「Microsoft Edgeが起動しなくなった!」「修復しようとしたら『実行中のEdgeを終了してください』と表示される…」「でも、タスクマネージャーを見てもEdgeは起動していない!」
こんな困った状況に陥っていませんか?
Microsoft Edgeは、Windows 10/11に標準搭載されているブラウザですが、何らかの原因で動作不良を起こすことがあります。通常は「修復」機能で直せますが、修復すらできなくなってしまうケースも少なくありません。
この記事では、Microsoft Edgeが修復できない時の原因から、段階的な対処法、最終手段としての再インストール方法まで、初心者の方でも分かりやすく解説していきます。
Microsoft Edgeが修復できない主な原因

まず、なぜ修復ができないのか、主な原因を理解しましょう。
原因1:Edgeのプロセスが残っている
最も多いのがこのパターンです。
見た目ではEdgeが起動していないように見えても、実はバックグラウンドでプロセスが動き続けていることがあります。この状態だと、修復インストーラーが「Edgeは実行中です」と判断してしまい、修復を拒否します。
症状:
「現在実行中のMicrosoft バージョンをインストールすることはできません。Microsoft Edgeを終了してから、もう一度お試しください」というエラーメッセージが表示される
原因2:ファイルの破損
Edgeのプログラムファイル自体が破損している場合、修復機能が正常に動作しません。
よくある原因:
- Windowsの強制シャットダウン
- ウイルス感染
- ディスクエラー
- 不完全なアップデート
原因3:Windows Updateの影響
Windows Updateによって、Edgeが自動更新される際にエラーが発生することがあります。
更新が中途半端な状態で止まってしまうと、修復もできず、起動もできない状態になります。
原因4:ユーザー権限の問題
修復作業には管理者権限が必要です。
標準ユーザーでログインしていたり、ユーザーアカウント制御(UAC)の設定に問題があると、修復が実行できません。
原因5:他のプログラムとの競合
セキュリティソフトや他のブラウザが、Edgeの修復を妨げている可能性があります。
特に、サードパーティのウイルス対策ソフトがEdgeのファイルをブロックすることがあります。
対処法のステップ
ここからは、問題を解決するための具体的な手順を、簡単なものから順に紹介していきます。
【ステップ1】パソコンを完全に再起動する
まずは、最もシンプルな方法から試してみましょう。
完全シャットダウンの手順
Windows 10/11には「高速スタートアップ」という機能があり、通常のシャットダウンでは完全に電源が切れていません。そのため、完全にシャットダウンする必要があります。
方法1:Shiftキーを使う
- スタートメニューを開きます
- 電源マークをクリックします
- Shiftキーを押しながら「シャットダウン」をクリックします
- 数秒待ってから、再度電源を入れます
方法2:コマンドプロンプトを使う
- 「Win + R」キーを押します
- 「cmd」と入力してEnterを押します
- 以下のコマンドを入力してEnterを押します:
shutdown /s /f /t 0
完全シャットダウン後、パソコンを起動してEdgeが正常に動くか確認してください。
【ステップ2】タスクマネージャーでEdgeのプロセスを終了する
見えないところでEdgeが動いている可能性があるので、強制的に終了させます。
手順
- 「Ctrl + Shift + Esc」キーを同時に押して、タスクマネージャーを起動します
- 「プロセス」タブを開きます
- 以下の名前がないか探します:
- Microsoft Edge
- msedge.exe
- MicrosoftEdgeUpdate.exe
- 見つかった場合は、右クリックして「タスクの終了」を選択します
- すべてのEdge関連プロセスを終了させます
「詳細」タブも確認:
- タスクマネージャーの「詳細」タブをクリックします
- 「msedge.exe」で検索します(Ctrl + F)
- 見つかったら右クリックして「タスクの終了」を選択します
すべて終了したら、再度修復を試してみてください。
【ステップ3】通常の修復を試す
プロセスを終了したら、正規の修復機能を試します。
Windows 11での修復手順
- 「スタート」ボタンを右クリックします
- 「インストールされているアプリ」を選択します
- 「Microsoft Edge」を見つけます
- 右側の「…」(三点リーダー)をクリックします
- 「変更」を選択します
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします
- 「Microsoft Edgeの修復」画面が表示されます
- 「修復」ボタンをクリックします
- 完了まで待ちます(数分かかる場合があります)
Windows 10での修復手順
- 「スタート」ボタンを右クリックします
- 「アプリと機能」を選択します
- 下にスクロールして「Microsoft Edge」を見つけます
- クリックして選択します
- 「変更」ボタンをクリックします
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします
- 「修復」ボタンをクリックします
修復が完了すると、Edgeが自動的に起動します。起動しない場合は、スタートメニューから手動で起動してみてください。
【ステップ4】設定をリセットする
修復ができても問題が解決しない場合は、設定をリセットしてみましょう。
Edgeの設定リセット手順
Edgeが起動できる場合:
- Microsoft Edgeを開きます
- 右上の「…」(三点リーダー)をクリックします
- 「設定」を選択します
- 左側のメニューから「設定のリセット」をクリックします
- 「設定を復元して既定値に戻します」をクリックします
- 「リセット」ボタンをクリックします
注意:
設定のリセットを行うと、以下の項目がリセットされます:
- スタートページ
- 新しいタブページ
- 検索エンジン
- ピン留めされたタブ
- 拡張機能(無効になります)
- Cookie などの一時データ
保持されるもの:
- お気に入り
- 履歴
- 保存されたパスワード
【ステップ5】別のブラウザをインストールする

Edgeが完全に使えない状態だと、新しいEdgeをダウンロードすることもできません。そのため、まず別のブラウザをインストールします。
推奨ブラウザ
以下のいずれかをインストールしてください:
Google Chrome:
- 別のパソコンやスマートフォンで以下にアクセス
- https://www.google.com/chrome/
- インストーラーをUSBメモリなどで問題のPCに移動
Mozilla Firefox:
- https://www.mozilla.org/ja/firefox/
- 同様にダウンロードして移動
Microsoft Store経由:
Windows 10/11には「Microsoft Store」が標準搭載されているので、そこからブラウザを探してインストールすることもできます。
- スタートメニューから「Microsoft Store」を開きます
- 検索窓に「Firefox」または「Opera」と入力します
- 検索結果から選んでインストールします
別のブラウザがインストールできたら、次のステップで新しいEdgeをダウンロードします。
【ステップ6】Edgeを強制的にアンインストールする
通常の修復が効かない場合、一度Edgeを完全に削除してから再インストールします。
重要な注意:
この作業を行うと、Edgeのデータ(お気に入り、パスワードなど)が失われる可能性があります。可能であれば、事前にバックアップを取ってください。
バックアップ方法
Edgeが少しでも起動できる場合は、以下の手順でデータをエクスポートしてください:
お気に入りのバックアップ:
- Edge を開きます
- 「Ctrl + Shift + O」キーでお気に入りを開きます
- 「…」→「お気に入りのエクスポート」を選択
- 保存場所を指定してファイルを保存
パスワードのバックアップ:
- 設定 → プロファイル → パスワード
- 「…」→「パスワードのエクスポート」
- ファイルを安全な場所に保存
PowerShellを使った強制アンインストール
では、実際にアンインストールを行います。
事前準備:Edgeのバージョンを確認
- エクスプローラーを開きます
- アドレスバーに以下を入力してEnterを押します:
%ProgramFiles(x86)%\Microsoft\Edge\Application
- 表示されたフォルダ内に、数字のフォルダがあります(例:「120.0.2210.144」)
- このバージョン番号をメモします
PowerShellでアンインストール:
- 「Win + X」キーを押します
- 「Windows PowerShell(管理者)」または「Windows ターミナル(管理者)」を選択します
- Windows 11では「ターミナル(管理者)」と表示されることがあります
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします
- 以下のコマンドを入力してEnterを押します(【バージョン】の部分は先ほどメモした番号に置き換えてください):
cd "C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\【バージョン】\Installer"
例:
cd "C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\120.0.2210.144\Installer"
- パスが正しく変更されたことを確認します
- 次に、以下のコマンドをコピーして貼り付け、Enterを押します:
.\setup.exe --uninstall --system-level --verbose-logging --force-uninstall
- コマンドが実行されます(画面には特に何も表示されません)
- 数秒待って、再度プロンプトが表示されれば完了です
コマンドプロンプトを使う方法:
PowerShellがうまくいかない場合は、コマンドプロンプトでも同じことができます。
- 「Win + R」キーを押します
- 「cmd」と入力します
- 「Ctrl + Shift + Enter」を押して管理者として実行します
- 以下のコマンドを入力(【バージョン】は実際の番号に置き換え):
cd "C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\【バージョン】\Installer"
- 次に、以下を入力してEnter:
setup.exe --uninstall --system-level --verbose-logging --force-uninstall
アンインストールできたか確認
- スタートメニューを開きます
- Microsoft Edgeのアイコンが消えているか確認します
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」(または「アプリと機能」)を開きます
- Microsoft Edgeが一覧から消えていれば成功です
【ステップ7】Edgeを再インストールする
アンインストールが完了したら、新しいEdgeをインストールします。
再インストール手順
- 先ほどインストールした別のブラウザ(ChromeやFirefoxなど)を開きます
- 以下のMicrosoft公式サイトにアクセスします:
https://www.microsoft.com/ja-jp/edge
- 「Microsoft Edgeをダウンロード」ボタンをクリックします
- 「同意してダウンロード」をクリックします
- 「MicrosoftEdgeSetup.exe」というファイルがダウンロードされます
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックして実行します
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリックします
- インストールが自動的に進みます(通常は1〜3分程度)
- 完了すると、Edgeが自動的に起動します
初回起動時の設定
Edgeが起動したら、初期設定を行います:
- 「開始する」をクリックします
- お好みでMicrosoftアカウントでサインインします(スキップも可能)
- 「確認」をクリックして設定を完了します
バックアップデータの復元
事前にバックアップを取っていた場合は、データを復元しましょう:
お気に入りのインポート:
- Edge の「…」→「お気に入り」→「お気に入りの管理」
- 「お気に入りのインポート」をクリック
- 「HTMLファイル」を選択
- 保存しておいたファイルを選択
- 「インポート」をクリック
パスワードのインポート:
- 設定 → プロファイル → パスワード
- 「…」→「パスワードのインポート」
- 保存しておいたファイルを選択
【ステップ8】それでもダメな場合の最終手段

ここまでの手順を試してもEdgeが動かない場合、以下の方法を検討してください。
方法1:システムファイルチェッカーを実行
Windowsのシステムファイル自体に問題がある可能性があります。
- 「Win + X」キーを押します
- 「Windows PowerShell(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を選択します
- 以下のコマンドを入力してEnterを押します:
sfc /scannow
- スキャンが完了するまで待ちます(10〜30分かかることがあります)
- 「Windows リソース保護により、破損したファイルが見つかり、それらは正常に修復されました」と表示されれば成功です
- パソコンを再起動します
方法2:DISMツールを実行
システムファイルチェッカーで修復できない場合は、DISMツールを使います。
- コマンドプロンプトまたはPowerShellを管理者として開きます
- 以下のコマンドを順番に実行します:
DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth
(数秒で完了)
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
(数分かかります)
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
(10〜20分かかることがあります)
- 完了したら、再度SFCコマンドを実行します:
sfc /scannow
- パソコンを再起動します
方法3:新しいWindowsユーザーアカウントを作成
現在のユーザープロファイルが破損している可能性があります。
- 「設定」→「アカウント」→「家族とその他のユーザー」を開きます
- 「その他のユーザーをこのPCに追加」をクリックします
- 「このユーザーのサインイン情報がありません」をクリックします
- 「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」をクリックします
- ユーザー名とパスワードを設定します
- 新しいユーザーでログインして、Edgeが動作するか確認します
方法4:Windowsのシステムの復元
以前の状態に戻すことで問題が解決する場合があります。
注意:最近インストールしたプログラムやファイルが失われる可能性があります。
- 「Win + R」キーを押します
- 「rstrui」と入力してEnterを押します
- 「システムの復元」ウィザードが開きます
- 「次へ」をクリックします
- Edgeが正常に動作していた日付の復元ポイントを選択します
- 「次へ」→「完了」をクリックします
- 復元が完了するまで待ちます(30分〜1時間程度)
方法5:Windowsの修復インストール
最終手段として、Windowsの修復インストールを検討してください。
これにより、個人ファイルは保持されますが、インストールされているプログラムの一部がリセットされる可能性があります。
- Microsoftの公式サイトから「メディア作成ツール」をダウンロードします
- ツールを実行して、「このPCを今すぐアップグレードする」を選択します
- 画面の指示に従って進めます
- 「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択します
詳細な手順は、Microsoftの公式サポートページを参照してください。
トラブルシューティング:よくある問題と解決法
問題1:「setup.exeが見つかりません」と表示される
原因:
Edgeのインストールパスが異なる、またはバージョン番号が間違っている
解決法:
- エクスプローラーで以下も確認してみてください:
C:\Program Files\Microsoft\Edge\Application
(「(x86)」がない場所)
- 正しいバージョン番号を確認します
- そのバージョンフォルダ内に「Installer」フォルダがあるか確認します
問題2:PowerShellでコマンドが実行されない
原因:
実行ポリシーの制限
解決法:
PowerShellで以下のコマンドを先に実行してみてください:
Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
実行後、再度アンインストールコマンドを試します。
問題3:アンインストール後もEdgeのアイコンが残っている
原因:
ショートカットだけが残っている
解決法:
- デスクトップやタスクバーのアイコンを右クリックして削除します
- スタートメニューのタイルも右クリック→「スタート画面からピン留めを外す」
問題4:再インストールしても起動しない
原因:
セキュリティソフトがブロックしている可能性
解決法:
- セキュリティソフトを一時的に無効にします
- Windowsファイアウォールの設定を確認します
- Edgeを「例外」または「許可」リストに追加します
問題5:「このアプリを開けません」と表示される
原因:
SmartScreenフィルターがブロックしている
解決法:
- エラーメッセージの「詳細情報」をクリックします
- 「実行」ボタンが表示されるのでクリックします
予防策:今後同じ問題を起こさないために
対策1:定期的にWindowsを更新する
Windows Updateを定期的に実行することで、Edgeも最新の状態に保たれ、不具合が修正されます。
確認方法:
- 「設定」→「Windows Update」
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
- 利用可能な更新があればインストールする
対策2:正しくシャットダウンする
電源ボタンの長押しや、強制終了は避けましょう。
正しい手順:
- すべてのアプリを閉じる
- スタートメニュー→電源→シャットダウン
作業中にエラーが出た場合も、できるだけ「ログアウト」や「再起動」を選択してください。
対策3:定期的にディスクのエラーチェックを行う
ハードディスクのエラーがEdgeの動作不良を引き起こすことがあります。
チェック方法:
- エクスプローラーを開きます
- 「PC」を開きます
- Cドライブを右クリック→「プロパティ」
- 「ツール」タブ→「チェック」をクリック
- 「ドライブのスキャン」を実行
対策4:ブックマークや設定を定期的にバックアップ
万が一の時に備えて、定期的にデータをバックアップしておきましょう。
Microsoftアカウントで同期:
- Edgeの設定を開く
- 「プロファイル」→「同期」
- 「同期を有効にする」をオンにする
- 同期する項目を選択する
これにより、他のデバイスやトラブル後も、データを復元できます。
対策5:不要な拡張機能は削除する
拡張機能が多すぎると、Edgeが不安定になることがあります。
確認方法:
- Edge の「…」→「拡張機能」→「拡張機能の管理」
- 使っていない拡張機能を「削除」する
まとめ
Microsoft Edgeが修復できない時の対処法について解説してきました。
この記事のポイント:
- まずはパソコンの完全再起動とプロセスの終了を試す
- 通常の修復機能を使ってみる
- ダメなら設定のリセットを試す
- 別のブラウザをインストールしてから対処する
- PowerShellを使ってEdgeを強制アンインストールする
- Microsoft公式サイトから再インストールする
- システムファイルチェッカーやDISMツールも試す
- 最終手段としてシステムの復元やWindowsの修復インストール
手順の概要:
- 完全再起動
- タスクマネージャーでプロセス終了
- 通常の修復
- 設定のリセット
- 別ブラウザのインストール
- Edgeの強制アンインストール(PowerShell)
- Edgeの再インストール
- システム修復ツール
重要な注意点:
- 作業前には必ずお気に入りや設定をバックアップする
- 管理者権限が必要な作業が多い
- コマンドは慎重に入力する(コピー&ペーストを推奨)
- 焦らず、一つずつ段階的に試す
Edgeが使えなくなると非常に不便ですが、ほとんどの場合、この記事で紹介した方法のいずれかで解決できます。
もし、すべての方法を試しても解決しない場合は、Windowsサポートに問い合わせるか、PCのメーカーサポートに相談することをおすすめします。
あなたのEdgeが無事に復活することを願っています!

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