いつも見ているWebサイトを開こうとしたら、「このサイトにアクセスできません」「到達できません」というエラーメッセージが表示される…
さっきまで普通に使えていたのに、なぜ急に見られなくなったのでしょうか?ネットの設定を変えた覚えもないし、何が原因なのか分からず困っていませんか?
このエラーは、ネットワークの問題、DNS設定の不具合、サイト側のトラブルなど、さまざまな原因で発生します。でも、ほとんどの場合、適切な対処法を試せば解決できるんです。
この記事では、「到達できません」エラーの原因から、誰でもできる基本的な解決方法、それでもダメなときの高度な対処法まで、わかりやすく解説していきます。
「到達できません」エラーとは

よく見るエラーメッセージ
Microsoft Edgeで表示される代表的なエラーメッセージです。
表示される文言:
- 「このサイトにアクセスできません」
- 「[サイト名] に到達できません」
- 「応答時間が長すぎます」
- 「接続がリセットされました」
- 「ERR_CONNECTION_REFUSED」
- 「ERR_NAME_NOT_RESOLVED」
- 「DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN」
表示される文言は少し違っても、基本的には「Webサイトに接続できない」という意味です。
エラーが示す意味
このエラーは、あなたのパソコンから目的のWebサイトまでの通信経路のどこかに問題があることを示しています。
通信の流れ:
- あなたがURLを入力
- DNSサーバーがURLをIPアドレスに変換
- インターネットを通じてサイトのサーバーに接続
- サーバーがページのデータを送り返す
- Edgeがページを表示
この流れのどこかで問題が起きると、「到達できません」エラーになります。
一時的なエラーと継続的なエラー
エラーには2種類あります。
一時的なエラー:
- すぐに解決することが多い
- ページを更新すれば直る
- ネットワークの一時的な混雑
- サーバーの瞬間的な負荷
継続的なエラー:
- 何度試しても改善しない
- 設定の問題
- ハードウェアの故障
- サイト側の深刻な問題
一時的なエラーなら簡単な対処で済みますが、継続的なエラーは原因の特定が必要です。
エラーが発生する主な原因
インターネット接続の問題
最も基本的な原因です。
よくあるケース:
- Wi-Fiが切れている
- LANケーブルが抜けている
- モバイルデータ通信の制限
- プロバイダーの障害
- ルーターの不具合
物理的な接続やネットワーク機器のトラブルですね。
DNS設定の問題
DNS(Domain Name System)は、URLをIPアドレスに変換する仕組みです。
DNSの役割:
- 「www.example.com」→「192.0.2.1」のように変換
- 電話帳のような役割
- これが機能しないとサイトにたどり着けない
DNSエラーの原因:
- DNSサーバーがダウンしている
- DNS設定が間違っている
- DNSキャッシュが破損している
ファイアウォールやセキュリティソフトのブロック
セキュリティ機能が過剰に反応している可能性があります。
ブロックされる理由:
- ウイルス対策ソフトが誤検知
- Windowsファイアウォールの設定ミス
- 企業や学校のネットワーク制限
- ペアレンタルコントロール
安全のための機能が、逆にアクセスを妨げているケースです。
プロキシ設定の問題
プロキシサーバーは、インターネット接続の中継役です。
プロキシの問題:
- 不要なのに設定が残っている
- プロキシサーバーが停止している
- 設定内容が間違っている
会社のパソコンを自宅で使う場合などに起こりがちです。
サイト側の問題
あなたのパソコンではなく、サイト側に原因があるケースです。
サイト側のトラブル:
- サーバーがダウンしている
- メンテナンス中
- アクセス集中でサーバーダウン
- DDoS攻撃を受けている
- ドメインの有効期限切れ
この場合、あなたができることは限られています。
Edgeのキャッシュや設定の問題
ブラウザ側のデータが原因のこともあります。
Edge側の問題:
- 古いキャッシュが残っている
- 破損したCookie
- 拡張機能の干渉
- 設定の不具合
基本的な対処法(まずはこれを試そう)

ページを更新する
最もシンプルな方法です。
手順:
- F5キーを押す
- または、アドレスバーの更新ボタンをクリック
- Ctrl + F5で強制更新(キャッシュを無視)
一時的なエラーなら、これだけで解決することも多いです。
他のサイトも開けないか確認
問題の範囲を特定します。
確認方法:
- Yahoo!やGoogleなど、別のサイトを開いてみる
- 複数のサイトを試す
結果の判断:
- すべてのサイトが開けない → ネット接続の問題
- 特定のサイトだけ開けない → そのサイトの問題
インターネット接続を確認
ネットワークに接続されているか確認しましょう。
確認ポイント:
- タスクバーの右下のネットワークアイコンを確認
- Wi-Fiマークに「×」や「!」がついていないか
- 「インターネットに接続されていません」と表示されていないか
基本的な対処:
- Wi-Fiをオフ→オンにする
- ルーターを再起動する(電源を切って30秒待ってから入れ直す)
- LANケーブルを挿し直す
パソコンを再起動
多くの一時的な問題を解決できます。
効果:
- ネットワーク設定がリセットされる
- メモリがクリアされる
- 不要なプロセスが終了する
特に、長時間パソコンをつけっぱなしにしていた場合は効果的です。
Edgeを再起動
ブラウザだけをリセットします。
手順:
- Edgeを完全に閉じる
- タスクマネージャー(Ctrl + Shift + Esc)を開く
- 「プロセス」タブでEdgeが残っていないか確認
- 残っていれば選択して「タスクの終了」
- Edgeを起動
ブラウザの一時的な不具合が解消されます。
別のブラウザで試す
Edgeだけの問題かを確認します。
試すブラウザ:
- Google Chrome
- Mozilla Firefox
- Safari(Macの場合)
結果の判断:
- 他のブラウザでも開けない → ネットワークやサイトの問題
- Edgeだけ開けない → Edgeの設定やキャッシュの問題
DNSの問題を解決する
DNSキャッシュをクリア
破損したDNS情報を削除します。
手順:
- スタートメニューで「cmd」と検索
- 「コマンドプロンプト」を右クリック
- 「管理者として実行」を選択
- 以下のコマンドを入力してEnter:
ipconfig /flushdns
- 「DNS リゾルバー キャッシュは正常にフラッシュされました」と表示されればOK
これで、古いDNS情報がクリアされます。
公共DNSサーバーに変更
プロバイダーのDNSサーバーに問題がある場合の対処法です。
GoogleのパブリックDNS(8.8.8.8)に変更:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」
- 「アダプターのオプションを変更する」をクリック
- 使用中のネットワーク(Wi-Fiまたはイーサネット)を右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択
- 「プロパティ」ボタンをクリック
- 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択
- 優先DNSサーバー:8.8.8.8
- 代替DNSサーバー:8.8.4.4
- 「OK」をクリック
Cloudflare DNS(1.1.1.1)も人気:
- 優先:1.1.1.1
- 代替:1.0.0.1
どちらも無料で信頼性の高いDNSサービスです。
Edge のDNS設定を確認
Edge独自のDNS設定もあります。
手順:
- 「…」→「設定」→「プライバシー、検索、サービス」
- 「セキュリティ」セクションまでスクロール
- 「セキュリティで保護されたDNSを使用する」を確認
- 問題がある場合は、オフにしてみる
セキュアDNS機能が干渉している可能性があります。
キャッシュとデータのクリア
閲覧データを削除
蓄積したデータをクリアします。
手順:
- 「…」→「設定」→「プライバシー、検索、サービス」
- 「閲覧データをクリア」→「クリアするデータの選択」
- 時間の範囲:「すべての期間」を選択
- 以下にチェック:
- 閲覧履歴
- Cookieおよびその他のサイトデータ
- キャッシュされた画像とファイル
- 「今すぐクリア」をクリック
これで、破損したキャッシュが削除されます。
特定のサイトのデータを削除
問題のあるサイトだけを対象にします。
手順:
- 「設定」→「Cookieとサイトのアクセス許可」
- 「Cookieとサイトデータの管理と削除」をクリック
- 「すべてのCookieとサイトデータを表示」
- 問題のサイトを検索
- 削除ボタンをクリック
特定のサイトだけに問題がある場合に有効です。
ファイアウォールとセキュリティの確認
Windows Defender ファイアウォールを確認
Windowsの標準セキュリティ機能をチェックします。
確認手順:
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」
- 「ファイアウォールとネットワーク保護」をクリック
- 各ネットワークの状態を確認
一時的にオフにして試す:
- 使用中のネットワーク(プライベート/パブリック)をクリック
- 「Microsoft Defender ファイアウォール」をオフにする
- サイトにアクセスできるか確認
- 確認後、必ずオンに戻す
注意:
ファイアウォールを無効にするとセキュリティリスクが高まるので、テスト後は必ず有効に戻してください。
ウイルス対策ソフトの設定を確認
サードパーティのセキュリティソフトが原因かもしれません。
確認方法:
- ウイルス対策ソフトを開く
- ファイアウォールやWeb保護機能を確認
- 一時的に無効化して試す
- アクセスできれば、そのソフトが原因
対処法:
- 問題のサイトを「除外リスト」に追加
- Web保護機能の設定を調整
- ソフトをアップデート
プロキシ設定を確認
不要なプロキシ設定が残っていないか確認します。
手順:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「プロキシ」
- 「プロキシサーバーを使う」がオフになっているか確認
- オンになっている場合:
- 必要ない場合はオフにする
- 必要な場合は設定内容を確認
Edge の設定からも確認:
- 「…」→「設定」→「システムとパフォーマンス」
- 「コンピューターのプロキシ設定を開く」をクリック
- Windows の設定が開く
ネットワーク設定のリセット

ネットワークアダプターをリセット
ネットワーク機器の設定を初期化します。
手順:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」
- 「詳細設定」→「ネットワークのリセット」
- 「今すぐリセット」をクリック
- 確認画面で「はい」
- パソコンが再起動
再起動後、Wi-Fiパスワードなどを再設定する必要があります。
TCP/IPスタックをリセット
コマンドプロンプトで実行します。
手順:
- コマンドプロンプトを管理者として実行
- 以下のコマンドを順番に実行:
netsh winsock reset
netsh int ip reset
ipconfig /release
ipconfig /renew
ipconfig /flushdns
- パソコンを再起動
ネットワークの設定が完全にリセットされます。
Edgeの設定と修復
拡張機能を無効化
拡張機能が干渉している可能性があります。
手順:
- 「edge://extensions/」をアドレスバーに入力
- すべての拡張機能をオフにする
- Edgeを再起動
- サイトにアクセスできるか確認
問題が解決すれば、1つずつ有効化して原因を特定しましょう。
Edgeをリセット
設定を初期状態に戻します。
手順:
- 「…」→「設定」→「設定のリセット」
- 「設定を復元して既定値に戻します」
- 内容を確認して「リセット」をクリック
ブックマークやパスワードは残りますが、拡張機能は無効化されます。
Edgeを修復または再インストール
プログラムファイルに問題がある場合の対処です。
修復:
- Windows の「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
- 「Microsoft Edge」を探す
- 「…」→「詳細オプション」→「修復」
再インストール:
- Edgeをアンインストール(可能な場合)
- 公式サイトから最新版をダウンロード
- インストール
サイト側の問題を確認
ダウン検出サービスを利用
サイトが本当にダウンしているか確認します。
使えるサービス:
- Down for Everyone or Just Me(https://downforeveryoneorjustme.com/)
- Is It Down Right Now?
- Downdetector
サイトのURLを入力すると、世界中から見て本当にダウンしているか教えてくれます。
別のネットワークで試す
あなたのネットワークだけの問題か確認します。
試す方法:
- スマホのモバイルデータ通信で確認
- 別のWi-Fi(カフェや友人宅など)で試す
- テザリングを使う
別のネットワークで開けるなら、自宅のネットワーク設定が原因です。
サイトのSNSや公式情報を確認
メンテナンス情報や障害情報を調べます。
確認先:
- サイトの公式Twitterアカウント
- 公式Facebookページ
- お知らせページ
計画的なメンテナンスなら、終了時刻も分かります。
高度なトラブルシューティング
hostsファイルを確認
特定のサイトへのアクセスがブロックされていないか確認します。
手順:
- エクスプローラーで以下を開く:
C:\Windows\System32\drivers\etc
- 「hosts」ファイルを右クリック→「プログラムから開く」→「メモ帳」
- 問題のサイトのドメインが記載されていないか確認
- あれば、その行を削除(または先頭に#を付けてコメントアウト)
- 保存(管理者権限が必要)
マルウェアがhostsファイルを改ざんしていることがあります。
IPアドレスで直接アクセス
DNSを経由せずにアクセスしてみます。
手順:
- コマンドプロンプトを開く
- 以下のコマンドを実行:
ping example.com
(example.comは実際のサイト名に置き換え)
- 表示されたIPアドレスをメモ
- EdgeのアドレスバーにIPアドレスを入力
IPアドレスで開ける場合、DNS設定が原因です。
MTU設定を変更
パケットサイズの設定を調整します。
注意:
この操作は高度なため、詳しくない場合は専門家に相談することをおすすめします。
基本的な手順:
- コマンドプロンプトを管理者として実行
- 以下のコマンドでインターフェース名を確認:
netsh interface ipv4 show subinterfaces
- MTUを設定:
netsh interface ipv4 set subinterface "インターフェース名" mtu=1400 store=persistent
標準値は1500ですが、一部のネットワークでは小さい値が必要な場合があります。
特殊なケースの対処法
VPNを使用している場合
VPNが原因の可能性があります。
対処法:
- VPNを一時的に切断
- サイトにアクセスできるか確認
- VPNが原因なら:
- 別のVPNサーバーを試す
- VPNプロトコルを変更
- VPNソフトをアップデート
企業や学校のネットワークの場合
管理者による制限があるかもしれません。
確認ポイント:
- 特定のサイトへのアクセス制限
- フィルタリング設定
- ポート制限
この場合、ネットワーク管理者に相談する必要があります。
IPv6の問題
IPv6が有効で問題を起こしている場合があります。
IPv6を無効化:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」
- 「アダプターのオプションを変更する」
- ネットワークアダプターを右クリック→「プロパティ」
- 「インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv6)」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
よくある質問
Q:特定のサイトだけ開けません。他のサイトは問題ありません。
そのサイト側に問題がある可能性が高いです。まず、ダウン検出サービスで確認しましょう。サイトがダウンしていない場合は:
- キャッシュとCookieをクリア
- DNSキャッシュをクリア
- 別のブラウザで試す
それでもダメなら、サイト管理者に問い合わせてみてください。
Q:昨日まで開けていたのに、急に開けなくなりました。
よくあるパターンです。以下を順番に試してください:
- ルーターを再起動
- パソコンを再起動
- DNSキャッシュをクリア
- Edgeのキャッシュをクリア
これで大半のケースは解決します。
Q:家では開けるのに、会社では開けません。
会社のネットワークでアクセス制限がかかっている可能性があります。特に:
- SNS(Facebook、Twitterなど)
- 動画サイト(YouTube、Netflixなど)
- ショッピングサイト
これらは業務に関係ないとして制限されることが多いです。ネットワーク管理者に確認してみましょう。
Q:スマホでは開けるのに、パソコンでは開けません。
パソコン側の設定に問題があります。以下を確認:
- ファイアウォール設定
- ウイルス対策ソフト
- プロキシ設定
- DNS設定
スマホで開けるなら、サイト側に問題はありません。
Q:「ERR_CONNECTION_TIMED_OUT」と表示されます。
接続がタイムアウト(時間切れ)になっています。原因は:
- ネットワーク速度が遅い
- サイトのサーバーが混雑している
- ファイアウォールでブロックされている
まず、別のサイトが開けるか確認しましょう。他のサイトも遅い場合は、インターネット回線の問題です。
Q:解決方法を全部試しましたが、まだ開けません。
以下の可能性を検討してください:
- サイトが閉鎖された
- 地域制限がかかっている
- IPアドレスがブロックされている
- ハードウェア(ルーター、LANケーブル)の故障
- プロバイダー側の問題
プロバイダーのサポートに連絡するか、詳しい人に実際に確認してもらうことをおすすめします。
まとめ:段階的に対処して問題を解決しよう
「到達できません」エラーは、さまざまな原因で発生しますが、ほとんどは適切な対処で解決できます。
この記事のポイント:
- エラーは通信経路のどこかに問題があることを示す
- まずは簡単な方法から試す(更新、再起動)
- 問題の範囲を特定する(すべてのサイト?特定のサイトだけ?)
- DNSとキャッシュのクリアが効果的
- セキュリティソフトやファイアウォールも確認
- サイト側の問題なら待つしかない
効果的なトラブルシューティングの手順:
- ページを更新(F5)
- 別のサイトも試す
- ネット接続を確認
- パソコンとルーターを再起動
- DNSキャッシュをクリア
- Edgeのキャッシュをクリア
- ファイアウォール・セキュリティソフトを確認
- DNS設定を変更(Google DNS等)
- ネットワーク設定をリセット
- Edgeをリセット
ほとんどの問題は、手順5までで解決します。
焦らず、1つずつ試していきましょう。どうしても解決しない場合は、プロバイダーのサポートやパソコンに詳しい人に相談するのも良い選択です。
快適なインターネット環境を取り戻して、楽しいブラウジングを続けてくださいね!

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