っていると、Steamの動作に影響します。
タスクマネージャーで確認する手順:
- Ctrl + Shift + Escキーを同時に押す
- タスクマネージャーが開く
- 「プロセス」タブで、CPU・メモリの使用率が高いアプリを確認
- 不要なアプリを右クリックして「タスクの終了」を選択
ブラウザで多くのタブを開いている場合や、動画編集ソフトなどの重いアプリが動いている場合は、終了させましょう。
対処法4:Steamを管理者として実行する
Steamを管理者権限で実行すると、システムリソースへのアクセスがスムーズになり、動作が改善することがあります。
手順:
- デスクトップのSteamアイコンを右クリック
- 「管理者として実行」を選択
- 確認ダイアログが出たら「はい」をクリック
【パターン1】Steamクライアントが重いときの対処法
Steamクライアント自体の動作が重い場合は、以下の対処法を試してみてください。
対処法1:Webブラウザキャッシュを削除する
Steamには内蔵ブラウザがあり、そのキャッシュが溜まると動作が重くなることがあります。
手順:
- Steamを起動する
- 左上の「Steam」メニューをクリック
- 「設定」を選択
- 左側のメニューから「Webブラウザ」をクリック
- 「Webブラウザのデータを削除」ボタンをクリック
- 確認画面で「確認」をクリック
この方法は、Steamコミュニティのユーザーからも「即座に改善した」と報告されている効果的な対処法です。
対処法2:ダウンロードキャッシュをクリアする
ダウンロードキャッシュが溜まっていると、クライアント全体の動作に影響することがあります。
手順:
- Steamを起動する
- 左上の「Steam」→「設定」を開く
- 左側のメニューから「ダウンロード」をクリック
- 「ダウンロードキャッシュをクリアする」ボタンをクリック
- 確認画面で「確認」をクリック
クリア後はSteamに再ログインが必要になるので、ログイン情報を忘れずに確認しておきましょう。
対処法3:低パフォーマンスモードを有効にする
Steamには、メモリ使用量を減らす低パフォーマンスモードという設定があります。
この設定はあまり知られていませんが、メモリ使用量を削減できる効果的な方法です。
手順:
- Steamを起動する
- 左上の「Steam」→「設定」を開く
- 左側のメニューから「ライブラリ」をクリック
- 「低パフォーマンスモード」をオンにする
- 「コミュニティコンテンツの無効化」もオンにする
この設定を有効にすると、ライブラリ画面の表示がシンプルになりますが、メモリ使用量が約70MB程度削減されるという報告があります。
対処法4:ハードウェアアクセラレーションを有効にする
GPUを使ってSteamの描画処理を行う設定です。CPUの負荷を減らせます。
手順:
- Steamを起動する
- 左上の「Steam」→「設定」を開く
- 左側のメニューから「インターフェイス」をクリック
- 「GPUアクセラレーションによるWebレンダリングを有効にする」をオンにする
- Steamを再起動する
対処法5:プロキシ設定を確認する
プロキシ設定が有効になっていると、接続時に余計な処理が発生して重くなることがあります。
Windowsでの確認手順:
- Windowsキーを押して「インターネットオプション」と入力
- 「インターネットオプション」を開く
- 「接続」タブ→「LANの設定」をクリック
- 「設定を自動的に検出する」のチェックを外す
- 「LANにプロキシサーバーを使用する」のチェックが外れていることを確認
- 「OK」をクリック
対処法6:Steamを修復する
Steamの一部ファイルが破損している場合、修復することで改善することがあります。
手順:
- Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 以下のコマンドを入力してEnterを押す
"C:\Program Files (x86)\Steam\bin\SteamService.exe" /repair
- コマンドプロンプトが表示され、修復が実行される
- 完了したらSteamを再起動する
※Steamを別の場所にインストールしている場合は、パスを変更してください。
対処法7:Steamの優先度を上げる
タスクマネージャーでSteamの優先度を上げると、システムリソースが優先的に割り当てられます。
手順:
- Steamを起動した状態で、Ctrl + Shift + Escを押す
- タスクマネージャーの「詳細」タブをクリック
- 「steam.exe」を探して右クリック
- 「優先度の設定」→「高」を選択
【パターン2】Steamのゲームが重いときの対処法

特定のゲームや複数のゲームが重い場合は、以下の対処法を試してみてください。
対処法1:ゲームファイルの整合性を確認する
ゲームファイルが破損していると、動作が不安定になったり重くなったりします。
手順:
- Steamを起動する
- 「ライブラリ」を開く
- 重いゲームを右クリックして「プロパティ」を選択
- 左側のメニューから「インストール済みファイル」をクリック
- 「ゲームファイルの整合性を確認」ボタンをクリック
- 確認が完了するまで待つ(数分かかることがあります)
破損したファイルがあれば、自動的に修復されます。
対処法2:グラフィックドライバーを更新する
グラフィックドライバー(GPU用のソフトウェア)が古いと、ゲームのパフォーマンスに大きく影響します。
NVIDIAの場合:
- NVIDIA公式サイトにアクセス
- 自分のGPUに合ったドライバーをダウンロード
- インストールして再起動
AMDの場合:
- AMD公式サイトにアクセス
- 自分のGPUに合ったドライバーをダウンロード
- インストールして再起動
Intel(内蔵GPU)の場合:
- Intel公式サイトにアクセス
- ドライバー&サポートアシスタントを使用して更新
対処法3:ゲーム内のグラフィック設定を下げる
PCのスペックがゲームの推奨スペックを満たしていない場合、グラフィック設定を下げることで改善できます。
下げると効果的な設定:
- 解像度:1080p(フルHD)以下に設定
- グラフィック品質:「高」→「中」または「低」に変更
- 影の品質:「低」または「オフ」に設定
- アンチエイリアス:「オフ」または「低」に設定
- 描画距離:短めに設定
- 垂直同期(V-Sync):オフにする(カクつきが改善することがある)
- フレームレート上限:60fpsなどに制限
対処法4:高パフォーマンスGPUを使用する設定にする
ノートPCなど、CPU内蔵GPUと専用GPUの両方を搭載している場合、ゲームが内蔵GPUで動作していると重くなります。
Windowsでの設定手順:
- デスクトップを右クリックして「ディスプレイ設定」を選択
- 下にスクロールして「グラフィック」をクリック
- 「参照」をクリックして、ゲームの実行ファイル(.exe)を選択
- 追加されたゲームをクリックして「オプション」を選択
- 「高パフォーマンス」を選択して「保存」をクリック
対処法5:電源プランを「高パフォーマンス」に変更する
PCの電源設定が省電力モードになっていると、CPUやGPUの性能が制限されます。
手順:
- Windowsキーを押して「電源プラン」と入力
- 「電源プランの編集」または「電源オプション」を開く
- 「高パフォーマンス」を選択
※ノートPCの場合、バッテリー消費が早くなるので注意してください。
対処法6:MODを確認・削除する
ゲームにMOD(改造データ)を入れている場合、それが原因で重くなっている可能性があります。
一度MODをすべて無効化して、症状が改善するか確認してみましょう。
対処法7:PCのスペックを確認する
ゲームの推奨スペックを満たしていない場合、どんな設定をしても快適にプレイするのは難しいです。
ゲームの推奨スペック確認方法:
- Steamストアで該当ゲームのページを開く
- ページ下部の「システム要件」を確認
- 「最低スペック」と「推奨スペック」を確認
自分のPCスペック確認方法(Windows):
- Windowsキー + Rを押す
- 「dxdiag」と入力してEnter
- 「システム」タブでCPUとメモリを確認
- 「ディスプレイ」タブでGPUを確認
スペックが足りない場合は、グラフィックボードの交換、メモリの増設、またはゲーミングPCへの買い替えを検討しましょう。
【パターン3】ダウンロードが遅いときの対処法
ゲームのダウンロードやアップデートが遅い場合は、以下の対処法を試してみてください。
対処法1:ダウンロード速度を確認する
まず、現在のインターネット回線速度を確認しましょう。
確認方法:
- ブラウザでFast.comにアクセス
- 自動的に速度測定が始まる
- 表示された速度を確認
目安:
- 50Mbps以上:快適にダウンロードできる
- 20~50Mbps:普通(大容量ゲームは時間がかかる)
- 20Mbps以下:遅い(回線の見直しを検討)
Steamでのダウンロード速度確認:
- Steamの「表示」→「ダウンロード」を開く
- 「ネットワーク使用状況」でリアルタイムの速度を確認
※SteamではMB/s(メガバイト毎秒)で表示されます。Mbps(メガビット毎秒)に変換するには、表示された数値を8倍してください。(例:10 MB/s = 80 Mbps)
対処法2:ダウンロード地域を変更する
Steamは自動的に最適なサーバーを選びますが、混雑しているサーバーに接続されていることがあります。
手順:
- Steamを起動する
- 左上の「Steam」→「設定」を開く
- 左側のメニューから「ダウンロード」をクリック
- 「ダウンロード地域」のプルダウンをクリック
- 別の地域を選択(日本国内なら「Japan – Tokyo」「Japan – Osaka」など)
- Steamを再起動する
混雑している時間帯は、あえて海外サーバー(韓国、台湾など)を試してみるのも効果的です。
対処法3:帯域幅の制限を解除する
ダウンロード速度に制限がかかっている可能性があります。
手順:
- Steamを起動する
- 左上の「Steam」→「設定」を開く
- 左側のメニューから「ダウンロード」をクリック
- 「帯域幅を制限」の設定を確認
- 制限がかかっていたら、「無制限」に設定する
対処法4:ダウンロードキャッシュをクリアする
前述の手順と同じですが、ダウンロードが遅い場合も効果があります。
手順:
- Steam→設定→ダウンロード
- 「ダウンロードキャッシュをクリアする」をクリック
対処法5:有線接続に切り替える
Wi-Fi接続は電波状況によって速度が不安定になります。
可能であれば、LANケーブルを使った有線接続に切り替えると、速度が安定します。
対処法6:Wi-Fiルーターの位置や周波数帯を見直す
有線接続が難しい場合は、Wi-Fi環境を改善しましょう。
改善ポイント:
- ルーターとPCの距離を近づける
- 壁や障害物の少ない場所にルーターを置く
- 5GHz帯に接続する(2.4GHz帯より高速だが、壁を通しにくい)
- 他の家族がWi-Fiを使っている時間帯を避ける
対処法7:混雑する時間帯を避ける
ゲームの発売日やアップデート直後は、サーバーが混雑してダウンロードが遅くなります。
深夜や早朝など、比較的アクセスが少ない時間帯にダウンロードすると、速度が改善することがあります。
対処法8:セキュリティソフトを一時的に無効にする
セキュリティソフトがSteamの通信を監視・制限している可能性があります。
一時的にセキュリティソフトを無効にして、ダウンロード速度が改善するか確認してみましょう。
注意: セキュリティソフトを無効にしている間は、ウイルス感染のリスクが高まります。ダウンロード完了後は必ず有効に戻してください。
それでも改善しない場合の最終手段

最終手段1:Steamを再インストールする
上記の方法をすべて試しても改善しない場合は、Steamの再インストールを検討しましょう。
ゲームデータを残して再インストールする手順:
- Steamのインストールフォルダを開く(通常は
C:\Program Files (x86)\Steam) - 「steamapps」フォルダをコピーして、別の場所にバックアップ
- コントロールパネルからSteamをアンインストール
- Steam公式サイトから最新版をダウンロードしてインストール
- バックアップした「steamapps」フォルダを新しいSteamフォルダに戻す
- Steamを起動してログイン
最終手段2:HDDをSSDに換装する
SteamやゲームをインストールしているドライブがHDD(ハードディスク)の場合、SSD(ソリッドステートドライブ)に換装すると、読み込み速度が大幅に改善します。
SSDはHDDに比べて数倍~数十倍の読み書き速度があるため、ゲームのロード時間も短縮されます。
最終手段3:PCのスペックアップを検討する
Steamを快適に使うために必要な最低限のスペックは以下の通りです:
- CPU:Intel Core i5以上 / AMD Ryzen 5以上
- メモリ(RAM):8GB以上(16GB推奨)
- GPU:NVIDIA GeForce GTX 1060以上 / AMD Radeon RX 580以上
- ストレージ:SSD(256GB以上、ゲーム用に追加容量があると良い)
現在のPCがこれらのスペックを満たしていない場合は、パーツの交換やゲーミングPCへの買い替えを検討しましょう。
よくある質問
Q1:Steamはどれくらいのメモリを使いますか?
A: 通常、Steamクライアントは約400~500MB程度のメモリ(RAM)を使用します。
ただし、ライブラリに多くのゲームがある場合や、ストアページを閲覧している場合は、もっと多くのメモリを使用することがあります。
「低パフォーマンスモード」を有効にすると、メモリ使用量を70MB程度削減できます。
Q2:Steam自体がPCを遅くすることはありますか?
A: はい、あり得ます。
PCに搭載されているメモリが少ない場合(4GB以下など)、Steamを起動しているだけでPCの動作が遅くなることがあります。
また、Steamでゲームをダウンロードしながら他の作業をすると、ネットワーク帯域やディスクI/Oが圧迫されて遅くなることもあります。
Q3:ゲーム発売日にダウンロードが遅いのはなぜ?
A: サーバーへのアクセスが集中しているためです。
人気ゲームの発売日やセール期間中は、世界中のユーザーが同時にダウンロードするため、サーバーが混雑します。
時間をずらしてダウンロードするか、ダウンロード地域を変更してみてください。
Q4:VPNを使っているとSteamが遅くなりますか?
A: はい、VPNは速度低下の原因になることがあります。
VPNを経由すると通信が暗号化されるため、オーバーヘッドが発生して速度が低下します。
Steamを使う際はVPNをオフにするか、高速なVPNサービスを利用することをおすすめします。
Q5:Steamのダウンロード速度と回線速度が違うのはなぜ?
A: 単位の違いが原因です。
回線速度は通常Mbps(メガビット毎秒)で表示されますが、Steamのダウンロード速度はMB/s(メガバイト毎秒)で表示されます。
1バイト = 8ビットなので、Mbpsの数値を8で割るとMB/sになります。
例えば、回線速度が100Mbpsの場合、Steamでは最大約12.5MB/sと表示されます。
まとめ:症状に合った対処法を試そう
Steamが重いときの対処法について、重要なポイントをおさらいしましょう:
まず試す基本の対処法
- PCの再起動
- Steamの再起動(タスクトレイから完全に終了)
- 不要なバックグラウンドアプリの終了
- 管理者として実行
クライアントが重い場合
- Webブラウザキャッシュの削除(効果大)
- ダウンロードキャッシュのクリア
- 低パフォーマンスモードの有効化
- ハードウェアアクセラレーションの有効化
- プロキシ設定の確認
- Steamの修復
- 優先度を「高」に設定
ゲームが重い場合
- ゲームファイルの整合性確認
- グラフィックドライバーの更新
- ゲーム内設定を下げる
- 高パフォーマンスGPUの使用
- 電源プランを「高パフォーマンス」に
- MODの確認・削除
- PCスペックの確認
ダウンロードが遅い場合
- 回線速度の確認
- ダウンロード地域の変更
- 帯域幅制限の解除
- 有線接続への切り替え
- 混雑時間帯を避ける
最終手段
- Steamの再インストール
- HDDからSSDへの換装
- PCのスペックアップ
Steamが重い原因はさまざまですが、多くの場合はキャッシュのクリアや設定の変更で改善できます。
まずは簡単にできる対処法から順番に試してみてくださいね!

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