子どもの運動会で撮った動画、あの決定的な瞬間をスローで見返したい。ダンスの動きを確認したい。ペットの可愛い仕草をゆっくり楽しみたい…
そんなとき、iPhoneで動画をスロー再生できたら便利ですよね。
実は、iPhoneにはスローモーション撮影機能が標準で搭載されています。さらに、すでに撮影した動画をスローにする方法もあるんです。
この記事では、iPhoneで動画をスロー再生する方法を、初心者の方にも分かりやすく徹底解説していきます。撮影時の設定から、編集方法、おすすめアプリまで、幅広くカバーしていますよ。
スローモーション動画とは?

まず、スローモーション動画について簡単に説明しましょう。
スローモーションの仕組み
スローモーション動画は、通常よりも多くのコマ(フレーム)で撮影された動画です。
普通の動画は1秒間に30コマ(30fps)で撮影されますが、スローモーション動画は:
- 120fps:1秒間に120コマ(約4倍スロー)
- 240fps:1秒間に240コマ(約8倍スロー)
このように多くのコマを撮影することで、再生時にゆっくり滑らかに表示できるんです。
スローモーション動画の魅力
スローモーションにすると、こんな魅力があります:
- 決定的瞬間を逃さない:スポーツのゴールシーンなど
- 細かい動きが確認できる:ダンス、スポーツのフォームチェック
- ドラマチックな演出:映画のようなかっこいい映像
- 普段見えないものが見える:水しぶき、ペットの表情など
【撮影編】iPhoneでスローモーション動画を撮る方法
まずは、撮影時にスローモーション動画を撮る方法から見ていきましょう。
対応機種の確認
スローモーション撮影は、以下の機種で利用できます:
背面カメラ(120fps/240fps):
- iPhone 5s 以降のほぼすべてのモデル
前面カメラ(120fps):
- iPhone 11 以降
最新のiPhoneをお使いなら、問題なく使えますよ。
スローモーション撮影の手順
ステップ1:カメラアプリを開く
ホーム画面から「カメラ」アプリを起動します。
ステップ2:スローモードに切り替える
画面下部に表示されているモード一覧を、左右にスワイプして「スロー」または「SLO-MO」を選択します。
モードの位置(左から順番):
- タイムラプス
- スロー
- ビデオ
- 写真
- ポートレート
ステップ3:撮影する
中央の赤い丸ボタンをタップして撮影開始。もう一度タップすると撮影終了です。
ステップ4:写真アプリで確認
撮影した動画は自動的に「写真」アプリに保存されます。
スローモーション撮影のコツ
明るい場所で撮る
スローモーション撮影は多くの光が必要です。屋外の明るい場所や、室内なら照明をしっかり点けましょう。
動きのあるシーンを狙う
静止している被写体ではスローの効果が分かりにくいです。動きのあるシーンで撮影しましょう:
- スポーツ(サッカー、バスケなど)
- ペットが走る様子
- 水しぶき、噴水
- ダンスやアクション
- 風船が割れる瞬間
iPhoneをしっかり固定する
手ブレがあると、スローモーション動画が見づらくなります。三脚や安定した場所に置いて撮影するのがおすすめです。
フレームレートの設定変更
より滑らかなスローモーションが欲しい場合は、フレームレート設定を変更できます。
- 「設定」アプリを開く
- 「カメラ」をタップ
- 「スローモーションを撮影」をタップ
- 1080p HD/240 fps を選択(より滑らか)
注意: 240fpsで撮影すると、ファイルサイズが大きくなります。
【編集編】スロー動画の速度を調整する方法
スローモードで撮影した動画は、撮影後に速度を調整できます。
写真アプリで速度を調整する手順
ステップ1:動画を開く
「写真」アプリから、スローモーションで撮影した動画を選択します。
ステップ2:編集モードに入る
画面右上の「編集」をタップします。
ステップ3:速度バーを確認
画面下部に、動画のタイムラインと、その下に縦線がたくさん並んだバーが表示されます。
- 縦線の間隔が広い部分:スローモーション
- 縦線の間隔が狭い部分:通常速度
ステップ4:スロー範囲を調整
スローモーション部分の両端にある白い縦線(つまみ)を左右にドラッグして、スローにする範囲を調整します。
動画全体を通常速度に戻したい場合:
両端の白い縦線を、動画の最初と最後まで広げるように内側にドラッグします。すると、すべての縦線の間隔が狭くなり、通常速度になります。
一部だけスローにしたい場合:
白い縦線を動かして、スローにしたい部分だけを残します。
ステップ5:保存する
調整が終わったら、画面右下の「✓(チェックマーク)」をタップして保存します。
細かい速度調整をする方法
より細かく速度を調整したい場合は:
- スローモーション部分の両端の白い縦線を長押し
- するとスロー部分だけが拡大表示される
- この状態で微調整ができる
元に戻すことはできる?
はい、大丈夫です!
編集した動画でも、オリジナルのデータは残っています。もう一度編集モードに入って、「元に戻す」をタップすれば、撮影時の状態に戻せます。
【応用編】通常動画をスローにする方法
「すでに撮影してしまった普通の動画を、あとからスローにできないの?」
残念ながら、iPhoneの写真アプリでは通常動画をスローにすることはできません。
なぜなら、スローモーション動画には追加のコマ(フレーム)が必要だからです。普通に撮影した動画には、そのコマが存在しないんです。
ただし、動画編集アプリを使えば、疑似的にスローにすることは可能です。
方法①:iMovieを使う(無料・Apple公式)
iPhoneに標準で入っているか、App Storeから無料でダウンロードできるiMovieがおすすめです。
iMovieでスロー編集する手順:
ステップ1:iMovieを起動
App Storeからダウンロードして、iMovieアプリを開きます。
ステップ2:プロジェクトを作成
「+」ボタンをタップ→「ムービー」を選択します。
ステップ3:動画を選択
スローにしたい動画を選んでタップ→「ムービーを作成」をタップします。
ステップ4:速度を調整
- タイムライン上の動画をタップ
- 画面下部の「速度アイコン」(スピードメーターのマーク)をタップ
- スライダーを左に動かすとスロー再生になります
速度の選択肢:
- 1/8倍速(最も遅い)
- 1/4倍速
- 1/2倍速
- 1倍速(通常)
- 2倍速、4倍速(早送り)
ステップ5:範囲を指定
動画の一部だけスローにしたい場合は:
- タイムライン上の動画を指でタップしたまま長押し
- 黄色い枠が表示される
- 枠の端をドラッグして、スローにしたい範囲を選択
ステップ6:書き出し
完成したら、画面左上の「完了」→画面下中央の「共有ボタン」→「ビデオを保存」をタップします。
これで、スロー編集した動画が写真アプリに保存されます。
方法②:その他のおすすめアプリ
iMovie以外にも、スロー再生に特化したアプリがあります。
①CapCut(キャップカット)- 無料
使いやすさ抜群の動画編集アプリです。
- スロー再生が簡単
- テンプレートが豊富
- 音楽やエフェクトも追加可能
- 完全無料
使い方:
- アプリをダウンロード
- 「新しいプロジェクト」→動画を選択
- クリップをタップ→「速度」を選択
- スライダーで速度を調整(0.1倍〜100倍)
②Slow Motion Video(スローモーション動画)- 無料
スロー再生に特化したシンプルなアプリです。
- 操作が簡単
- 速度テンプレートあり
- BGMの追加も可能
③InShot(インショット)- 基本無料
人気の動画編集アプリです。
- 直感的な操作
- スロー、倍速、逆再生が可能
- トリミングやフィルターも充実
【再生編】動画を再生するときだけスローにする方法

「編集はしないで、見るときだけスロー再生したい」
そんな場合は、再生速度を変更できるプレイヤーアプリを使いましょう。
VLC for Mobile(無料)
VLCは、パソコンでも有名な動画再生アプリです。
特徴:
- 完全無料
- 広告なし
- ほぼすべての動画形式に対応
- 再生速度を0.25倍〜4倍まで調整可能
使い方:
- App Storeから「VLC for Mobile」をダウンロード
- アプリを開いて、動画をインポート
- 動画を再生中に画面をタップ
- 画面下部の「再生速度アイコン」をタップ
- スライダーで速度を調整
これなら、元の動画はそのままで、見たいときだけスロー再生できますよ。
スロー動画を通常速度に戻す方法
「スローで撮影してしまったけど、普通の速度に戻したい!」
大丈夫です。スローモーション動画は、いつでも通常速度に戻せます。
戻し方
前述の「【編集編】スロー動画の速度を調整する方法」と同じ手順です。
簡単まとめ:
- 写真アプリでスロー動画を開く
- 「編集」をタップ
- 画面下部の速度バーで、白い縦線を内側にドラッグ
- すべての縦線の間隔が狭くなれば、通常速度になる
- 「✓」をタップして保存
これで、スローモーション効果が解除され、通常の30fpsで再生されます。
よくあるトラブルと対処法
トラブル①:勝手にスローになってしまう
原因: カメラモードが「スロー」のままになっている
対処法:
撮影前に、カメラアプリのモードが「ビデオ」になっているか確認しましょう。
カメラモードを自動でリセットする設定:
- 「設定」アプリを開く
- 「カメラ」をタップ
- 「設定を保持」をタップ
- 「カメラモード」をオフにする
これで、カメラを閉じると自動的に「写真」モードに戻ります。
トラブル②:編集画面に速度調整の縦線が出ない
原因: スローモードで撮影した動画ではない
対処法:
縦線が表示されるのは、スローモードで撮影した動画だけです。
通常モードで撮影した動画には表示されません。通常動画をスローにしたい場合は、iMovieなどのアプリを使いましょう。
トラブル③:スロー動画が暗くなる
原因: 撮影場所が暗い
対処法:
スローモーション撮影は多くの光が必要です。
- 屋外の明るい時間帯に撮影
- 室内なら照明を増やす
- フラッシュ(ライト)をオンにする
トラブル④:スロー動画がカクカクする
原因: フレームレートが低い、または手ブレ
対処法:
- 設定でフレームレートを上げる
- 設定→カメラ→スローモーションを撮影
- 「1080p HD/240 fps」を選択
- 三脚や固定具を使う
- 手ブレを防ぐ
- 被写体が速く動きすぎている
- カメラとの距離を離す
よくある質問(FAQ)
Q1:スローモーション動画はファイルサイズが大きくなりますか?
A: はい、通常の動画よりも大きくなります。
スローモーション動画は通常の4〜8倍のコマ数で撮影するため、ファイルサイズも増えます。
目安:
- 通常動画(30fps):1分で約130MB
- スローモーション(120fps):1分で約350〜400MB
- スローモーション(240fps):1分で約500〜600MB
iPhoneのストレージ容量に注意しながら撮影しましょう。
Q2:通常動画をあとからスローにすると、画質が落ちますか?
A: はい、少し画質が落ちます。
通常モードで撮影した動画を、iMovieなどでスローにすると、コマ数が足りないため、動きが滑らかではなくなります。
本格的なスローモーション動画が欲しい場合は、最初からスローモードで撮影することをおすすめします。
Q3:スローモーション動画に音声は入りますか?
A: はい、音声も録音されます。
ただし、スローモーション部分の音声は、ゆっくり再生されて不自然に聞こえることがあります。
音声が不要な場合は、編集時に消音(ミュート)することもできます。
Q4:前面カメラ(セルフィー)でもスローモーション撮影できますか?
A: はい、iPhone 11以降なら可能です。
ただし、前面カメラは120fpsまでです(背面カメラは240fps対応)。
使い方は背面カメラと同じで、カメラを前面に切り替えて「スロー」モードを選択すればOKです。
Q5:スローモーション動画をSNSに投稿できますか?
A: はい、できます。
ただし、SNSによってはスローモーション効果が失われる場合があります。
対処法:
- 動画を編集してスロー効果を確定させてから投稿
- iMovieで編集して書き出す
- SNSアプリの中で速度調整機能を使う(Instagram、TikTokなど)
Q6:スロー撮影中に通常速度とスローを切り替えられますか?
A: いいえ、撮影中の切り替えはできません。
ただし、撮影後に編集で、動画の一部だけをスローにすることは可能です。
Q7:iPadでもスローモーション撮影はできますか?
A: はい、対応モデルなら可能です。
iPad Pro(2017年以降)やiPad Air(第4世代以降)など、比較的新しいモデルで利用できます。
使い方はiPhoneと同じです。
まとめ:シーンに合わせてスロー再生を楽しもう
iPhoneの動画スロー再生機能、いかがでしたか?
この記事のポイント:
- 撮影時にスロー:カメラアプリの「スロー」モードで撮影
- スロー範囲の調整:写真アプリの編集機能で速度バーを操作
- 通常動画をスローに:iMovieやCapCutなどのアプリを使用
- 再生時だけスロー:VLCなどのプレイヤーアプリを活用
- スローを解除:写真アプリの編集で縦線を調整
おすすめの使い分け:
- 本格的なスローモーション動画:最初からスローモードで撮影
- すでに撮った動画をスローに:iMovieで編集
- ちょっと確認したいだけ:VLCで再生速度を変更
スローモーション機能を使えば、普段見逃してしまう決定的瞬間や、細かい動きをじっくり楽しめます。
スポーツの練習、ペットの可愛い仕草、子どもの成長記録など、いろいろなシーンで活用してみてくださいね。
あなたのiPhoneライフが、もっと楽しくなりますように!


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