「Outlookのフォルダが突然消えてしまった…大事なメールが見つからない!」
朝、Outlookを開いたら、いつも使っているフォルダが見当たらない。そんな経験をすると、本当に焦りますよね。取引先とのやり取りや重要なプロジェクトのメールが入っているフォルダだったら、なおさらです。
実は、Outlookでフォルダが消える原因はいくつかあります。誤って削除してしまった場合もあれば、同期エラーやファイルの破損が原因のこともあるんです。でも安心してください。多くの場合、適切な対処をすれば復元できます。
この記事では、Outlookのフォルダが消えた原因と、状況別の復元方法を詳しく解説します。まずは落ち着いて、順番に確認していきましょう。
Outlookのフォルダが消える主な原因

まず、なぜフォルダが消えたのか、考えられる原因を理解しておきましょう。
原因1:誤って削除した
最も多い原因は、間違ってフォルダを削除してしまうケースです。
フォルダを右クリックしたときに、誤って「削除」を選んでしまうことがあります。この場合、フォルダは「削除済みアイテム」フォルダに移動しているはずです。
原因2:フォルダが折りたたまれている
削除されたわけではなく、単にフォルダツリーが折りたたまれて見えなくなっているだけかもしれません。
特に、親フォルダの左側にある「>」(矢印)をクリックして折りたたんでしまうと、サブフォルダが非表示になります。
原因3:同期エラー
Exchange ServerやMicrosoft 365を使っている場合、サーバーとの同期がうまくいかず、一時的にフォルダが表示されないことがあります。
ネットワークの問題や、サーバーのメンテナンス中に起こりやすいです。
原因4:データファイルの破損
Outlookのデータファイル(PSTファイルまたはOSTファイル)が破損すると、フォルダが見えなくなることがあります。
突然のシャットダウンやディスクエラーが原因になることが多いんです。
原因5:アカウント設定の問題
メールアカウントの設定に問題があると、フォルダが正しく表示されないことがあります。
パスワード変更後に設定を更新していない場合などに発生します。
原因6:検索フォルダの問題
検索フォルダ(仮想フォルダ)の場合、検索条件が変更されたり、エラーが発生したりすると、消えたように見えることがあります。
それでは、状況別の復元方法を見ていきましょう。
【最も多い】削除済みアイテムから復元する
誤って削除した場合、まずはここを確認してください。
削除済みアイテムフォルダを確認
ステップ1:削除済みアイテムを開く
左側のフォルダペインで、「削除済みアイテム」フォルダをクリックします。
ステップ2:フォルダを探す
削除済みアイテムの一覧に、消えたフォルダがないか確認してください。
フォルダは、メールと同じように削除済みアイテムに移動します。
ステップ3:フォルダを復元
見つかった場合、フォルダを右クリックして「移動」→「その他のフォルダ」を選択します。
元の場所、または任意の場所にフォルダを移動させれば復元完了です。
または、ドラッグ&ドロップ
フォルダを削除済みアイテムから、元の場所にドラッグ&ドロップすることもできますよ。
削除済みアイテムからも消えている場合
削除済みアイテムフォルダを空にしてしまった場合でも、まだ復元できる可能性があります。
Microsoft 365 / Exchange Serverの場合
「フォルダ」タブ→「削除済みアイテムをサーバーから復元」をクリックしてください。
過去30日以内に削除されたアイテムが表示されるので、フォルダを選択して「復元」をクリックします。
これで、フォルダが元の場所に戻ります。
注意点
この機能は、Microsoft 365やExchange Serverのアカウントでのみ使えます。POP3やIMAPアカウントでは利用できません。
フォルダが折りたたまれていないか確認
削除されていない場合、単に見えなくなっているだけかもしれません。
フォルダツリーを展開
ステップ1:親フォルダを確認
消えたフォルダの親フォルダ(上位のフォルダ)を探します。
ステップ2:矢印をクリック
親フォルダの左側に「>」(矢印)がある場合、クリックして展開してください。
サブフォルダが表示されれば、単に折りたたまれていただけです。
すべてのフォルダを展開
方法1:すべて展開
フォルダペイン上部を右クリック→「すべて展開」を選択すると、すべてのフォルダツリーが展開されます。
方法2:ナビゲーションオプション
「表示」タブ→「フォルダーウィンドウ」→「標準」を選択して、表示モードを確認してください。
同期エラーを解決する
サーバーとの同期問題で消えている場合の対処法です。
送受信を実行
ステップ1:送受信ボタンをクリック
リボンメニューの「送受信」タブ→「すべてのフォルダーを送受信」をクリックします。
または、F9キーを押してください。
ステップ2:同期の完了を待つ
画面下部のステータスバーで、同期の進行状況が確認できます。
同期が完了すると、フォルダが表示される可能性があります。
オフライン作業モードを確認
誤ってオフラインモードになっていないか確認しましょう。
ステップ1:送受信タブを開く
「送受信」タブをクリックします。
ステップ2:オフライン作業を確認
「オフライン作業」ボタンが押された状態(強調表示)になっていたら、クリックしてオフ(通常表示)にしてください。
これで、サーバーとの同期が再開されます。
アカウントをオフライン・オンライン切り替え
ステップ1:アカウント設定を開く
「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」を選択します。
ステップ2:アカウントを選択
問題のあるアカウントを選択して、「変更」をクリックします。
ステップ3:オフラインキャッシュ設定
「オフライン設定」の項目で、スライダーを動かして全期間のメールをダウンロードするように設定してください。
ステップ4:完了
「次へ」→「完了」をクリックして、Outlookを再起動します。
Outlookを再起動する

単純な方法ですが、これで解決することも多いです。
完全な再起動の手順
ステップ1:Outlookを終了
「ファイル」→「終了」を選択するか、ウィンドウの「×」ボタンをクリックします。
ステップ2:バックグラウンドプロセスも終了
タスクバーの通知領域(時計の近く)にOutlookのアイコンが残っている場合、右クリック→「終了」を選択してください。
または、タスクマネージャー(Ctrl + Shift + Esc)で、Outlookのプロセスが残っていないか確認し、あれば終了させます。
ステップ3:Outlookを再起動
もう一度Outlookを起動して、フォルダが表示されるか確認しましょう。
データファイルの修復
データファイルが破損している場合の対処法です。
受信トレイ修復ツール(ScanPST.exe)を使う
Outlookには、データファイルを修復する専用ツールが付属しています。
ステップ1:Outlookを終了
修復前に、Outlookを完全に終了してください。
ステップ2:ScanPST.exeを起動
以下の場所にあるScanPST.exeを実行します。
Outlook 2016/2019/2021/365(64ビット版)
C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16\SCANPST.EXE
Outlook 2016/2019/2021/365(32ビット版)
C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16\SCANPST.EXE
エクスプローラーのアドレスバーにパスを貼り付けて、Enterキーを押すと起動できます。
ステップ3:データファイルを選択
「参照」ボタンをクリックして、修復したいPSTファイルまたはOSTファイルを選択してください。
データファイルの場所
通常は以下の場所にあります。
C:\Users\ユーザー名\Documents\Outlook ファイル\
または
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Outlook\
ステップ4:スキャンを開始
「開始」ボタンをクリックすると、ファイルのスキャンが始まります。
ステップ5:修復を実行
エラーが見つかった場合、「修復」ボタンが表示されるのでクリックしてください。
バックアップを作成するか聞かれるので、「はい」を選ぶと安全です。
ステップ6:Outlookを起動
修復が完了したら、Outlookを起動して、フォルダが復元されているか確認しましょう。
OSTファイルを再作成
Exchange ServerやMicrosoft 365のアカウントで、OSTファイル(オフラインデータファイル)に問題がある場合は、再作成できます。
ステップ1:Outlookを終了
完全にOutlookを終了します。
ステップ2:OSTファイルを削除
以下の場所にあるOSTファイルを削除するか、別の場所に移動してください。
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Outlook\
ファイル名は アカウント名.ost のような形式です。
ステップ3:Outlookを起動
Outlookを起動すると、新しいOSTファイルが自動的に作成され、サーバーからデータが再ダウンロードされます。
これには時間がかかることがあるので、気長に待ちましょう。
特定のフォルダだけが消えた場合
すべてではなく、特定のフォルダだけが消えた場合の対処法です。
検索フォルダの場合
検索フォルダ(動的に内容が変わる仮想フォルダ)が消えた場合、再作成できます。
ステップ1:検索フォルダを作成
「フォルダ」タブ→「新しい検索フォルダ」をクリックします。
ステップ2:条件を設定
以前と同じ検索条件を設定してください。
フィルタが適用されていないか確認
フィルタがかかっていて、フォルダ内のメールが見えなくなっている可能性があります。
フィルタのクリア
「表示」タブ→「ビューの設定」→「フィルター」→「すべてクリア」で、フィルタを解除してください。
アカウントを再設定する
上記の方法で解決しない場合、アカウントを削除して再追加すると改善することがあります。
アカウントの削除と再追加
注意:この方法を試す前に、重要なメールをバックアップしてください。
ステップ1:アカウント設定を開く
「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」を選択します。
ステップ2:アカウントを削除
問題のあるアカウントを選択して、「削除」をクリックします。
確認メッセージが表示されるので、「はい」を選択してください。
ステップ3:Outlookを再起動
一度Outlookを終了して、再起動します。
ステップ4:アカウントを追加
「ファイル」→「アカウントの追加」を選択して、メールアドレスとパスワードを入力します。
Outlookが自動的に設定を検出して、アカウントが再追加されます。
ステップ5:同期を待つ
サーバーからデータが再同期されるまで待ちましょう。フォルダとメールが復元されるはずです。
フォルダが見つからない場合の最終手段
どうしても見つからない場合の対処法です。
バックアップから復元
Outlookのデータファイル(PSTファイル)をバックアップしていた場合、そこから復元できます。
ステップ1:バックアップファイルを開く
「ファイル」→「開く/エクスポート」→「Outlookデータファイルを開く」を選択します。
ステップ2:バックアップファイルを選択
バックアップしておいたPSTファイルを選択して、「OK」をクリックしてください。
ステップ3:フォルダを復元
開いたデータファイル内のフォルダを、現在のアカウントにドラッグ&ドロップしてコピーします。
IT部門に問い合わせる
会社のメールアカウントの場合、IT部門やシステム管理者がサーバー側にバックアップを持っている可能性があります。
自分で解決できない場合は、早めに相談しましょう。
フォルダの消失を防ぐための対策

今後、同じ問題を防ぐための予防策です。
1. 定期的にバックアップを取る
PSTファイルを定期的に外部ドライブやクラウドストレージにバックアップしておきましょう。
2. 削除前に確認する
フォルダを削除する際は、本当に削除して良いか確認する習慣をつけてください。
3. 自動アーカイブの設定を確認
自動アーカイブ機能が有効になっていると、古いメールが自動的に移動されることがあります。
「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」→「自動整理」で設定を確認しましょう。
4. 重要なフォルダはお気に入りに追加
よく使うフォルダを「お気に入り」に追加しておくと、万が一フォルダツリーで見つからなくても、お気に入りからアクセスできます。
フォルダを右クリック→「お気に入りに追加」で登録できますよ。
5. 定期的にデータファイルの整合性をチェック
月に1回程度、ScanPSTツールでデータファイルの状態をチェックすると、大きな問題を未然に防げます。
よくある質問と回答
削除して30日以上経ったフォルダは復元できない?
Microsoft 365の場合、通常は30日が保持期間です。それを過ぎると完全に削除され、復元できなくなります。
ただし、組織の設定によって保持期間が異なる場合があるので、IT部門に確認してみてください。
フォルダの中のメールだけが消えた場合は?
この記事の方法は、フォルダ自体が消えた場合の対処法です。メールだけが消えた場合も、基本的には同じ手順で復元を試みてください。
POP3アカウントの場合は?
POP3アカウントでは、サーバーから復元する機能が使えません。PSTファイルのバックアップがない場合、復元は困難です。
すべてのフォルダが消えた場合は?
アカウント全体に問題がある可能性が高いです。アカウントの再設定、またはデータファイルの修復を試してください。
まとめ:焦らず順番に対処しよう
Outlookのフォルダが消えた場合の対処法を解説しました。
重要なポイントをおさらい
- まずは削除済みアイテムフォルダを確認
- フォルダが折りたたまれていないか確認
- 送受信(F9)で同期エラーを解消
- Outlookを完全に再起動してみる
- データファイル修復ツール(ScanPST)を使う
- Microsoft 365なら「サーバーから復元」が使える
- 最終手段として、アカウントの再設定
フォルダが消えると焦ってしまいますが、多くの場合は復元可能です。この記事の手順を順番に試して、落ち着いて対処してください。
また、今後のために定期的なバックアップを忘れずに。大切なメールを守るためにも、予防策をしっかり取っておきましょう。
あなたのフォルダが無事に復元されることを願っています!

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