YouTubeで動画を公開するとき、「サムネイル」の設定で悩んだことはありませんか?
サムネイルとは、動画の内容を一目で伝える「表紙」のような画像のこと。本屋さんで本を選ぶとき、表紙を見て興味を持つのと同じように、YouTubeでも視聴者は最初にサムネイルを見て「この動画を見るかどうか」を判断します。
実際、調査によるとクリック率の90%はサムネイルの品質に影響されているといわれています。つまり、どれだけ良い動画を作っても、サムネイルが適切でなければ見てもらえない可能性が高いんですね。
この記事では、YouTubeのサムネイル画像のサイズや作り方について、初心者の方でもすぐに実践できるように分かりやすく解説していきます。
YouTubeサムネイルの推奨サイズ【最重要】

まず、一番大切なサイズの情報から確認しましょう。
公式推奨サイズ
YouTubeが公式に推奨しているサムネイルのサイズは以下の通りです:
横1280ピクセル × 縦720ピクセル
この数字を覚えておけば、基本的に問題ありません。
ちなみに、この比率を計算すると「16:9」になります。これは「アスペクト比」と呼ばれるもので、テレビやパソコンのモニター、スマートフォンなど、私たちが日常的に見ている画面の比率と同じなんです。
最小サイズ
「1280×720は大きすぎる」と感じる方もいるかもしれません。
実は、最小でも横640ピクセル以上が必要です。これより小さいサイズでは、画像がぼやけたり、最悪の場合アップロードできないことがあります。
ただし、できるだけ推奨サイズで作成することをおすすめします。なぜなら、大きな画面で見たときにも綺麗に表示されるからです。
ファイルサイズの上限
画像のピクセル数だけでなく、ファイルの「重さ」にも制限があります。
2MB(メガバイト)以下
通常の写真やイラストであれば、この容量を超えることはほとんどありません。ただし、非常に複雑な画像や高画質すぎる写真を使う場合は、後で説明する圧縮方法を使って容量を減らす必要があります。
なぜ16:9のアスペクト比が重要なのか?
「アスペクト比」という言葉が難しく感じるかもしれませんが、簡単に言うと「横と縦の長さの比率」のことです。
16:9を守らないとどうなる?
例えば、正方形(1:1)の画像をサムネイルに設定したとします。
この場合、画像の両端に真っ黒な帯(レターボックス)が自動的に追加されてしまいます。すると、実際に表示される画像の部分が小さくなり、特にスマートフォンで見たときに文字が読みにくくなってしまうんですね。
スマホユーザーへの配慮
YouTubeの視聴者の多くはスマートフォンで動画を見ています。
そのため、小さな画面でもはっきりと内容が分かるサムネイルを作ることが、再生数を増やすための重要なポイントになります。16:9の比率を守ることで、どんなデバイスでも最適な表示が可能になるんです。
対応しているファイル形式
サムネイル画像として使えるファイルの種類(形式)は4つあります。
JPG(JPEG)形式
特徴:
- ファイルサイズが小さい
- 写真に適している
- グラデーションが綺麗
おすすめの使い方:
実際の写真や風景、人物の画像をメインにする場合はJPGが最適です。ファイルサイズも小さくなりやすいので、アップロードも速いです。
PNG形式
特徴:
- 文字やロゴがくっきり表示される
- 色の境界線がはっきりする
- ファイルサイズはJPGより大きめ
おすすめの使い方:
サムネイルに大きな文字を入れたり、イラストやロゴを使ったりする場合はPNGがおすすめです。文字の輪郭がぼやけず、読みやすくなります。
GIF形式
GIFは本来アニメーション(動く画像)に使われる形式ですが、YouTubeのサムネイルでは静止画としてしか表示されません。そのため、わざわざGIF形式を選ぶメリットはあまりありません。
BMP形式
BMPは非圧縮の形式で画質は良いですが、ファイルサイズが非常に大きくなります。2MBの制限を超えやすいため、基本的には使用を避けた方が良いでしょう。
結論:JPGかPNGを使おう
実際の制作では、次のように使い分けるのがベストです:
- 写真中心のデザイン → JPG
- 文字やイラスト中心のデザイン → PNG
サムネイルを作る前の準備

サイズが分かったところで、実際にサムネイルを作る準備をしましょう。
デザインの構成要素
効果的なサムネイルには、通常以下の要素が含まれています:
- 背景画像または背景色
- メインの写真やイラスト
- キャッチコピー(短い文章)
- 装飾(枠線や図形など)
文字の入れ方のコツ
サムネイルに文字を入れる場合、以下のポイントに注意しましょう:
- 文字数は少なめ:10文字以内が理想的
- フォントは太く大きく:細い文字は読みにくい
- コントラストを意識:背景と文字の色を対照的にする
- 縁取りを付ける:文字の周りに白や黒の縁を付けると読みやすい
無料で使えるサムネイル作成ツール
実際にサムネイルを作るためのツールを紹介します。
Canva(キャンバ)【一番おすすめ】
おすすめポイント:
- 完全無料で使える(有料プランもあり)
- YouTubeサムネイル専用のテンプレートが豊富
- 自動的に1280×720に設定される
- ドラッグ&ドロップで簡単に操作できる
使い方の流れ:
- Canvaのウェブサイトにアクセス(アプリもあります)
- 「YouTubeサムネイル」と検索
- 気に入ったテンプレートを選択
- 写真や文字を自分のものに置き換える
- ダウンロード(JPGまたはPNG形式を選択)
Photoshop(フォトショップ)
プロのデザイナーが使う本格的なツールです。
月額制で有料ですが、細かい調整や高度な加工が可能です。すでにPhotoshopを持っている方や、将来的に本格的なデザインをしたい方におすすめです。
PowerPoint(パワーポイント)
意外かもしれませんが、PowerPointでもサムネイルは作れます。
メリット:
- 多くの人が使い慣れている
- 図形や文字の配置が直感的
- Officeソフトに含まれているので追加費用なし
作り方:
- 新しいスライドを開く
- 「デザイン」→「スライドのサイズ」→「ユーザー設定のスライドのサイズ」
- 幅を32cm、高さを18cmに設定(これが16:9の比率)
- デザインを作成
- 「ファイル」→「エクスポート」→「ファイル形式の変更」でJPGまたはPNGを選択
スマートフォンアプリ
外出先でサクッと作りたい方には、スマホアプリも便利です。
おすすめアプリ:
- Canva(iPhone・Android):PC版と同じ機能がスマホでも使える
- Phonto(iPhone・Android):文字入れに特化、使いやすい
- PicsArt(iPhone・Android):画像加工機能が豊富
サムネイル作成の手順【実践編】
では、実際にCanvaを使った作成手順を見ていきましょう。
ステップ1:テンプレートを選ぶ
- Canvaで「YouTubeサムネイル」と検索
- ジャンルに合ったテンプレートを選択
- 例:料理動画、ゲーム実況、Vlog、教育系など
ステップ2:背景を変更する
- 背景画像をクリック
- 自分の写真をアップロードするか、Canvaの無料素材から選ぶ
- サイズや位置を調整
ステップ3:文字を編集する
- テンプレートの文字部分をクリック
- 自分の動画タイトルやキャッチコピーに変更
- フォント、サイズ、色を調整
ステップ4:装飾を追加する
- 左側のメニューから「素材」を選択
- 図形、アイコン、ステッカーなどを追加
- 全体のバランスを見ながら配置を調整
ステップ5:保存してダウンロード
- 右上の「共有」→「ダウンロード」をクリック
- ファイルの種類を「PNG」または「JPG」に設定
- ダウンロード開始
YouTubeへのアップロード方法
作成したサムネイルをYouTubeに設定する手順です。
パソコンからの設定方法
- YouTube Studioにログイン
- 左側のメニューから「コンテンツ」を選択
- サムネイルを設定したい動画にカーソルを合わせる
- 鉛筆マークをクリック
- 「サムネイル」の下にある「サムネイルをアップロード」をクリック
- 作成した画像ファイルを選択
- 右上の「保存」をクリック
スマートフォンからの設定方法
- YouTubeアプリを開く
- 下部の「+」マークから動画をアップロード
- 動画の詳細設定画面で「カスタムサムネイルを追加」をタップ
- スマホに保存した画像を選択
サムネイルがアップロードできない場合の対処法

時々、サムネイルの設定でエラーが出ることがあります。
カスタムサムネイルが設定できない
原因:電話番号認証が完了していない
YouTubeでカスタムサムネイル(自分で作った画像)を使うには、アカウントの電話番号認証が必要です。
解決方法:
- YouTube Studioの設定を開く
- 「チャンネル」→「機能の利用資格」
- 「中級者向け機能」の「電話番号を確認」をクリック
- 表示される指示に従って電話番号を入力し、認証コードを受け取る
ファイルサイズが大きすぎる
2MBを超える画像はアップロードできません。
解決方法:画像を圧縮する
無料のオンラインツールを使いましょう:
- TinyPNG(https://tinypng.com/)
- Compressor.io
これらのサイトに画像をアップロードするだけで、画質をほとんど落とさずにファイルサイズを小さくできます。
サイズが合わない
画像の縦横比が16:9になっていない可能性があります。
解決方法:
- 元の画像編集ツールに戻る
- サイズを1280×720に再設定
- 再度エクスポートしてアップロード
デバイス別の表示を確認しよう
サムネイルを設定したら、実際の見え方を確認することが大切です。
パソコンでの表示
パソコンでは比較的大きく表示されるため、細かい文字も読みやすいです。ただし、最近はスマホユーザーが主流なので、パソコンだけで確認するのは避けましょう。
スマートフォンでの表示
YouTubeアプリを開いて、自分のチャンネルや検索結果で実際のサイズを確認します。
チェックポイント:
- 文字は読めるか?
- 画像は見やすいか?
- 他の動画と並んだとき、目立つか?
タブレットでの表示
パソコンとスマホの中間的なサイズです。余裕があれば確認しましょう。
クリックされやすいサムネイルの特徴
サイズだけでなく、デザインの内容も重要です。
色使いのコツ
目立つ色の組み合わせ:
- 赤と白
- 黄色と黒
- 青と白
反対色(色相環で向かい合う色)を組み合わせると、視認性が高まります。
顔のアップを活用する
人の顔、特に表情がはっきり見える写真はクリック率が高い傾向にあります。料理やゲーム画面だけでなく、自分の顔も入れてみると効果的です。
数字を入れる
「5つの方法」「3分で完成」のように、具体的な数字を入れると興味を引きやすくなります。
タイトルとの連携
サムネイルの文字とタイトルは、完全に同じではなく補完し合う関係が理想的です。
例:
- タイトル:「初心者でも簡単!チョコレートケーキの作り方」
- サムネイル文字:「失敗しない!」「材料3つ」
やってはいけないNG例

効果的なサムネイルを作るために、避けるべきポイントも押さえておきましょう。
情報を詰め込みすぎる
文字や画像を入れすぎると、何が言いたいのか分からなくなります。「シンプル・イズ・ベスト」を心がけましょう。
小さい文字を使う
スマホで見ると読めない文字は意味がありません。最低でも40ポイント以上のフォントサイズを推奨します。
著作権のある画像を無断使用する
他人の写真やキャラクター、有名人の画像を無断で使うのは著作権侵害になります。必ず自分で撮影した写真か、商用利用可能なフリー素材を使いましょう。
煽りすぎるデザイン
「衝撃!」「絶対見て!」のような過度な煽り文句は、YouTubeのガイドライン違反になる可能性があります。また、視聴者に不快感を与えることもあるので注意しましょう。
サムネイル作成に使えるフリー素材サイト
自分で写真を撮影できない場合は、フリー素材サイトを活用しましょう。
写真素材
- Unsplash:高品質な写真が無料
- Pixabay:日本語にも対応
- Pexels:商用利用も可能
イラスト素材
- いらすとや:日本で最も有名なイラストサイト
- Freepik:海外のイラストが豊富
- Canva内の素材:アプリ内で完結できる
クリック率(CTR)を確認する方法
サムネイルの効果を測定することも大切です。
YouTube Studioで確認
- YouTube Studioにログイン
- 左側のメニューから「アナリティクス」を選択
- 「リーチ」タブを開く
- 「インプレッションのクリック率」をチェック
理想的なクリック率
一般的に、4〜10%が平均的なクリック率とされています。自分のチャンネルの平均を把握して、それを上回るサムネイルを目指しましょう。
A/Bテストをしてみる
同じ動画で2つのサムネイルを試してみるのも効果的です。数日間ごとにサムネイルを変更して、どちらのクリック率が高いか比較しましょう。
よくある質問
Q1:サムネイルは必ず設定しないといけませんか?
設定しなくても動画は公開できますが、強く推奨します。自動生成されるサムネイルは動画の適当な場面が切り取られるだけなので、魅力が伝わりにくいです。
Q2:動画アップロード後にサムネイルを変更できますか?
はい、いつでも変更できます。再生数が伸びないときは、サムネイルを変更してみるのも一つの手です。
Q3:1920×1080のサイズで作ってもいいですか?
問題ありません。YouTubeが自動的に最適なサイズに調整してくれます。ただし、1280×720で十分綺麗に表示されるので、わざわざ大きくする必要はありません。
Q4:縦向きの動画(YouTubeショート)のサムネイルサイズは?
YouTubeショートの場合は、9:16の縦長サイズ(例:1080×1920ピクセル)が推奨されます。通常の横長動画とは異なるので注意しましょう。
Q5:他のYouTuberのサムネイルを参考にしてもいいですか?
デザインの「参考」にするのは問題ありませんが、完全にコピーするのはNGです。自分なりのオリジナリティを加えましょう。
まとめ:サイズを守って魅力的なサムネイルを作ろう
最後に、この記事の重要ポイントをおさらいします。
必ず守るべきサイズ情報:
- 推奨サイズ:1280×720ピクセル
- アスペクト比:16:9
- ファイルサイズ:2MB以下
- ファイル形式:JPGまたはPNG
効果的なサムネイルの特徴:
- シンプルで分かりやすい
- 文字は大きく太く
- 色のコントラストがはっきりしている
- スマホで見ても読みやすい
作成の流れ:
- Canvaなどのツールでテンプレートを選ぶ
- 写真と文字を自分のものに変更
- 1280×720のサイズでダウンロード
- YouTube Studioからアップロード
- 効果を測定して改善
サムネイルは、あなたの動画と視聴者をつなぐ「入り口」です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、何度か作っているうちに慣れてきます。この記事で紹介したサイズと方法を参考に、ぜひ魅力的なサムネイルを作ってみてください。
動画の内容が素晴らしくても、サムネイルが魅力的でなければ見てもらえません。逆に言えば、サムネイルを工夫するだけで再生数が大きく変わる可能性があります。
あなたの動画が、より多くの人に届きますように!


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