「iPadが固まって動かない!」
「画面をタップしても全然反応しない…」
こんな状況、焦りますよね。
でも安心してください。iPadがフリーズしてしまったときは、強制再起動で解決できることがほとんどです。
強制再起動はデータが消えることもなく、画面が真っ暗でも操作できない状態でも実行できます。
この記事では、iPadの強制再起動のやり方を機種別に分かりやすく解説します。いざという時のために、ぜひブックマークしておいてくださいね。
強制再起動と通常の再起動の違い

まず、「強制再起動」と「通常の再起動」の違いを理解しておきましょう。
通常の再起動
電源オフのスライダーを操作して、正規の手順でシステムを終了させる方法です。
アプリやシステムが正常に終了処理を行うため、データの破損リスクがほとんどありません。
強制再起動
終了プロセスを経ずに、強制的に電源を切って再起動する方法です。
画面がフリーズして操作できない時や、通常の再起動ができない時に使います。
強制再起動でデータは消える?
いいえ、消えません。
Appleの公式サポートによると、強制再起動を行ってもiPad内のコンテンツ(写真、アプリ、設定など)は消去されません。
ただし、保存されていない作業中のデータ(入力中のテキストなど)は失われる可能性があります。また、稀にアプリやシステムのデータが破損することもあるため、通常の再起動ができる場合は、そちらを優先してください。
【機種別】iPadを強制再起動する方法
iPadの強制再起動方法は、ホームボタンの有無によって異なります。
自分のiPadがどちらのタイプか分からない場合は、画面の下に丸いボタン(ホームボタン)があるかどうかで判断してください。
ホームボタンがないiPadの場合
対象モデル:
- iPad Pro(2018年以降のモデル)
- iPad Air(第4世代以降)
- iPad mini(第6世代以降)
- iPad(第10世代以降)
これらのモデルは、画面下部にホームボタンがなく、Face IDまたは電源ボタンにTouch IDが搭載されています。
強制再起動の手順
ステップ1:音量を上げるボタンを押して、すぐに離す
iPad本体の側面にある音量ボタンのうち、上側のボタン(音量を上げるボタン)を1回押して、すぐに指を離します。
ステップ2:音量を下げるボタンを押して、すぐに離す
続いて、下側のボタン(音量を下げるボタン)を1回押して、すぐに指を離します。
ステップ3:トップボタン(電源ボタン)を長押しする
iPad本体の上部にあるトップボタン(電源ボタン)を押し続けます。
ステップ4:Appleロゴが表示されたら指を離す
画面にAppleロゴ(リンゴマーク)が表示されたら、ボタンから指を離してください。
iPadが再起動し、しばらくするとホーム画面が表示されます。
ポイント
- 3つのボタン操作はテンポよく素早く行う
- ステップ1と2は「押してすぐ離す」、ステップ3だけ「長押し」
- Appleロゴが表示されるまで10〜15秒ほどかかることがある
ホームボタンがあるiPadの場合
対象モデル:
- iPad(第9世代以前)
- iPad Air(第3世代以前)
- iPad mini(第5世代以前)
- iPad Pro(2017年以前のモデル)
これらのモデルは、画面下部に丸いホームボタンがあります。
強制再起動の手順
ステップ1:トップボタンとホームボタンを同時に長押しする
iPad本体の上部にあるトップボタン(電源ボタン)と、画面下部にあるホームボタンを、同時に押し続けます。
ステップ2:Appleロゴが表示されたら指を離す
画面にAppleロゴ(リンゴマーク)が表示されたら、両方のボタンから指を離してください。
iPadが再起動し、しばらくするとホーム画面が表示されます。
ポイント
- 2つのボタンを同時に押し続ける
- 途中で「電源オフ」のスライダーが表示されても、無視してそのまま押し続ける
- Appleロゴが表示されるまで約10秒ほどかかる
強制再起動の手順まとめ(早見表)
| iPadのタイプ | 操作方法 |
|---|---|
| ホームボタンなし | 音量上ボタン→音量下ボタン→電源ボタン長押し |
| ホームボタンあり | 電源ボタン+ホームボタンを同時長押し |
どちらもAppleロゴが表示されるまでボタンを押し続けるのがポイントです。
強制再起動が必要な状況
以下のような状況では、強制再起動を試してみましょう。
画面がフリーズして操作できない
タップしても、スワイプしても、何も反応しない。そんな時は強制再起動が有効です。
画面が真っ暗のまま動かない
電源ボタンを押しても画面が真っ暗なまま。充電しても変化がない場合は、強制再起動を試してみてください。
アプリが固まって閉じられない
特定のアプリがフリーズして、ホーム画面に戻れない。アプリスイッチャーも開けない場合に有効です。
動作が極端に遅い・重い
iPadの動作が異常に遅くなり、通常の操作もままならない時。強制再起動でシステムをリフレッシュできます。
通常の再起動ができない
電源オフのスライダーが表示されない、またはスライダーを動かしても反応しない場合。
強制再起動でも解決しない場合の対処法
強制再起動を試しても問題が解決しない場合は、以下の方法を順番に試してみてください。
対処法1:充電してから再度試す
バッテリーが完全に切れている可能性があります。
やり方
- iPadを充電器に接続
- 30分〜1時間ほど充電する
- 充電後、再度強制再起動を試す
バッテリー残量が極端に少ないと、強制再起動がうまくいかないことがあります。
対処法2:別の充電器・ケーブルを試す
充電器やケーブルの不具合で、iPadに電力が供給されていない可能性も。
チェックポイント
- Apple純正の充電器とケーブルを使用する
- ケーブルに断線や損傷がないか確認する
- 別のコンセントで試してみる
対処法3:リカバリーモードで復元する
強制再起動を何度試しても起動しない場合は、リカバリーモードを使って復元を試みましょう。
注意: リカバリーモードで「復元」を選ぶと、iPadのデータはすべて消去されます。事前にバックアップがあることを確認してください。「アップデート」を選べばデータを保持したまま修復できる場合もあります。
必要なもの
- パソコン(Mac または Windows)
- USBケーブル(Lightning または USB-C)
- 最新版のiTunes(Windows)またはFinder(Mac)
リカバリーモードへの入り方(ホームボタンなしのiPad)
- iPadをパソコンに接続
- 音量上ボタンを押してすぐ離す
- 音量下ボタンを押してすぐ離す
- トップボタンを押し続ける
- 「パソコンとケーブル」のアイコンが表示されるまで押し続ける
リカバリーモードへの入り方(ホームボタンありのiPad)
- iPadをパソコンに接続
- トップボタンとホームボタンを同時に長押し
- 電源が切れても押し続ける
- 「パソコンとケーブル」のアイコンが表示されるまで押し続ける
パソコンでの操作
- iTunes(Windows)またはFinder(Mac)が自動的に起動
- 「アップデート」または「復元」を選択するダイアログが表示される
- まず「アップデート」を試す(データを保持したまま修復を試みる)
- 「アップデート」で解決しない場合は「復元」を選択
対処法4:DFUモードで復元する
リカバリーモードでも解決しない場合の最終手段がDFUモード(Device Firmware Update)です。
注意: DFUモードで復元すると、すべてのデータが消去されます。
DFUモードへの入り方(ホームボタンなしのiPad)
- iPadをパソコンに接続
- 音量上ボタンを押してすぐ離す
- 音量下ボタンを押してすぐ離す
- トップボタンを10秒間長押し
- 画面が真っ暗になったら、トップボタンを押したまま、音量下ボタンも5秒間同時に押す
- トップボタンだけ離し、音量下ボタンは押し続ける
- iTunes/Finderが「リカバリーモードのiPadを検出しました」と表示されたら成功
DFUモードへの入り方(ホームボタンありのiPad)
- iPadをパソコンに接続
- トップボタンとホームボタンを8秒間同時に長押し
- トップボタンだけ離し、ホームボタンは押し続ける
- iTunes/Finderが「リカバリーモードのiPadを検出しました」と表示されたら成功
DFUモードでは画面が真っ暗なままになります。Appleロゴが表示された場合は失敗なので、最初からやり直してください。
対処法5:Appleサポートに連絡する
上記の方法をすべて試しても解決しない場合は、ハードウェアの故障が考えられます。
連絡先
- Apple公式サポート:support.apple.com/ja-jp
- Apple Store:最寄りの店舗に持ち込んで相談
- Apple正規サービスプロバイダ:認定修理店でも対応可能
ボタンが壊れている時の再起動方法(AssistiveTouch)
電源ボタンやホームボタンが故障している場合でも、AssistiveTouch機能を使えば画面操作だけで再起動できます。
ただし、この方法は画面が操作できる状態でのみ使用可能です。
AssistiveTouchの設定方法
手順
- 「設定」アプリを開く
- 「アクセシビリティ」をタップ
- 「タッチ」をタップ
- 「AssistiveTouch」をタップ
- AssistiveTouchをオンにする
画面上に半透明の丸いボタンが表示されます。
AssistiveTouchで再起動する方法
手順
- 画面上のAssistiveTouchボタンをタップ
- 「デバイス」をタップ
- 「その他」をタップ
- 「再起動」をタップ
- 確認画面で「再起動」をタップ
これでiPadが再起動されます。
注意: この方法は「通常の再起動」であり、フリーズした状態では使用できません。ボタンが壊れていて、かつフリーズしている場合は、パソコンに接続してリカバリーモードを使う必要があります。
強制再起動を減らすための予防策

頻繁にフリーズが発生する場合は、以下の対策を試してみてください。
iPadOSを最新版にアップデートする
古いバージョンのiPadOSには、フリーズの原因となるバグが含まれていることがあります。
手順
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- 利用可能なアップデートがあればインストール
ストレージの空き容量を確保する
ストレージがいっぱいになると、iPadの動作が不安定になることがあります。
確認方法
- 「設定」→「一般」→「iPadストレージ」
- 使用状況を確認し、不要なアプリやデータを削除
最低でも数GBの空き容量を確保しておきましょう。
問題のあるアプリを削除する
特定のアプリを使用中にフリーズが頻発する場合は、そのアプリに問題がある可能性があります。
対処法
- アプリを最新版にアップデート
- 改善しない場合はアプリを削除して再インストール
- それでも改善しない場合はアプリの使用を控える
バックグラウンドで動作するアプリを終了する
多くのアプリがバックグラウンドで動作していると、メモリ不足でフリーズすることがあります。
アプリを終了する方法
- ホーム画面の下端から上にスワイプして途中で止める(ホームボタンありの場合は、ホームボタンをダブルクリック)
- アプリスイッチャーが表示される
- 使用していないアプリを上にスワイプして終了
定期的に再起動する
週に1回程度、iPadを通常の手順で再起動することで、メモリがリフレッシュされ、動作が安定します。
よくある質問
Q. 強制再起動したらデータは消えますか?
A. 消えません。
強制再起動では、iPad内に保存されている写真、アプリ、設定などのデータは消去されません。ただし、作業中で保存していなかったデータは失われる可能性があります。
Q. 強制再起動を何度もしても大丈夫ですか?
A. 基本的には問題ありません。
ただし、強制再起動は通常の終了プロセスを経ないため、稀にアプリやシステムのデータが破損する可能性があります。必要な時だけ使用し、頻繁にフリーズする場合は根本的な原因を探りましょう。
Q. ボタンを押してもAppleロゴが表示されません
A. 以下を確認してください。
- ボタンの押し方が正しいか(機種に合った操作をしているか)
- バッテリーが完全に切れていないか(30分以上充電してから再度試す)
- ボタンが故障していないか
それでも解決しない場合は、リカバリーモードを試すか、Appleサポートに相談してください。
Q. 画面が真っ暗なまま何も表示されません
A. まず充電を試してください。
バッテリーが完全に放電している可能性があります。30分〜1時間ほど充電してから、強制再起動を試してみてください。
Q. 強制再起動と初期化の違いは?
A. 大きく異なります。
- 強制再起動:電源を強制的に切って再起動するだけ。データは消えない。
- 初期化(工場出荷状態に戻す):iPadのすべてのデータと設定を消去し、購入時の状態に戻す。
まとめ
iPadの強制再起動方法をまとめます。
ホームボタンがないiPad
- 音量上ボタンを押してすぐ離す
- 音量下ボタンを押してすぐ離す
- トップボタンをAppleロゴが表示されるまで長押し
ホームボタンがあるiPad
- トップボタンとホームボタンを同時に長押し
- Appleロゴが表示されたら離す
強制再起動でも解決しない場合
- 充電してから再度試す
- リカバリーモードで復元を試す
- DFUモードで復元を試す
- Appleサポートに相談
強制再起動は、iPadがフリーズした時の心強い味方です。データが消えることもないので、困った時は慌てずに試してみてください。
この記事が、いざという時のお役に立てば幸いです!


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