iPhoneの画面に、半透明の丸いボタンが浮かんでいるのを見たことはありませんか?
あれはAssistiveTouch(アシスティブタッチ)という、iPhoneの便利な機能です。「何だか邪魔そう」と思っていた方もいるかもしれませんが、実はとても便利なんです。
この記事では、AssistiveTouchの基本から設定方法、便利な活用術まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説していきます。
一度使い始めたら手放せなくなる、そんな便利機能を一緒に見ていきましょう!
AssistiveTouch(アシスティブタッチ)とは?

まず、AssistiveTouchの基本について説明しましょう。
AssistiveTouchの定義
AssistiveTouchは、iPhoneのアクセシビリティ機能の一つです。
画面上に仮想ボタンを表示して、通常は物理ボタンやジェスチャで行う操作を、タップだけで簡単に実行できるようにする機能です。
もともとは誰のための機能?
AssistiveTouchは、身体的な理由でiPhoneの操作が難しい方のために開発されました。
例えば:
- ホームボタンやサイドボタンを押すのが難しい
- ピンチやスワイプなどのジェスチャ操作が困難
- 手や指の動きに制限がある
こうした方々でも快適にiPhoneを使えるよう、画面上のボタンだけで操作できるようになっています。
一般ユーザーにも便利な理由
でも今では、誰でも便利に使える機能として広まっています。
便利なシーン:
- ホームボタンが壊れた時の代用
- スクリーンショットをワンタップで撮影
- 片手でiPhoneを操作したい時
- 物理ボタンの劣化防止(ボタンの寿命を延ばす)
- よく使う機能へのショートカット
特にiPhone Xシリーズ以降、ホームボタンがなくなってから、AssistiveTouchで仮想ホームボタンを表示する人が増えました。
AssistiveTouchでできること
AssistiveTouchを使うと、こんなことができます。
できる操作一覧
基本操作:
- ホーム画面に戻る
- アプリスイッチャー(マルチタスク画面)を開く
- コントロールセンターを開く
- 通知センターを開く
- スクリーンショットを撮る
デバイス操作:
- 画面を回転させる
- 音量を調整する
- 画面をロックする
- 消音モードのオン/オフ
- 再起動する
ジェスチャ:
- ピンチ
- 3D Touch(対応機種のみ)
- シェイク(端末を振る動作の代わり)
- カスタムジェスチャ(自分で作成したジェスチャ)
その他:
- Siriを起動
- Apple Payを承認(Face ID搭載モデル)
- ショートカットを実行
- アクセシビリティ機能を呼び出す
これらすべてを、画面上の仮想ボタンから操作できるんです。
【基本編】AssistiveTouchの設定方法
それでは、実際にAssistiveTouchを設定してみましょう。
設定手順
ステップ1:設定アプリを開く
ホーム画面から「設定」アプリ(歯車のアイコン)をタップします。
ステップ2:アクセシビリティを選択
設定画面を下にスクロールして、「アクセシビリティ」をタップします。
ステップ3:タッチを選択
「タッチ」という項目をタップします。
ステップ4:AssistiveTouchをオンにする
「AssistiveTouch」をタップして、スイッチをオン(緑色)にします。
これで、画面上に半透明の丸いボタンが表示されます!
別の設定方法:Siriを使う
もっと簡単な方法もあります。
「Hey Siri、AssistiveTouchをオンにして」
と話しかけるだけで、AssistiveTouchが有効になりますよ。
ショートカットで素早く呼び出す
AssistiveTouchを頻繁にオン/オフしたい場合は、ショートカットを設定すると便利です。
方法①:サイドボタン(ホームボタン)で呼び出し
- 「設定」→「アクセシビリティ」→「ショートカット」
- 「AssistiveTouch」にチェックを入れる
iPhone X以降: サイドボタンをトリプルクリック
iPhone 8以前: ホームボタンをトリプルクリック
これでAssistiveTouchのオン/オフを素早く切り替えられます。
方法②:コントロールセンターに追加
- 「設定」→「コントロールセンター」
- 「アクセシビリティのショートカット」を追加
コントロールセンターからワンタップでAssistiveTouchを呼び出せるようになります。
方法③:背面タップで呼び出し(iPhone 8以降)
- 「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「背面タップ」
- 「ダブルタップ」または「トリプルタップ」を選択
- 「AssistiveTouch」を選ぶ
iPhoneの背面を2回(または3回)タップするだけで、AssistiveTouchを呼び出せます!
【使い方編】AssistiveTouchの基本操作

AssistiveTouchボタンの使い方を見ていきましょう。
ボタンをタップする
画面上の丸いボタンを1回タップすると、メニューが開きます。
初期状態では、こんなメニューが表示されます:
- 通知:通知センターを開く
- デバイス:音量調整、画面ロックなど
- コントロールセンター:コントロールセンターを開く
- ホーム:ホーム画面に戻る
- Siri:Siriを起動
- カスタム:自分で設定した操作
ボタンを移動する
丸いボタンは、好きな場所に移動できます。
ボタンを長押しして、そのまま指を動かすとボタンが移動します。画面の四辺(上下左右の端)に配置できますよ。
ボタンの透明度を変更する
使っていないときにボタンを目立たなくできます。
- 「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」
- 「待機状態時の不透明度」のスライダーを調整
0%に近づけるほど、透明に近くなります。
メニューを閉じる
開いたメニューは、メニューの外側をタップすると閉じます。
【カスタマイズ編】自分好みにカスタマイズする方法
AssistiveTouchの真価は、カスタマイズにあります!
メニューをカスタマイズする
初期状態のメニューを、自分の使いやすいようにカスタマイズしましょう。
手順:
- 「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」
- 「最上位メニューをカスタマイズ」をタップ
アイコンの数を変更:
画面下部の「− ○個のアイコン +」で、メニューに表示するアイコン数を1〜8個の間で調整できます。
アイコンの機能を変更:
各アイコンをタップすると、そのアイコンに割り当てる機能を変更できます。
おすすめ設定:アイコンを1つだけにする
アイコンを1つに設定すると、ボタンをタップするだけで直接その機能が実行されます。メニューを開く手間がないので便利です。
例えば「スクリーンショット」だけを設定すれば、ボタンをタップするだけでスクリーンショットが撮れます!
カスタムアクションを設定する
ボタンの押し方(タップ、ダブルタップ、長押し)ごとに、違う動作を割り当てられます。
手順:
- 「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」
- 「カスタムアクション」の項目で設定
設定できる操作:
- シングルタップ:1回タップした時
- ダブルタップ:2回連続でタップした時
- 長押し:ボタンを押し続けた時
- 3D Touch:強く押した時(対応機種のみ)
おすすめカスタム例:
- シングルタップ:メニューを開く
- ダブルタップ:スクリーンショット
- 長押し:ホームボタン
これなら、ボタン一つで複数の機能を使い分けられます!
新しいジェスチャを作成する
よく使うジェスチャ(画面操作)を登録しておくことができます。
手順:
- 「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」
- 「新規ジェスチャを作成」をタップ
- 画面上で実際にジェスチャ(タップ、スワイプなど)を行う
- 「保存」をタップして名前をつける
例えば:
- 2本指でのピンチイン/ピンチアウト
- 画面を上にスワイプ
- 連続タップ
これで、複雑な操作もワンタップで実行できるようになります。
【活用編】AssistiveTouchのおすすめ活用法
ここからは、AssistiveTouchの便利な使い方を紹介します。
活用法①:仮想ホームボタンとして使う
iPhone X以降、ホームボタンがなくなりましたが、AssistiveTouchで仮想ホームボタンを作れます。
設定方法:
- メニューのアイコンを1つに設定
- その1つのアイコンに「ホーム」を割り当て
これで、画面上の丸いボタンがホームボタンの代わりになります。
メリット:
- 下からスワイプしなくてもホーム画面に戻れる
- 片手操作が楽になる
活用法②:スクリーンショットを簡単に撮る
通常、iPhoneでスクリーンショットを撮るには、複数のボタンを同時押しする必要があります。
- iPhone X以降:サイドボタン + 音量アップボタン
- iPhone 8以前:ホームボタン + 電源ボタン
これが意外と面倒ですよね。AssistiveTouchなら、ワンタップでスクリーンショットが撮れます!
設定方法:
- メニューに「スクリーンショット」を追加
- または、ダブルタップに「スクリーンショット」を割り当て
ゲームのプレイ画面やSNSの投稿を撮る時にとても便利です。
活用法③:音量調整を画面上で行う
音楽を聴いている時、サイドボタンを何度も押すのは面倒ですよね。
設定方法:
- メニューから「デバイス」を開く
- 「音量を上げる」または「音量を下げる」を選択
画面上のスライダーで、細かく音量調整ができます。
活用法④:画面を録画する
iOS 11以降、画面録画機能が追加されましたが、AssistiveTouchからも起動できます。
設定方法:
- メニューに「画面を収録」を追加
- または、コントロールセンターに「画面収録」を追加しておき、AssistiveTouchの「コントロールセンター」から開く
ゲームの実況動画や、操作手順の説明動画を作りたい時に便利です。
活用法⑤:シェイク機能を使う(端末を振らずに)
iPhoneには、端末を振る(シェイク)ことで直前の操作を取り消す機能があります。
でも、電車の中など、振れない状況もありますよね。
設定方法:
- メニューに「シェイク」を追加
これで端末を振らなくても、シェイク機能が使えます。
使える場面:
- 文字入力を間違って消してしまった時、復元できる
- メールの送信を取り消す
活用法⑥:再起動をメニューから行う
iPhoneを再起動したい時、通常は複数のボタンを長押しする必要があります。
AssistiveTouchなら、メニューから再起動できます。
手順:
- AssistiveTouchメニューを開く
- 「デバイス」→「その他」→「再起動」
これで、画面上の操作だけで再起動できます。
ホームボタンが壊れた時の応急処置

ホームボタン(またはサイドボタン)が壊れてしまった時、AssistiveTouchが大活躍します。
壊れたボタンの代替として使う
ホームボタンが壊れた場合:
AssistiveTouchの「ホーム」機能で、ホーム画面に戻ったり、アプリスイッチャーを開いたりできます。
電源ボタンが壊れた場合:
AssistiveTouchの「画面をロック」で、画面をロックできます。
音量ボタンが壊れた場合:
AssistiveTouchの「デバイス」→「音量を上げる/下げる」で調整できます。
修理までの一時的な対策
物理ボタンが壊れても、AssistiveTouchがあれば当面の間は普通に使えるので、修理の予約を取るまでの時間稼ぎになります。
よくあるトラブルと対処法
トラブル①:AssistiveTouchボタンが邪魔
対処法:
- 待機状態時の不透明度を下げる
- 使わない時は透明に近くなり、目立たなくなります
- ボタンを画面の端に移動する
- 普段使わない場所に配置しましょう
- 必要な時だけオンにする
- ショートカットを設定して、使いたい時だけ呼び出す
トラブル②:ボタンが反応しない
対処法:
- iPhoneを再起動する
- AssistiveTouchをオフ→オンにする
- 画面保護フィルムを確認
- 厚みのあるフィルムやケースが干渉している可能性
トラブル③:ボタンが勝手に動く
対処法:
これは仕様です。AssistiveTouchボタンは、画面の内容が隠れないように自動的に移動することがあります。
気になる場合は、ボタンを長押しして、好きな場所に固定し直しましょう。
トラブル④:スクリーンショットにボタンが映り込む
対処法:
AssistiveTouchでスクリーンショットを撮ると、ボタンは自動的に消えます。
ただし、物理ボタンでスクリーンショットを撮ると、AssistiveTouchボタンも一緒に映り込むので注意してください。
よくある質問(FAQ)
Q1:AssistiveTouchを使うとバッテリーの減りが早くなりますか?
A: ほとんど影響ありません。
AssistiveTouchは軽量な機能なので、バッテリー消費への影響は微々たるものです。気にせず使って大丈夫ですよ。
Q2:AssistiveTouchボタンを完全に消すことはできますか?
A: AssistiveTouchをオフにすれば消えます。
「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」で、スイッチをオフにしてください。
または、「待機状態時の不透明度」を0%にすれば、ほぼ見えなくなります。
Q3:ゲーム中にAssistiveTouchボタンが邪魔です。
A: 一時的にオフにするか、位置を変更しましょう。
方法①: ショートカット(サイドボタン3回クリックなど)で素早くオフ
方法②: ボタンを画面の隅に移動して、ゲーム画面と重ならないようにする
Q4:AssistiveTouchは他のAppleデバイスでも使えますか?
A: はい、iPadやApple Watchでも使えます。
特にApple Watch Series 4以降では、画面に触れずにハンドジェスチャ(手を握る、指を合わせるなど)だけで操作できる「AssistiveTouch」機能があります。
Q5:AssistiveTouchを使っている人は少数派ですか?
A: 実はかなり多くの人が使っています。
特に:
- ホームボタン非搭載のiPhoneユーザー
- スクリーンショットをよく撮る人
- 片手操作を重視する人
には人気の機能です。
Q6:AssistiveTouchのメニューが英語表示になっています。
A: iPhoneの言語設定を確認してください。
「設定」→「一般」→「言語と地域」→「iPhoneの使用言語」が「日本語」になっているか確認しましょう。
Q7:カスタムジェスチャがうまく記録できません。
A: ゆっくり、はっきりとジェスチャを行いましょう。
記録は最大10秒まで可能です。複雑なジェスチャは、いくつかの単純なジェスチャに分けて記録するのがコツです。
まとめ:AssistiveTouchで快適なiPhoneライフを!
AssistiveTouchは、最初は「何だか邪魔そう」と思うかもしれませんが、一度使い始めると手放せなくなる便利機能です。
この記事のポイント:
- AssistiveTouchは画面上の仮想ボタンで様々な操作ができる機能
- 設定方法:設定→アクセシビリティ→タッチ→AssistiveTouchをオン
- カスタマイズ可能:メニューやアクションを自分好みに設定できる
- 便利な使い方:
- 仮想ホームボタン
- ワンタップでスクリーンショット
- 音量調整を画面上で
- 物理ボタンが壊れた時の代替
- ショートカット設定で素早くオン/オフ切り替え可能
こんな人におすすめ:
- ホームボタンがないiPhoneを使っている
- スクリーンショットをよく撮る
- 片手でiPhoneを操作したい
- 物理ボタンの劣化を防ぎたい
- ボタンが壊れてしまった
まずは基本設定から始めて、徐々に自分好みにカスタマイズしていきましょう。
きっとあなたのiPhone生活が、もっと便利で快適になるはずです!
AssistiveTouchを活用して、より良いiPhoneライフを楽しんでくださいね。

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