Microsoft Edgeでウェブサイトを見ようとしたら、突然「接続がプライベートではありません」というメッセージが表示されて困ったことはありませんか?
このエラーは、セキュリティ証明書(SSL証明書)に問題があることを知らせる重要な警告です。
今回は、このエラーが表示される原因から、安全な対処方法まで詳しく解説していきます。特に、どんなときに先に進んでも大丈夫なのか、逆にどんなときは絶対に先に進んではいけないのかについても、わかりやすく説明しますね。
「接続がプライベートではありません」とは?

このエラーメッセージは、ウェブサイトの安全性を証明する「SSL証明書」に何らかの問題があるときに表示されます。
SSL証明書とは、簡単に言えば「このウェブサイトは本物で、通信内容が暗号化されて安全ですよ」という証明書のこと。お店で言えば、営業許可証のようなものです。
Edgeは、このSSL証明書をチェックして問題を見つけると、ユーザーの安全を守るために警告を表示してくれるんです。
エラーコードの種類
「接続がプライベートではありません」というメッセージの下には、エラーコードが表示されることがあります。
主なエラーコードと、その意味を見ていきましょう。
NET::ERR_CERT_DATE_INVALID
- 証明書の有効期限が切れている
- またはパソコンの日時設定が間違っている
NET::ERR_CERT_REVOKED
- 証明書が失効(無効化)されている
- 最も危険度が高いエラー
NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALID
- 信頼されていない認証局が発行した証明書
- いわゆる「オレオレ証明書」の可能性
NET::ERR_CERT_COMMON_NAME_INVALID
- 証明書に記載されているドメイン名と、実際のドメイン名が一致しない
ちなみに、EdgeはGoogle Chromeと同じChromiumエンジンを使っているため、エラーコードもChromeと共通になっています。
エラーが表示される主な原因
「接続がプライベートではありません」エラーが表示される原因は、いくつかあります。
ウェブサイト側の問題
SSL証明書の有効期限切れ
SSL証明書には有効期限があり、通常1年から2年程度で更新が必要です。
ウェブサイトの管理者が更新を忘れていると、このエラーが表示されます。大手企業のサイトでも、まれに更新忘れで一時的にエラーが出ることがあるんです。
証明書の失効
セキュリティ上の理由で、証明書が意図的に無効化されている場合があります。
秘密鍵が流出した可能性がある場合や、ウェブサイトの所有者情報が変更された場合などに、証明書が失効されることがあります。
証明書の設定ミス
証明書に登録されているドメイン名と、実際にアクセスしているドメイン名が一致していない場合にも、エラーが表示されます。
例えば、「www.example.com」用の証明書を「example.com」で使っているような場合です。
中間証明書の不備
SSL証明書には「中間証明書」という証明書のチェーンが必要ですが、サーバーに正しくインストールされていないと、ブラウザが証明書を信頼できません。
パソコン側の問題
日時設定の誤り
パソコンの日付や時刻の設定が大きくズレていると、証明書の有効期限を正しく判断できません。
例えば、パソコンの日付が10年前に設定されていると、現在有効な証明書も「まだ有効期限前」と判断されてしまいます。
ブラウザのキャッシュやCookieの問題
古い証明書の情報がブラウザに残っていると、更新された証明書を正しく読み込めないことがあります。
セキュリティソフトの干渉
ウイルス対策ソフトやファイアウォールが、HTTPS通信をチェックする過程でエラーを引き起こすことがあります。
SSL状態のキャッシュ
Windowsが保存しているSSL証明書の情報が古いままになっていると、エラーが繰り返し表示されることがあります。
安全な対処方法
エラーが表示されたときの対処方法を、試しやすい順番に紹介していきます。
基本的な対処法
1. ページを更新する
まずは、シンプルにページを更新してみましょう。
- 左上の「更新」ボタンをクリック
- または「F5」キーを押す
一時的なエラーの場合は、これだけで解決することがあります。
2. ブラウザを再起動する
Microsoft Edgeを一度完全に閉じて、もう一度開いてみてください。
すべてのタブを閉じて、タスクバーからEdgeを終了させることが大切です。バックグラウンドで動いているEdgeのプロセスも終了させましょう。
3. InPrivateブラウズを試す
InPrivateモードでアクセスしてみましょう。
- Edgeの右上の「…」(設定など)をクリック
- 「新しいInPrivateウィンドウ」を選択
- 同じウェブサイトにアクセスしてみる
InPrivateモードでは、キャッシュやCookieを使わないため、これで表示できれば、キャッシュが原因だとわかります。
キャッシュとCookieを削除する
InPrivateモードで表示できた場合は、キャッシュとCookieを削除しましょう。
- Edgeの右上の「…」をクリック
- 「設定」を選択
- 左側のメニューから「プライバシー、検索、サービス」をクリック
- 「閲覧データをクリア」の項目にある「クリアするデータの選択」をクリック
- 時間の範囲を「すべての期間」に設定
- 「Cookieおよびその他のサイトデータ」と「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 「今すぐクリア」をクリック
注意: この操作を行うと、保存されているログイン情報も削除されるので、必要なパスワードは事前に確認しておきましょう。
SSL状態をクリアする
特定のサイトで繰り返しエラーが出る場合は、SSL状態のクリアが効果的です。
- Windowsのスタートメニューで「インターネット オプション」を検索
- 「インターネット オプション」を開く
- 「コンテンツ」タブをクリック
- 「証明書」のセクションにある「SSL状態のクリア」をクリック
- 「SSLキャッシュが正常にクリアされました」と表示されればOK
- Edgeを再起動して、もう一度アクセスしてみる
パソコンの日時設定を確認する
日付や時刻が大きくズレていないかチェックしましょう。
Windows 11の場合
- スタートメニューから「設定」を開く
- 「時刻と言語」→「日付と時刻」を選択
- 「時刻を自動的に設定する」がオンになっているか確認
- 表示されている日時が正しいか確認
Windows 10の場合
- スタートメニューから「設定」を開く
- 「時刻と言語」を選択
- 「日付と時刻」で同様に確認
日時設定が自動になっているのに間違っている場合は、一度オフにしてから再度オンにすると直ることがあります。
EdgeとWindowsを最新版に更新する
古いバージョンを使っていると、セキュリティ証明書を正しく認識できないことがあります。
Edgeの更新確認
- 右上の「…」をクリック
- 「ヘルプとフィードバック」にマウスを合わせる
- 「Microsoft Edgeについて」をクリック
- 自動的に更新チェックが始まる
- 更新がある場合は自動でダウンロード・インストールされる
Windowsの更新確認
- スタートメニューから「設定」を開く
- 「Windows Update」を選択
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
セキュリティソフトを一時的に無効にしてみる
セキュリティソフトが原因の可能性がある場合は、一時的に無効にして試してみましょう。
ただし、この方法は一時的な確認用です。原因がセキュリティソフトだとわかった場合は、ソフトの設定を見直すか、サポートに問い合わせることをおすすめします。
エラーを無視して先に進んでもいい場合・ダメな場合

ここが最も重要なポイントです。間違った判断をすると、個人情報が盗まれたり、マルウェアに感染したりする危険があります。
先に進んでもいい場合
信頼できる企業のサイトで一時的なエラーの場合
例えば、いつも使っている大手企業の公式サイトで、突然エラーが表示された場合。
証明書の更新作業中など、一時的な問題の可能性が高いです。この場合は、「詳細設定」→「進む(安全ではありません)」をクリックしてアクセスすることも選択肢の一つです。
社内システムやネットワーク機器の設定画面
会社のサーバーやルーターの管理画面など、自分で管理している機器にアクセスする場合。
これらは「オレオレ証明書」と呼ばれる自己署名証明書を使っていることが多く、エラーが出るのは正常です。
絶対に先に進んではいけない場合
知らないサイトや怪しいサイト
見たことがないサイトや、URLが怪しいサイトでこのエラーが出たら、絶対にアクセスしないでください。
偽サイトや詐欺サイトの可能性が高いです。
ショッピングサイトや銀行など、個人情報を入力するサイト
クレジットカード情報や銀行口座情報を入力するサイトでエラーが出た場合は、アクセスをやめましょう。
正規のサイトに似せた偽サイトかもしれません。公式アプリを使うか、時間をおいてから再度試すのが安全です。
エラーコードがERR_CERT_REVOKEDの場合
証明書が失効しているエラーは、セキュリティ上の重大な問題があることを示しています。
このエラーが出たら、どんなに信頼できるサイトでも、先に進まないでください。サイト管理者に問い合わせるか、公式のお知らせを待ちましょう。
判断のポイント
以下の基準で判断してください。
先に進んでもOK
- いつも使っている信頼できるサイト
- 他のブラウザでは正常にアクセスできる
- 個人情報を入力する必要がないページ
- エラーコードがDATE_INVALIDなど、比較的軽度のもの
絶対にNG
- 初めて訪れるサイト
- クレジットカード情報などを入力するページ
- URLが正規のものと微妙に違う
- エラーコードがREVOKEDなど、重度のもの
- 他のブラウザでも同じエラーが出る
サイト運営者側の問題の場合
自分のウェブサイトでこのエラーが出ている場合は、以下をチェックしてください。
SSL証明書の有効期限を確認
証明書の有効期限が近づいていないか、または既に切れていないか確認しましょう。
レンタルサーバーを使っている場合は、管理画面から確認できます。
証明書の再インストール
証明書に問題がある場合は、再インストールが必要です。
レンタルサーバーの場合は、サポートに問い合わせましょう。自社サーバーの場合は、システム管理者に相談してください。
中間証明書の確認
中間証明書が正しくインストールされているか確認しましょう。
証明書発行機関から提供される中間証明書を、すべてサーバーにインストールする必要があります。
よくある質問
「このサイトは安全ではありません」との違いは?
基本的に同じ意味です。
Edgeでは、エラーの種類によって「接続がプライベートではありません」または「このサイトは安全ではありません」と表示されます。どちらもSSL証明書の問題を示しています。
他のブラウザでは表示できるのにEdgeだけエラーが出る
ブラウザのキャッシュやCookie、SSL状態のキャッシュが原因の可能性が高いです。
前述の「キャッシュとCookieを削除する」と「SSL状態をクリアする」の手順を試してみてください。
スマートフォンでも同じエラーが出る
スマートフォンの場合も、基本的な原因は同じです。
ただし、スマートフォン特有の問題として、モバイルデータ通信とWi-Fiの切り替えがうまくいっていない可能性もあります。一度機内モードにしてから戻す、または再起動してみましょう。
会社のネットワークでだけエラーが出る
企業のファイアウォールやプロキシサーバーが原因かもしれません。
会社のIT部門に相談してみてください。企業によっては、セキュリティポリシーで特定のサイトへのアクセスを制限していることがあります。
「進む(安全ではありません)」ボタンが表示されない
エラーの危険度が非常に高い場合は、このボタンが表示されません。
ERR_CERT_REVOKEDのような重大なエラーの場合は、ユーザーの安全を守るため、強制的にアクセスがブロックされます。この場合は、別の方法でサイトにアクセスするか、サイト管理者に問い合わせましょう。
まとめ
Microsoft Edgeの「接続がプライベートではありません」エラーについて解説してきました。
エラーの基本情報:
- SSL証明書に問題があることを示す警告
- ウェブサイト側の問題とパソコン側の問題がある
- エラーコードで原因の種類がわかる
主な対処方法:
- ページの更新とブラウザの再起動
- InPrivateモードで確認
- キャッシュとCookieの削除
- SSL状態のクリア
- 日時設定の確認
- EdgeとWindowsの更新
最重要ポイント:
- 信頼できるサイトの一時的なエラー → 慎重に判断して先に進むことも可能
- 知らないサイトや個人情報を入力するサイト → 絶対に先に進まない
- エラーコードREVOKED → どんなサイトでも先に進まない
このエラーは、あなたの個人情報や端末を守るための重要な警告です。
特に、ショッピングサイトや銀行のサイトでエラーが出た場合は、安易に先に進まず、公式アプリを使うか、時間をおいてから再度アクセスするようにしましょう。
対処法を試しても解決しない場合は、ウェブサイトの管理者に問い合わせるか、別のブラウザを使ってみることをおすすめします。
安全なインターネット利用のために、このエラーメッセージを正しく理解して、適切に対処してくださいね。

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