「Copilotで音声入力しようとしたら、マイクが反応しない…」
音声でCopilotに話しかけたいのに、マイクアイコンを押しても何も起こらない、または「申し訳ございません、後で会話しましょう」というエラーメッセージが表示されて困っていませんか?
実は、Copilotの音声入力ができない問題には、設定の見落としからシステムの仕様まで、さまざまな原因があります。この記事では、初心者でもすぐに試せる基本的な対処法から、少し専門的な解決方法まで、12個の原因と解決策を分かりやすく解説します。
- まずは基本的な確認から
- 【原因1】マイクの許可設定がオフになっている
- 【原因2】音声アクセス機能が無効になっている(Windows 11)
- 【原因3】マイクのデバイス設定の問題
- 【原因4】マイクドライバーの問題
- 【原因5】地域制限の問題(Copilot Voice)
- 【原因6】ブラウザのキャッシュやCookieの問題
- 【原因7】「Start Listening」コマンドが認識されない
- 【原因8】VPNやファイアウォールの干渉
- 【原因9】バックグラウンドノイズで音声が途切れる
- 【原因10】アプリやシステムの一時的な不具合
- 【原因11】Windowsのアップデート後の不具合
- 【原因12】「申し訳ございません、後で会話しましょう」エラー
- 代替手段:Windows標準の音声入力を使う
- より良い音声入力のためのヒント
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:段階的に試して確実に解決
まずは基本的な確認から

詳しい解決方法に進む前に、すぐに確認できる基本事項をチェックしましょう。
音声入力機能の利用環境を確認
Copilotの音声入力は、以下の環境で利用できます:
対応デバイス:
- Windows 11搭載パソコン
- スマートフォン(iPhone/Android)
- タブレット端末
- Microsoft Edgeブラウザ
必要な条件:
- マイクが搭載されている、または外付けマイクが接続されている
- インターネット接続が安定している
- Microsoftアカウントでサインインしている(推奨)
症状を特定しよう
どんな状況で音声入力ができないのか確認してください:
- [ ] マイクアイコンが表示されない
- [ ] マイクアイコンはあるがクリックしても反応しない
- [ ] マイクアイコンをクリックすると「利用できません」と表示される
- [ ] 「申し訳ございません、後で会話しましょう」と表示される
- [ ] マイクは動くが音声が認識されない
- [ ] 「Start Listening」と言っても反応しない
- [ ] 音声入力が途中で切れる
【原因1】マイクの許可設定がオフになっている
最も多い原因が、WindowsやブラウザでマイクへのアクセスをCopilotに許可していないケースです。
Windows 11の場合
確認と解決方法:
- Windows設定を開く
- Windowsキー + Iを押す
- プライバシーとセキュリティへ移動
- 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択
- マイク設定を開く
- 「マイク」をクリック
- 基本的な許可を確認
- 「マイク アクセス」が「オン」になっているか確認
- 「アプリがマイクにアクセスできるようにする」も「オン」にする
- Copilotへの個別許可を確認
- 下にスクロールして、アプリ一覧を確認
- 「Microsoft Edge」または「Copilot」を探す
- スイッチが「オン」になっているか確認
注意: Copilotが一覧に表示されない場合もあります。その場合は、Edgeまたはブラウザの設定から許可する必要があります(後述)。
Microsoft Edgeの場合
ブラウザ側の許可設定:
- Edgeを開く
- アドレスバーの左側にある鍵マーク(または盾マーク)をクリック
- 「このサイトの権限」で「マイク」を確認
- 「許可」になっているか確認
- なっていなければ「許可」に変更
または設定画面から:
- Edge右上の「…」→「設定」
- 「Cookieとサイトのアクセス許可」を選択
- 「マイク」をクリック
- 「アクセスする前に確認する(推奨)」がオンか確認
- 「許可」のリストにCopilot(copilot.microsoft.com)があるか確認
スマートフォンの場合
iPhoneの設定:
- 「設定」アプリを開く
- 下にスクロールして「Copilot」を探す
- 「マイク」をタップ
- 許可されているか確認
Androidの設定:
- 「設定」アプリを開く
- 「アプリ」→「Copilot」
- 「権限」をタップ
- 「マイク」が「許可」になっているか確認
【原因2】音声アクセス機能が無効になっている(Windows 11)
Windows 11では、2024年以降のアップデートで「音声アクセス」機能を有効にしないとCopilotの音声入力が使えなくなりました。
音声アクセスとは?
Windows 11の新機能で、音声でパソコンを操作するための基盤となる機能です。これがオフになっていると、Copilotが「使用可能なマイクがない」と表示することがあります。
解決方法
手順:
- 設定を開く
Windowsキー + Iを押す - アクセシビリティへ移動
左側のメニューから「アクセシビリティ」を選択 - 音声アクセスをオンにする
- 「音声アクセス」をクリック
- トグルスイッチを「オン」に切り替える
- 初回セットアップ
- 画面の指示に従ってマイクのセットアップを完了
- 必要に応じて音声認識のトレーニングを実行
- Copilotを再起動
Copilotアプリまたはブラウザを閉じて、もう一度開く
この設定をオンにするだけで、「マイクが利用できません」エラーが解決することが多いです。
【原因3】マイクのデバイス設定の問題
パソコンに複数のマイクがある場合、間違ったマイクが選択されている可能性があります。
確認方法
Windows 11の場合:
- 設定を開く
- 「システム」→「サウンド」
- 「入力」セクションを確認
何を確認するか:
- 正しいマイクが「既定のデバイス」として選択されているか
- マイクのボリュームが十分か(50%以上推奨)
- 「入力音量」のバーが動くか(音声に反応しているか)
解決方法
正しいマイクを選択:
- 「デバイスを選択してください」のドロップダウンをクリック
- 使用したいマイクを選択
- 内蔵マイク:「マイク配列」「内蔵マイク」など
- 外付けマイク:製品名が表示される
- Bluetoothヘッドセット:ヘッドセットの名前
- 選択後、話しかけて入力音量バーが動くか確認
マイクのテスト:
- 同じ画面で選択したマイクをクリック
- 「マイクをテストする」をクリック
- 話しかけて音量バーが反応するか確認
反応しない場合は、マイク自体に問題がある可能性があります。
【原因4】マイクドライバーの問題
マイクのドライバーが古い、または破損していると正常に動作しません。
解決方法
ドライバーを更新:
- デバイスマネージャーを開く
- Windowsキーを押して「デバイスマネージャー」と検索
- クリックして開く
- オーディオデバイスを探す
- 「オーディオの入力および出力」を展開
- マイクデバイスを見つける(「マイク配列」など)
- ドライバーを更新
- デバイスを右クリック
- 「ドライバーの更新」を選択
- 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」を選択
- パソコンを再起動
更新後は必ず再起動してください
ドライバーの再インストール:
更新で解決しない場合:
- デバイスを右クリック
- 「デバイスのアンインストール」
- 確認して実行
- パソコンを再起動(自動的に再インストールされます)
【原因5】地域制限の問題(Copilot Voice)

Copilotの高度な音声機能「Copilot Voice」は、まだ一部の地域でしか利用できません。
対応地域(2024年10月時点)
利用可能な国・地域:
- アメリカ合衆国
- イギリス
- カナダ
- オーストラリア
- ニュージーランド
利用可能な言語:
- 英語のみ
日本での状況
日本ではまだ正式にCopilot Voiceが展開されていません。そのため、一部の音声機能が制限されている可能性があります。
対処法
基本的な音声入力は使える:
Copilot Voiceではなく、通常の音声入力機能(マイクアイコンをクリックして話しかける)は日本でも利用可能です。
Web版Copilotを試す:
- ブラウザで「https://www.bing.com/」を開く
- Copilotチャットを起動
- マイクアイコンをクリック
アプリ版で動かない場合でも、Web版なら動作することがあります。
地域設定を確認:
- Windows設定→「時刻と言語」→「地域」
- 「国または地域」が正しく設定されているか確認
- 言語設定で日本語が優先されているか確認
【原因6】ブラウザのキャッシュやCookieの問題
古いキャッシュデータが原因で音声入力が動作しないことがあります。
解決方法
Microsoft Edgeの場合:
- 閲覧データを削除
- Ctrl + Shift + Deleteキーを同時に押す
- 削除する項目を選択
- 時間の範囲:「すべての期間」
- チェックを入れる項目:
- Cookieおよびその他のサイトデータ
- キャッシュされた画像とファイル
- 今すぐクリアをクリック
- Edgeを再起動
Chrome/Firefoxの場合:
同様の手順で閲覧データをクリアしてください。各ブラウザの設定メニューから実行できます。
【原因7】「Start Listening」コマンドが認識されない
マイクは動作するのに、「Start Listening」という音声コマンドに反応しない場合があります。
なぜ反応しないのか
この問題は、音声アクティベーション(音声で起動する機能)が正しく設定されていない、または言語設定が合っていないことが原因です。
解決方法
1. 音声認識の言語を確認
- 設定→「時刻と言語」→「音声認識」
- 「音声認識の言語」がWindowsの表示言語と一致しているか確認
- 日本語環境なら「日本語(日本)」になっているか確認
2. 音声認識のセットアップを再実行
- 設定→「時刻と言語」→「音声認識」
- 「マイクのセットアップ」をクリック
- 画面の指示に従って再設定
3. 直接マイクアイコンをクリック
「Start Listening」コマンドを使わずに:
- マイクアイコンを直接クリック
- 話しかける
- この方法の方が確実に動作します
4. 「Hey, Copilot」機能を確認
一部のバージョンでは「Hey, Copilot」という呼びかけで起動できます:
- Copilotの設定を開く
- 音声設定で「音声アクティベーション」がオンか確認
【原因8】VPNやファイアウォールの干渉
セキュリティソフトが音声通信をブロックしていることがあります。
解決方法
1. VPNを一時的にオフ
- VPNアプリを開いて接続を切断
- Copilotの音声入力を試す
- 動作すればVPNが原因
2. ファイアウォールの例外設定
- Windows セキュリティを開く
- 「ファイアウォールとネットワーク保護」
- 「ファイアウォールによるアプリケーションの許可」
- 「設定の変更」をクリック
- 「Microsoft Edge」または「Copilot」を探す
- 「プライベート」と「パブリック」の両方にチェック
3. セキュリティソフトの設定
Norton、McAfeeなどを使用している場合:
- マイクへのアクセスをブロックしていないか確認
- Copilotを信頼できるアプリリストに追加
【原因9】バックグラウンドノイズで音声が途切れる
音声入力が途中で切れる場合、背景音をCopilotが「あなたの声」と勘違いしている可能性があります。
なぜ途切れるのか
Copilotは礼儀正しいAIなので、あなたが話し始めたと判断すると、自分の発言を止めてしまいます。テレビの音や周囲の会話を「あなたの声」と誤認識すると、途切れてしまうんです。
解決方法
1. ノイズキャンセリングを有効化
ASUSなどのパソコンの場合:
- MyASUSアプリを開く
- 「デバイス設定」→「オーディオとビジュアル」
- 「AIノイズキャンセリングマイク」を選択
- 「シングルプレゼンターモード」をオン
2. マイク設定を調整
- 設定→システム→サウンド
- 入力デバイスを選択
- 「入力音量」を調整(大きすぎると周囲の音を拾いやすい)
- マイクの感度を下げる
3. 静かな環境で使う
- テレビやラジオを消す
- 窓を閉める
- 他の人に静かにしてもらう
4. 外付けマイクやヘッドセットを使う
指向性マイク(特定の方向の音だけを拾う)を使うと、背景音を拾いにくくなります。
【原因10】アプリやシステムの一時的な不具合

ソフトウェアの一時的なバグが原因のこともあります。
解決方法
1. Copilotアプリを修復
- 設定→アプリ→インストールされているアプリ
- Copilotを探す
- 「…」→「詳細オプション」
- 「修復」をクリック
2. Copilotアプリをリセット
修復で解決しない場合:
- 同じ画面で「リセット」をクリック
- アプリの設定が初期化されます
3. アプリを再インストール
- Copilotをアンインストール
- パソコンを再起動
- Microsoft Storeから再インストール
4. パソコンを再起動
シンプルですが効果的:
- すべてのアプリを閉じる
- パソコンを再起動
- もう一度Copilotを試す
【原因11】Windowsのアップデート後の不具合
Windows Updateの直後に音声入力が使えなくなることがあります。
解決方法
1. 最新の更新プログラムを確認
Microsoftが修正版をリリースしている可能性:
- 設定→Windows Update
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
- 利用可能なアップデートをすべてインストール
2. 問題のある更新プログラムをアンインストール
特定のアップデート後に問題が発生した場合:
- 設定→Windows Update
- 「更新の履歴」→「更新プログラムのアンインストール」
- 最近インストールされた更新を選択
- 「アンインストール」をクリック
注意: セキュリティ更新は残しておくことを推奨します。
3. フィードバックを送信
- Copilotアプリでフィードバックアイコンをクリック
- 問題を詳しく報告
- Microsoftが修正版をリリースする助けになります
【原因12】「申し訳ございません、後で会話しましょう」エラー
このエラーメッセージが表示される場合、サーバー側の問題の可能性があります。
よくある原因
1. サーバーの混雑
多くのユーザーが同時にアクセスしていると、一時的に音声機能が制限されます。
2. 新機能のロールアウト中
新しいCopilot Voiceなどの機能展開中は、不安定になることがあります。
3. メンテナンス中
システムメンテナンスが行われている可能性があります。
解決方法
1. 時間を置いて再試行
- 数分〜数時間待ってから再度試す
- 混雑しにくい時間帯(早朝や深夜)に試す
2. 別のデバイスで試す
- スマートフォンで試す
- 別のパソコンで試す
- デバイス固有の問題かサーバー側の問題か判別できます
3. Web版Copilotを使う
アプリ版がダメでも、ブラウザ版(Bing経由)なら動作することがあります:
- https://www.bing.com/ を開く
- Copilotチャットを起動
- マイクアイコンをクリック
4. 公式情報を確認
- Microsoftの公式ブログやTwitterをチェック
- システム障害情報が公開されていることがあります
代替手段:Windows標準の音声入力を使う
Copilotの音声機能が動かない場合、Windowsの標準機能で音声入力できます。
音声入力機能の使い方
起動方法:
- Windowsキー + Hを押す
- 画面に音声入力ウィンドウが表示されます
使い方:
- マイクアイコンが表示されたら話しかける
- 音声がテキストに変換される
- テキストボックスに入力される
- コピーしてCopilotのチャット欄に貼り付け
利点:
- Copilotに依存しない
- 日本語認識も比較的正確
- システム標準機能なので安定している
欠点:
- 会話形式ではない
- コピー&ペーストの手間がかかる
より良い音声入力のためのヒント
音声入力を快適に使うためのコツを紹介します。
マイクの品質にこだわる
内蔵マイクの限界:
- ノートパソコンの内蔵マイクは音質が低い
- 周囲の音を拾いやすい
- 認識精度が落ちる
外付けマイクのメリット:
- USB接続のコンパクトマイク(3,000〜5,000円程度)
- ノイズキャンセリング機能付き
- 指向性マイクで周囲の音を遮断
- 認識精度が大幅に向上
ヘッドセット:
- 口元に近いので音声をクリアに拾える
- Bluetoothよりも有線の方が遅延が少ない
話し方のコツ
1. はっきりと話す
- 早口にならない
- 単語と単語の間に少し間を空ける
2. マイクとの距離
- 15〜30cm程度が最適
- 近すぎると音が割れる
- 遠すぎると認識精度が落ちる
3. 静かな環境
- できるだけ静かな場所で使う
- エアコンやファンの音も影響します
4. 指示は簡潔に
- 一度に長く話しすぎない
- 区切りながら話すと認識されやすい
よくある質問(FAQ)
Q1: 「使用可能なマイクがありません」と表示されます
A: 【原因2】の音声アクセス機能を有効にしてください。Windows 11の設定→アクセシビリティ→音声アクセスをオンにすることで解決することが多いです。
Q2: マイクアイコンが表示されません
A: Copilotのバージョンや地域によって、音声機能が利用できない場合があります。最新版にアップデートするか、Web版Copilot(Bing経由)を試してください。
Q3: 音声入力は日本語に対応していますか?
A: はい、基本的な音声入力は日本語に対応しています。ただし、Copilot Voice(高度な音声会話機能)は現在英語圏のみです。
Q4: 他のアプリではマイクが使えるのにCopilotだけ使えません
A: Copilot専用のマイク許可設定を確認してください。Windows設定とブラウザ設定の両方で許可が必要です。
Q5: 音声入力が途中で勝手に切れます
A: バックグラウンドノイズが原因の可能性があります。【原因9】を参照して、ノイズキャンセリング機能を有効にするか、静かな環境で使ってください。
Q6: Bluetoothヘッドセットで音声入力できません
A: Bluetoothの接続が不安定な場合があります。有線ヘッドセットに切り替えるか、Bluetoothドライバーを最新版に更新してください。
Q7: スマートフォンのCopilotで音声入力できません
A: スマホのアプリ設定でCopilotにマイク権限を許可してください。iPhone:設定→Copilot→マイク、Android:設定→アプリ→Copilot→権限→マイク
Q8: 「Start Listening」と言っても反応しません
A: この音声コマンドは一部環境でうまく動作しないことがあります。【原因7】を参照し、直接マイクアイコンをクリックする方法をお試しください。
まとめ:段階的に試して確実に解決
Copilotの音声入力ができない問題は、必ず原因があります。この記事で紹介した方法を順番に試していけば、ほとんどの場合は解決できます。
おすすめの対処順序:
- 基本チェック(5分)
- マイクの許可設定を確認
- 音声アクセス機能を有効化
- マイクデバイスの選択を確認
- 簡単な対処法(10分)
- ブラウザのキャッシュをクリア
- パソコンを再起動
- 別のブラウザで試す
- 中級の対処法(20分)
- ドライバーを更新
- VPN/ファイアウォールを確認
- アプリを修復/リセット
- 上級の対処法(30分以上)
- アプリを再インストール
- Windows Updateの確認
- システムの復元
- 代替手段
- Windows標準の音声入力を使う
- Web版Copilotを試す
- 時間を置いて再試行
それでも解決しない場合:
- Microsoftサポートに問い合わせ
- フィードバックHubで報告
- コミュニティフォーラムで質問
音声入力は、Copilotをより便利に使うための強力な機能です。この記事を参考に、ぜひ快適な音声入力環境を実現してください!

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