YouTubeには何億もの動画がアップロードされていますが、その中には子どもに見せたくない内容も含まれています。
「YouTubeを子どもに見せたいけど、不適切な動画が心配…」
「公共の場でYouTubeを使うけど、変な動画が表示されたら困る…」
そんな心配を解決してくれるのが「制限付きモード」という機能です。
この記事では、制限付きモードとは何か、どうやって設定するのか、そして解除できないときの対処法まで、初心者の方にも分かりやすく説明していきます。
YouTubeの制限付きモードとは?

制限付きモードは、YouTubeが提供するコンテンツフィルタリング機能です。
具体的に何をしてくれるの?
この機能をオンにすると、以下のような「成人向け」と判断された動画が自動的に非表示になります:
- 性的な表現を含む動画
- 暴力的なシーン
- 薬物に関する内容
- 冒涜的な言葉や下品な表現
- 政治的に過激な思想
- 犯罪に関連する内容
これらの動画は、検索結果にも、おすすめにも表示されなくなります。
どうやって判断しているの?
YouTubeは以下の情報をもとに、動画を自動的にフィルタリングしています:
- 動画のタイトル
- 説明文(概要欄)
- メタデータ(タグなど)
- 年齢制限の設定
- ユーザーからの報告
- コミュニティガイドラインのレビュー
コメントも非表示になる
制限付きモードをオンにすると、動画だけでなくコメント欄も非表示になります。
これによって、心ないコメントや不適切な言葉遣いから視聴者を守ることができます。
制限付きモードを使うメリット
メリット1:子どもに安心してYouTubeを見せられる
小学生くらいの子どもがYouTubeを見る場合、制限付きモードをオンにしておけば、不適切な動画が表示される可能性を大幅に減らせます。
ただし、100%完璧にフィルタリングできるわけではないので、できれば親も一緒に見てあげることが理想的です。
メリット2:職場や学校での利用に最適
会社のパソコンや学校のタブレットでYouTubeを使う場合、制限付きモードをオンにしておくと安心です。
特に複数の人が使う環境では、誰かが不適切な動画を開いてしまう心配が減ります。
メリット3:意図しない不快な動画を避けられる
自分が見たい動画を探しているときに、サムネイルで不快な画像が表示されることがありますよね。
制限付きモードを使えば、そういった動画が目に入りにくくなります。
メリット4:おすすめの精度が変わる
一度でも不適切な動画を誤ってクリックすると、YouTubeはそれを「興味がある」と判断して、似たような動画をおすすめしてきます。
制限付きモードをオンにしておけば、そもそもそういった動画が表示されないので、おすすめの質も保たれます。
制限付きモードの設定方法
スマートフォン(iPhone・Android共通)での設定方法
ステップ1:YouTubeアプリを開く
まず、YouTubeアプリを起動します。Googleアカウントでログインしている必要があります。
ステップ2:プロフィールアイコンをタップ
画面右上にある、自分のプロフィール画像(またはアカウントのアイコン)をタップします。
ステップ3:設定を開く
表示されたメニューから「設定」を選択します。
- Androidの場合:「設定」をタップ → さらに「全般」をタップ
- iPhoneの場合:「設定」をタップ(全般のステップは不要)
ステップ4:制限付きモードをオンにする
「制限付きモード」という項目を見つけて、スイッチをタップしてオン(青色)にします。
これで設定完了です。
パソコン(PC・ブラウザ)での設定方法
ステップ1:YouTubeにアクセス
ブラウザでYouTube(youtube.com)を開き、Googleアカウントでログインします。
ステップ2:プロフィールアイコンをクリック
画面右上のプロフィールアイコン(丸いアイコン)をクリックします。
ステップ3:制限付きモードを選択
表示されたメニューの下の方に「制限付きモード:オフ」という項目があるので、それをクリックします。
ステップ4:有効にする
小さなウィンドウが開くので、「制限付きモードを有効にする」の右側にあるスイッチをクリックしてオンにします。
これで設定完了です。
テレビ(Android TV・Google TV)での設定方法
手順:
- テレビのホーム画面からYouTubeアプリを開く
- 左側のメニューから「設定」を選択
- 「制限付きモード」を選択
- 「オン」に切り替える
重要:制限付きモードは端末ごとの設定

ここで非常に重要なポイントがあります。
制限付きモードは、Googleアカウントではなく、ブラウザやデバイスごとに設定されます。
つまり:
- スマホで設定しても、パソコンには適用されない
- Chromeで設定しても、Safariには適用されない
- 自分の端末で設定しても、子どもの端末には適用されない
子どもにYouTubeを見せる場合は、子どもが使う端末それぞれで設定する必要があります。
制限付きモードをロックする方法(PC限定)
パソコンで制限付きモードを設定する場合、設定をロックすることができます。
これによって、簡単に解除できないようにすることが可能です。
ロックの手順
- 制限付きモードをオンにした状態で、同じ設定画面を開く
- 「このブラウザの制限付きモードをロック」をクリック
- Googleアカウントのパスワードを入力してログイン
- ロック完了
ロックされると、解除するには再度パスワードが必要になります。
ロックの解除方法
- 制限付きモードの設定画面を開く
- 「このブラウザの制限付きモードをロック解除」をクリック
- Googleアカウントのパスワードを入力
- ロック解除完了
これで制限付きモードのオン・オフが自由にできるようになります。
制限付きモードの解除(オフにする)方法
スマートフォンでの解除方法
設定するときと同じ手順で、スイッチをオフにするだけです:
- YouTubeアプリを開く
- プロフィールアイコンをタップ
- 「設定」をタップ
- Androidの場合は「全般」をタップ
- 「制限付きモード」のスイッチをオフにする
パソコンでの解除方法
- YouTubeにログイン
- プロフィールアイコンをクリック
- 「制限付きモード:オン」をクリック
- 「制限付きモードを有効にする」のスイッチをオフにする
制限付きモードが解除できない場合の対処法
原因1:ネットワーク管理者によるロック
学校、図書館、職場など、公共施設のネットワークでは、管理者が制限付きモードを強制的にオンにしている場合があります。
この場合、個人では解除できません。
対処法:
- 別のネットワーク(自宅のWi-Fiやモバイルデータ)に切り替えて試す
- どうしても必要な場合は、施設の管理者に相談する
原因2:ファミリーリンクで管理されている
保護者が「Googleファミリーリンク」で子どものアカウントを管理している場合、子ども側では解除できないように設定されています。
この場合、保護者のスマホにある「ファミリーリンク」アプリから設定を変更する必要があります。
保護者側での変更手順:
- ファミリーリンクアプリを開く
- 子どものアカウントを選択
- 「コンテンツの制限」をタップ
- 「YouTube」の設定を変更
原因3:ブラウザのキャッシュの問題
ブラウザに古いデータが残っていると、設定が正しく反映されないことがあります。
対処法:ブラウザのキャッシュを削除
Google Chromeの場合:
- 右上の「…」→「設定」
- 「プライバシーとセキュリティ」
- 「閲覧履歴データの削除」
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 「データを削除」
原因4:ログインアカウントの問題
複数のGoogleアカウントでログインしている場合、間違ったアカウントで設定を変更しようとしている可能性があります。
対処法:
- 一度すべてのアカウントからログアウト
- 正しいアカウントで再ログイン
- 制限付きモードの設定を確認
原因5:アプリの不具合
YouTubeアプリ自体に問題がある場合もあります。
対処法:
- アプリを最新版に更新:App StoreまたはGoogle PlayでYouTubeを検索し、「更新」があればタップ
- アプリを再起動:アプリを完全に終了してから再度開く
- 端末を再起動:スマホやタブレット自体を再起動する
制限付きモードの限界と注意点
100%完璧ではない
制限付きモードは便利な機能ですが、完璧ではありません。
時々、フィルタリングされるべき動画が表示されたり、逆に問題ない動画が表示されなかったりすることがあります。これはYouTubeの自動判定システムの限界です。
子どもが簡単に解除できる
スマホやタブレットの操作に慣れている子どもなら、設定方法を覚えれば自分で解除できてしまいます。
PCであればロック機能がありますが、スマホアプリにはロック機能がないため、この点は注意が必要です。
言語や文化によって精度が異なる
制限付きモードはすべての言語で利用できますが、文化的な違いによって精度が変わることがあります。
日本語の動画に対する判定精度も完璧ではないため、過信は禁物です。
より強力な制限:YouTube Kidsとファミリーリンク

YouTube Kids(13歳未満におすすめ)
YouTube Kidsは、子ども向けに作られた専用アプリです。
制限付きモードよりもはるかに厳格なフィルタリングが行われており、子どもに適したコンテンツだけが表示されます。
YouTube Kidsの特徴:
- 年齢に応じたコンテンツ設定
- 視聴時間の制限機能
- 検索機能のオン・オフ
- 特定のチャンネルやビデオのブロック機能
- 視聴履歴の確認
ダウンロード:
- iPhone:App Store
- Android:Google Play
小学生以下のお子さんには、通常のYouTubeではなくYouTube Kidsの利用を強くおすすめします。
Googleファミリーリンク
13歳未満(または保護者が管理したい年齢)の子どものGoogleアカウントを、保護者のスマホから管理できるアプリです。
ファミリーリンクでできること:
- 制限付きモードを子ども側で解除できないように固定
- アプリの利用時間制限
- 端末の使用時間管理
- 位置情報の確認
- アプリのダウンロード承認制
設定の流れ:
- 子ども用のGoogleアカウントを作成(13歳未満用)
- 保護者のスマホに「ファミリーリンク」アプリをダウンロード
- アプリで子どものアカウントと連携
- YouTubeの制限付きモードを有効にしてロック
これにより、子どもが自分で設定を変更できなくなります。
よくある質問
Q1:制限付きモードをオンにすると、どんな動画が見られなくなりますか?
暴力、性的表現、薬物、冒涜的な言葉などを含む「成人向け」と判断された動画が非表示になります。ただし、自動判定なので完璧ではありません。
Q2:制限付きモードの設定は家族で共有されますか?
いいえ。制限付きモードはGoogleアカウントではなく、ブラウザやデバイスごとに設定されます。家族それぞれのデバイスで個別に設定する必要があります。
Q3:YouTubeにログインしていなくても制限付きモードは使えますか?
いいえ、使えません。制限付きモードを使うには、Googleアカウントでログインする必要があります。
Q4:スマホアプリでも制限付きモードをロックできますか?
いいえ、ロック機能があるのはPCのブラウザ版だけです。スマホアプリではロックできないため、子どもが簡単に解除できてしまう可能性があります。
スマホで確実に管理したい場合は、Googleファミリーリンクの利用をおすすめします。
Q5:制限付きモードをオンにすると、自分がアップロードした動画も制限されますか?
自分の動画が「成人向け」と判断された場合、制限付きモードをオンにしている状態では表示されなくなります。自分の動画を確認したい場合は、一時的にオフにしましょう。
Q6:制限付きモードとYouTube Kidsの違いは何ですか?
制限付きモードは通常のYouTubeで使える簡易的なフィルタリング機能です。
YouTube Kidsは子ども専用の別アプリで、より厳格なフィルタリングと追加の保護者機能があります。13歳未満には YouTube Kids をおすすめします。
Q7:職場のパソコンで制限付きモードが解除できません。
職場や学校などでは、ネットワーク管理者が全体に制限をかけている場合があります。この場合、個人では解除できないので、IT部門や管理者に相談してください。
実際の設定例:シーン別おすすめ設定
シーン1:小学生の子どもに見せる場合
おすすめ:YouTube Kids + ファミリーリンク
制限付きモードだけでは不十分です。YouTube Kidsアプリを使い、さらにファミリーリンクで管理するのが最も安全です。
設定のポイント:
- YouTube Kidsをインストール
- 年齢設定を適切に
- 検索機能はオフにするか、承認制に
- 視聴時間を30分〜1時間に制限
シーン2:中学生・高校生に見せる場合
おすすめ:通常のYouTube + 制限付きモード + ファミリーリンク
ある程度自由に見せつつ、極端な内容は避けたい年齢です。
設定のポイント:
- 制限付きモードをオン
- ファミリーリンクで解除できないように固定
- 定期的に視聴履歴をチェック
- コミュニケーションを大切に
シーン3:職場の共用パソコン
おすすめ:制限付きモード + ロック
設定のポイント:
- 制限付きモードをオンにしてロック
- パスワードは管理者だけが知る
- 使用後は必ずログアウト
シーン4:自分用(不快な動画を避けたい)
**おすすめ:制限付きモード(必要に応じてオン・オフ)
使い方のコツ:
- 通常はオフで、必要なときだけオン
- 特定のチャンネルが表示されない場合は一時的にオフに
- 「興味なし」機能も併用してレコメンドを改善
まとめ:安全なYouTube利用のために
YouTubeの制限付きモードは、不適切なコンテンツから視聴者を守るための便利な機能です。
設定のポイント:
- スマホ:プロフィールアイコン → 設定 → 制限付きモードをオン
- PC:プロフィールアイコン → 制限付きモード → 有効にする(+ ロック)
- 端末ごとに設定が必要
重要な注意点:
- 100%完璧なフィルタリングではない
- スマホアプリではロックできない
- 子ども向けにはYouTube Kidsがより安全
より強力な管理方法:
- 13歳未満:YouTube Kids + ファミリーリンク
- 中高生:通常のYouTube + 制限付きモード + ファミリーリンク
- 職場・学校:制限付きモード + ロック(PC)
制限付きモードは完璧ではありませんが、適切に使えば不適切なコンテンツに触れるリスクを大きく減らせます。
特に小さいお子さんがいる家庭では、YouTube Kidsと併用することで、より安心してYouTubeを楽しめるようになるでしょう。
技術的な対策と併せて、日頃からお子さんとコミュニケーションを取り、インターネットの正しい使い方を教えていくことも大切です。
安全で楽しいYouTubeライフをお楽しみください!

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