朝、Thunderbirdを開いたら「サーバーに接続できません。サーバーに接続を拒否されました」というメッセージが表示されて、メールが送受信できなくなった…そんな経験はありませんか?
昨日まで普通に使えていたのに、突然このエラーが出ると焦りますよね。でも安心してください。このエラーの原因はほとんどの場合、簡単な設定の見直しで解決できます。
この記事では、Thunderbirdで接続拒否エラーが出る原因と、その具体的な解決方法を順番に説明していきます。パソコンにあまり詳しくない方でも、手順通りに進めれば必ず解決できますよ。
「接続が拒否されました」エラーとは?

このエラーは、Thunderbirdがメールサーバーに接続しようとしたものの、サーバー側が通信を拒否した状態を指します。
分かりやすく例えると、あなたがお店のドアをノックしたのに、中から「今は入れません」と断られているような状況です。ネットには繋がっているのに、メールサーバーだけが通信を受け付けてくれない状態なんです。
よくある症状
- メールの送信も受信もできない
- 「サーバーに接続を拒否されました」というメッセージが表示される
- インターネット自体は問題なく使える
- PC再起動直後は一時的に使えることもある
原因1:ファイアウォール・セキュリティソフトがブロックしている
最も多い原因がこれです。 Windowsのファイアウォールやウイルス対策ソフト(ノートン、ウイルスバスター、ESETなど)が、Thunderbirdの通信を「危険」と判断してブロックしている可能性があります。
特にThunderbirdやセキュリティソフトを最近アップデートした場合、この問題が起きやすくなります。
解決方法:セキュリティソフトの設定を確認する
ステップ1:一時的にセキュリティソフトを無効化してテスト
まずは原因を特定するため、セキュリティソフトを一時的に無効にしてみます。
- セキュリティソフトを右クリック(タスクバーのアイコン)
- 「保護を一時停止」または「無効化」を選択
- 10分間だけ停止する設定を選ぶ
- Thunderbirdでメールの送受信を試す
⚠️ 重要な注意点
これはあくまでテストです。メールが送受信できたとしても、セキュリティソフトを無効のままにするのは危険なので、必ず元に戻してください。
ステップ2:Thunderbirdを例外設定に追加
セキュリティソフトを無効にしたら送受信できた場合は、セキュリティソフトが原因です。次の手順でThunderbirdを「信頼できるアプリケーション」として登録しましょう。
Windows Defenderの場合:
- Windowsの「設定」を開く
- 「更新とセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」をクリック
- 「ファイアウォールとネットワーク保護」を選択
- 「ファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリック
- 「設定の変更」ボタンを押す
- 一覧から「Thunderbird」を探してチェックを入れる
- プライベートとパブリック両方にチェックを入れる
ノートン・ウイルスバスター・ESETなどの場合:
- セキュリティソフトの設定画面を開く
- 「ファイアウォール」または「プログラム制御」を探す
- 「例外」「許可リスト」などの項目を見つける
- Thunderbirdを追加して「許可」に設定
許可すべきポート番号
- 993番(IMAP SSL接続用)
- 995番(POP3 SSL接続用)
- 587番(SMTP STARTTLS送信用)
- 465番(SMTP SSL送信用)
原因2:サーバー設定が間違っている
メールサーバーの設定情報(サーバー名、ポート番号、SSL設定など)が間違っていると、接続が拒否されます。特に最近パスワードを変更したり、プロバイダーの仕様が変わったりした場合は、この可能性が高いです。
解決方法:サーバー設定を確認・修正する
ステップ1:アカウント設定を開く
- Thunderbirdを起動
- 画面右上の「三本線」アイコン(メニュー)をクリック
- 「アカウント設定」を選択
- 左側のメニューで問題のあるメールアドレスをクリック
ステップ2:受信サーバー設定を確認
「サーバー設定」をクリックして、以下の項目を確認してください。
POP3の場合の正しい設定:
- サーバーの種類:POP メールサーバー
- ポート番号:995
- 接続の保護:SSL/TLS
- 認証方式:通常のパスワード認証 または 暗号化されたパスワード認証
IMAPの場合の正しい設定:
- サーバーの種類:IMAP メールサーバー
- ポート番号:993
- 接続の保護:SSL/TLS
- 認証方式:通常のパスワード認証 または 暗号化されたパスワード認証
ステップ3:送信サーバー設定を確認
- 左側のメニューで「送信(SMTP)サーバー」をクリック
- 使用しているサーバーを選択して「編集」をクリック
正しい送信サーバー設定:
- ポート番号:587(STARTTLSの場合)または 465(SSL/TLSの場合)
- 接続の保護:STARTTLS または SSL/TLS
- 認証方式:通常のパスワード認証 または 暗号化されたパスワード認証
- ユーザー名:メールアドレス全体(@以降も含む)
💡 ポイント
プロバイダーによって推奨設定が異なります。設定が分からない場合は、ご利用のプロバイダー(OCN、plala、Gmailなど)の公式サイトで「メール設定」を検索してみてください。
原因3:パスワードが間違っているか古い
メールアカウントのパスワードを最近変更した場合や、2段階認証を有効にした場合は、Thunderbirdに保存されているパスワードが古いままになっている可能性があります。
解決方法:保存されているパスワードを更新する
ステップ1:保存されているパスワードを削除
- Thunderbirdのメニュー(三本線)→「設定」をクリック
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「保存されているパスワード」をクリック
- 問題のあるメールアドレスのパスワード項目を選択
- 「削除」ボタンをクリック
ステップ2:メールを送受信して新しいパスワードを入力
- メールの送受信ボタンを押す
- パスワード入力画面が表示される
- 正しいパスワードを入力
- 「パスワードマネージャーに保存する」にチェックを入れる
Gmailの2段階認証を使っている場合
Gmailで2段階認証を有効にしている場合は、通常のGoogleパスワードではなく「アプリパスワード」が必要です。
- Googleアカウントにログイン
- 「セキュリティ」→「アプリパスワード」を選択
- 「メール」と「Windows パソコン」を選択
- 生成された16文字のパスワードをメモ
- Thunderbirdでこのアプリパスワードを使用
原因4:Thunderbirdの拡張機能やテーマの不具合

インストールしている拡張機能(アドオン)やテーマが原因で、サーバー接続に問題が生じることがあります。
解決方法:セーフモードで起動してテストする
ステップ1:セーフモードで起動
- Thunderbirdを完全に終了
- Windowsの「スタート」メニューを開く
- 検索ボックスに「Thunderbird」と入力
- Shiftキーを押しながら Thunderbirdのアイコンをクリック
- 「セーフモードで起動」のダイアログが表示される
- 「セーフモードで起動」をクリック
ステップ2:動作確認
セーフモードでメールが送受信できる場合は、拡張機能またはテーマが原因です。
ステップ3:原因を特定
- 通常モードでThunderbirdを起動
- メニュー→「アドオンとテーマ」を開く
- インストールされている拡張機能を一つずつ無効化
- それぞれ無効化するたびにメール送受信を試す
- 問題の拡張機能を特定したら、アンインストールする
原因5:プロファイルの破損
Thunderbirdの設定情報を保存している「プロファイル」というフォルダが破損していると、様々なエラーが発生します。
解決方法:新しいプロファイルを作成する
ステップ1:プロファイルマネージャーを起動
- Thunderbirdを完全に終了
- Windowsキー + Rを押す
- 「thunderbird.exe -ProfileManager」と入力してEnter
- プロファイルマネージャーが起動
ステップ2:新しいプロファイルを作成
- 「プロファイルを作成」ボタンをクリック
- 適当な名前(例:test)を入力
- 「完了」をクリック
- 新しいプロファイルを選択して「Thunderbirdを起動」
ステップ3:メールアカウントを再設定
新しいプロファイルでメールアカウントを一から設定し直します。これで問題が解決すれば、元のプロファイルが破損していたことが分かります。
💡 元のメールデータを移行したい場合
古いプロファイルから新しいプロファイルへ、メールデータをコピーすることもできます。ただし、この操作は少し複雑なので、パソコンに詳しい方にサポートしてもらうことをおすすめします。
原因6:SSL証明書の検証エラー(バージョン128以降)
2025年7月頃からThunderbirdのバージョン128以降で、SSL証明書の検証が厳格になりました。そのため、証明書とサーバー名が一致しない場合に接続エラーが発生することがあります。
解決方法:サーバー名を正式なホスト名に変更する
症状の確認
- Thunderbirdを最近アップデートした
- 「サーバーとの接続がリセットされました」というエラーも出る
- 以前は問題なく使えていた
対処方法
ご利用のプロバイダーの公式サイトで、最新の「正式なサーバー名」を確認してください。サーバー名が変更されている可能性があります。
例えば:
- 旧:mail.example.com → 新:mail.smtp.example.com
- 旧:pop.example.jp → 新:secure.example.jp
新しいサーバー名に変更した後、ユーザー名を「メールアドレス全体」に変更する必要がある場合もあります。
原因7:インターネット接続の問題
稀に、ネットワーク設定やルーターの問題でメールサーバーに接続できないことがあります。
解決方法:基本的な接続を確認する
チェック項目:
- 他のサイトは見られますか?
- ブラウザでWebサイトが開けるか確認
- 開けない場合はインターネット接続自体に問題あり
- Wi-Fiの接続状態を確認
- タスクバーのWi-Fiアイコンをチェック
- 接続が不安定な場合は、ルーターを再起動
- ルーターを再起動
- ルーターの電源を10秒間オフ
- 再度電源を入れて1分待つ
- パソコンを再起動してThunderbirdを試す
- 会社のネットワークの場合
- 会社のファイアウォールでメールポートがブロックされている可能性
- IT部門に確認してみましょう
解決しない場合の最終手段

上記の方法をすべて試しても解決しない場合は、以下の対処を検討してください。
1. Thunderbirdを再インストール
- Windowsの「設定」→「アプリ」を開く
- 「Thunderbird」を選択して「アンインストール」
- パソコンを再起動
- Thunderbird公式サイトから最新版をダウンロード
- インストールして設定を行う
⚠️ 注意: アンインストール前に、必要なメールをエクスポートしておくことをおすすめします。
2. プロバイダーのサポートに問い合わせ
ご利用のプロバイダー(OCN、plala、Gmailなど)のサポートセンターに連絡してみましょう。サーバー側で一時的なトラブルが発生している可能性もあります。
問い合わせ前に準備する情報:
- ご利用のメールアドレス
- Thunderbirdのバージョン番号
- エラーメッセージの正確な文言
- いつから問題が発生したか
- 試した解決方法
まとめ:接続拒否エラーは必ず解決できます
Thunderbirdで「サーバーに接続できません。接続が拒否されました」というエラーが出る原因は、ほとんどの場合、以下の7つのいずれかです。
- ファイアウォール・セキュリティソフトのブロック
- サーバー設定(ポート番号、SSL)の誤り
- パスワードの問題
- 拡張機能やテーマの不具合
- プロファイルの破損
- SSL証明書の検証エラー
- インターネット接続の問題
解決のコツは「焦らず一つずつ確認すること」です。
最も多いのはセキュリティソフトとサーバー設定の問題なので、まずはこの2つから確認してみてください。それでも解決しない場合は、順番に他の原因をチェックしていけば、必ず解決できます。
どうしても解決できない場合は、プロバイダーのサポートに相談するのが確実です。この記事で試した方法を伝えれば、サポート担当者もスムーズに対応してくれますよ。

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