「Outlookを起動するたびに、パスワードを入力しなければならない…」
毎日何度もメールをチェックするのに、起動するたびにパスワードを入力するのは本当に面倒ですよね。以前は自動でログインできていたのに、突然パスワードを求められるようになったという経験をした方も多いでしょう。
Outlookで毎回サインインやパスワード入力を求められる問題は、資格情報の設定ミス、Windowsの資格情報マネージャーの不具合、Microsoftオンラインサービスへの接続設定、アカウント設定の問題など、様々な原因で発生します。特に、新しいOutlook for Windowsでは、まだ開発中のため不具合が多く報告されているんです。
この記事では、Outlookで毎回サインインを求められる問題の原因と、段階的な解決方法を詳しく解説します。基本的な設定確認から高度な修復方法まで、あなたの状況に合った対処法を見つけましょう。
問題の症状を確認しよう

まず、どのような症状が出ているか確認しておきましょう。
症状のパターン
パターン1:起動時に毎回パスワードを求められる
Outlookを起動するたびに、「パスワードの入力が必要です」と表示されます。
パスワードを入力すれば使えますが、次回起動時にまた求められます。
パターン2:「サインインする必要があります」と表示される
特に新しいOutlook for Windowsで多い症状です。
「サインインする必要があります」というメッセージとともに、パスワード入力画面が表示されます。
パターン3:何度入力しても受け付けられない
正しいパスワードを入力しているのに、「サインインできませんでした」と表示されて先に進めません。
パターン4:送受信のたびにパスワードを求められる
起動時は問題ないのに、メールを送受信しようとすると、パスワードの入力を求められます。
パターン5:複数回パスワードを求められる
一度入力しても、また同じパスワードを求められることを繰り返します。
発生タイミング
いつからこの問題が起きたか、確認してください。
- Windows 11にアップグレードした後
- 新しいOutlook for Windowsに切り替えた後
- Officeを更新した後
- パスワードを変更した後
- 特に心当たりがない(突然起きた)
発生タイミングによって、原因の特定がしやすくなります。
毎回サインインを求められる主な原因
この問題が発生する原因を見ていきましょう。
原因1:「資格情報を記憶する」のチェックが外れている
最も基本的な原因です。
パスワード入力画面で、「資格情報を記憶する」や「パスワードを保存する」のチェックボックスにチェックを入れていないと、毎回入力を求められます。
原因2:Windows資格情報マネージャーの問題
Windowsは、ログイン情報を「資格情報マネージャー」に保存しています。
ここに間違ったパスワードが保存されていたり、情報が破損していたりすると、正しいパスワードを入力しても保存されません。
原因3:Microsoftオンラインサービスへの接続がオフ
Outlookの「プライバシー設定」で、Microsoftオンラインサービスへの接続が無効になっていると、アカウント設定が正常に機能しないことがあります。
原因4:接続エクスペリエンスがオフ
Outlookの接続エクスペリエンス機能がオフになっていると、一部の機能が制限され、正常にログイン情報を保存できないケースがあります。
原因5:アカウント設定の問題
- 重複したアカウントが登録されている
- 不要な古いアカウントが残っている
- アカウント設定に不備がある
これらの問題があると、認証が正常に機能しません。
原因6:プロファイルの破損
Outlookプロファイルが破損していると、設定が正しく保存されなくなります。
原因7:職場または学校のアカウント設定
Windowsの「職場または学校にアクセスする」設定に問題があると、Outlookの認証がうまくいかないことがあります。
原因8:新しいOutlook for Windowsの不具合
新しいOutlook for Windowsは、まだ開発中のため、様々な不具合が報告されています。
特にIMAPやPOPアカウントで問題が起きやすいです。
原因9:アプリパスワードが必要
GmailやiCloudなど、2段階認証を有効にしているアカウントでは、通常のパスワードではなく「アプリパスワード」が必要な場合があります。
【最初に試す】基本的な対処法
まずは、簡単にできる基本的な対処法を試してみましょう。
対処法1:「資格情報を記憶する」にチェックを入れる
ステップ1:パスワード入力画面を確認
Outlookを起動して、パスワード入力画面が表示されたら、画面をよく確認してください。
ステップ2:チェックボックスを確認
「資格情報を記憶する」「パスワードを保存する」「サインインの状態を維持する」などのチェックボックスがあるか探します。
ステップ3:チェックを入れる
チェックボックスが見つかったら、必ずチェックを入れてください。
ステップ4:パスワードを入力
正しいパスワードを入力して、サインインします。
ステップ5:確認
Outlookを一度終了して、再起動してみてください。
パスワードを求められなければ、これで解決です。
対処法2:Outlookを完全に再起動
一時的な不具合の場合、再起動で解決することがあります。
ステップ1:Outlookを終了
Outlookを閉じます。
ステップ2:タスクマネージャーで確認
Ctrl + Shift + Esc を押して、タスクマネージャーを開きます。
「プロセス」タブで「Microsoft Outlook」が残っていないか確認してください。
残っている場合は、選択して「タスクの終了」をクリックします。
ステップ3:Outlookを起動
数秒待ってから、Outlookを再起動します。
対処法3:パソコンを再起動
Windowsの一時的な問題が原因の場合、パソコンを再起動することで解決することがあります。
Windows資格情報マネージャーを確認・削除
資格情報マネージャーに保存されている情報を確認します。
資格情報の確認方法
ステップ1:コントロールパネルを開く
Windows + R キーを押して、以下を入力します。
control
Enter キーを押すと、コントロールパネルが開きます。
ステップ2:資格情報マネージャーを開く
「資格情報マネージャー」をクリックしてください。
表示されていない場合は、表示方法を「大きいアイコン」に変更します。
ステップ3:Windows資格情報を確認
「Windows資格情報」タブを開きます。
Outlookやメールサーバーに関連する項目を探してください。
例:
- outlook.office365.com
- imap.gmail.com
- メールサーバーのアドレス
ステップ4:資格情報を展開
該当する項目をクリックして展開します。
ステップ5:パスワードを確認
「表示」をクリックすると、保存されているパスワードを確認できます。
間違ったパスワードが保存されている場合、これが原因です。
資格情報の削除と再登録
ステップ1:資格情報を削除
前述の方法で資格情報マネージャーを開きます。
ステップ2:該当する項目を削除
Outlookに関連する資格情報を展開して、「削除」をクリックしてください。
確認メッセージが表示されるので、「はい」を選びます。
注意:関連するすべての項目(outlook.office365.com、メールサーバーなど)を削除してください。
ステップ3:Outlookを起動
Outlookを起動すると、パスワードの入力を求められます。
ステップ4:正しいパスワードを入力
正しいパスワードを入力して、「資格情報を記憶する」にチェックを入れてください。
ステップ5:確認
Outlookを再起動して、パスワードを求められないことを確認しましょう。
Microsoftオンラインサービスへの接続を有効化

Outlookがオンラインサービスに接続できるように設定します。
セキュリティセンターの設定
ステップ1:Outlookのオプションを開く
「ファイル」タブ→「オプション」を選択します。
ステップ2:セキュリティセンターを開く
左側のメニューから「セキュリティ センター」を選択してください。
ステップ3:セキュリティセンターの設定
「セキュリティ センターの設定」ボタンをクリックします。
ステップ4:プライバシーオプション
左側のメニューから「プライバシー オプション」を選択してください。
ステップ5:オンライン接続を有効化
以下の項目にチェックを入れます。
「Office を Microsoft のオンライン サービスに接続して、使用状況や環境設定に関連する機能を提供できるようにしますか?」
または
「接続エクスペリエンスを有効にする」
ステップ6:OK
「OK」を2回クリックして、設定を保存します。
ステップ7:Outlookを再起動
Outlookを再起動して、問題が解決したか確認してください。
接続エクスペリエンスをオンにする
Outlookの接続エクスペリエンス機能を有効化します。
設定方法
ステップ1:オプションを開く
「ファイル」→「オプション」を選択します。
ステップ2:全般タブ
左側のメニューから「全般」を選択してください。
ステップ3:プライバシー設定
「プライバシー設定」ボタンをクリックします。
ステップ4:接続エクスペリエンスを確認
以下の項目にチェックが入っているか確認してください。
- 「接続エクスペリエンス」
- 「すべての接続エクスペリエンス」
チェックが外れている場合は、チェックを入れます。
ステップ5:保存
設定を保存して、Outlookを再起動します。
アカウント設定を確認・削除
不要なアカウントや重複アカウントを削除します。
アカウントの確認
ステップ1:アカウント設定を開く
「ファイル」タブ→「アカウント設定」→「アカウント設定」を選択します。
ステップ2:メールタブ
「メール」タブを開いて、登録されているアカウントを確認してください。
ステップ3:不要なアカウントを確認
以下のようなアカウントがないか確認します。
- 重複して登録されている同じアカウント
- 使わなくなった古いアカウント
- エラーが表示されているアカウント
不要なアカウントの削除
ステップ1:アカウントを選択
削除したいアカウントをクリックして選択します。
ステップ2:削除
「削除」ボタンをクリックしてください。
確認メッセージが表示されるので、「はい」を選びます。
注意:必要なアカウントまで削除しないように注意してください。不安な場合は、事前にデータをバックアップしましょう。
ステップ3:Outlookを再起動
アカウント削除後、Outlookを再起動して確認します。
職場または学校のアカウント設定を見直す
Windows設定の「職場または学校のアカウント」を確認します。
アカウント設定の確認
ステップ1:Windowsの設定を開く
Windows + I キーを押します。
ステップ2:アカウント設定
「アカウント」→「職場または学校にアクセスする」を選択してください。
ステップ3:登録されているアカウントを確認
「職場または学校のアカウント」に、Outlookで使用しているアカウントが表示されていないか確認します。
ステップ4:問題のあるアカウントを削除
重複しているアカウントや、エラーが出ているアカウントがある場合、以下の手順で削除します。
- Office製品(Outlook、Word、Excelなど)をすべて終了
- 該当するアカウントをクリック
- 「切断」ボタンをクリック
- 警告が表示されますが、「はい」を選択
ステップ5:Outlookを起動
Outlookを起動して、パスワードの入力を求められるか確認してください。
求められた場合は、正しいパスワードを入力して、「資格情報を記憶する」にチェックを入れます。
プロファイルを再作成する
プロファイルが破損している場合、新しいプロファイルを作成します。
新しいプロファイルの作成
注意:この操作を行うと、既存のメールデータが見えなくなる可能性があります。必ず事前にバックアップを取ってください。
ステップ1:コントロールパネルを開く
Windows + R キーを押して、「control」と入力します。
ステップ2:Mail(Microsoft Outlook)を開く
「Mail (Microsoft Outlook)」または「メール(32ビット)」をクリックしてください。
ステップ3:プロファイルの表示
「プロファイルの表示」ボタンをクリックします。
ステップ4:新しいプロファイルを追加
「追加」ボタンをクリックして、プロファイル名を入力します(例:「Outlook新規」)。
ステップ5:アカウントを設定
メールアドレスを入力して、「次へ」をクリックしてください。
Outlookが自動的にアカウント設定を検出します。
パスワードを入力して、設定を完了しましょう。
ステップ6:既定のプロファイルを変更
「常に使用するプロファイル」を選択して、新しく作成したプロファイルを選びます。
ステップ7:OK
「OK」をクリックして設定を保存します。
ステップ8:Outlookを起動
Outlookを起動して、新しいプロファイルで正常に動作するか確認してください。
新しいOutlook for Windowsの場合の対処法
新しいOutlook for Windowsで問題が起きている場合の対処法です。
対処法1:アカウント設定を確認
新しいOutlookでは、設定画面が従来版と異なります。
ステップ1:設定を開く
画面右上の歯車アイコン(設定)をクリックします。
ステップ2:アカウントの管理
「アカウント」→「メールアカウント」を選択してください。
ステップ3:アカウントを選択
問題が起きているアカウントをクリックします。
ステップ4:詳細設定を確認
「詳細設定」または「アカウント設定を同期」をクリックして、すべてのフィールド(サーバー名、ポート番号、パスワードなど)が正しく入力されているか確認してください。
対処法2:アカウントを削除して再追加
設定が破損している可能性がある場合、アカウントを一度削除して再追加します。
ステップ1:アカウントを削除
「設定」→「アカウント」→「メールアカウント」から、該当するアカウントを選択して「削除」をクリックします。
ステップ2:Outlookを再起動
一度Outlookを終了して、再起動します。
ステップ3:アカウントを再追加
「設定」→「アカウント」→「アカウントの追加」から、メールアドレスとパスワードを入力して再設定してください。
対処法3:従来のOutlookに戻す
新しいOutlookでどうしても解決しない場合、従来版に戻すことを検討してください。
手順
画面右上にある「新しいOutlookを試す」トグルスイッチをオフにします。
従来版のOutlookに戻ります。
新しいOutlookはまだ開発中のため、すべての機能が完全ではありません。安定性を優先する場合は、従来版の使用をおすすめします。
アプリパスワードが必要な場合
GmailやiCloudなど、2段階認証を有効にしているアカウントでは、通常のパスワードではなく「アプリパスワード」が必要です。
Gmailのアプリパスワード作成
ステップ1:Googleアカウントにサインイン
ブラウザでGoogleアカウント(https://myaccount.google.com/)にサインインします。
ステップ2:セキュリティ
「セキュリティ」を選択してください。
ステップ3:2段階認証プロセス
「2段階認証プロセス」が有効になっていることを確認します。
ステップ4:アプリパスワード
「アプリパスワード」を選択します。
ステップ5:アプリとデバイスを選択
「メール」と「Windowsパソコン」を選択して、「生成」をクリックしてください。
ステップ6:パスワードをコピー
16桁のアプリパスワードが表示されるので、コピーします。
ステップ7:Outlookに入力
Outlookのパスワード入力画面で、通常のパスワードの代わりに、このアプリパスワードを入力してください。
iCloudのアプリパスワード作成
ステップ1:Apple IDにサインイン
ブラウザでApple ID(https://appleid.apple.com/)にサインインします。
ステップ2:セキュリティ
「セキュリティ」セクションで、「App用パスワード」を選択してください。
ステップ3:パスワードを生成
パスワードのラベルを入力(例:「Outlook」)して、「作成」をクリックします。
ステップ4:パスワードをコピー
表示されたアプリパスワードをコピーしてください。
ステップ5:Outlookに入力
Outlookで、このアプリパスワードを使用します。
トラブルシューティング
上記の方法で解決しない場合の対処法です。
問題1:どの方法を試しても毎回パスワードを求められる
対処法
対処法1:Officeの修復
「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」→「Microsoft 365」または「Microsoft Office」→「変更」→「クイック修復」を実行してください。
それでもダメな場合は、「オンライン修復」を試します。
対処法2:Outlookの更新
「ファイル」→「Officeアカウント」→「更新オプション」→「今すぐ更新」で、最新バージョンに更新します。
対処法3:別のメールクライアントを試す
Thunderbirdなど、別のメールクライアントで同じアカウントを設定してみてください。
他のクライアントで問題なく使える場合、Outlook固有の問題です。
問題2:正しいパスワードを入力してもエラーになる
原因
- パスワードが変更されている
- アカウントがロックされている
- 2段階認証が有効でアプリパスワードが必要
対処法
メールプロバイダーの公式サイトにブラウザからログインしてみてください。
ログインできない場合、パスワードのリセットやアカウントの凍結解除が必要です。
問題3:会社のメールで問題が起きている
原因
会社のIT部門が設定したグループポリシーやセキュリティポリシーが原因の可能性があります。
対処法
IT部門やシステム管理者に相談してください。
個人で設定を変更できない場合があります。
よくある質問と回答
資格情報を記憶するにチェックを入れても、毎回求められる
Windows資格情報マネージャーに間違った情報が保存されている可能性があります。資格情報を削除して、再登録してください。
新しいOutlookで問題が起きやすいのはなぜ?
新しいOutlook for Windowsは、まだ開発中のため、バグや未実装の機能があります。安定性を優先する場合は、従来版の使用をおすすめします。
パスワードを保存することはセキュリティ上問題ない?
共用パソコンや公共の場所で使う場合は、毎回パスワードを入力する方が安全です。個人のパソコンで自分だけが使う場合は、保存しても問題ありません。
プロファイルを再作成すると、メールは消える?
プロファイルを削除しても、メールデータ(PSTファイル)自体は残ります。新しいプロファイルから再度開くことができます。ただし、念のためバックアップを取ることをおすすめします。
GmailやiCloudで毎回パスワードを求められる
2段階認証を有効にしている場合、通常のパスワードではなく「アプリパスワード」が必要です。各サービスの公式サイトで生成してください。
まとめ:段階的に対処してサインイン問題を解決しよう
Outlookで毎回サインインやパスワード入力を求められる問題の解決方法を解説しました。
重要なポイントをおさらい
- まずは「資格情報を記憶する」にチェックを入れる
- Windows資格情報マネージャーの情報を削除して再登録
- Microsoftオンラインサービスへの接続を有効化
- 接続エクスペリエンスをオンにする
- 不要なアカウントや重複アカウントを削除
- 職場または学校のアカウント設定を見直す
- プロファイルを再作成する(最終手段)
- 新しいOutlookで問題が多い場合は従来版に戻す
- GmailやiCloudではアプリパスワードが必要
毎回パスワードを入力するのは、時間の無駄ですし、ストレスも溜まりますよね。この記事の対処法を、簡単なものから順番に試していってください。
多くの場合、資格情報の削除と再登録、またはMicrosoftオンラインサービスへの接続設定で解決します。それでもダメな場合は、プロファイルの再作成やOfficeの修復を試してみましょう。あなたのOutlookが快適に使えるようになることを願っています!


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