受信トレイに何百通ものメールが溜まっていて、「あのメール、どこだっけ…」と探し回った経験はありませんか?
Thunderbirdには、そんな悩みを解決してくれる「クイックフィルターバー」という便利機能があるんです。
ワンクリックで未読メールだけ表示したり、添付ファイル付きのメールだけを絞り込んだり。キーワード検索もできるので、目的のメールが一瞬で見つかります。
この記事では、クイックフィルターバーの使い方を初心者の方にも分かりやすく解説していきます!
クイックフィルターバーとは?

メール一覧の「絞り込み機能」
クイックフィルターバーは、メール一覧画面の上部に表示される検索・絞り込みツール。
現在開いているフォルダ内のメールを、さまざまな条件で素早く絞り込むことができます。
主な特徴
- ボタン一つで未読メールや重要メールを表示
- キーワード入力で即座に検索
- 複数の条件を組み合わせて絞り込み
- フォルダを切り替えても条件を維持できる
グローバル検索との違い
Thunderbirdにはもう一つ、「グローバル検索」という機能もあります。
グローバル検索
- 画面右上の検索ボックス
- すべてのフォルダ・アカウントを横断検索
- 用途:どこにあるか分からないメールを探す
クイックフィルターバー
- メール一覧上部のツールバー
- 現在のフォルダ内だけを検索
- 用途:今見ているフォルダ内で素早く絞り込む
どちらも便利ですが、使い分けることでメール管理の効率が格段にアップします。
クイックフィルターバーの表示方法
Thunderbird 115以降では、デフォルトで非表示になっています。
表示の仕方
方法1:キーボードショートカット
Ctrl + Shift + K (Windows)
Command + Shift + K (Mac)
もう一度同じキーを押すと非表示になります。
方法2:ボタンから表示
- メール一覧画面の上部を確認
- 「クイックフィルター」ボタンをクリック
このボタンをクリックすることで、表示/非表示を切り替えられます。
方法3:メニューから表示
- メニューバーの「表示」をクリック
- 「ツールバー」にカーソルを合わせる
- 「メールツールバー」にチェック
メールツールバー自体が表示されていない場合は、この方法で表示できます。
基本的な使い方
クイックフィルターバーには、いくつかのボタンとテキスト入力欄があります。
画面構成
左から順に以下の要素が並んでいます。
- ピン留めアイコン:条件を固定するボタン
- 未読:未読メールのみ表示
- スター付き:重要マークがあるメールのみ
- 知り合い:アドレス帳登録済みの人からのメール
- タグ付き:タグが付いているメール
- 添付ファイル:添付ファイル付きのメール
- 検索ボックス:キーワード入力欄
- 検索対象:送信者、件名、本文などを選択
ボタンフィルターの使い方
各ボタンをクリックするだけで、その条件に該当するメールだけが表示されます。
例:未読メールだけ見たい
- 「未読」ボタンをクリック
- 未読メールのみがメール一覧に表示される
- もう一度クリックすると解除
例:添付ファイル付きメールを探す
- 「添付ファイル」ボタンをクリック
- 添付ファイルがあるメールだけが表示される
とてもシンプルですね!
キーワード検索の使い方
検索ボックスにキーワードを入力すると、リアルタイムで絞り込まれます。
基本的な検索
- 検索ボックスにキーワードを入力
- 入力しながら自動的に絞り込まれる
- 「×」ボタンをクリックすると検索をクリア
検索例
請求書
「請求書」という言葉が含まれるメールが表示されます。
複数キーワードでAND検索
半角スペースで区切ると、複数のキーワードで検索できます。
請求書 5月分
「請求書」と「5月分」の両方が含まれるメールが表示されます。
注意:全角スペースではなく、必ず半角スペースで区切ってください。
検索対象の選択
デフォルトでは、検索ボックスの下に4つのボタンがあります。
- 送信者:差出人のメールアドレスや名前
- 受信者:宛先のメールアドレスや名前
- 件名:メールの件名
- 本文:メール本文の内容
クリックすることで、検索対象を選択できます。複数選択も可能です。
例:件名だけを検索したい
- 「件名」ボタンのみ選択
- 検索ボックスにキーワードを入力
これで、件名にそのキーワードが含まれるメールだけが表示されます。
複数条件の組み合わせ
クイックフィルターバーの真骨頂は、複数の条件を組み合わせられること。
ボタン + キーワード検索
例:未読の添付ファイル付きメール
- 「未読」ボタンをクリック
- 「添付ファイル」ボタンをクリック
- 必要に応じてキーワードも入力
例:田中さんからの重要メール
- 「スター付き」ボタンをクリック
- 検索ボックスに「田中」と入力
- 「送信者」ボタンを選択
タグでの絞り込み
「タグ付き」ボタンをクリックすると、タグ一覧が表示されます。
タグの選択方法
- 「タグ付き」ボタンをクリック
- 表示されるタグ一覧から絞り込みたいタグを選択
- 複数のタグを選択することも可能
タグで「対応待ち」「重要」などを管理していれば、すぐに該当メールを見つけられます。
ピン留め機能で条件を固定

クイックフィルターバーの左端にある「ピン」アイコン。これが超便利なんです!
ピン留めとは?
通常、フォルダを切り替えると検索条件はリセットされてしまいます。
でも、ピン留めを有効にすれば、フォルダを切り替えても条件が維持されるんです。
使い方
- クイックフィルターバー左端のピンアイコンをクリック
- ピンが「固定」された状態になる
- 検索条件を設定
- フォルダを切り替えても条件が保持される
活用例:送受信履歴の確認
- ピン留めを有効化
- 検索ボックスに「田中」と入力
- 受信トレイで田中さんからのメールを確認
- 送信済みフォルダに切り替え
- 田中さんへ送ったメールも同じ条件で表示
同じ人とのメールのやり取りを追うのにとても便利です!
ピン留めの解除
もう一度ピンアイコンをクリックすると、ピン留めが解除されます。
実用的な活用例
日常的によく使うパターンを紹介します。
例1:今日の未読メールを確認
設定
- 「未読」ボタンをON
朝一番にこの設定で確認すれば、対応が必要なメールをすぐに把握できます。
例2:重要な添付ファイルを探す
設定
- 「スター付き」ボタンをON
- 「添付ファイル」ボタンをON
重要マークを付けた添付ファイル付きメールだけが表示されます。
例3:特定の人からのメールを全部見る
設定
- ピン留めをON
- 検索ボックスに「相手の名前」を入力
- 「送信者」を選択
- 受信トレイと送信済みフォルダを切り替え
その人とのすべてのやり取りを時系列で追えます。
例4:対応待ちタスクの確認
設定
- 「タグ付き」ボタンをON
- 「対応待ち」タグを選択
- 「未読」ボタンもON
対応が必要な未処理メールを一覧できます。
例5:先月の請求書メールを探す
設定
- 検索ボックスに「請求書 先月」と入力
- 「件名」を選択
特定の期間のメールをキーワードと組み合わせて検索できます。
クイックフィルターバーがうまく動かないとき
検索で目的のメールが見つからない場合の対処法です。
検索データベースの再構築
検索機能がおかしい場合、データベースを再構築すると改善することがあります。
手順
- Thunderbirdを終了
- プロファイルフォルダを開く
global-messages-db.sqliteファイルを削除- Thunderbirdを再起動
- 自動的にデータベースが再構築される(時間がかかる)
プロファイルフォルダの場所
- Windows:
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\xxxxxxxx.default - Mac:
~/Library/Thunderbird/Profiles/xxxxxxxx.default
クイックフィルターバーが表示されない
確認ポイント
Ctrl+Shift+Kを押して表示を切り替える- メールツールバーが非表示になっていないか確認
- Thunderbird 115以降ではデフォルト非表示なので手動で表示
全角・半角の確認
複数キーワード検索がうまくいかない場合、スペースが全角になっていないか確認してください。
必ず半角スペースで区切る必要があります。
より便利に使うためのアドオン
クイックフィルターバーをさらに使いやすくするアドオンもあります。
QuickFilterToolbar
クイックフィルターバーをツールバーとして独立表示できるアドオン。
特徴
- ウィンドウ幅いっぱいに表示
- ラベルが常時表示されて見やすい
- 送信者や件名などの絞り込みボタンが追加
インストール方法
- 「ツール」→「アドオンとテーマ」を開く
- 「QuickFilterToolbar」を検索
- 「Thunderbirdへ追加」をクリック
デフォルトの小さな表示が使いにくいと感じる方におすすめです。
QuickFilters
メールフィルタの設定を簡単に作成できるアドオン。
クイックフィルターバーとは別物ですが、メール整理を効率化したい方に人気です。
特徴
- メールをドラッグ&ドロップで振り分けルールを作成
- フィルタ設定の手間を大幅に削減
よくある質問
Q1. クイックフィルターバーを常に表示したい
ピン留めアイコンをクリックして固定するか、Ctrl+Shift+Kで表示/非表示を切り替えられます。
Thunderbird 115以降では、一度表示すれば基本的にその状態が維持されます。
Q2. 検索対象を変更できない?
検索ボックスの下にある「送信者」「受信者」「件名」「本文」のボタンをクリックしてください。
複数選択も可能です。
Q3. タグで絞り込みたいけどタグ一覧が出ない
「タグ付き」ボタンをクリックすると、設定されているタグの一覧が表示されます。
タグが一つも設定されていない場合は、先にメールにタグを付ける必要があります。
Q4. フォルダを切り替えると条件がリセットされる
ピン留めアイコン(画鋲マーク)をクリックして固定してください。
これで、フォルダを切り替えても検索条件が保持されます。
Q5. グローバル検索との使い分けは?
クイックフィルターバー
- 今開いているフォルダ内を素早く絞り込む
- 条件ボタンで簡単に絞り込み
グローバル検索
- すべてのフォルダから横断検索
- メールがどこにあるか分からないとき
状況に応じて使い分けましょう。
まとめ
クイックフィルターバーは、Thunderbirdのメール管理を劇的に効率化してくれる機能です。
この記事のポイント
- 表示方法:
Ctrl+Shift+Kで簡単に表示 - ボタン絞り込み:未読、スター、添付ファイルなどワンクリック
- キーワード検索:半角スペースで複数キーワード検索
- 検索対象:送信者、件名、本文を選択可能
- 複数条件:ボタンとキーワードを組み合わせて絞り込み
- ピン留め:フォルダ切り替えでも条件を維持
- 実用例:未読確認、送受信履歴、タスク管理に活用
特にピン留め機能は、一度使うと手放せなくなるほど便利です。
受信トレイと送信済みフォルダを行き来しながら、同じ人とのやり取りを追うのがとても楽になります。
毎日たくさんのメールを処理する方は、ぜひクイックフィルターバーを活用してみてください!

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