「さっきまで普通に使えていたのに、急にWi-Fiが繋がらない」
「スマホは繋がるのに、iPadだけ繋がらない」
「Wi-Fiマークは出ているのに、インターネットに接続できない」
こんな状況に困っていませんか?Wi-Fiが使えないと、動画視聴もSNSもできず、iPadの機能がほとんど使えなくなってしまいます。
でも安心してください。iPadのWi-Fi接続トラブルは、ほとんどの場合、自分で解決できます。
この記事では、iPadがWi-Fiに繋がらない原因と、具体的な対処法を分かりやすく解説します。順番に試していけば、きっと解決できますよ。
まず確認!Wi-Fiに繋がらない原因は2つに分けられる

iPadがWi-Fiに繋がらない原因は、大きく分けて以下の2つです。
1. iPad本体側の問題
- Wi-Fi設定の不具合
- 機内モードがオンになっている
- ソフトウェア(iPadOS)のバグ
- VPNやセキュリティアプリの干渉
- ネットワーク設定の破損
2. Wi-Fiルーター側の問題
- ルーターの一時的な不具合
- ルーターとの距離が遠い
- 電波干渉が起きている
- ルーターの設定問題
- インターネット回線自体のトラブル
どちらが原因かを見分けるには、他のデバイス(スマホやパソコン)が同じWi-Fiに繋がるかどうかを確認してみましょう。
- 他のデバイスも繋がらない → ルーターや回線に問題がある可能性が高い
- iPadだけ繋がらない → iPad本体に問題がある可能性が高い
【基本編】まず試したい6つの対処法
Wi-Fiトラブルの多くは、基本的な操作で解決します。まずはこちらから試してみてください。
対処法1:Wi-Fiのオン・オフを切り替える
最も簡単な方法です。Wi-Fiを一度オフにして、再度オンにすることで接続がリセットされます。
手順
- 「設定」アプリを開く
- 「Wi-Fi」をタップ
- Wi-Fiのスイッチをオフ(灰色)にする
- 10秒ほど待つ
- Wi-Fiのスイッチをオン(緑色)にする
- 接続したいネットワークを選択
コントロールセンターからも切り替えられます。画面右上から下にスワイプして、Wi-Fiアイコンをタップしてください。
対処法2:機内モードをオン・オフする
機内モードを切り替えると、Wi-FiやBluetoothなど、すべての無線接続がリセットされます。
手順
- 「設定」アプリを開く
- 「機内モード」のスイッチをオン(オレンジ色)にする
- 10秒ほど待つ
- 機内モードをオフ(灰色)にする
機内モードがオンのままになっていないかも確認しましょう。オンになっていると、画面上部に飛行機のアイコンが表示されます。
対処法3:iPadを再起動する
iPadを再起動すると、一時的なシステムエラーが解消されることがあります。
Face ID搭載のiPad(ホームボタンなし)
- 音量ボタン(上または下どちらか)とトップボタンを同時に長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたらスライド
- 画面が完全に消えるまで待つ
- トップボタンを長押しして電源を入れる
ホームボタン搭載のiPad
- トップボタンを長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたらスライド
- 画面が完全に消えるまで待つ
- トップボタンを長押しして電源を入れる
対処法4:Wi-Fiルーターを再起動する
ルーター側に問題がある場合、ルーターの再起動で解決することが多いです。これが最も効果的な方法という声も多くあります。
手順
- ルーターの電源コンセントを抜く
- 5〜10分ほど待つ(すぐに差し込まないのがポイント)
- 電源コンセントを差し込む
- ルーターのランプが正常に点灯するまで待つ(2〜3分程度)
- iPadでWi-Fi接続を試す
モデム(インターネット回線の機器)がある場合は、モデムも同様に再起動してください。
対処法5:ネットワーク設定を削除して再接続する
保存されているWi-Fi設定情報が破損していることがあります。一度削除して、再度パスワードを入力しましょう。
手順
- 「設定」→「Wi-Fi」を開く
- 接続しているネットワーク名の右にある「i」(情報アイコン)をタップ
- 「このネットワーク設定を削除」をタップ
- 確認画面で「削除」をタップ
- Wi-Fi一覧から同じネットワークを選択
- パスワードを再入力して接続
パスワードが分からない場合は、ルーター本体の側面や底面に記載されていることが多いです。
対処法6:SSIDとパスワードを再確認する
意外と多いのが、接続先の間違いやパスワードの入力ミスです。
確認ポイント
- 正しいSSID(ネットワーク名)を選んでいるか
- パスワードの大文字・小文字は正しいか
- 数字の「0」とアルファベットの「O」を間違えていないか
- 余計なスペースが入っていないか
ルーターによっては、2.4GHz用と5GHz用で2つのSSIDが表示されることがあります。両方試してみてください。
【中級編】基本で解決しない場合の対処法
基本的な対処法で解決しない場合は、以下の方法を試してみてください。
対処法7:ネットワーク設定をリセットする
iPad内のすべてのネットワーク設定を初期状態に戻します。データが消えることはありませんが、保存されているWi-Fiパスワードやペアリング情報はリセットされます。
手順
- 「設定」→「一般」を開く
- 下にスクロールして「転送またはiPadをリセット」をタップ
- 「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」をタップ
- パスコードを入力
- 確認画面で「ネットワーク設定をリセット」をタップ
リセット後、iPadが自動的に再起動します。再起動後、Wi-Fiに再接続してください。
対処法8:VPNをオフにする
VPN(仮想プライベートネットワーク)アプリが、Wi-Fi接続を妨げていることがあります。
手順
- 「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」を開く
- VPNが「接続中」になっている場合は、オフにする
- VPNアプリを使っている場合は、アプリ内で接続を切断
VPNをオフにして接続できるようになった場合は、VPNアプリの設定を見直すか、別のVPNサービスを検討してください。
対処法9:プライベートアドレスをオフにする
iPadOS 14以降では、プライバシー保護のために「プライベートアドレス」機能が搭載されています。この機能が原因でWi-Fiに繋がらないことがあります。
手順
- 「設定」→「Wi-Fi」を開く
- 接続中または接続したいネットワークの「i」をタップ
- 「プライベートWi-Fiアドレス」をオフにする
- 確認画面で「再接続」をタップ
特に、会社や学校、公共施設などのWi-Fiで効果があることが多いです。
対処法10:DNSを手動で設定する
DNS(ドメインネームシステム)サーバーの問題で接続できないことがあります。GoogleのパブリックDNSを設定してみましょう。
手順
- 「設定」→「Wi-Fi」を開く
- 接続中のネットワークの「i」をタップ
- 「DNSを構成」をタップ
- 「手動」を選択
- 既存のDNSサーバーを削除(「−」をタップ)
- 「サーバを追加」をタップ
- 「8.8.8.8」と入力
- もう一度「サーバを追加」をタップして「8.8.4.4」と入力
- 右上の「保存」をタップ
これはGoogleが提供する無料のパブリックDNSです。安全に使用できます。
対処法11:iPadOSをアップデートする
古いバージョンのiPadOSにはバグが含まれていることがあります。最新版にアップデートしましょう。
手順
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」を開く
- 利用可能なアップデートがあれば「ダウンロードしてインストール」をタップ
Wi-Fiに繋がらない状態でアップデートする場合は、以下の方法を試してください。
- モバイルデータ通信を使う(セルラーモデルの場合)
- 別のWi-Fiネットワークに接続する
- パソコンのiTunes/Finder経由でアップデートする
【上級編】それでも繋がらない場合の対処法

ここまでの方法で解決しない場合は、より深い原因が考えられます。
対処法12:IPアドレスを確認・手動設定する
Wi-Fi接続時にIPアドレスが正しく取得できていない可能性があります。
IPアドレスの確認方法
- 「設定」→「Wi-Fi」→接続中のネットワークの「i」をタップ
- 「IPアドレス」の項目を確認
正常な場合は「192.168.x.x」や「10.x.x.x」などの数字が表示されます。「169.254.x.x」で始まるアドレスが表示されている場合は、IPアドレスの取得に失敗しています。
IPアドレスを手動で設定する方法
- 「設定」→「Wi-Fi」→接続中のネットワークの「i」をタップ
- 「IPを構成」をタップ
- 「手動」を選択
- 以下の情報を入力
- IPアドレス:192.168.1.100(最後の数字は他のデバイスと被らないように)
- サブネットマスク:255.255.255.0
- ルーター:192.168.1.1(ルーターのアドレス)
- 「保存」をタップ
※ルーターのアドレスは機種によって異なります。ルーターの説明書を確認してください。
対処法13:周波数帯を変更する(2.4GHzと5GHz)
Wi-Fiには「2.4GHz」と「5GHz」の2つの周波数帯があります。それぞれ特徴が異なります。
| 周波数帯 | 特徴 |
|---|---|
| 2.4GHz | 障害物に強い、届く範囲が広い、速度はやや遅い |
| 5GHz | 障害物に弱い、届く範囲が狭い、速度が速い |
ルーターによっては、それぞれ別のSSID(ネットワーク名)で表示されます。
- 例:「Buffalo-A-XXXX」(5GHz)と「Buffalo-G-XXXX」(2.4GHz)
現在接続している周波数帯で繋がらない場合は、別の周波数帯のSSIDに接続してみてください。特に、ルーターから離れた場所では2.4GHzの方が繋がりやすいことがあります。
対処法14:ルーターとの距離を近づける
電波が弱いと、接続が不安定になったり、まったく繋がらなくなることがあります。
確認ポイント
- ルーターの近く(同じ部屋)でWi-Fiに繋がるか試す
- 壁や家具などの障害物がないか確認
- 電子レンジの近くで使っていないか(電波干渉の原因になる)
- iPadのケースを外して試す(金属製のケースは電波を遮ることがある)
ルーターから離れた場所でもWi-Fiを使いたい場合は、Wi-Fi中継器やメッシュWi-Fiの導入を検討してください。
対処法15:すべての設定をリセットする
ネットワーク設定のリセットで解決しない場合は、すべての設定をリセットする方法があります。
注意:この操作を行うと、Wi-Fi設定、Bluetooth設定、壁紙、通知設定などがすべて初期状態に戻ります。写真やアプリなどのデータは消えません。
手順
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPadをリセット」を開く
- 「リセット」→「すべての設定をリセット」をタップ
- パスコードを入力
- 確認画面で「すべての設定をリセット」をタップ
特定の状況別トラブルシューティング
「Wi-Fiマークは出ているのにインターネットに繋がらない」場合
Wi-Fiには接続できているのに、Webサイトが表示されない場合は、インターネット回線自体に問題がある可能性があります。
確認すること
- 他のデバイス(スマホやパソコン)でもインターネットに繋がらないか確認
- ルーターとモデムの両方を再起動
- プロバイダーの障害情報を確認(スマホのモバイル回線で検索)
回線障害の場合は、復旧を待つしかありません。
「特定のWi-Fiだけ繋がらない」場合
自宅のWi-Fiには繋がるのに、カフェや会社のWi-Fiには繋がらないという場合です。
考えられる原因
- そのWi-Fiネットワークの設定で、iPadが接続制限されている
- プライベートアドレス機能が干渉している
- ネットワーク側のセキュリティ設定との相性問題
対処法
- プライベートWi-Fiアドレスをオフにする(対処法9参照)
- ネットワーク管理者にiPadの接続について確認する
- 「このネットワーク設定を削除」して再接続する
「接続してもすぐ切れる」場合
一度は接続できるのに、すぐに切断されてしまう場合です。
考えられる原因
- 電波が弱い・不安定
- ルーターの同時接続台数の上限に達している
- ルーターのファームウェアが古い
- iPadの省電力設定
対処法
- ルーターの近くで使う
- 不要なデバイスのWi-Fi接続を切断する
- ルーターのファームウェアをアップデートする
- 「設定」→「Wi-Fi」→「i」→「自動接続」がオンになっているか確認
それでも解決しない場合は
上記のすべての方法を試しても解決しない場合は、以下を検討してください。
Appleサポートに問い合わせる
iPad本体のハードウェア(Wi-Fiモジュール)が故障している可能性があります。
問い合わせ方法
- Apple公式サイト:support.apple.com/ja-jp
- 電話:0120-277-535(通話料無料)
- Apple Store / 正規サービスプロバイダ:直接持ち込み
ルーターのメーカーに問い合わせる
ルーター側の問題が疑われる場合は、ルーターのメーカーサポートに連絡してください。
ルーターの買い替えを検討する
古いルーター(5年以上使用)の場合は、経年劣化で性能が低下していることがあります。最新のWi-Fi 6対応ルーターに買い替えることで、接続の安定性が大幅に向上することがあります。
よくある質問(FAQ)
Q1:急にWi-Fiに繋がらなくなった原因で一番多いのは?
A: ルーターの一時的な不具合が最も多いです。ルーターを再起動(電源を抜いて5〜10分待ってから再接続)するだけで解決することが多いので、まずはこれを試してください。
Q2:「パスワードが違います」と表示されるのですが?
A: パスワードの入力ミスか、ルーター側でパスワードが変更されている可能性があります。ルーター本体に記載されているパスワードを再確認してください。大文字・小文字の区別にも注意しましょう。
Q3:ネットワーク設定をリセットするとどうなりますか?
A: 以下の情報がリセットされます。
- 保存されているWi-Fiネットワークとパスワード
- Bluetoothのペアリング情報
- VPN設定
- モバイルデータ通信の設定
写真、アプリ、連絡先などのデータは消えません。
Q4:2.4GHzと5GHz、どちらに接続すべきですか?
A: 状況によって使い分けるのがベストです。
- ルーターの近くにいる:5GHz(速度が速い)
- ルーターから離れている:2.4GHz(届きやすい)
- 壁や障害物が多い:2.4GHz(障害物に強い)
Q5:iPadだけWi-Fiに繋がらないのはなぜ?
A: iPad固有の問題として、以下が考えられます。
- iPadOSのバグ
- ネットワーク設定の破損
- プライベートアドレス機能の干渉
- VPNアプリの影響
この記事で紹介した「ネットワーク設定のリセット」を試してみてください。
まとめ:対処法チェックリスト
iPadがWi-Fiに繋がらないときは、以下の順番で対処法を試してみてください。
【基本編】まず試す
- [ ] Wi-Fiのオン・オフを切り替える
- [ ] 機内モードをオン・オフする
- [ ] iPadを再起動する
- [ ] ルーターを再起動する(5〜10分待つ)
- [ ] ネットワーク設定を削除して再接続する
- [ ] SSIDとパスワードを再確認する
【中級編】基本で解決しない場合
- [ ] ネットワーク設定をリセットする
- [ ] VPNをオフにする
- [ ] プライベートアドレスをオフにする
- [ ] DNSを手動設定する(8.8.8.8)
- [ ] iPadOSをアップデートする
【上級編】それでも解決しない場合
- [ ] IPアドレスを確認・手動設定する
- [ ] 周波数帯を変更する(2.4GHz ↔ 5GHz)
- [ ] ルーターとの距離を近づける
- [ ] すべての設定をリセットする
ほとんどの場合、基本編の対処法で解決できます。特に「ルーターの再起動」は効果が高いので、必ず試してみてください。
それでも解決しない場合は、Apple サポートやルーターのメーカーに相談することをおすすめします。

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