【Windows】回復パーティションがない?原因と対処法を分かりやすく解説

Windows

パソコンの調子が悪くなって「このPCを初期状態に戻す」を実行しようとしたら、「回復環境が見つかりませんでした」というメッセージが表示された――そんな経験はありませんか?

これは、パソコンの中にある「回復パーティション」という特別な領域が消えてしまっているか、正しく機能していないことが原因です。

この記事では、回復パーティションとは何なのか、なぜ消えてしまうのか、そして消えてしまった場合の対処法を、専門知識がない方でも分かるように詳しく解説します。


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回復パーティションって何?どんな役割があるの?

回復パーティションの基本

回復パーティションとは、WindowsのハードディスクやSSDの中に隠されている特別な領域のことです。

正式には「Windows回復環境(Windows RE)」を格納するパーティションと呼ばれ、通常は100MB~1GB程度のサイズを持っています。

このパーティションは普段は隠されていて、エクスプローラー(ファイルを見るウィンドウ)には表示されません。でも、Windowsに問題が起きたときに、とても重要な働きをしてくれるんです。

回復パーティションができること

回復パーティションがあると、次のような機能が使えます:

スタートアップ修復
Windowsが起動しないときに、自動で問題を見つけて修復してくれます。

このPCを初期状態に戻す
パソコンを工場出荷時の状態に戻す機能です。「個人ファイルを保持する」「すべて削除する」の2つのオプションが選べます。

システムの復元
以前の正常な状態にWindowsを戻すことができます。

コマンドプロンプトでの高度な修復
詳しい人向けですが、より細かい修復作業ができます。

これらの機能は、パソコンが正常に起動しなくなったときの「救世主」的な存在なんです。


回復パーティションがないとどうなる?

回復パーティションがなくても、Windowsは普通に動作します。日常的な作業には何の問題もありません。

でも、いざトラブルが起きたときに困ることがあります:

自動修復が動かない
起動時の問題を自動で直してくれる機能が使えなくなります。

リセット機能が使えない
「このPCを初期状態に戻す」が動作しない可能性があります。

修復ツールにアクセスできない
高度な修復オプションを使いたいとき、Windows インストールメディア(USBメモリなど)を別途用意する必要が出てきます。

つまり、回復パーティションは「普段は必要ないけど、トラブルのときに役立つ保険」のようなものですね。


回復パーティションがあるか確認する方法

自分のパソコンに回復パーティションがあるかどうか、簡単に確認できます。

方法1:ディスクの管理で確認

  1. キーボードの Windowsキー + R を同時に押します
  2. diskmgmt.msc」と入力してEnterキーを押します
  3. 「ディスクの管理」という画面が開きます
  4. 画面の下半分を見て、「回復パーティション」という小さな領域があるか確認します

回復パーティションは通常、数百MB程度の小さなサイズで、青や紫色で表示されることが多いです。

方法2:コマンドで確認(詳しい情報が分かる)

より詳しい情報を知りたい場合は、次の手順を試してみてください:

  1. スタートメニューで「cmd」と検索します
  2. 「コマンドプロンプト」を 右クリック して「管理者として実行」を選びます
  3. 黒い画面が開いたら「reagentc /info」と入力してEnterキーを押します

すると、次のような情報が表示されます:

Windows RE の状態: 有効
Windows RE の場所: \\?\GLOBALROOT\device\harddisk0\partition4\Recovery\WindowsRE

「Windows RE の状態: 有効」と表示されていれば、回復環境は正常に動作しています。

「Windows RE の状態: 無効」や「Windows RE の場所」が空欄の場合は、回復パーティションに問題がある可能性があります。


なぜ回復パーティションがなくなるの?主な原因

回復パーティションが消えてしまう理由はいくつかあります。

1. Windows Updateやアップグレードの影響

Windows 10から11へのアップグレードなど、大きなシステム更新を行うと、ディスク構成が変わることがあります。

その際に、回復パーティションが上書きされたり、削除されたりする場合があるんです。

2. ディスクのクローン作成やコピー

古いハードディスクから新しいSSDにデータをコピー(クローン)したとき、回復パーティションが正しくコピーされないことがあります。

特に、容量の大きいディスクから小さいディスクにコピーする場合に起こりやすいです。

3. パーティション操作での削除

ディスクの容量を増やそうとして、パーティション管理ソフトを使ったときに、誤って回復パーティションを削除してしまうケースもあります。

回復パーティションは隠されているため、何のパーティションか分からずに削除してしまうことがあるんです。

4. ディスクエラーや破損

ハードディスクに物理的な問題(不良セクター)が発生すると、回復パーティションが読み込めなくなることもあります。


回復パーティションがない場合の対処法

回復パーティションがなくても、いくつかの方法で対処できます。レベル別に紹介しますね。

【初心者向け】方法1:Windows ISOでインプレースアップグレード

最も簡単で安全な方法です。Windowsを再インストールすることなく、回復パーティションを復活させられます。

手順:

  1. Microsoftの公式サイトから「Windows 10/11 メディア作成ツール」をダウンロードします
  2. ツールを実行して、Windows ISOファイルをダウンロードします
  3. ダウンロードしたISOファイルをダブルクリックしてマウント(仮想ドライブとして開く)します
  4. マウントされたドライブの中にある「setup.exe」を実行します
  5. 画面の指示に従って進めます(「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択することをお勧めします)

この方法なら、データやアプリケーションを失うことなく、回復パーティションを含めてWindowsが再構築されます。

【少し難しい】方法2:回復ドライブをUSBメモリに作成

回復パーティションをパソコン内部に作り直すのではなく、USBメモリに回復機能を保存する方法です。

必要なもの:

  • 16GB以上のUSBメモリ(中身は削除されるので注意)

手順:

  1. Windowsの検索ボックスで「回復ドライブ」と入力します
  2. 「回復ドライブの作成」をクリックします
  3. システムファイルを回復ドライブにバックアップします」にチェックを入れます
  4. USBメモリを選択して、画面の指示に従います

このUSBメモリがあれば、パソコンにトラブルが起きたときに起動して、修復作業ができます。

【上級者向け】方法3:手動で回復パーティションを作成

技術的な知識がある方向けですが、コマンドを使って回復パーティションを手動で作成することもできます。

大まかな流れ:

  1. Windows ISOファイルから「winre.wim」ファイルを抽出する
  2. コマンドプロンプトで「diskpart」を使ってパーティションを作成する
  3. winre.wimファイルを配置する
  4. reagentc /enable」コマンドで有効化する

詳しい手順は長くなるため、ここでは省略しますが、ネット上に詳細なガイドが多数公開されています。

ただし、この方法は手順を間違えるとWindowsが起動しなくなる可能性もあるため、バックアップを取ってから慎重に作業してください


回復パーティションがなくても大丈夫?代替手段は?

実は、回復パーティションがなくても、Windowsの修復は可能です。

Windows インストールメディアを使う

USB メモリやDVDにWindowsのインストールメディアを作成しておけば、そこから起動して修復作業ができます。

Microsoftの公式サイトから「メディア作成ツール」をダウンロードして、8GB以上のUSBメモリに作成できます。

このUSBがあれば、回復パーティションと同じような修復作業が可能です。

システムイメージバックアップを作成する

Windowsには「システムイメージ」という、パソコン全体のバックアップを作成する機能があります。

これを外付けハードディスクなどに定期的に保存しておけば、トラブル時に丸ごと復元できます。

設定方法:

  1. 「設定」→「更新とセキュリティ」→「バックアップ」を開きます
  2. 「バックアップと復元に移動(Windows 7)」をクリックします
  3. 「システムイメージの作成」を選択します

サードパーティ製のバックアップソフト

EaseUS Todo BackupやAOMEI Backupperなど、無料で使えるバックアップソフトもあります。

これらを使えば、より簡単にシステム全体のバックアップが作成できます。


まとめ:回復パーティションは「あったほうがいい」けど必須ではない

回復パーティションについて、重要なポイントをおさらいしましょう:

回復パーティションとは
Windowsの修復機能を格納する隠しパーティションで、トラブル時に自動修復などができる

なくなる原因
Windows Updateやアップグレード、ディスククローン、誤った削除、ディスクエラーなど

確認方法
「ディスクの管理」で視覚的に確認するか、「reagentc /info」コマンドで詳細を確認

対処法

  • 初心者:Windows ISOでインプレースアップグレード
  • 中級者:USBに回復ドライブを作成
  • 上級者:手動で回復パーティションを作成

代替手段
Windows インストールメディアやシステムイメージバックアップで代用できる

回復パーティションは「転ばぬ先の杖」です。あれば安心ですが、なくても他の方法でトラブルに対処できます。

大切なのは、定期的にバックアップを取ることと、万が一のときのためにWindows インストールメディアを用意しておくことです。

パソコンのトラブルは突然やってきます。この記事を参考に、あなたのパソコンの状態を一度確認してみてはいかがでしょうか?


関連する用語
Windows RE(Windows Recovery Environment)、パーティション、ディスクの管理、システムの復元、スタートアップ修復、winre.wim、reagentc、diskpart、インプレースアップグレード、システムイメージ、回復ドライブ

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