Thunderbird設定のエクスポート方法!バックアップから復元まで完全ガイド

プログラミング・IT

パソコンを買い替えるとき、「Thunderbirdの設定やメールはどうやって移行すればいいの?」と困ったことはありませんか?

また、万が一パソコンが故障したときのために、メールデータをバックアップしておきたいですよね。

Thunderbird(サンダーバード)には、設定やメールデータをまとめて保存(エクスポート)して、新しいパソコンや復旧時に簡単に読み込める(インポート)機能があります。

この記事では、Thunderbirdの設定とデータをエクスポート(バックアップ)する方法と、それを復元(インポート)する方法を、初心者の方にも分かりやすく詳しく解説していきます。

スポンサーリンク

エクスポートとは?

まず基本的な用語を確認しましょう。

エクスポートとインポート

エクスポート(Export)

  • データを外部に書き出すこと
  • 簡単に言うと「バックアップを作成する」作業

インポート(Import)

  • 外部からデータを読み込むこと
  • 簡単に言うと「バックアップから復元する」作業

何がエクスポートされるの?

Thunderbirdのエクスポート機能では、以下のデータがまとめて保存されます:

  1. メールアカウント設定
  • メールアドレス
  • サーバー設定(受信・送信)
  • パスワード(暗号化されて保存)
  1. すべてのメール
  • 受信トレイ
  • 送信済みトレイ
  • 下書き
  • フォルダ分けしたメール
  1. アドレス帳
  • 連絡先の情報
  1. 設定情報
  • フィルタ設定
  • カスタマイズした表示設定
  • アドオン(拡張機能)の設定

つまり、Thunderbirdのほぼすべての情報が一度にバックアップできるんです。

なぜエクスポートが必要?

パソコンの買い替え時

新しいパソコンを購入したとき、古いパソコンの設定をいちから入力し直すのは大変です。

エクスポートしておけば、新しいパソコンにインポートするだけで、すぐに使い始められます。

故障や不具合への備え

パソコンが突然起動しなくなったり、Thunderbirdが壊れてしまうことがあります。

定期的にエクスポートしておけば、万が一の時でも大切なメールを失わずに済みます。

再インストール時

Thunderbirdを一度アンインストールして、再インストールする必要がある場合も、エクスポートしておけば安心です。

【方法1】設定とデータのエクスポート機能を使う(推奨)

Thunderbird 115以降では、公式のエクスポート機能が搭載されています。これが最も簡単で確実な方法です。

対応バージョン

この機能はThunderbird 115以降で利用できます。

自分のバージョンを確認するには:

  1. 右上の「≡」メニューをクリック
  2. 「ヘルプ」→「Mozilla Thunderbirdについて」をクリック

エクスポート手順

ステップ1:エクスポート画面を開く

  1. Thunderbirdを起動
  2. 右上の「≡」(メニューボタン)をクリック
  3. 「ツール」をクリック
  4. 「設定とデータのエクスポート」をクリック

ステップ2:エクスポートを実行

  1. 「エクスポート」画面が表示されます
  2. エクスポートされる内容が表示されます:
  • アカウント
  • メッセージ
  • アドレス帳
  • 設定
  1. 「エクスポート」ボタンをクリック
  2. 保存先を選択するダイアログが表示されます
  3. 分かりやすい場所(例:デスクトップやUSBメモリ)を選択
  4. ファイル名を入力(例:Thunderbird_backup_2025-11-20)
  5. 「保存」をクリック

これで、すべてのデータがZIPファイルとして保存されます。

エクスポートの所要時間

メールの量によって時間が変わります:

  • メールが少ない(~1000通):数秒~1分程度
  • メールが多い(1000~10000通):数分~10分程度
  • メールが非常に多い(10000通以上):10分以上かかることも

処理中はThunderbirdを閉じないでください。

注意点

容量制限について:

エクスポート機能には、データサイズの上限があります。非常に大量のメールがある場合(数GB以上)、エクスポートが失敗することがあります。

その場合は、後述の「方法2:プロファイルフォルダの手動コピー」を使用してください。

【方法2】プロファイルフォルダを手動でコピーする

古いバージョンのThunderbirdや、データ量が多すぎてエクスポート機能が使えない場合は、この方法を使います。

プロファイルフォルダとは?

プロファイルフォルダは、Thunderbirdのすべてのデータが保存されている場所です。このフォルダを丸ごとコピーすれば、完全なバックアップができます。

エクスポート手順

ステップ1:Thunderbirdを完全に終了

バックアップ中にThunderbirdが起動していると、データが正しくコピーされません。必ず完全に終了してください。

ステップ2:プロファイルフォルダの場所を確認

Windows 10/11の場合:

  1. エクスプローラーを開く
  2. アドレスバーに以下を入力してEnterを押す:
   %APPDATA%\Thunderbird\Profiles
  1. プロファイルフォルダが表示されます
  • 名前は「○○○○○○○○.default」という形式
  • 例:「abc12345.default」

Mac の場合:

  1. Finderを開く
  2. 「移動」メニュー→「フォルダへ移動」を選択
  3. 以下を入力:
   ~/Library/Thunderbird/Profiles/

ステップ3:プロファイルフォルダをコピー

  1. 表示された「○○○○○○○○.default」フォルダを選択
  2. Ctrlキーを押しながらドラッグして、別の場所(USBメモリやデスクトップ)にコピー 重要:Ctrlキーを押さずにドラッグすると「移動」になってしまい、元のThunderbirdが使えなくなります!
  3. コピーが完了するまで待つ(数分~数十分かかることもあります)

ステップ4:Thunderbirdフォルダ全体をコピー(推奨)

より完全なバックアップのため、プロファイルフォルダの2階層上の「Thunderbird」フォルダ全体をコピーすることをおすすめします。

Windowsの場合:

C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Thunderbird

この「Thunderbird」フォルダ全体をコピーすれば、復元がより確実です。

【インポート】エクスポートしたデータを復元する

方法1でエクスポートした場合(ZIPファイル)

ステップ1:新しいパソコンにThunderbirdをインストール

まず、新しいパソコンに最新版のThunderbirdをインストールします。

公式サイト:https://www.thunderbird.net/ja/

ステップ2:インポート画面を開く

  1. Thunderbirdを起動
  2. 右上の「≡」メニューをクリック
  3. 「ツール」→「設定とデータのインポート」をクリック

ステップ3:バックアップから復元

  1. 「インポートツール」画面が表示されます
  2. 「ファイルからインポートする」を選択
  3. 「次へ」をクリック
  4. 「バックアップしたプロファイルをインポートする」を選択
  5. 「次へ」をクリック
  6. エクスポートしたZIPファイルを選択
  7. 「開く」をクリック
  8. インポートする項目を選択(通常はすべてチェック):
  • アカウント
  • メッセージ
  • アドレス帳
  • 設定
  1. 「次へ」をクリック
  2. インポートが完了するまで待つ

これで、以前の環境が完全に復元されます。

方法2でエクスポートした場合(プロファイルフォルダ)

ステップ1:新しいThunderbirdを一度起動して終了

新しいパソコンにThunderbirdをインストールしたら、一度起動して、すぐに終了します。

これで、新しいプロファイルフォルダが作成されます。

ステップ2:新しいプロファイルフォルダを削除

  1. エクスプローラーで以下の場所を開く:
   %APPDATA%\Thunderbird\Profiles
  1. 新しく作られた「○○○○○○○○.default」フォルダを削除

ステップ3:バックアップしたプロファイルをコピー

  1. USBメモリなどからバックアップした「○○○○○○○○.default」フォルダをコピー
  2. 先ほど開いた「Profiles」フォルダに貼り付け

ステップ4:Thunderbirdを起動

Thunderbirdを起動すれば、以前の環境がそのまま復元されています。

バックアップの保存場所

おすすめの保存先

USBメモリ

  • メリット:持ち運びやすい、手軽
  • デメリット:紛失のリスクがある

外付けハードディスク

  • メリット:大容量、安全
  • デメリット:持ち運びに不便

クラウドストレージ(Googleドライブ、OneDriveなど)

  • メリット:どこからでもアクセス可能、紛失リスクなし
  • デメリット:アップロードに時間がかかる

推奨:複数箇所に保存

  • USBメモリ + クラウドストレージ
  • 外付けHDD + クラウドストレージ

重要なデータは、2箇所以上に保存することをおすすめします。

定期的なバックアップのすすめ

バックアップの頻度

おすすめのスケジュール:

  • 毎週1回:仕事でメールを頻繁に使う方
  • 毎月1回:プライベートで時々使う方
  • パソコン買い替え前:必須

重要なメールのやり取りが多い時期は、もっと頻繁にバックアップしましょう。

自動バックアップツールの活用

手動でのバックアップを忘れがちな方は、バックアップソフトを使うのもおすすめです。

例:

  • Windows標準の「ファイル履歴」機能
  • 専用バックアップソフト(BunBackup、MiniTool ShadowMakerなど)

これらのツールで、プロファイルフォルダを定期的に自動バックアップできます。

よくある質問(Q&A)

Q1:パスワードも一緒にエクスポートされますか?

A:はい、エクスポートされます。

ただし、セキュリティのために暗号化された状態で保存されます。バックアップファイルは大切に保管してください。

Q2:アドオン(拡張機能)もエクスポートされますか?

A:設定とデータのエクスポート機能では、アドオンの設定はエクスポートされますが、アドオン本体はエクスポートされません。

新しい環境では、アドオンを再インストールする必要があります。ただし、設定は引き継がれます。

Q3:古いバージョンのThunderbirdから新しいバージョンに移行できますか?

A:はい、できます。

ただし、大幅にバージョンが異なる場合(例:60系から115系)は、一部の設定が引き継がれないことがあります。

Q4:エクスポートしたファイルのサイズが大きすぎます

A:メールに大きな添付ファイルが多い場合、エクスポートファイルが数GBになることもあります。

対策:

  • 不要な古いメールを削除してからエクスポート
  • フォルダを最適化してからエクスポート
  • 【方法2】のプロファイルフォルダ手動コピーを使用

Q5:エクスポートに失敗します

A:以下を確認してください:

  1. 保存先のディスクに十分な空き容量があるか
  2. Thunderbirdが最新版か
  3. メールデータが大きすぎないか(数GB以上の場合は方法2を使用)
  4. ウイルス対策ソフトが邪魔していないか

Q6:MacからWindowsへ移行できますか?

A:はい、できます。

プロファイルフォルダは、MacとWindowsの間でも互換性があります。ただし、ファイルパスの形式が異なるため、【方法1】のエクスポート機能を使うことをおすすめします。

メール個別のエクスポート(補足)

特定のメールだけを個別にエクスポートしたい場合の方法も紹介します。

個別メールの保存方法

手順:

  1. エクスポートしたいメールを選択(複数選択も可能)
  2. 右上の「≡」メニューをクリック
  3. 「名前を付けて保存」「ファイル」を選択
  4. 保存先とファイル名を指定
  5. 「保存」をクリック

これで、メールが.eml形式で保存されます。

.emlファイルは、Outlook、Windows Live Mail、Gmailなど、多くのメールソフトで開けます。

まとめ

Thunderbirdの設定とデータのエクスポート(バックアップ)方法について、重要なポイントをまとめます:

エクスポートでバックアップされるもの:

  • メールアカウント設定
  • すべてのメール(受信・送信・下書き等)
  • アドレス帳
  • 設定情報(フィルタ、表示設定等)

推奨の方法:

  • Thunderbird 115以降:「設定とデータのエクスポート」機能(最も簡単)
  • 古いバージョンや大容量データ:プロファイルフォルダの手動コピー

バックアップのタイミング:

  • パソコン買い替え前(必須)
  • 定期的(週1回または月1回)
  • 重要なメールのやり取りが多い時期

保存先:

  • USBメモリ、外付けHDD、クラウドストレージ
  • できれば2箇所以上に保存

インポート(復元):

  • 新しいパソコンにThunderbirdをインストール
  • 「設定とデータのインポート」からZIPファイルを読み込み
  • または、プロファイルフォルダを手動で配置

バックアップは、「必要になってから作る」のでは遅いです。今すぐエクスポートして、大切なメールを守りましょう!

この記事の手順に従えば、パソコンの買い替えも、万が一のトラブルも、安心して対応できますよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました