「子供にiPadを渡したいけど、使いすぎや不適切なコンテンツが心配」「YouTubeやゲームの時間を制限したい」そんな悩みはありませんか?
iPadには「スクリーンタイム」というペアレンタルコントロール機能が標準搭載されています。この機能を使えば、アプリの使用時間制限、不適切なWebサイトのブロック、アプリのダウンロード制限など、さまざまな制限を設定できます。
この記事では、iPadのペアレンタルコントロール(スクリーンタイム)の設定方法を、初めての方でもわかるように詳しく解説します。お子さんが安全にiPadを使えるよう、ぜひ参考にしてください。
ペアレンタルコントロール(スクリーンタイム)とは?

iPadのペアレンタルコントロールは、「スクリーンタイム」という機能で提供されています。iOS 12以降のiPad/iPhoneに標準搭載されており、追加のアプリをインストールする必要はありません。
スクリーンタイムでできること
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 休止時間 | 指定した時間帯はiPadを使えなくする |
| アプリ使用時間の制限 | ゲームやSNSなどの1日の使用時間を制限 |
| コンテンツとプライバシーの制限 | 不適切なWebサイトやアプリをブロック |
| コミュニケーションの制限 | 連絡できる相手を制限 |
| 承認と購入のリクエスト | アプリのダウンロードに親の許可を必要にする |
| 使用状況レポート | どのアプリをどれくらい使ったか確認 |
設定方法は2種類ある
iPadのペアレンタルコントロールを設定する方法は2種類あります。
方法1:子供のiPadで直接設定する
子供のiPadを直接操作して設定する方法です。シンプルですが、保護者のiPadから遠隔で設定変更することはできません。
方法2:ファミリー共有を使って親のiPadから管理する(おすすめ)
ファミリー共有を設定すると、保護者のiPad/iPhoneから子供のiPadを遠隔で管理できます。使用状況の確認や設定変更が、いつでも自分のデバイスからできるので便利です。
ファミリー共有のメリット:
- 親のiPad/iPhoneから子供の使用状況を確認できる
- 設定変更が遠隔でできる
- 時間延長のリクエストに対応できる
- アプリダウンロードの承認/拒否ができる
この記事では、両方の方法を解説します。
【事前準備】ファミリー共有と子供用Apple IDの設定
ファミリー共有を使う場合は、事前に設定が必要です。
ファミリー共有の設定方法(親のiPad/iPhoneで操作)
- 「設定」アプリを開く
- 画面上部の自分の名前(Apple ID)をタップ
- 「ファミリー共有」をタップ
- 「ファミリーメンバーを追加」をタップ
子供用Apple IDの作成(13歳未満の場合)
13歳未満のお子さんは、自分でApple IDを作成できません。保護者がファミリー共有を通じて作成する必要があります。
作成手順:
- 親のiPad/iPhoneで「設定」→自分の名前→「ファミリー共有」
- 「お子様用アカウントを作成」をタップ
- 子供の名前と生年月日を入力
- メールアドレス(Apple ID)を作成
- パスワードを設定
- セキュリティ質問などを設定して完了
ポイント: 子供の生年月日に基づいて、年齢に適したコンテンツ制限が自動的に設定されます。
【方法1】子供のiPadで直接スクリーンタイムを設定する
子供のiPadを直接操作して設定する方法です。
ステップ1:スクリーンタイムをオンにする
- 子供のiPadで「設定」アプリを開く
- 「スクリーンタイム」をタップ
- 「スクリーンタイムをオンにする」をタップ
- 「続ける」をタップ
- 「これは子供用のiPadです」を選択
ステップ2:スクリーンタイムパスコードを設定する
重要: パスコードを設定しないと、子供が自分で制限を解除できてしまいます。
- 「スクリーンタイム・パスコードを使用」をタップ
- 4桁のパスコードを入力(2回)
- Apple IDとパスワードを入力(パスコードを忘れた時のリセット用)
注意: このパスコードはiPadのロック解除パスコードとは別です。子供に知られないように管理してください。
ステップ3:コンテンツとプライバシーの制限をオンにする
- 「コンテンツとプライバシーの制限」をタップ
- パスコードを入力
- 「コンテンツとプライバシーの制限」をオンにする
これで各種制限を設定できるようになります。
【方法2】親のiPad/iPhoneから子供のiPadを管理する
ファミリー共有を設定済みの場合、親のデバイスから子供のスクリーンタイムを管理できます。
設定手順
- 親のiPad/iPhoneで「設定」アプリを開く
- 「ファミリー」(または「スクリーンタイム」)をタップ
- 子供の名前をタップ
- 「スクリーンタイム」をタップ
- 各種制限を設定
親のデバイスから、以下の項目を遠隔で設定・確認できます:
- 休止時間
- アプリ使用時間の制限
- コンテンツとプライバシーの制限
- コミュニケーションの制限
- 使用状況レポート
休止時間を設定する(夜間の使用禁止など)

「休止時間」を設定すると、指定した時間帯はiPadの使用が制限されます。就寝時間にiPadを使わせたくない場合に便利です。
設定手順
- 「設定」→「スクリーンタイム」
- 「休止時間」をタップ
- パスコードを入力
- 「スケジュール」をオンにする
- 「毎日」または「曜日別に設定」を選択
- 開始時刻と終了時刻を設定
例: 夜9時〜朝7時を休止時間に設定
「休止時間中にブロック」を有効にする
重要: この設定をオンにしないと、子供が「無視」を選んで使い続けることができます。
- 休止時間の設定画面で「休止時間中にブロック」をオンにする
これで、休止時間中は許可したアプリ以外は使用できなくなります。
アプリ使用時間の制限を設定する
「アプリ使用時間の制限」を設定すると、特定のアプリやカテゴリの1日の使用時間を制限できます。
設定手順
- 「設定」→「スクリーンタイム」
- 「アプリ使用時間の制限」をタップ
- パスコードを入力
- 「制限を追加」をタップ
- 制限するアプリまたはカテゴリを選択
- 「次へ」をタップ
- 1日の使用時間を設定(例:1時間)
- 「使用制限終了時にブロック」をオンにする
- 「追加」をタップ
カテゴリ別に制限する例
| カテゴリ | 設定例 |
|---|---|
| ゲーム | 1日1時間 |
| ソーシャル(SNS) | 1日30分 |
| エンターテイメント(YouTube等) | 1日1時間 |
特定のアプリだけ制限する
カテゴリではなく、特定のアプリだけを制限することもできます。
- 「制限を追加」画面でカテゴリ名の横の「>」をタップ
- 個別のアプリを選択
曜日ごとに制限時間を変える
平日と休日で制限時間を変えたい場合:
- 時間設定画面で「曜日別に設定」をタップ
- 曜日ごとに異なる時間を設定
コンテンツとプライバシーの制限を設定する
「コンテンツとプライバシーの制限」では、不適切なコンテンツのブロックやApp Storeでの購入制限などを設定できます。
設定画面を開く
- 「設定」→「スクリーンタイム」
- 「コンテンツとプライバシーの制限」をタップ
- パスコードを入力
- 「コンテンツとプライバシーの制限」をオンにする
設定1:App Storeでの購入を制限する
アプリのインストールやアプリ内課金を制限できます。
- 「iTunesおよびApp Storeでの購入」をタップ
- 以下の項目を「許可しない」に設定:
- インストール → 許可しない(アプリのダウンロード禁止)
- Appの削除 → 許可しない(勝手にアプリを消せなくする)
- アプリ内課金 → 許可しない(ゲームの課金を禁止)
「パスワードを要求」を「常に要求」に設定すると、アプリのダウンロード時に毎回パスワード入力が必要になります。
設定2:年齢に応じたコンテンツ制限
アプリや映画の年齢制限を設定できます。
- 「コンテンツ制限」をタップ
- 「App」をタップ
- 許可する年齢レーティングを選択:
- 4+(4歳以上向け)
- 9+(9歳以上向け)
- 12+(12歳以上向け)
- 17+(17歳以上向け)
- すべてのAppを許可
同様に、映画・テレビ番組・書籍なども年齢制限を設定できます。
設定3:不適切なWebサイトをブロックする
Safariで閲覧できるWebサイトを制限できます。
- 「コンテンツ制限」をタップ
- 「Webコンテンツ」をタップ
- 以下から選択:
- 無制限 → すべてのサイトにアクセス可能
- 成人向けWebサイトを制限 → アダルトサイトを自動ブロック
- 許可されたWebサイトのみ → 指定したサイトのみアクセス可能
「成人向けWebサイトを制限」を選択すると、特定のサイトを追加で許可/ブロックすることもできます。
設定4:特定のアプリを非表示にする
SafariやFaceTimeなど、標準アプリを非表示にできます。
- 「許可されたアプリとFeature」(または「許可されたApp」)をタップ
- 使用させたくないアプリをオフにする
オフにしたアプリはホーム画面から消え、使用できなくなります。
コミュニケーションの制限を設定する

電話・FaceTime・メッセージで連絡できる相手を制限できます。
設定手順
- 「設定」→「スクリーンタイム」
- 「コミュニケーションの制限」をタップ
- パスコードを入力
- 「休止時間外」と「休止時間中」それぞれで設定:
- すべての人 → 誰でも連絡可能
- 連絡先のみ → 連絡先に登録した人のみ
- 特定の連絡先 → 指定した人のみ
子供の連絡先を管理する
親が子供の連絡先を管理することもできます。
- 「コミュニケーションの制限」画面で
- 「[お子様の名前]さんの連絡先を管理」をオンにする
「常に許可」するアプリを設定する
休止時間中やアプリ制限中でも、常に使用できるアプリを設定できます。緊急連絡用のアプリなどを登録しておきましょう。
設定手順
- 「設定」→「スクリーンタイム」
- 「常に許可」をタップ
- パスコードを入力
- 常に使えるようにしたいアプリの「+」をタップ
おすすめの「常に許可」アプリ:
- 電話
- メッセージ
- FaceTime
- マップ
承認と購入のリクエストを設定する(ファミリー共有)
ファミリー共有を使っている場合、子供がアプリをダウンロードしようとすると、親に承認リクエストが届くように設定できます。
設定手順(親のデバイスで)
- 「設定」→「ファミリー」(または自分の名前→「ファミリー共有」)
- 子供の名前をタップ
- 「承認と購入のリクエスト」をオンにする
リクエストへの対応方法
子供がアプリをダウンロードしようとすると、親のデバイスに通知が届きます。
対応方法:
- 通知から対応: 通知をタップ→「承認」または「拒否」
- メッセージから対応: メッセージアプリで「承認」または「拒否」
- 子供のデバイスで直接承認: 子供のデバイスで「直接会って承認」→親のApple IDパスワードを入力
使用状況レポートを確認する
子供がどのアプリをどれくらい使っているか確認できます。
確認方法
- 「設定」→「スクリーンタイム」
- (ファミリー共有の場合)子供の名前をタップ
- 「すべてのアプリとWebサイトのアクティビティを確認する」をタップ
確認できる情報
- 1日/1週間のデバイス使用時間
- アプリ別の使用時間
- カテゴリ別の使用時間
- デバイスを持ち上げた回数
- 通知の多いアプリ
よくあるトラブルと対処法
トラブル1:スクリーンタイムパスコードを忘れた
対処法:
- 「設定」→「スクリーンタイム」
- 「スクリーンタイム・パスコードを変更」をタップ
- 「パスコードをお忘れですか?」をタップ
- スクリーンタイム設定時に登録したApple IDとパスワードを入力
- 新しいパスコードを設定
トラブル2:制限をかけたのにアプリが使える
原因と対処法:
- 「使用制限終了時にブロック」がオフになっている
→ 「アプリ使用時間の制限」で該当アプリを選択し、オンにする - 「常に許可」に登録されている
→ 「常に許可」から該当アプリを削除 - スクリーンタイムパスコードが設定されていない
→ パスコードを設定する
トラブル3:休止時間中なのにiPadが使える
対処法:
「休止時間」の設定画面で「休止時間中にブロック」をオンにする
トラブル4:子供がパスコードを知ってしまった
対処法:
- 「設定」→「スクリーンタイム」
- 「スクリーンタイム・パスコードを変更」をタップ
- 新しいパスコードを設定
よくある質問(Q&A)
Q1:スクリーンタイムは何歳から設定すべき?
A:iPadを使い始めたら設定するのがおすすめです。年齢に関係なく、使用時間の制限やコンテンツ制限は子供の安全を守るために重要です。Apple公式では、18歳未満のお子さんにはコンテンツ制限が自動で有効になります。
Q2:YouTubeだけを制限できる?
A:はい、できます。「アプリ使用時間の制限」で、カテゴリではなくYouTubeアプリを個別に選択し、使用時間を制限できます。完全にブロックしたい場合は、「コンテンツとプライバシーの制限」→「許可されたアプリ」でYouTubeをオフにします。
Q3:子供が制限を解除する抜け道はある?
A:パスコードを知らなければ解除できません。ただし、以下の点に注意してください:
- パスコードは子供に知られないようにする
- 「使用制限終了時にブロック」「休止時間中にブロック」を必ずオンにする
- Apple IDのパスワードも子供に知られないようにする
Q4:制限時間が終わったら子供から延長リクエストが来た。どう対応する?
A:親のデバイスで承認または拒否できます。通知またはメッセージアプリから、「あと15分」「あと1時間」「終日」などのオプションで延長を許可できます。
Q5:ペアレンタルコントロールを解除するには?
A:スクリーンタイムをオフにすれば解除されます。
- 「設定」→「スクリーンタイム」
- 画面下部の「スクリーンタイムをオフにする」をタップ
- パスコードを入力
Q6:複数のiPadを持っている場合、設定は共有される?
A:同じApple IDでサインインしていれば共有されます。「設定」→「スクリーンタイム」→「デバイス間で共有」をオンにすると、すべてのデバイスで同じ制限が適用されます。
おすすめの設定例
小学生向け設定例
| 項目 | 設定内容 |
|---|---|
| 休止時間 | 夜8時〜朝7時 |
| ゲーム | 1日1時間 |
| YouTube | 1日1時間 |
| Webコンテンツ | 許可されたWebサイトのみ |
| App Store | インストール・課金を許可しない |
| 年齢制限 | 9+ |
中学生向け設定例
| 項目 | 設定内容 |
|---|---|
| 休止時間 | 夜10時〜朝6時 |
| ゲーム | 1日2時間 |
| SNS | 1日1時間 |
| Webコンテンツ | 成人向けWebサイトを制限 |
| App Store | 承認と購入のリクエストをオン |
| 年齢制限 | 12+ |
まとめ
iPadのペアレンタルコントロール(スクリーンタイム)の設定方法を解説しました。
主な設定項目:
| 機能 | 目的 |
|---|---|
| 休止時間 | 夜間などiPadを使えない時間帯を設定 |
| アプリ使用時間の制限 | ゲームやSNSの使用時間を制限 |
| コンテンツとプライバシーの制限 | 不適切なコンテンツをブロック |
| コミュニケーションの制限 | 連絡できる相手を制限 |
| 承認と購入のリクエスト | アプリダウンロードに親の許可を必要に |
設定のポイント:
✅ スクリーンタイムパスコードは必ず設定し、子供に知られないようにする
✅ 「使用制限終了時にブロック」「休止時間中にブロック」を必ずオンにする
✅ ファミリー共有を使うと、親のデバイスから遠隔で管理できて便利
✅ 子供の年齢に合わせてコンテンツ制限を設定する
✅ 定期的に使用状況レポートを確認する
ペアレンタルコントロールを適切に設定して、お子さんが安全にiPadを使える環境を整えましょう!

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