Macのキーボード上部に並ぶファンクションキー。その中でも「F11キー」は、macOSならではの便利な機能が割り当てられています。
でも、「WindowsのF11と違って全画面表示にならない」「押しても反応しない気がする」なんて戸惑った経験はありませんか?実は、MacのF11キーはWindowsとは異なる使い方をするんです。
この記事では、MacにおけるF11キーの機能から具体的な使い方、カスタマイズ方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。Macをもっと快適に使いこなすための第一歩を踏み出しましょう。
Mac版F11キーの基本
WindowsとMacのF11は違う
最初に理解しておきたいのが、MacのF11キーはWindowsとは異なる機能が割り当てられているということ。
Windowsの場合:
F11キー=ブラウザやアプリの全画面表示
Macの場合(デフォルト設定):
F11キー=デスクトップを表示(すべてのウィンドウを隠す)
同じF11キーでも、OSによって役割が違うんですね。Windows PCから乗り換えた方は、この違いを知っておくと混乱しなくて済みますよ。
F11キーの位置
標準的なMacキーボード:
- キーボードの最上段
- F10の右隣、F12の左隣
- 数字キーの「0」の上あたり
Magic Keyboard:
フルサイズのMagic Keyboardには、ファンクションキーが物理的に配置されています。
Touch Bar搭載モデル:
2016年以降の一部のMacBook Proでは、ファンクションキーの代わりにTouch Barが搭載されていました。この場合、Fnキーを押すとTouch Bar上にファンクションキーが表示されます。
macOSのバージョンによる違い
macOSのバージョンによって、F11キーのデフォルト動作が異なることがあります。
比較的新しいmacOS:
F11キー=デスクトップを表示
古いバージョン:
F11キー=Mission Controlのウィンドウ表示(Exposé)
設定を変更していない限り、現在のmacOSではデスクトップ表示が標準です。
MacのF11キーの主な機能
デフォルト機能:デスクトップを表示
MacでF11キーを押すと、開いているすべてのウィンドウが画面の端に移動し、デスクトップが表示されます。
何に使うの?
- デスクトップに置いたファイルにすぐアクセスしたい
- 複数のウィンドウで画面が埋まっているとき
- デスクトップの壁紙を確認したい(笑)
使い方:
- F11キーを押す
- すべてのウィンドウが端に移動
- デスクトップが表示される
- もう一度F11を押すと元に戻る
デスクトップにファイルを一時保存している人には、とても便利な機能なんですよ。
Fnキーとの組み合わせ
Macのファンクションキーは、Fnキーと組み合わせることで動作が変わります。
Fn + F11の機能:
- 音量を上げる(機種による)
- 特殊機能の実行(キーボードによって異なる)
キーボードによっては、F11キーに音量アイコンや明るさアイコンが印字されていることがあります。その場合、Fnキーを押しながら操作することで、その機能が使えるわけです。
標準のファンクションキー動作に切り替え
設定を変更すれば、Fnキーを押さなくてもファンクションキー本来の機能(F11、F12など)が使えるようになります。
設定方法:
- システム設定(またはシステム環境設定)を開く
- 「キーボード」を選択
- 「F1、F2などのキーを標準のファンクションキーとして使用」にチェック
この設定をオンにすると、F11を押すだけでデスクトップ表示になり、音量調整などにはFn + F11が必要になります。
Macでブラウザを全画面表示にする方法
WindowsのF11のような全画面表示
Macでブラウザを全画面表示したい場合は、F11ではなく別のショートカットを使います。
Safari、Chrome、Firefoxなど:
Command (⌘) + Control (⌃) + F
このショートカットで、ブラウザが全画面表示に切り替わります。
戻り方:
- 同じショートカット(⌘ + ⌃ + F)をもう一度押す
- Escキーを押す
- 画面上部にマウスカーソルを移動して、緑色のボタンをクリック
ブラウザの緑色ボタンから全画面化
もっと直感的な方法もあります。
手順:
- ブラウザウィンドウ左上の緑色のボタンにマウスカーソルを合わせる
- 「フルスクリーン」または「最大化」を選択
- 全画面表示に切り替わる
macOS Big Sur以降では、緑色のボタンにマウスを合わせると選択肢が表示されるようになりました。
全画面表示のメリット
作業効率が上がる:
- 画面を広く使える
- メニューバーやDockが自動的に隠れる
- 集中して作業できる
動画視聴に最適:
- YouTubeやNetflixを大画面で楽しめる
- 没入感が増す
F11キーの動作をカスタマイズする
システム設定でショートカットを変更
MacではF11キーの機能を自由にカスタマイズできます。
変更手順:
- システム設定を開く
- 「キーボード」→「キーボードショートカット」を選択
- 「Mission Control」を選択
- 「デスクトップを表示」の項目を探す
- 現在のショートカットをクリックして、好きなキーに変更
変更例:
- F11を別の機能に割り当てる
- デスクトップ表示を別のキーに移す
- F11を「何もしない」に設定
BetterTouchToolでさらに高度なカスタマイズ
より細かいカスタマイズをしたい場合は、「BetterTouchTool」などのサードパーティアプリが便利です。
できること:
- F11キーに複数の機能を割り当てる
- アプリケーションごとに動作を変える
- ジェスチャーと組み合わせる
このツールを使えば、Macの操作性を大幅に向上させられますよ。
Karabiner-Elementsでキー配置を変更
キーボードのキー配置を根本から変えたい場合は、「Karabiner-Elements」というアプリが役立ちます。
特徴:
- 完全に自由なキーマッピング
- 条件付きの動作設定
- 複数のプロファイル管理
開発者やヘビーユーザーに人気のツールです。
MacのF11キーに関する他の機能
アプリケーション固有の動作
一部のアプリケーションでは、F11キーに独自の機能が割り当てられています。
Final Cut Pro:
- プレビューの表示切り替え
Logic Pro:
- ミキサーの表示切り替え
Xcode:
- ドキュメンテーションの表示(設定による)
プロフェッショナル向けのアプリでは、F11キーが重要な役割を果たすことが多いんです。
Officeアプリでの使用
Microsoft OfficeアプリをMacで使う場合も、F11キーが使えます。
Excel:
- 新しいシートを挿入(Shift + F11)
- グラフシートを作成(Alt + F11相当の操作)
Word:
- フィールドのロック(Ctrl + F11)
Windowsとは一部ショートカットが異なりますが、F11キーは重要な機能に使われています。
F11キーが反応しないときの対処法
1. ファンクションキーの設定を確認
最も一般的な原因は、ファンクションキーの設定です。
確認手順:
- システム設定を開く
- 「キーボード」を選択
- 「F1、F2などのキーを標準のファンクションキーとして使用」の設定を確認
この設定がオフの場合、F11を押すとデフォルトでは特殊機能(音量調整など)が実行されます。ファンクションキーとして使いたい場合は、Fnキーと一緒に押す必要があるんですね。
2. Touch Bar搭載モデルの場合
Touch Bar搭載のMacBook Proでは、ファンクションキーの表示方法が異なります。
操作方法:
- Fnキーを押す
- Touch Bar上にファンクションキーが表示される
- F11をタップ
または、Touch Barの設定で常にファンクションキーを表示することもできます。
3. ショートカットの競合を確認
他のアプリやシステム機能がF11キーを使っている可能性があります。
確認方法:
- システム設定→キーボード→キーボードショートカット
- すべてのカテゴリーをチェック
- F11が重複して割り当てられていないか確認
競合している場合は、どちらかのショートカットを変更しましょう。
4. キーボードの接続を確認
外部キーボードを使っている場合、接続の問題かもしれません。
チェック項目:
- Bluetooth接続が安定しているか
- 電池残量は十分か(ワイヤレスキーボードの場合)
- USBケーブルがしっかり接続されているか
一度接続を切って、再接続してみるのも有効ですよ。
5. SMCリセット(古いMacの場合)
キーボードが正しく動作しない場合、SMC(システム管理コントローラー)のリセットが効果的なことがあります。
Intel Mac(デスクトップ)の場合:
- Macをシャットダウン
- 電源ケーブルを抜く
- 15秒待つ
- 電源ケーブルを接続し、5秒待つ
- Macを起動
注意:
Apple Silicon Mac(M1、M2、M3チップ搭載)では、SMCリセットは不要です。
MacでF11キーを活用するシーン
デスクトップ整理
ファイルをデスクトップに一時的に置く習慣がある方には、F11キーが大活躍します。
使い方の例:
- 作業中にファイルをダウンロード
- ブラウザやアプリのウィンドウで画面が埋まっている
- F11キーでデスクトップを表示
- ファイルを整理したりフォルダに移動
ウィンドウを一つ一つ最小化するより、はるかに速いですよね。
プレゼンテーション準備
画面共有の前に、デスクトップを確認・整理する際に便利です。
活用方法:
- プライベートなファイルがデスクトップにないか確認
- 壁紙が適切か確認
- 見せたくないアイコンを隠す
F11キーで素早くチェックできるので、安心してプレゼンに臨めます。
マルチタスク作業
複数のアプリを同時に使う場合、デスクトップアクセスが頻繁に必要になることがあります。
具体例:
- デザイン作業中に参考画像をデスクトップから開く
- 一時的にスクリーンショットをデスクトップに保存
- ダウンロードしたファイルをすぐに確認
F11キー一つで作業効率が大きく変わるんです。
MacとWindowsのF11キー比較表
わかりやすく整理してみましょう。
デフォルト機能:
- Windows:全画面表示(ブラウザ・アプリ)
- Mac:デスクトップを表示
ブラウザの全画面表示:
- Windows:F11
- Mac:⌘ + ⌃ + F
元に戻す方法:
- Windows:F11またはEsc
- Mac:F11(デスクトップ表示から)、⌘ + ⌃ + FまたはEsc(全画面表示から)
カスタマイズ性:
- Windows:制限あり(サードパーティツール必要)
- Mac:システム標準で簡単に変更可能
Touch Bar対応:
- Windows:非対応(Touch Bar自体がWindowsには存在しない)
- Mac:一部モデルで対応
よくある質問と回答
Q1:MacでWindowsのようにF11で全画面表示できる?
できます。ただし、設定変更が必要です。
方法:
- システム設定→キーボード→キーボードショートカット
- Mission Controlの「デスクトップを表示」のショートカットを別のキーに変更
- 使いたいアプリ(ブラウザなど)で、F11を全画面表示に割り当てる
または、BetterTouchToolなどのアプリを使えば簡単に設定できます。
Q2:F11を押してもデスクトップが表示されない
確認ポイント:
- ファンクションキーの設定が正しいか
- Fnキーと一緒に押す必要があるか
- キーボードショートカットが変更されていないか
- 外部キーボードの場合、接続が正常か
システム設定のキーボードショートカットで、現在の割り当てを確認してみましょう。
Q3:Touch BarでF11を使うには?
操作方法:
- Fnキーを押す
- Touch Bar上にファンクションキーが表示される
- F11をタップ
頻繁に使う場合は、Touch Barの設定で「Control Stripを拡張表示」にすると、常にファンクションキーにアクセスできますよ。
Q4:F11でウィンドウが隠れたまま戻らない
稀にこういった状態になることがあります。
対処法:
- もう一度F11を押す
- ⌘ + Tabでアプリケーションを切り替える
- Mission Control(F3またはControl + ↑)を使う
- Dockからアプリをクリック
それでも解決しない場合は、アプリを再起動しましょう。
Q5:F11の音量調整機能を使いたい
ファンクションキー設定がオンになっている場合、Fn + F11で音量調整(または別の特殊機能)が使えます。
設定を変更する場合:
システム設定→キーボード→「F1、F2などのキーを標準のファンクションキーとして使用」をオフにする
この設定をオフにすると、F11単体で特殊機能が使え、Fn + F11でデスクトップ表示になります。
MacのF11キーを使いこなすコツ
他のMission Controlショートカットと組み合わせ
F11キーは、Mission Controlの一機能です。他のショートカットと組み合わせると、さらに効率的に作業できます。
便利なショートカット:
- F3(またはControl + ↑):Mission Control(すべてのウィンドウを一覧表示)
- F11:デスクトップを表示
- Control + ←/→:デスクトップスペース(仮想デスクトップ)を切り替え
これらを使い分けることで、マルチタスクが劇的に快適になりますよ。
トラックパッドジェスチャーとの併用
Macのトラックパッドには、F11と同じ機能を実行できるジェスチャーがあります。
デスクトップを表示:
親指と3本指で広げる動作(Spread)
キーボードから手を離したくない場合はF11、マウス操作中はジェスチャー、と使い分けると便利です。
作業スタイルに合わせて設定
自分の作業スタイルに合わせて、F11の機能をカスタマイズしましょう。
デスクトップをよく使う人:
デフォルト設定のままでOK
ブラウザの全画面表示を頻繁に使う人:
F11を全画面表示に変更し、デスクトップ表示は別のキーに
音量調整をよく使う人:
ファンクションキー設定をオフにして、F11で直接音量調整
まとめ
MacのF11キーは、Windowsとは異なる独自の機能が割り当てられた便利なキーです。
この記事のポイント:
- MacのF11はデフォルトで「デスクトップを表示」機能
- WindowsのF11(全画面表示)とは動作が異なる
- ブラウザの全画面表示は⌘ + ⌃ + Fを使う
- システム設定で簡単にカスタマイズ可能
- Fnキーとの組み合わせで特殊機能が使える
- Touch Bar搭載モデルはFnキー押下でファンクションキー表示
- トラックパッドジェスチャーとの併用が便利
- BetterTouchToolなどでさらに高度なカスタマイズが可能
MacはWindowsと操作体系が異なりますが、それぞれに最適化された設計になっています。F11キーの機能を理解して、自分の作業スタイルに合わせてカスタマイズすれば、Macをもっと快適に使いこなせるはずです。
最初は戸惑うかもしれませんが、一度慣れてしまえばMacのワークフローの方が効率的だと感じる方も多いですよ。ぜひF11キーを活用して、快適なMacライフを送ってください!

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