「Copilotに文書を読み込ませて分析してほしい」「PDFの内容を要約してもらいたい」そう思ったことはありませんか?
Microsoft Copilotには、ファイルをアップロードして、その内容を理解・分析してもらえる機能があります。
この機能を使えば、長い報告書の要約や、画像の説明、データの分析など、さまざまな作業を効率化できます。
しかし、「どうやってファイルをアップロードするの?」「どんなファイルが使えるの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、Copilotにファイルを読み込ませる方法を、初心者でもわかるように詳しく解説します。
Copilotのファイルアップロード機能とは
機能の概要
Copilotのファイルアップロード機能を使うと、画像、PDF、Word文書、ExcelシートなどのファイルをCopilotに直接アップロードできます。
アップロード後、Copilotはファイルの内容を分析して、質問に答えたり、要約を作成したり、データを抽出したりできるようになります。
できること
この機能を使うと、以下のようなことができます:
- PDFや文書の要約を作成する
- 画像に写っているものを説明してもらう
- データの分析や傾向の抽出
- 文章の校正や改善提案
- カバーレターや提案書の作成支援
- 技術文書の解説をわかりやすく受ける
無料版と有料版の違い
Copilotのファイルアップロード機能は、基本的に無料版でも使用できます。
ただし、Microsoft 365 Copilot(有料版)を使用している場合は、より多くのファイル形式に対応していたり、処理速度が速かったりと、いくつかの利点があります。
対応しているファイル形式一覧
Copilotがサポートしているファイル形式は、使用している環境によって異なります。
一般的なCopilot(Web版・アプリ版)でサポートされる形式
以下のファイル形式がサポートされています:
文書ファイル:
- Word文書 (.docx)
- PDF (.pdf)
- テキストファイル (.txt)
- Markdownファイル (.md)
画像ファイル:
- JPEG (.jpg, .jpeg)
- PNG (.png)
- GIF (.gif)
- WebP (.webp)
その他:
- CSV (.csv)
- HTML (.html)
- PHPファイル (.php)
Microsoft 365 Copilotでの追加サポート
Microsoft 365 Copilotでは、さらに多くのファイル形式に対応しています:
- Excel (.xlsx, .xlsm)
- PowerPoint (.pptx)
- その他のOffice形式
サポートされていないファイル
以下のファイルは現在サポートされていません:
- 実行ファイル (.exe, .app)
- 動画ファイル (.mp4, .avi, .mov)
- 音声ファイル (.mp3, .wav)
- 圧縮ファイル (.zip, .rar)
- 暗号化されたファイル(パスワード保護付きPDFなど)
ファイルをアップロードする基本手順
Copilotにファイルをアップロードする方法は、とてもシンプルです。
手順1: Copilotを開く
まず、使用したいCopilotにアクセスします:
- Web版: copilot.microsoft.comにアクセス
- Windowsアプリ: タスクバーのCopilotアイコンをクリック
- Edgeブラウザ: サイドバーのCopilotアイコンをクリック
手順2: ファイルアップロードアイコンを見つける
チャット入力欄の近くに、クリップのマークや「+」ボタンがあります。
これがファイルアップロードアイコンです。
アイコンの見た目は環境によって異なりますが、以下のようなものがあります:
- 📎 クリップマーク
- ➕ プラスボタン
- 🖼️ 画像アイコン
- 「ファイルを追加」というテキスト
手順3: ファイルを選択する
ファイルアップロードアイコンをクリックすると、以下の選択肢が表示されます:
- 「画像またはファイルを追加」を選択
- デバイス上のファイルを選択するダイアログが開く
- アップロードしたいファイルを選んで「開く」をクリック
別の方法: ファイルをドラッグ&ドロップで、Copilotのチャット欄に直接ドロップすることもできます。
手順4: ファイルがアップロードされるのを待つ
ファイルを選択すると、自動的にアップロードが始まります。
アップロードが完了すると、チャット欄にファイルが添付ファイルとして表示されます。
手順5: 質問や指示を入力する
ファイルが添付されたら、そのファイルについて質問したり、作業を依頼したりできます。
例:
- 「この文書を3行で要約してください」
- 「この画像に写っているものを説明してください」
- 「このレポートから重要なポイントを5つ抽出してください」
各プラットフォーム別の操作方法
使用するプラットフォームによって、操作方法が少し異なります。
Web版Copilot(copilot.microsoft.com)
手順:
- copilot.microsoft.comにアクセス
- Microsoftアカウントでサインイン
- チャット入力欄の横にある「+」ボタンまたはクリップアイコンをクリック
- 「画像またはファイルを追加」を選択
- ファイルを選んでアップロード
- 質問や指示を入力して送信
特徴: 最も多くのファイル形式に対応しており、安定して動作します。
Windows 11のCopilotアプリ
手順:
- タスクバーのCopilotアイコンをクリック(またはWindowsキー + C)
- チャット欄の「…」(三点メニュー)をクリック
- 「ファイルのアップロード」または「ノートブック」を選択
- ファイルを選んでアップロード
- 質問を入力
注意: Windows版Copilotでは、一部の機能が制限されている場合があります。
Microsoft Edgeのサイドバー
手順:
- Edgeブラウザを開く
- サイドバーのCopilotアイコンをクリック
- チャット入力欄のクリップアイコンをクリック
- ファイルを選択してアップロード
- 分析してほしい内容を入力
便利な機能: Webページを開いているときに、そのページの内容とアップロードしたファイルを組み合わせて分析できます。
モバイルアプリ(iOS・Android)
手順:
- Copilotモバイルアプリを開く
- チャット入力欄の「+」ボタンをタップ
- 「写真を撮る」または「写真を選択」を選ぶ
- カメラで撮影するか、ギャラリーから画像を選択
- 質問を入力して送信
制限: モバイル版では主に画像ファイルのアップロードに対応しており、文書ファイルのサポートは限定的です。
Microsoft 365アプリ内のCopilot
Word、Excel、PowerPointなどのMicrosoft 365アプリ内にもCopilot機能があります。
これらのアプリでは、開いているファイル自体が自動的に読み込まれるため、手動でアップロードする必要はありません。
使い方:
- Word、Excel、PowerPointなどでファイルを開く
- リボンメニューの「Copilot」アイコンをクリック
- 開いているファイルについて質問や指示を入力
ファイルを読み込ませた後の活用方法
ファイルをアップロードしたら、以下のような活用ができます。
文書の要約
長い報告書や論文を素早く理解したい時に便利です。
プロンプト例:
- 「このPDFファイルを3つの段落で要約してください」
- 「この文書の重要なポイントを箇条書きで5つ教えてください」
- 「エグゼクティブサマリーを200文字以内で作成してください」
データの抽出と分析
ファイルから特定の情報を抽出できます。
プロンプト例:
- 「この契約書から重要な日付をすべて抽出してください」
- 「このレポートに含まれる数値データを表形式でまとめてください」
- 「添付したCSVファイルから売上のトレンドを分析してください」
画像の説明と分析
画像ファイルの内容を詳しく説明してもらえます。
プロンプト例:
- 「この画像に写っているものをすべて説明してください」
- 「この写真からどんな場所か推測してください」
- 「この図表のデータを読み取って説明してください」
- 「このスクリーンショットの問題点を指摘してください」
文書の校正と改善
文章の質を向上させる提案をもらえます。
プロンプト例:
- 「この文書の文法や誤字をチェックしてください」
- 「よりプロフェッショナルな文体に書き直してください」
- 「この文章をより簡潔にしてください」
- 「読みやすさを改善する提案をください」
文書の比較
複数のファイルをアップロードして比較できます。
プロンプト例:
- 「2つのバージョンの違いを教えてください」
- 「これら3つの提案書を比較して、長所と短所を表にしてください」
翻訳と多言語対応
外国語の文書を理解したり、翻訳したりできます。
プロンプト例:
- 「この英語の文書を日本語に翻訳してください」
- 「このPDFの内容を英語で要約してください」
カバーレターや提案書の作成
アップロードした文書を基に新しい文書を作成できます。
プロンプト例:
- 「添付した履歴書を基に、マーケティング職のカバーレターを作成してください」
- 「このレポートを基に、経営層向けのプレゼン資料の構成案を作ってください」
よくあるトラブルと解決方法
ファイルのアップロードや読み込みでうまくいかない場合の対処法を紹介します。
トラブル1: ファイルアップロードボタンが見つからない
原因:
- 機能がまだ展開されていない
- アカウントの種類が対応していない
解決方法:
- 最新版に更新: ブラウザやアプリを最新バージョンに更新してください
- 別のプラットフォームを試す: WindowsアプリよりもWeb版の方が機能が豊富です
- アカウントを確認: 個人用Microsoftアカウントでサインインしているか確認
トラブル2: ファイルがアップロードできない
原因:
- ファイルサイズが大きすぎる
- 非対応のファイル形式
- ネットワーク接続の問題
解決方法:
- ファイルサイズを確認: 一般的に1ファイル50MB以下にする必要があります
- ファイル形式を確認: 対応形式に変換してください(例: DOCXをPDFに)
- ファイルを圧縮: 画像ファイルは圧縮してサイズを減らす
- ネットワークを確認: 安定したインターネット接続を使用する
- 別の方法を試す: ドラッグ&ドロップではなく、ボタンから選択してみる
トラブル3: アップロードしたファイルをCopilotが認識しない
原因:
- ファイルの文字コードが対応していない
- ファイルが破損している
- ファイル名に問題がある
解決方法:
- 文字コードを確認: テキストファイルはUTF-8で保存してください
- Shift-JISなどの日本語エンコーディングは認識されないことがあります
- ファイル名を英語に変更: 特にCopilot Studioを使用する場合、日本語のファイル名だと読み込めないことがあります
- 例: 「報告書.pdf」→ 「report.pdf」
- ファイルを再保存: ファイルが破損している可能性があるので、もう一度保存し直す
- PDFを再作成: PDFが古い形式の場合、最新のPDF形式で保存し直す
トラブル4: 画像アップロード機能が使えなくなった
原因:
- Microsoft 365の大型アップデート後、一時的に機能が制限された
解決方法:
- Copilot Proに加入: 有料版では画像アップロード機能が優先的に提供されます
- しばらく待つ: 機能は段階的に展開されており、数週間から数ヶ月で復旧する予定です
- Copilot Chat(Work)を使用: Microsoft 365 Copilotライセンスがある場合、Work版を使用する
トラブル5: PDFの内容が正確に読み取られない
原因:
- PDFがスキャン画像として保存されている
- 複雑なレイアウトや表が含まれている
解決方法:
- OCR処理を行う: スキャンPDFの場合、OCR(光学文字認識)ソフトでテキスト化してからアップロード
- テキストをコピー: PDFからテキストをコピーして、直接チャットに貼り付ける
- Word形式に変換: 可能であれば、PDFをWord文書に変換してからアップロード
- 画像として分割: 複雑なPDFは、ページごとに画像として保存してアップロード
トラブル6: 「このファイルは処理できません」というエラー
原因:
- 暗号化されたファイル
- パスワード保護されたファイル
- 極端に大きいファイル
解決方法:
- 保護を解除: パスワード保護やDRM(デジタル著作権管理)を解除してから再アップロード
- ファイルを分割: 大きなファイルは複数の小さいファイルに分割する
- 別の形式で保存: 元のファイルを別の形式で保存し直す
ファイルサイズと制限について
Copilotでのファイルアップロードには、いくつかの制限があります。
一般的なCopilot(Web版)の制限
- 1ファイルあたりの最大サイズ: 50MB
- 1回の会話でアップロードできるファイル数: 最大20個
- 保存期間: アップロードしたファイルは30日間保存され、その後自動的に削除されます
Microsoft Security Copilotの制限
企業向けのSecurity Copilotでは、制限が異なります:
- 1ファイルあたりの最大サイズ: 3MB
- 合計アップロード容量: 20MB
- 対応形式: DOCX、MD、PDF、TXT
Copilot Studioの制限
開発者向けのCopilot Studioでは:
- 1ファイルあたりの最大サイズ: 512MB
- Dataverse環境のストレージに依存: 利用可能なストレージによって制限が変わります
制限を超えた場合の対処法
ファイルが大きすぎる場合は、以下の方法を試してください:
1. ファイルを圧縮する
- 画像ファイルは解像度を下げる
- PDFは最適化する(Adobe Acrobatの「ファイルサイズを縮小」機能など)
2. ファイルを分割する
- 長い文書は章ごとに分けてアップロード
- 大量の画像は必要な部分だけを選んでアップロード
3. 不要な要素を削除する
- 埋め込まれた画像や動画を削除
- 使用していないシートやスライドを削除
4. テキストとして貼り付ける
- ファイルではなく、テキストを直接コピー&ペーストする
- Copilotのノートブック機能は最大18,000文字まで対応
セキュリティとプライバシー
ファイルをCopilotにアップロードする際、セキュリティやプライバシーが気になる方も多いでしょう。
データの保存と削除
- 保存期間: アップロードしたファイルは最大30日間安全に保存されます
- 自動削除: 30日後に自動的に削除されます
- 手動削除: 必要に応じて、手動で削除することもできます
データの使用目的
Microsoftの公式方針によると:
- モデルトレーニングには使用されない: Copilotにアップロードしたファイルの内容は、AIモデルのトレーニングには使用されません
- 個人に紐づけられる: アップロードしたファイルは、あなたのアカウントにのみ紐づけられ、他のユーザーには見えません
セキュリティのベストプラクティス
安全にファイルを扱うために、以下のことを心がけましょう:
1. 機密情報は慎重に
- クレジットカード番号、パスワード、社会保障番号などの機密情報が含まれるファイルはアップロードしない
- 必要な部分だけを抜粋してアップロードする
2. 企業の情報ガバナンスポリシーを確認
- 会社の文書をアップロードする前に、IT部門やコンプライアンス部門の許可を得る
- Microsoft 365 Copilot(企業版)を使用する場合は、データが企業のテナント内で管理されるため、より安全です
3. 個人情報保護法に注意
- 他人の個人情報が含まれるファイルをアップロードする際は、本人の同意を得る
- 必要に応じて、個人情報を黒塗りやマスキングする
4. 定期的にアップロード履歴を確認
- どのファイルをアップロードしたか記録しておく
- 不要になったファイルは早めに削除する
企業での使用
企業でCopilotを使用する場合は、以下の点に注意してください:
- Microsoft 365 Copilotを使用する: 個人用Copilotよりもセキュリティが強化されています
- Data Loss Prevention(DLP)ポリシーを設定: 機密情報の漏洩を防ぐ
- アクセス権限を管理: 誰がCopilotを使用できるかを制限する
便利な活用事例
実際にファイルアップロード機能がどのように役立つか、具体例を紹介します。
ケース1: 学生・研究者
状況: 英語の論文を読む必要があるが、時間がない
活用方法:
- 英語の論文PDFをアップロード
- 「この論文の要旨を日本語で500文字以内で要約してください」と指示
- 「研究手法について詳しく説明してください」と追加質問
- 「参考文献リストから重要な文献を3つ推薦してください」
効果: 論文を読む時間を大幅に短縮し、重要なポイントを素早く把握できる
ケース2: ビジネスパーソン
状況: 会議で配布された長い報告書を短時間で理解する必要がある
活用方法:
- 報告書のPDFをアップロード
- 「エグゼクティブサマリーを作成してください」
- 「財務データのハイライトを教えてください」
- 「リスク要因を箇条書きでリストアップしてください」
効果: 会議前に要点を把握し、的確な質問や意見を準備できる
ケース3: 就職活動中の学生
状況: 応募企業ごとにカバーレターを作成したい
活用方法:
- 自分の履歴書をアップロード
- 企業の求人情報もテキストで貼り付け
- 「添付した履歴書と求人情報を基に、カバーレターを作成してください」
- 「もっとフォーマルな表現に修正してください」
効果: 各企業に合わせたカスタマイズされたカバーレターを短時間で作成できる
ケース4: マーケティング担当者
状況: 競合他社のパンフレットを分析したい
活用方法:
- 競合のパンフレットをPDFでアップロード
- 「このパンフレットの訴求ポイントを5つ挙げてください」
- 「使用されているマーケティング手法を分析してください」
- 「私たちのパンフレットに取り入れるべきアイデアを提案してください」
効果: 競合分析の時間を短縮し、戦略立案に集中できる
ケース5: エンジニア
状況: 複雑なエラーログを解析したい
活用方法:
- エラーログファイルをアップロード
- 「このログに含まれるエラーを重要度順に並べてください」
- 「最も頻繁に発生しているエラーの原因を推測してください」
- 「解決方法を提案してください」
効果: ログ解析の時間を短縮し、問題解決を加速できる
ケース6: クリエイター
状況: 撮影した写真から記事のアイデアを得たい
活用方法:
- 旅行先で撮った写真をアップロード
- 「この写真を基に、旅行ブログの記事案を3つ提案してください」
- 「写真の雰囲気に合うタイトルを考えてください」
- 「この場所の歴史的背景について教えてください」
効果: クリエイティブなアイデア出しを効率化できる
まとめ
Microsoft Copilotのファイルアップロード機能を使うと、さまざまな作業を効率化できます。
ポイントのおさらい:
対応ファイル形式:
- 文書: DOCX、PDF、TXT、MD
- 画像: JPEG、PNG、GIF、WebP
- その他: CSV、HTML
基本的なアップロード手順:
- Copilotを開く
- クリップアイコンをクリック
- ファイルを選択
- 質問や指示を入力
制限事項:
- 1ファイル最大50MB(Web版)
- 1会話で最大20ファイル
- 30日間保存後、自動削除
活用できること:
- 文書の要約と分析
- 画像の説明
- データの抽出
- 文章の校正
- 翻訳
- 新しい文書の作成支援
トラブル解決のコツ:
- ファイルサイズを確認する
- UTF-8で保存する
- ファイル名を英語にする
- 最新版を使用する
セキュリティ:
- モデルトレーニングには使用されない
- 個人アカウントに紐づけられる
- 機密情報は慎重に扱う
この機能を使いこなせば、日常業務や学習、創作活動を大幅に効率化できます。
最初は簡単な文書の要約から始めて、徐々に複雑な活用方法に挑戦してみてください。
Copilotは強力なAIアシスタントですが、最終的な判断や確認は必ず人間が行うことを忘れないでください。
AIが生成した内容には誤りが含まれる可能性もあるため、重要な文書や情報は必ず自分で確認しましょう。
ぜひ、この記事を参考にして、Copilotのファイルアップロード機能を存分に活用してください!

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