「PSTファイルって何?」と疑問に思ったことはありませんか?
Outlookを使っていると、自然に作られるこのファイル。実は、あなたの大切なメールや連絡先、予定表など、すべての情報を保存している重要なファイルなんです。
この記事では、PSTファイルの基本から、保存場所、トラブル対処法まで、誰でも分かるように丁寧に解説していきます。
PSTファイルとは何か?

基本的な意味
PSTファイルとは、「Personal Storage Table(パーソナル・ストレージ・テーブル)」の略称です。
Microsoft Outlookというメールソフトが使う、専用のデータ保存形式になります。拡張子は「.pst」と表示されるので、見分けるのは簡単ですね。
どんなデータが入っているの?
PSTファイルには、以下のような情報がすべて保存されています:
メール関連
- 受信したメール
- 送信したメール
- 下書き保存したメール
- 添付ファイルも含む
その他の情報
- 連絡先(アドレス帳)
- カレンダーの予定
- タスク(やることリスト)
- メモ
- ジャーナル(記録)
つまり、Outlookで管理しているほぼすべてのデータが、この1つのファイルにまとまっているわけです。
PSTファイルはなぜ必要なの?
オフラインでもメールが見られる
PSTファイルの最大の利点は、インターネットに接続していなくても、過去のメールや連絡先を確認できることです。
パソコンのハードディスクに保存されているため、メールサーバーに接続できない状況でも安心して作業できます。
バックアップとして活用できる
重要なメールを失いたくない場合、PSTファイルをコピーしておけば、簡単にバックアップが取れます。
別のパソコンに移行するときも、このファイルさえあれば、すべてのメールデータを移せるんですね。
サーバーの容量を節約できる
会社のメールサーバーには、保存できる容量に制限があることが多いです。
古いメールをPSTファイルに移動(アーカイブ)すれば、サーバーの空き容量を増やせるため、管理者にも喜ばれます。
PSTファイルはどこに保存されているの?
Windows 10の場合
通常、PSTファイルは以下の場所に保存されています:
C:\Users\ユーザー名\Documents\Outlook Files
または
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Outlook
「AppData」フォルダは隠しフォルダになっているため、エクスプローラーの設定で「隠しファイルを表示する」をオンにする必要があります。
Outlookから確認する方法
自分のPSTファイルがどこにあるか分からない場合は、Outlook内から確認できます:
手順
- Outlookを起動する
- 「ファイル」タブをクリック
- 「アカウント設定」→「アカウント設定」を選択
- 「データファイル」タブを開く
- ファイルのパス(場所)が表示される
この方法なら、確実に場所が分かりますね。
PSTファイルのサイズには制限がある
バージョンによって異なる上限
PSTファイルには、保存できるデータ量に制限があります:
Outlook 2002以前
- 上限:2GB(ギガバイト)まで
Outlook 2003~2007
- 上限:20GBまで
Outlook 2010以降
- 上限:50GBまで
サイズが大きくなりすぎると?
ファイルサイズが上限に近づくと、以下のような問題が発生します:
- Outlookの動作が遅くなる
- ファイルが破損しやすくなる
- メールの送受信に時間がかかる
- 最悪の場合、開けなくなる
そのため、定期的にファイルサイズを確認し、古いメールを整理することをおすすめします。
OSTファイルとの違いは?
OSTファイルって何?
OSTファイルは「Offline Storage Table(オフライン・ストレージ・テーブル)」の略で、こちらも拡張子は「.ost」となります。
PSTファイルとよく似ていますが、用途が少し違うんですね。
主な違いを比較
PSTファイル
- POPアカウントで使用される
- メールをダウンロードして保存
- バックアップやアーカイブに最適
- 手動でファイルを作成できる
OSTファイル
- Exchange、IMAP、Outlook.comで使用される
- サーバーと自動的に同期される
- 一時的なキャッシュとして機能
- バックアップする必要がない(サーバーにデータがあるため)
簡単に言うと、PSTはあなた専用の保管庫、OSTはサーバーのコピーというイメージです。
PSTファイルでよくあるトラブルと対処法
トラブル1:ファイルが破損した
メールの送受信中にパソコンがフリーズしたり、強制終了したりすると、PSTファイルが壊れることがあります。
対処法:受信トレイ修復ツールを使う
Outlookには「ScanPST.exe」という修復ツールが付属しています。
修復手順
- Outlookを完全に終了する
- エクスプローラーで「ScanPST.exe」を検索
- ツールを起動して、問題のあるPSTファイルを選択
- 「スキャン開始」をクリック
- エラーが見つかったら「修復」をクリック
※修復には時間がかかるため、時間に余裕があるときに実行しましょう。
トラブル2:ファイルが見つからない
PSTファイルの場所が分からなくなった、または誤って移動してしまった場合です。
対処法:検索機能を使う
Windowsの検索機能で「*.pst」と入力すれば、パソコン内のすべてのPSTファイルが見つかります。
トラブル3:容量がいっぱいになった
ファイルサイズが上限に達して、新しいメールが受信できなくなることがあります。
対処法:古いメールを整理する
以下の方法で容量を減らせます:
- 不要なメールを削除する
- 「削除済みアイテム」フォルダを空にする
- 大きな添付ファイルを別に保存してから削除
- 新しいPSTファイルを作成して、古いメールを移動
PSTファイルの安全な管理方法

定期的にバックアップを取る
重要なメールが入っているPSTファイルは、定期的にバックアップを取りましょう。
おすすめの方法
- 外付けハードディスクにコピー
- クラウドストレージ(OneDrive、Google Driveなど)に保存
- 週に1回など、スケジュールを決めて実行
ただし、OneDriveに大きなPSTファイルを置くと、同期が遅くなる場合があるので注意が必要です。
パスワードで保護する
機密性の高いメールがある場合は、PSTファイルにパスワードを設定できます。
設定手順
- 「ファイル」→「アカウント設定」→「データファイル」
- PSTファイルを選択して「設定」をクリック
- 「パスワードの変更」をクリック
- 新しいパスワードを入力して保存
パスワードを忘れると開けなくなるため、安全な場所にメモしておきましょう。
ネットワークドライブには保存しない
PSTファイルをネットワーク上の共有フォルダに置くのは避けてください。
ネットワーク経由でアクセスすると、ファイルが破損しやすくなるため、Microsoftも推奨していません。必ずローカルディスク(パソコン本体)に保存しましょう。
新しいPSTファイルを作る方法
複数のプロジェクトや用途別にメールを管理したい場合、新しいPSTファイルを作成できます。
作成手順
- Outlookを開く
- 「ファイル」→「新規作成」→「Outlookデータファイル」を選択
- 保存場所とファイル名を指定
- 「OK」をクリック
- 必要に応じてパスワードを設定
新しく作ったPSTファイルは、Outlookの左側のフォルダー一覧に自動的に追加されます。
まとめ
PSTファイルは、Outlookであなたのメール、連絡先、予定表などを保存する大切なファイルです。
覚えておきたいポイント
- PSTは「Personal Storage Table」の略
- すべてのOutlookデータが1つのファイルに保存される
- バックアップやアーカイブに便利
- ファイルサイズには上限がある(20GB~50GB)
- 定期的なバックアップと整理が重要
- 破損した場合は「ScanPST.exe」で修復できる
Outlookを快適に使い続けるためには、PSTファイルの適切な管理が欠かせません。
この記事で紹介した方法を活用して、大切なメールデータをしっかり守っていきましょう。


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