「いつも使っていたOutlookのマイテンプレートが、突然消えてしまった…」
定型文やよく使うメール文面を保存しておけるマイテンプレート機能は、業務効率化に欠かせないツールですよね。ところが、ある日突然「マイテンプレート」ボタンが見つからなくなったり、グレーアウトして使えなくなったりすることがあるんです。
Outlookのマイテンプレートが表示されない問題は、新しいUIへの変更、メッセージ形式の設定(プレーンテキスト/HTML)、アドインの無効化、管理者による制限、リボンのカスタマイズ設定など、様々な原因で発生します。特に、Outlook on the webの新UIでは、マイテンプレートの表示場所が大きく変更されたため、多くのユーザーが困惑しています。
この記事では、Outlookのマイテンプレートが表示されない・使えない問題の原因と、バージョン別の解決方法を詳しく解説します。あなたの環境に合った対処法を見つけて、マイテンプレート機能を復活させましょう。
Outlookのマイテンプレートとは

まず、マイテンプレート機能について理解しておきましょう。
マイテンプレート機能の概要
マイテンプレートは、よく使うメールの文面や定型文を保存して、簡単に呼び出せる機能です。
Microsoft 365(旧Office 365)のOutlook on the webやデスクトップ版Outlookで利用できます。
マイテンプレートでできること
- 定型文の保存と呼び出し
- 件名や本文のテンプレート化
- 複数のテンプレートを管理
- テンプレートの編集・削除
似た機能との違い
クイックパーツ(デスクトップ版Outlook)
本文の一部だけを挿入する機能で、件名やTO、CCは含められません。
マイテンプレート(アドイン)
メール全体のテンプレートとして、本文だけでなく、書式やレイアウトも保存できます(ただし、宛先や件名は含まれません)。
メールテンプレート(.oft形式)
従来のOutlookで使える、宛先や件名も含めたテンプレートファイルです。
マイテンプレートが表示されない主な原因
マイテンプレートが見つからない・使えない原因を見ていきましょう。
原因1:新しいUIで表示場所が変わった
Outlook on the webが新しいUIに更新されると、マイテンプレートの表示場所が大きく変わります。
旧UI
新規メール作成画面→オプションバー(送信ボタンの横)の「…」→「マイテンプレート」
新UI(MC427760適用後)
新規メール作成画面→「挿入」タブ→「その他のアプリ」→「マイテンプレート」
オプションバー自体がなくなり、送信ボタンが上部に移動しました。
原因2:メッセージ形式がプレーンテキストになっている
マイテンプレートは、HTML形式でのみ使用できます。
プレーンテキスト形式に設定されていると、「その他のアプリ」ボタンがグレーアウトして、マイテンプレートにアクセスできません。
原因3:アドインが無効になっている
マイテンプレートは、アドインとして動作します。
アドインが無効化されていたり、削除されていたりすると、表示されません。
原因4:管理者がアドインを制限している
組織のMicrosoft 365では、管理者がセキュリティポリシーやコンプライアンス要件により、アドインの利用を制限している場合があります。
原因5:リボンのカスタマイズで非表示になっている
デスクトップ版Outlookでは、リボンのユーザー設定でマイテンプレートを非表示にできます。
誤って設定を変更してしまった可能性があります。
原因6:ブラウザのキャッシュやポップアップブロック
Outlook on the webの場合、ブラウザのキャッシュが原因で正常に表示されなかったり、ポップアップブロックやスクリプト制御がマイテンプレートの動作を妨げたりすることがあります。
原因7:頻繁なバージョンアップ
Outlook on the webは頻繁に更新されるため、一時的にマイテンプレートが消えたり、復活したりすることがあります。
Outlook on the web(新UI)でマイテンプレートを表示する方法
新しいUIでのマイテンプレートの使い方です。
マイテンプレートの表示場所
ステップ1:新規メール作成画面を開く
「新規メール」ボタンをクリックして、メール作成画面を開きます。
ステップ2:HTML形式に変更
メッセージ形式を確認してください。
画面下部に「プレーンテキスト形式」と表示されている場合、クリックして「HTML形式」に変更します。
または、「…」(その他のオプション)→「メッセージ形式」→「HTML」を選択してください。
ステップ3:挿入タブを開く
画面上部のリボンメニューで、「挿入」タブをクリックします。
ステップ4:その他のアプリをクリック
リボンの右側にある「その他のアプリ」ボタンをクリックしてください。
注意:プレーンテキスト形式の場合、このボタンがグレーアウトして押せません。
ステップ5:マイテンプレートを選択
表示されたメニューから「マイテンプレート」をクリックします。
ステップ6:テンプレートを使う
画面右側にマイテンプレートのサイドバーが表示されるので、使いたいテンプレートを選択してください。
マイテンプレートが「その他のアプリ」に表示されない場合
対処法1:アプリを追加
「その他のアプリ」を開いたときに、マイテンプレートが一覧に表示されない場合、以下の手順で追加できます。
- 「その他のアプリ」→「アプリを追加」または「アプリストア」をクリック
- 検索ボックスに「My Templates」と入力
- 「マイテンプレート」アプリを見つけて、「追加」をクリック
対処法2:管理者に確認
組織のMicrosoft 365を使っている場合、管理者がアドインを制限している可能性があります。
IT部門に連絡して、マイテンプレートアドインを有効化してもらってください。
Outlook on the web(旧UI)でマイテンプレートを表示する方法
まだ旧UIを使っている場合の手順です。
旧UIでの表示場所
ステップ1:新規メール作成
新規メールを作成します。
ステップ2:オプションバーの「…」をクリック
送信ボタンの横にある「…」(その他のオプション)をクリックしてください。
ステップ3:マイテンプレートを選択
メニューから「マイテンプレート」を選択します。
ステップ4:テンプレートを使う
サイドバーが表示されるので、使いたいテンプレートを選んでください。
デスクトップ版Outlookでマイテンプレートを表示する方法
従来のOutlook(デスクトップアプリ)での操作方法です。
リボンのユーザー設定を確認
ステップ1:新規メール作成画面を開く
「新規メール」をクリックして、メール作成ウィンドウを開きます。
ステップ2:リボンを右クリック
リボンメニューのどこかを右クリックします。
ステップ3:リボンのユーザー設定
「リボンのユーザー設定」を選択してください。
ステップ4:マイテンプレートを確認
右側の「メイン タブ」から、「メッセージ」または「挿入」を展開します。
「マイテンプレート」の項目があるか確認して、チェックが入っているか確認してください。
チェックが外れている場合は、チェックを入れます。
ステップ5:OK
「OK」をクリックして設定を保存します。
ステップ6:確認
リボンメニューに「マイテンプレート」ボタンが表示されるか確認しましょう。
マイテンプレートの使い方
デスクトップ版Outlookで、マイテンプレートボタンが表示されている場合:
ステップ1:新規メール作成
新規メールを作成します。
ステップ2:マイテンプレートボタンをクリック
「メッセージ」タブまたは「挿入」タブにある「マイテンプレート」ボタンをクリックしてください。
ステップ3:テンプレートを選択
サイドバーが表示されるので、使いたいテンプレートを選びます。
新しいOutlook for Windowsでの対処法
新しいOutlook for Windowsでは、従来のクイック操作が廃止され、テンプレート機能の使い方が変わっています。
マイテンプレートの使い方
新しいOutlookは、基本的にOutlook on the webと同じ仕様です。
ステップ1:新規メール作成
「新規」ボタンをクリックします。
ステップ2:HTML形式に変更
メッセージ形式を「HTML」にしてください。
ステップ3:挿入タブから開く
「挿入」タブ→「その他のアプリ」→「マイテンプレート」を選択します。
クイック操作の代替方法
新しいOutlookでは、「メッセージの作成」というクイック操作が廃止されました。
代わりに、マイテンプレートアドインを使うことが推奨されています。
従来のOutlookに戻す
新しいOutlookでどうしてもマイテンプレートが使いにくい場合、従来版に戻すことを検討してください。
手順
画面右上の「新しいOutlookを試す」トグルスイッチをオフにします。
ブラウザの問題を解決する方法
Outlook on the webでマイテンプレートが表示されない場合の対処法です。
ブラウザのキャッシュをクリア
Chromeの場合
ステップ1:設定を開く
Chrome右上の「…」→「設定」を選択します。
ステップ2:プライバシーとセキュリティ
「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データの削除」をクリックしてください。
ステップ3:期間を選択
「全期間」を選択します。
ステップ4:項目を選択
以下にチェックを入れてください。
- Cookie と他のサイトデータ
- キャッシュされた画像とファイル
ステップ5:削除
「データを削除」ボタンをクリックします。
ステップ6:Outlookを開く
ブラウザを再起動して、Outlook on the webを開き直してください。
Edgeの場合
Edge右上の「…」→「設定」→「プライバシー、検索、サービス」→「閲覧データをクリア」で同様の操作を行います。
シークレットモード(プライベートウィンドウ)で確認
手順
- ブラウザをシークレットモード(Chromeの場合はCtrl + Shift + N)で開く
- https://outlook.office.com/ にアクセス
- サインインしてマイテンプレートが使えるか確認
シークレットモードで正常に動作する場合、ブラウザの拡張機能やキャッシュが原因です。
ポップアップブロックを解除
ステップ1:ブラウザの設定を開く
Chrome右上の「…」→「設定」を選択します。
ステップ2:サイトの設定
「プライバシーとセキュリティ」→「サイトの設定」をクリックしてください。
ステップ3:ポップアップとリダイレクト
「ポップアップとリダイレクト」を選択します。
ステップ4:Outlookを許可
「許可」セクションに「outlook.office.com」を追加してください。
広告ブロッカーや拡張機能を無効化
手順
- ブラウザの拡張機能画面を開く(Chromeの場合は chrome://extensions/)
- 広告ブロッカー(AdBlock、uBlock Originなど)やスクリプト制御の拡張機能を一時的に無効化
- Outlookを開き直して確認
別のブラウザで試す
Chromeで問題が起きている場合、Microsoft EdgeやFirefoxで試してみてください。
特定のブラウザでのみ問題が起きる場合、そのブラウザ固有の設定や拡張機能が原因です。
管理者に確認すべきこと

組織のMicrosoft 365でマイテンプレートが使えない場合の対処法です。
管理者への確認事項
IT部門や管理者に、以下を確認してください。
1. アドインの許可設定
「マイテンプレート」アドインが、組織で許可されているか確認してもらいます。
2. セキュリティポリシー
セキュリティポリシーで、アドイン全体が制限されていないか確認してください。
3. ライセンスの確認
使用しているMicrosoft 365のライセンスで、アドインが利用可能か確認します。
管理者側の対処法
管理者は、Microsoft 365管理センターで以下の設定を確認できます。
- Microsoft 365管理センターにサインイン
- 「設定」→「統合アプリ」を開く
- 「マイテンプレート」アドインが有効になっているか確認
- 必要に応じて、ユーザーやグループに権限を付与
代替手段:クイックパーツを使う
マイテンプレートがどうしても使えない場合の代替方法です。
クイックパーツ(デスクトップ版Outlook)
デスクトップ版Outlookには、「クイックパーツ」という定型文機能があります。
作成方法
ステップ1:定型文を作成
新規メールで、保存したい定型文を入力します。
ステップ2:テキストを選択
保存したいテキストを選択してください。
ステップ3:挿入タブ
「挿入」タブ→「クイックパーツ」→「選択範囲をクイックパーツギャラリーに保存」を選択します。
ステップ4:名前を付ける
分かりやすい名前を付けて、「OK」をクリックします。
使用方法
「挿入」タブ→「クイックパーツ」→保存した定型文を選択すると、メール本文に挿入されます。
メールテンプレート(.oft形式)
宛先や件名も含めたテンプレートが必要な場合、.oft形式で保存できます。
作成方法
- 新規メールで、テンプレートとして保存したい内容(件名、本文など)を入力
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択
- ファイルの種類で「Outlook テンプレート (*.oft)」を選択
- 名前を付けて保存
使用方法
保存した.oftファイルをダブルクリックすると、テンプレートが開きます。
トラブルシューティング
特定の状況での対処法です。
問題1:「その他のアプリ」がグレーアウトしている
原因
メッセージ形式がプレーンテキストになっています。
対処法
メッセージ形式を「HTML」に変更してください。
問題2:マイテンプレートは表示されるが、中身が空
原因
テンプレートが保存されていない、または同期の問題があります。
対処法
- 新しいテンプレートを作成してみる
- 別のデバイスやブラウザで確認
- しばらく時間をおいて再試行
問題3:突然マイテンプレートが消えた
原因
Outlook on the webのバージョンアップによる一時的な問題の可能性があります。
対処法
- 数時間〜1日待ってから再確認
- 新しいUIでの表示場所(挿入タブ→その他のアプリ)を確認
- それでもダメな場合は、管理者に連絡
問題4:グループメールボックスでマイテンプレートが表示されない
原因
グループメールボックスでは、マイテンプレート機能が制限されている場合があります。
対処法
個人のメールアカウントでは使えるか確認してください。
グループメールボックスでは使えない仕様の可能性があります。
よくある質問と回答
新しいUIと旧UI、どちらを使っているか確認する方法は?
送信ボタンの位置で判断できます。送信ボタンが画面上部にある場合は新UI、メール本文の下にある場合は旧UIです。
マイテンプレートとクイックパーツの違いは?
マイテンプレートはアドインで、主にWeb版で使います。クイックパーツはデスクトップ版の機能で、本文の一部を挿入できます。
個人用Microsoft 365でもマイテンプレートは使える?
はい、個人用(家庭向け)Microsoft 365でも、Outlook on the webでマイテンプレートが利用できます。
テンプレートに宛先や件名を含められる?
マイテンプレートでは、本文のみが保存されます。宛先や件名も含めたい場合は、.oft形式のメールテンプレートを使ってください。
マイテンプレートが頻繁に消えたり復活したりする
Outlook on the webは頻繁に更新されるため、一時的に機能が利用できなくなることがあります。しばらく待つか、別のブラウザやデバイスで試してください。
まとめ:マイテンプレートを復活させて業務効率アップ
Outlookのマイテンプレートが表示されない問題の解決方法を解説しました。
重要なポイントをおさらい
- 新UIでは「挿入」タブ→「その他のアプリ」→「マイテンプレート」に移動
- メッセージ形式を「HTML」にしないと使えない
- アドインが無効化されていないか確認
- 管理者がアドインを制限している場合は相談が必要
- ブラウザのキャッシュクリアやシークレットモードで確認
- リボンのユーザー設定を確認(デスクトップ版)
- どうしてもダメなら代替手段(クイックパーツ、.oftテンプレート)を活用
マイテンプレート機能は、定型文や頻繁に使うメール文面を効率的に管理できる便利なツールです。新しいUIへの変更や設定の問題で一時的に使えなくなっても、この記事の対処法を試せば、ほとんどの場合復活できます。
あなたのOutlookでマイテンプレートが快適に使えるようになることを願っています!

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