「外出先でもインターネットを使いたいけれど、スマホのデータ容量がすぐ足りなくなる…」
そんな悩みを持っている方におすすめなのが、ポケットWi-Fiです。
ポケットWi-Fiがあれば、カフェでも電車の中でも、どこでも快適にインターネットが使えます。面倒な工事も不要で、届いたその日からすぐに利用開始できるんです。
この記事では、ポケットWi-Fiの仕組みからメリット・デメリット、選び方まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
ポケットWi-Fiとは?
ポケットWi-Fiの正式名称
実は「ポケットWi-Fi」という言葉は、ソフトバンクの登録商標なんです。正式には「Pocket WiFi」と表記されます。
登録商標とは、特定の会社が独占的に使える名前やマークのこと。つまり、本来は「ポケットWi-Fi」という名称はソフトバンクとY!mobileのサービスにしか使えません。
でも、ソフトバンクが他社より先にサービスを始めて広まったため、持ち運べるWi-Fi機器全般を「ポケットWi-Fi」と呼ぶ人が多くなったんです。
正しい呼び方
厳密には、持ち運び可能なWi-Fi機器のことを以下のように呼びます:
- ポケット型Wi-Fi
- モバイルWi-Fi
- モバイルルーター
- モバイルWi-Fiルーター
この記事では、分かりやすさを優先して「ポケットWi-Fi」という表現も使いますが、正式には「ポケット型Wi-Fi」が一般的な呼び方です。
どんな機器なの?
ポケット型Wi-Fiは、手のひらサイズの小型インターネット接続機器です。
特徴:
- ポケットやカバンに入るコンパクトサイズ
- バッテリー内蔵で持ち運び可能
- 複数のデバイス(スマホ、タブレット、パソコンなど)を同時にインターネット接続できる
- 工事不要ですぐに使える
自宅にある固定のWi-Fiルーターを、そのまま小さくして持ち運べるようにしたもの、とイメージすると分かりやすいですよ。
ポケットWi-Fiの仕組みを分かりやすく解説
ポケット型Wi-Fiは、どうやってインターネットに接続しているのでしょうか?
スマホと同じ仕組み
実は、ポケット型Wi-Fiがインターネットに接続する仕組みは、スマートフォンとほぼ同じなんです。
接続の流れ
- ポケット型Wi-Fi本体が電波を発信・受信
- 最寄りの基地局が電波を受信
- 基地局で光信号に変換
- 光ファイバーケーブルで交換局に送られる
- インターネットに接続
基地局とは、携帯電話の電波を送受信する鉄塔やアンテナのことです。街中で見かける、携帯電話会社のアンテナがこれにあたります。
SIMカードの役割
ポケット型Wi-Fiの中には、スマホと同じようにSIMカードが入っています。
SIMカードとは、電話番号などの契約者情報が記録された小さなICカードのこと。これがないと、通信会社のネットワークを使うことができません。
使用する通信回線
ポケット型Wi-Fiは、以下のような移動体通信回線を使っています:
- 4G LTE回線:現在主流の高速通信規格
- 5G回線:次世代の超高速通信規格
- WiMAX回線:独自の高速通信規格
これらは、スマホで使われているのと同じ回線なんです。
Wi-Fiで複数機器に配信
ポケット型Wi-Fi本体がインターネットに接続したら、今度はWi-Fiという無線通信技術を使って、周囲の機器にインターネット接続を配信します。
Wi-Fi(ワイファイ)とは、ケーブルを使わずに無線でインターネット接続する技術のこと。正式には「Wireless Fidelity」の略です。
これにより、ポケット型Wi-Fi一台で、スマホ、タブレット、ノートパソコン、ゲーム機など、複数の機器を同時にインターネットに接続できるんです。
ポケットWi-Fiのメリット
ポケット型Wi-Fiには、たくさんの便利なメリットがあります。
1. どこでも持ち運べる
ポケット型Wi-Fiの最大のメリットは、どこにでも持ち運べることです。
使える場所の例:
- 自宅
- カフェ
- 公園
- 電車やバスの中
- 出張先のホテル
- 帰省先の実家
- 海外(対応している場合)
携帯電話の電波が届く場所なら、基本的にどこでもインターネットが使えます。
2. 工事が不要
自宅に光回線を引く場合、以下のような手間がかかります:
- 回線開通工事の実施(壁に穴を開けることも)
- 大家さんの許可が必要(賃貸の場合)
- 申し込みから利用開始まで1〜2ヶ月
でもポケット型Wi-Fiなら、こんな面倒は一切不要!
- 工事なし
- 許可も不要
- 申し込みから最短翌日で使える
端末が届いたら電源を入れるだけで、すぐにインターネットが使えるようになります。
3. 複数の機器を同時接続
ポケット型Wi-Fi一台で、複数のデバイスを同時にインターネット接続できます。
接続可能台数の例
- 一般的な機種:5〜10台
- 高性能な機種:10〜20台以上
家族や友人とシェアすることもできるので、みんなで通信費を節約できますよ。
4. セキュリティが高い
カフェや駅にあるフリーWi-Fi(無料の公衆無線LAN)は便利ですが、セキュリティ面で心配があります。
フリーWi-Fiの危険性
- 通信内容を盗み見される可能性
- ハッキングのリスク
- 個人情報の漏洩
一方、ポケット型Wi-Fiは専用のパスワードで保護されており、自分だけのネットワークを作れます。
最新の暗号化技術(WPA2、WPA3など)で通信内容が守られるため、フリーWi-Fiより安全にインターネットを使えるんです。
5. スマホのデータ容量を節約
スマホの契約プランには、毎月使えるデータ容量に上限があります。
容量を超えると、速度制限がかかって、とても遅くなってしまいますよね。
ポケット型Wi-Fiを使えば:
- スマホのデータ容量を消費しない
- 速度制限を気にせず動画視聴
- 大容量ファイルのダウンロードも快適
スマホの契約プランを小容量プランに変更すれば、通信費の節約にもなります。
6. 停電時にも使える
自宅の光回線やホームルーターは、コンセントから電源を取る必要があります。そのため、停電すると使えなくなってしまいます。
しかしポケット型Wi-Fiはバッテリー内蔵なので、停電時でもインターネット接続が可能です。
災害時の連絡手段としても活用できるんです。
7. 引越しが簡単
光回線の場合、引越しのたびに:
- 旧住所での撤去工事
- 新住所での開通工事
- 住所変更の手続き
といった手間がかかります。
ポケット型Wi-Fiなら、引越し先に持っていくだけ。住所変更の手続きをすれば、すぐに使い続けられます。
学生さんや転勤が多い方にも便利ですよ。
ポケットWi-Fiのデメリットと注意点
便利なポケット型Wi-Fiですが、知っておくべきデメリットもあります。
1. 光回線より通信速度が遅い
ポケット型Wi-Fiは、光回線に比べると通信速度が遅くなります。
平均的な速度の比較
| 接続方法 | ダウンロード速度 | アップロード速度 |
|---|---|---|
| 光回線 | 約300〜500Mbps | 約200〜400Mbps |
| ポケット型Wi-Fi(5G) | 約100〜200Mbps | 約20〜50Mbps |
| ポケット型Wi-Fi(4G) | 約30〜80Mbps | 約10〜30Mbps |
※実際の速度は環境により大きく異なります
Mbps(メガビーピーエス)とは、通信速度の単位です。数値が大きいほど高速になります。
日常使いには十分
動画視聴やウェブ閲覧、SNSなど、日常的な使い方なら問題ありません。
向いていない用途
- 4K画質の動画を複数同時に視聴
- 大容量のオンラインゲーム(100GB以上)のダウンロード
- 本格的なeスポーツ(反応速度が重要なゲーム)
- 複数人での同時Web会議
こういった用途が多い場合は、光回線の方が適しています。
2. データ容量に制限がある
多くのポケット型Wi-Fiには、月間で使えるデータ容量に上限があります。
一般的なプラン
- 小容量:月20〜50GB
- 中容量:月100GB
- 大容量:月150〜200GB
- 実質無制限:月間制限なし(ただし短期間の大量使用で制限あり)
容量を超えると、通信速度が大幅に制限されてしまいます(128kbpsなど)。
1GBでできることの目安
- ウェブ閲覧:約3,000ページ
- YouTube標準画質:約2時間
- YouTube高画質(HD):約1時間
- LINE通話:約40時間
- Zoom会議:約1.5時間
自分がどれくらい使うか、事前に確認しておきましょう。
3. 同時接続台数に制限
ポケット型Wi-Fiは、同時に接続できる台数に上限があります。
よくある問題
例えば最大10台接続の機種の場合:
- 家族のスマホ:3台
- タブレット:2台
- ノートパソコン:2台
- テレビ:1台
- ゲーム機:1台
これで9台なので、残り1台しか接続できません。
また、家族の誰かが外出時にポケット型Wi-Fiを持ち出すと、自宅ではインターネットが使えなくなります。
家族全員で使う場合は、自宅用の固定回線と併用するのがおすすめです。
4. 建物内で電波が弱くなることも
ポケット型Wi-Fiは携帯電話と同じ電波を使うため、以下のような場所では電波が弱くなることがあります:
- 地下
- 高層ビルの間
- 厚いコンクリート壁の建物内
- 山間部
光回線は有線接続なので、このような場所でも安定していますが、ポケット型Wi-Fiは環境に左右されやすいんです。
5. バッテリーの充電が必要
ポケット型Wi-Fiはバッテリー駆動のため、定期的な充電が必要です。
バッテリー持続時間の例
- 一般的な機種:約8〜12時間
- 長時間駆動モデル:約15〜20時間
充電を忘れると、外出先で使えなくなってしまうので注意が必要です。
光回線との違いを比較
ポケット型Wi-Fiと光回線、どちらを選ぶべきか迷っている方も多いでしょう。それぞれの違いを比較してみます。
比較表
| 項目 | ポケット型Wi-Fi | 光回線 |
|---|---|---|
| 持ち運び | ○ どこでも使える | × 自宅のみ |
| 工事 | ○ 不要 | × 必要 |
| 開通までの期間 | ○ 最短翌日 | × 1〜2ヶ月 |
| 通信速度 | △ やや遅い | ○ 高速 |
| 通信の安定性 | △ 環境に左右される | ○ 安定 |
| データ容量 | △ 制限あり | ○ 無制限 |
| 月額料金 | ○ 3,000〜5,000円程度 | △ 4,000〜6,000円程度 |
| 初期費用 | ○ 数千円 | △ 1〜3万円 |
| 引越し | ○ 簡単 | △ 工事が必要 |
どちらを選ぶべき?
ポケット型Wi-Fiがおすすめの人
- 外出先でもインターネットを使いたい
- すぐにインターネット環境が欲しい
- 引越しが多い
- 工事ができない・したくない
- 一人暮らしで使用量が少ない
光回線がおすすめの人
- ほぼ自宅でしか使わない
- 高画質動画やオンラインゲームをたくさん楽しむ
- 家族全員で使う
- 複数のデバイスを同時に使う
- Web会議やオンライン授業が多い
スマホのテザリングとの違い
「スマホでテザリングすれば、ポケット型Wi-Fiは不要では?」と思う方もいるかもしれません。
テザリングとは、スマートフォンをWi-Fiルーター代わりにして、他の機器をインターネット接続する機能のことです。
テザリングのデメリット
1. スマホのバッテリーが急速に減る
テザリング中は、スマホの電池消耗が非常に激しくなります。数時間でバッテリーが空になることも。
2. スマホが使えなくなる
テザリング中は、スマホ本体が熱くなり、動作が遅くなることがあります。また、電話がかかってきた時に通話できない機種もあります。
3. データ容量の消費が激しい
テザリングで使ったデータも、スマホの契約容量から消費されます。すぐに速度制限にかかってしまう可能性があります。
4. 通信速度が遅い
スマホのテザリングは、専用のポケット型Wi-Fiに比べて通信速度が遅く、安定性も劣ります。
ポケット型Wi-Fiのメリット
- スマホのバッテリーを消費しない
- 専用機器なので通信が安定
- 長時間の連続使用が可能
- 複数デバイスでも快適
結論
緊急時や短時間だけ使う場合はテザリングで十分ですが、外出先で頻繁にインターネットを使うなら、ポケット型Wi-Fiの方が断然便利です。
ポケットWi-Fiがおすすめの人
どんな人にポケット型Wi-Fiが向いているのか、具体的に見ていきましょう。
1. 外出先でよくネットを使う人
- カフェでノートパソコンを使って作業する
- 移動中に動画を観たい
- 出張が多く、ホテルでインターネットが必要
- 外でタブレットを使いたい
こんな方には、ポケット型Wi-Fiがぴったりです。
2. 学生や単身赴任の方
- 短期間だけの利用
- 工事の許可が取れない賃貸物件
- 引越しが多い
学生寮やマンスリーマンションなど、固定回線の工事ができない環境でも、ポケット型Wi-Fiならすぐに使えます。
3. 通信費を節約したい人
- スマホを小容量プランに変更
- ポケット型Wi-Fi経由でインターネット利用
- トータルの通信費を抑える
賢く使えば、固定回線とスマホの大容量プランを契約するより安く済む場合があります。
4. 急にネット環境が必要になった人
- 突然の入院
- 急な出張
- 引越し直後
光回線の工事を待つ時間がない場合、ポケット型Wi-Fiなら最短翌日から使えます。
5. セキュリティを重視する人
- フリーWi-Fiのセキュリティが心配
- カフェで仕事をすることが多い
- 個人情報を扱う作業がある
自分専用のネットワークを持てるので、安全性が高まります。
6. 複数の場所で使いたい人
- 自宅と職場の両方で使いたい
- 実家に帰省するときも使いたい
- 旅行先でも使いたい
一台持っていれば、どこでも同じ環境でインターネットが使えます。
選ぶときのポイント
ポケット型Wi-Fiを選ぶ際、チェックすべきポイントを紹介します。
1. 必要なデータ容量を確認
自分が月にどれくらいデータを使うか、まず把握しましょう。
データ容量の目安
- 〜20GB:ウェブ閲覧とSNSが中心
- 50GB:動画を時々観る
- 100GB:動画を毎日1〜2時間観る
- 実質無制限:動画やゲームをたくさん楽しむ
必要以上に大容量のプランを選ぶと、料金がもったいないです。逆に少なすぎると速度制限に悩まされます。
2. 対応エリアを確認
契約前に、自分がよく使う場所がサービスエリア内かチェックしましょう。
各通信会社の公式サイトには「エリアマップ」があり、どこで使えるか確認できます。
特に:
- 自宅
- 職場
- よく行くカフェ
- 実家
など、頻繁に使う場所は必ず確認してください。
3. 通信速度をチェック
下り速度(ダウンロード):動画視聴やウェブ閲覧に影響
上り速度(アップロード):写真・動画のアップロード、Web会議に影響
用途に応じて、必要な速度の機種を選びましょう。
速度の目安
- YouTube標準画質:3Mbps以上
- YouTube高画質(HD):5Mbps以上
- Zoom会議:10Mbps以上
4. バッテリー持続時間
一日中外出することが多い人は、バッテリーの持ちも重要です。
- 短時間利用:8時間程度でOK
- 長時間利用:12時間以上がおすすめ
5. 同時接続可能台数
何台のデバイスを接続する予定か考えましょう。
- 一人で使う:5台程度
- 家族でシェア:10台以上
6. 契約期間と解約金
- 縛りなし:いつでも解約可能
- 2年縛り:2年以内の解約で違約金が発生
短期間だけ使いたい場合は、縛りなしのプランを選びましょう。
7. 通信会社の選択
主な通信会社:
- ドコモ系:広いエリア、安定性が高い
- au系(WiMAX):高速、実質無制限プランあり
- ソフトバンク系:都市部で強い
- 楽天モバイル系:料金が安い
それぞれ特徴があるので、自分の使い方に合った会社を選びましょう。
8. 端末のレンタルか購入か
- レンタル:初期費用が安い、短期利用向き
- 購入(分割):長期利用する場合はお得
使う期間に応じて選ぶといいですよ。
まとめ
ポケット型Wi-Fiは、どこでも持ち運べて便利なインターネット接続機器です。この記事の内容をまとめます。
ポケット型Wi-Fiとは
- 手のひらサイズの持ち運べるWi-Fiルーター
- スマホと同じ仕組みでインターネットに接続
- 複数のデバイスを同時接続可能
- 工事不要ですぐに使える
主なメリット
- どこでも持ち運べる
- 工事が不要
- 複数機器を同時接続
- セキュリティが高い
- スマホのデータ容量を節約
- 停電時にも使える
- 引越しが簡単
注意すべきデメリット
- 光回線より通信速度が遅い
- データ容量に制限がある
- 同時接続台数に上限
- 建物内で電波が弱くなることも
- バッテリーの充電が必要
おすすめの人
- 外出先でよくネットを使う
- 学生や単身赴任
- 通信費を節約したい
- 急にネット環境が必要になった
- セキュリティを重視する
選ぶときのポイント
- 必要なデータ容量
- 対応エリア
- 通信速度
- バッテリー持続時間
- 同時接続可能台数
- 契約期間と解約金
光回線との使い分け
- 外出先でも使う → ポケット型Wi-Fi
- 自宅のみで大容量 → 光回線
- 両方必要 → 併用もあり
ポケット型Wi-Fiは、ライフスタイルに合わせて選べば、とても便利なツールです。
外出先でも快適にインターネットを楽しみたい方、すぐにネット環境が必要な方は、ぜひポケット型Wi-Fiを検討してみてください。自分の使い方に合ったプランを選べば、より快適なインターネットライフが送れますよ!

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