パソコンなら簡単に見られるウェブページのソースコード。でも、iPhoneのSafariではどうやって見るの?そんな疑問を持っていませんか?
ウェブデザインの勉強をしている、気になるサイトの作り方を知りたい、自分のサイトがスマホでどう表示されているか確認したい。こんな時、ソースコードを見られると便利ですよね。
実は、iPhoneのSafariには、パソコン版のような「ソースを表示」という機能が標準では用意されていません。でも、いくつかの方法を使えば、iPhoneでもソースコードを確認できるんです。
この記事では、iPhoneのSafariでウェブページのソースコードを表示する5つの方法を、初心者にも分かりやすく解説していきます。
ソースコードとは?基本を理解しよう

まず、「ソースコード」が何なのか、簡単に説明しておきましょう。
ソースコードとは、ウェブページを作るために書かれたプログラムのコードのことです。主に以下のような言語で書かれています:
HTML(エイチティーエムエル):
- ウェブページの構造を作る言語
- 見出し、段落、画像、リンクなどを配置
CSS(シーエスエス):
- ウェブページの見た目を整える言語
- 色、サイズ、配置などのデザイン
JavaScript(ジャバスクリプト):
- ウェブページに動きをつける言語
- ボタンのクリック動作、アニメーションなど
ソースコードを見る理由
勉強のため:
- 他のサイトがどう作られているか学べる
- プログラミングの参考になる
確認のため:
- 自分のサイトが正しく表示されているか確認
- エラーの原因を調べる
調査のため:
- サイトの構造を分析
- 使われている技術を確認
iPhoneのSafariでソースコードが見られない理由
パソコン版のブラウザには「ページのソースを表示」という機能がありますが、iPhoneのSafariにはこの機能が標準では搭載されていません。
理由:
- 画面サイズの制約
- 小さい画面でコードを見るのは難しい
- スクロールが大変
- ターゲットユーザーの違い
- 多くのユーザーは閲覧だけが目的
- 開発者向け機能は優先度が低い
- iOS の設計思想
- シンプルさを重視
- 一般ユーザーが使わない機能は省略
でも、方法がないわけではありません。次から具体的な方法を紹介していきます。
方法1:ブックマークレットを使う【最もシンプル】
ブックマークレットとは、ブックマークに保存できる小さなプログラムのことです。タップするだけでソースコードを表示できる便利な方法です。
ブックマークレットの作成手順
ステップ1:準備するコード
以下のコードを使います(これをブックマークに保存します):
javascript:(function(){var a=document.documentElement.outerHTML,b=window.open("about:blank").document;b.write("<!DOCTYPE html><html><head><title>ソースコード</title></head><body></body></html>");b.close();var c=b.body;c.textContent=a;})();
このコードは、現在のページのHTMLを新しいウィンドウで表示するものです。
ステップ2:ダミーのブックマークを作成
- Safariで適当なサイト(例:apple.com)を開く
- 画面下部の共有ボタン(四角に上矢印のアイコン)をタップ
- 「ブックマークを追加」をタップ
- 名前を「ソースを表示」に変更
- 保存場所を「お気に入り」にする
- 「保存」をタップ
ステップ3:ブックマークを編集
- Safariでブックマーク一覧を開く
- 画面下部の本のアイコンをタップ
- 「お気に入り」または保存した場所を開く
- 「編集」をタップ
- 作成した「ソースを表示」ブックマークを選択
- URLの欄を長押し→「すべてを選択」→「削除」
- 先ほどのJavaScriptコードをコピー&ペースト
- パソコンからメールで送信すると便利
- または、メモアプリに保存しておく
- 「完了」をタップ
ステップ4:使い方
- ソースコードを見たいサイトを開く
- アドレスバーをタップ
- 「ソースを表示」ブックマークをタップ
- 新しいタブでソースコードが表示される
この方法のメリット・デメリット
メリット:
- 追加アプリ不要
- ワンタップで表示
- オフラインでも使える
デメリット:
- 初回の設定がやや複雑
- コードのコピーが必要
- 見やすさは限定的
方法2:外部サイトを使う【設定不要】
オンラインのツールを使ってソースコードを確認する方法です。
おすすめのサービス
1. CodeBeautify HTML Viewer
- URL:codebeautify.org/htmlviewer
2. FreeFormatter HTML Viewer
- URL:freeformatter.com/html-viewer.html
使い方
- 上記のサービスのサイトをSafariで開く
- 「URL」タブまたは「Enter URL」を選択
- 確認したいサイトのURLを入力
- 「View」または「表示」ボタンをタップ
- ソースコードが表示される
この方法のメリット・デメリット
メリット:
- 設定不要ですぐ使える
- 初心者にも分かりやすい
- きれいに整形されて表示される
デメリット:
- インターネット接続が必須
- 外部サービスに依存
- プライベートなページには使えない
方法3:専用アプリを使う【高機能】
App Storeには、ソースコードを見るための専用アプリがあります。
おすすめアプリ
1. View Source
- シンプルで使いやすい
- ソースコードのハイライト表示
- 無料版あり
2. HTML Source Code Viewer
- HTML、CSS、JavaScriptを分けて表示
- コードの検索機能
- 無料で使える
3. Web Inspector
- より高度な機能
- デベロッパーツール風
- 一部有料機能あり
基本的な使い方(View Sourceの例)
- App StoreでView Sourceをダウンロード
- アプリを起動
- 上部のアドレスバーにURLを入力
- ページが読み込まれる
- 画面下部の「<>」アイコンをタップ
- ソースコードが表示される
Safari拡張機能として使う方法
一部のアプリはSafari拡張機能として動作します。
設定手順:
- アプリをインストール後、設定アプリを開く
- 「Safari」→「拡張機能」をタップ
- インストールしたアプリを有効化
- Safariで任意のページを開く
- 共有ボタン→拡張機能を選択
- ソースコードを表示
この方法のメリット・デメリット
メリット:
- 見やすく整形される
- コードのハイライト表示
- 検索機能が使える
- オフラインでも使える(一部)
デメリット:
- アプリのダウンロードが必要
- 一部機能が有料のこともある
- アプリの切り替えが必要
方法4:Macとの連携機能を使う【開発者向け】

MacとiPhoneを連携させて、Mac上でiPhoneのSafariの内容を確認する方法です。
必要なもの
- Mac(macOS Monterey以降推奨)
- iPhone(iOS 14以降推奨)
- USBケーブルまたは同じWi-Fiネットワーク
設定手順
iPhoneの設定:
- 設定→Safari→詳細
- 「Webインスペクタ」をオンにする
Macの設定:
- Safariを開く
- メニューバーの「Safari」→「環境設定」
- 「詳細」タブを選択
- 「メニューバーに”開発”メニューを表示」にチェック
使い方
- iPhoneをMacにUSBケーブルで接続
- または、同じWi-Fiに接続
- iPhoneのSafariで確認したいページを開く
- Mac版Safariのメニューバーで「開発」をクリック
- デバイス名(例:○○のiPhone)を選択
- 開いているページのタイトルをクリック
- Webインスペクタが開く
- 「要素」タブでHTMLが確認できる
- 「ソース」タブでJavaScriptが確認できる
- 「スタイル」でCSSが確認できる
この方法のメリット・デメリット
メリット:
- 最も高機能
- リアルタイムで確認・編集可能
- プロの開発者レベルの機能
- ネットワーク通信も確認できる
デメリット:
- Macが必要
- 設定がやや複雑
- 初心者には難しい
方法5:URLスキームを使う【上級者向け】
iPhoneのURLスキームという機能を使って、他のアプリからソースを確認する方法です。
Shortcutsアプリを使う
iOSの「ショートカット」アプリで、ソースコード表示の自動化ができます。
作成手順:
- ショートカットアプリを開く
- 「+」で新規ショートカット作成
- アクションを追加:
- 「Webの内容を取得」を追加
- 「テキストを表示」を追加
- 「Webの内容を取得」の設定:
- URL:「ショートカットの入力」を選択
- 「テキストを表示」の設定:
- 入力:「Webページの内容」を選択
- ショートカットに名前をつける(例:ソース表示)
- 「完了」をタップ
使い方:
- Safariでページを開く
- 共有ボタンをタップ
- 「ショートカット」を選択
- 作成した「ソース表示」を選択
- ソースコードが表示される
この方法のメリット・デメリット
メリット:
- 完全にカスタマイズ可能
- アプリ不要
- Safariから直接実行できる
デメリット:
- 設定が複雑
- 表示が簡易的
- 上級者向け
iPadでの方法
iPadでも基本的に同じ方法が使えますが、いくつか違いがあります。
iPadならではの利点
Split Viewが使える:
- ソースコードと実際のページを並べて表示
- 比較しながら確認できる
画面が大きい:
- コードが見やすい
- スクロールが少なくて済む
キーボードショートカット:
- 外部キーボードでコピー&ペーストが楽
iPadOS 15以降の新機能
デスクトップ版サイトの表示:
- Safariでページを開く
- アドレスバー左側の「ぁあ」をタップ
- 「デスクトップ用Webサイトを表示」を選択
一部のサイトでは、デスクトップ版でより詳細な情報が見られることがあります。
ソースコードを見る際の注意点
著作権の尊重
ソースコードを見ることは合法ですが、以下の点に注意しましょう:
してはいけないこと:
- コードをそのままコピーして自分のサイトで使う
- 商業目的で無断利用する
- 他人の技術を盗用する
問題ないこと:
- 勉強のために参考にする
- 自分のサイトのバグを確認する
- 技術を学ぶための分析
プライバシーへの配慮
注意すべき点:
- ソースコードには個人情報が含まれることがある
- APIキーなどの機密情報が見えることも
- 悪用は絶対にしない
セキュリティ意識
自分のサイトを確認する際:
- 機密情報がソースに含まれていないか確認
- パスワードやAPIキーが露出していないか
- セキュリティホールがないか
ソースコードの見方・読み方の基本

HTMLの基本構造
ソースコードを見ると、以下のような構造が分かります:
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>ページのタイトル</title>
</head>
<body>
<h1>見出し</h1>
<p>本文</p>
</body>
</html>
主要な要素:
<head>:ページの情報(タイトル、CSS、メタ情報)<body>:実際に表示される内容<div>:まとまりを作る<p>:段落<a>:リンク
CSSの確認方法
スタイル情報は、以下の場所にあります:
インラインスタイル:
<div style="color: red;">赤い文字</div>
内部スタイルシート:
<head>
<style>
p { color: blue; }
</style>
</head>
外部スタイルシート:
<link rel="stylesheet" href="style.css">
JavaScriptの場所
スクリプトは以下の場所に記述されます:
インラインスクリプト:
<button onclick="alert('こんにちは')">クリック</button>
内部スクリプト:
<script>
function sayHello() {
alert('こんにちは');
}
</script>
外部スクリプト:
<script src="script.js"></script>
よくある質問
Q1:ソースコードを見るのは違法?
いいえ、違法ではありません。ブラウザで表示されている情報を見ることは、誰でも自由にできます。ただし、コピーして無断使用することは著作権侵害になります。
Q2:パスワードで保護されたページのソースも見られる?
ログイン後に表示されるページなら、自分がアクセスできる範囲で見られます。ただし、サーバー側のコードやデータベースの内容は見られません。
Q3:スマホで見るとコードが見にくい
画面を横向きにする、フォントサイズを調整する、iPadを使う、または最終的にMacで確認するのがおすすめです。
Q4:外部CSSやJavaScriptファイルの中身も見られる?
はい。ソースコード内のリンクをタップすれば、外部ファイルの内容も確認できます。
Q5:動的に生成されたコンテンツも見られる?
はい。JavaScriptで追加された要素も、その時点でのHTMLとして確認できます。
Q6:どのくらいプログラミングの知識が必要?
基本的なHTMLの知識があれば十分です。完全に理解できなくても、構造を確認するだけでも勉強になります。
実用的な活用例
ケース1:自分のサイトの確認
確認すべきポイント:
- モバイル表示が正しいか
- 画像のalt属性が設定されているか
- メタタグが適切か
- 不要なコードが残っていないか
ケース2:他サイトのデザイン研究
学べること:
- レイアウトの作り方
- CSSのテクニック
- レスポンシブデザインの実装方法
- アニメーションの実装
ケース3:エラーの原因調査
確認できること:
- 404エラーになっている画像
- 読み込まれていないCSSファイル
- JavaScriptのエラー
- リンク切れ
ケース4:SEO対策の確認
チェック項目:
- タイトルタグ
- メタディスクリプション
- 見出しタグの階層
- 構造化データの実装
まとめ:自分に合った方法を選ぼう
iPhoneのSafariでソースコードを確認する方法を5つ紹介しました。
初心者におすすめ:
- 外部サイトを使う方法
- 設定不要
- すぐに使える
- 分かりやすい
バランスが良い方法:
- 専用アプリを使う方法
- 見やすい
- 機能が充実
- オフラインでも使える
上級者向け:
- Macとの連携
- プロレベルの機能
- 開発に最適
- 詳細な分析が可能
それぞれの方法のまとめ:
| 方法 | 難易度 | 機能性 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| ブックマークレット | 中 | 中 | ★★★☆☆ |
| 外部サイト | 低 | 低 | ★★★★☆ |
| 専用アプリ | 低 | 高 | ★★★★★ |
| Mac連携 | 高 | 最高 | ★★★★☆ |
| Shortcuts | 高 | 中 | ★★☆☆☆ |
選び方のポイント:
- とりあえず試したい:外部サイト
- 定期的に使う:専用アプリ
- 本格的な開発:Mac連携
- カスタマイズしたい:ブックマークレット
学習の進め方:
- まずは外部サイトで体験
- 慣れたら専用アプリを試す
- 本格的に学ぶならMacの環境を整える
注意点の再確認:
- 著作権を尊重する
- コードの無断使用は禁止
- セキュリティに配慮
- プライバシーを侵害しない
iPhoneでソースコードを見る方法は、一見難しそうに感じるかもしれません。でも、一度設定してしまえば、意外と簡単に使えるようになります。
ウェブ開発の勉強や、自分のサイトの確認に、ぜひこの方法を活用してみてください。実際にコードを見ながら学ぶことで、プログラミングのスキルも大きく向上しますよ!


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