「あのメール、確か先月の田中さんからの請求書関連だったはず…」
メールを探すとき、1つのキーワードだけでは目的のメールがなかなか見つからないことってありますよね。
実は、Thunderbirdには複数の条件を組み合わせてメールを探す便利な検索機能があるんです。
この記事では、Thunderbirdで複数条件を使った検索方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
Thunderbirdの3種類の検索機能

Thunderbirdには、目的に応じて使い分けられる3つの検索方法があります。
1. グローバル検索(簡単検索)
画面右上の検索ボックスから行う、一番手軽な検索方法。
特徴
- すべてのフォルダ・アカウントを横断して検索
- キーワードを入力するだけで自動的に検索開始
- 複数キーワードをAND条件で検索可能
開き方
- 画面右上の検索ボックスに直接入力
- キーボードショートカット:
Ctrl+K(Windows) /Command+K(Mac)
2. クイックフィルターバー(フォルダ内検索)
メール一覧の上部に表示される検索バー。
特徴
- 現在開いているフォルダ内だけを検索
- 未読、スター付き、タグ付きなどの条件も指定可能
- 検索結果がすぐに表示される
開き方
- キーボードショートカット:
Ctrl+Shift+K(Windows) /Command+Shift+K(Mac) - メニュー:「表示」→「ツールバー」→「クイックフィルターバー」
3. 詳細検索ダイアログ(高度な検索)
最も詳細な条件指定ができる検索機能。
特徴
- 差出人、件名、日付、サイズなど細かい条件を設定
- 複数条件をAND/ORで組み合わせ可能
- 検索結果を「検索フォルダ」として保存できる
開き方
- キーボードショートカット:
Ctrl+Shift+F(Windows) /Command+Shift+F(Mac) - メニュー:「編集」→「検索」→「メッセージを検索」
グローバル検索で複数キーワード検索
一番簡単な複数条件検索は、グローバル検索を使う方法です。
基本的な使い方
グローバル検索では、半角スペースで区切ることで複数のキーワードを同時に検索できます。
検索例
請求書 5月分
このように入力すると、「請求書」と「5月分」の両方が含まれるメールが検索されます。
重要ポイント:必ず半角スペース
全角スペースではなく、半角スペースで区切る必要があります。
正しい例
田中 見積書(半角スペース)
間違った例
田中 見積書(全角スペース)
全角スペースを使うと、「田中 見積書」という文字列そのものを検索してしまい、正しく検索できません。
コピー&ペーストの活用
Thunderbirdは入力中に自動で検索処理が始まるため、長いキーワードを入力していると動作が重くなることがあります。
おすすめの方法
- メモ帳などに検索したいキーワードを入力
- 半角スペースで区切って複数のキーワードを並べる
- すべてコピーして検索ボックスに貼り付け
この方法なら、入力途中で検索処理が走ることがなく、スムーズに検索できます。
クイックフィルターバーで絞り込み検索
現在のフォルダ内で素早く絞り込みたい場合は、クイックフィルターバーが便利です。
基本的な使い方
Ctrl+Shift+Kでクイックフィルターバーを表示- 検索ボックスにキーワードを入力
- 複数キーワードは半角スペースで区切る
検索対象の選択
クイックフィルターバーには、検索対象を選ぶボタンがあります。
- 未読:未読メールのみ表示
- スター付き:重要マークのあるメールのみ
- タグ:特定のタグが付いたメールのみ
- 添付ファイル:添付ファイル付きのメールのみ
フィルターの組み合わせ
複数のフィルターを同時に有効にすることもできます。
例:未読の添付ファイル付きメール
- 「未読」ボタンをクリック
- 「添付ファイル」ボタンをクリック
- 必要に応じてキーワードも入力
この組み合わせで、「未読で、かつ添付ファイルがある」メールだけが表示されます。
詳細検索で高度な条件指定
最も細かく条件を設定できるのが、詳細検索ダイアログです。
詳細検索の開き方
Ctrl+Shift+Fを押す- 「メールを検索」ウィンドウが開く
検索条件の設定
詳細検索では、さまざまな項目を条件として指定できます。
指定できる主な条件
- 件名:メールの件名で検索
- 差出人:送信者のアドレスや名前で検索
- 宛先:受信者のアドレスや名前で検索
- Cc:Ccに入っているアドレスで検索
- 送信日:特定の期間で検索
- サイズ:メールのサイズで検索
- タグ:付けられたタグで検索
- 添付ファイルの有無:添付ファイルがあるかどうか
- 重要度:重要度の設定で検索
- 状態:既読/未読、スター付きなど
AND条件とOR条件
詳細検索では、条件の組み合わせ方を選べます。
AND条件(すべての条件を満たす)
「以下のすべての条件に一致」を選択
例
- 差出人が「田中」
- かつ件名に「請求書」を含む
- かつ添付ファイルあり
すべての条件を満たすメールだけが検索されます。
OR条件(いずれかの条件を満たす)
「以下のいずれかの条件に一致」を選択
例
- 差出人が「田中」
- または差出人が「鈴木」
- または差出人が「佐藤」
いずれか1つでも条件を満たせば検索結果に表示されます。
条件の追加方法
- 検索条件の右側にある「+」ボタンをクリック
- 新しい条件の行が追加される
- 項目を選択して条件を入力
条件は必要なだけ追加できます。
条件の削除方法
不要な条件の右端にある「-」ボタンをクリックすると、その条件を削除できます。
実用的な検索例
よく使う検索パターンを具体例で紹介します。
例1:特定の人から、特定の件名で、添付ファイル付き
条件設定
- 「以下のすべての条件に一致」を選択
- 差出人:「@company.co.jp」を含む
- 件名:「契約書」を含む
- 添付ファイルの有無:あり
この設定で、会社からの契約書関連で添付ファイル付きのメールが検索されます。
例2:先月の未読メール
条件設定
- 「以下のすべての条件に一致」を選択
- 送信日:「先月」
- 状態:「未読」
特定の期間の未読メールだけを抽出できます。
例3:複数の人のいずれかからのメール
条件設定
- 「以下のいずれかの条件に一致」を選択
- 差出人:「tanaka@example.com」を含む
- 差出人:「suzuki@example.com」を含む
- 差出人:「sato@example.com」を含む
プロジェクトメンバー全員からのメールを一度に検索できます。
例4:重要メールで未処理のもの
条件設定
- 「以下のすべての条件に一致」を選択
- 状態:「スター付き」
- タグ:「対応待ち」
重要でまだ処理していないメールをすぐに見つけられます。
検索フォルダで条件を保存

よく使う検索条件は、「検索フォルダ」として保存しておくと便利です。
検索フォルダとは?
検索フォルダは、指定した条件に一致するメールを自動的に集める「仮想フォルダ」。
実際のメールはそのままの場所にありながら、条件に合うメールだけを表示してくれます。
検索フォルダの作成方法
方法1:詳細検索から作成
Ctrl+Shift+Fで詳細検索を開く- 検索条件を設定して「検索」ボタンをクリック
- 結果を確認
- 画面下部の「検索フォルダとして保存」ボタンをクリック
- フォルダ名を入力して保存
方法2:メニューから新規作成
- メニュー:「ファイル」→「新規作成」→「検索フォルダ」
- フォルダ名を入力
- 検索条件を設定
- 検索対象のフォルダやアカウントを選択
- 「OK」をクリック
検索フォルダの活用例
「未処理の重要メール」フォルダ
- 条件:スター付き、かつタグが「対応待ち」
- 用途:優先して処理すべきメールを一元管理
「今週受信したメール」フォルダ
- 条件:送信日が「7日以内」
- 用途:最近の動きを把握
「添付ファイル付き」フォルダ
- 条件:添付ファイルあり
- 用途:資料メールをまとめて確認
検索フォルダの場所
作成した検索フォルダは、フォルダ一覧の上部に専用のアイコン付きで表示されます。
クリックするだけで、その条件でのメール一覧がすぐに見られます。
検索がうまくいかないときの対処法
検索で目的のメールが見つからない場合の対処方法です。
検索データベースの再構築
検索機能が正常に動作しない場合、検索データベース(インデックス)が壊れている可能性があります。
修復方法
- Thunderbirdを終了
- プロファイルフォルダを開く
- Windows:
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\xxxxxxxx.default - Mac:
~/Library/Thunderbird/Profiles/xxxxxxxx.default
global-messages-db.sqliteファイルを削除- Thunderbirdを再起動
- 自動的に検索データベースが再構築される(時間がかかる)
この処理により、すべてのメールの検索データベースが再作成されます。
検索対象フォルダの確認
詳細検索や検索フォルダで結果が表示されない場合、検索対象のフォルダが正しく選択されているか確認しましょう。
検索設定画面の「検索するフォルダ」で、目的のフォルダやアカウントが選択されているかチェックしてください。
全角・半角の確認
グローバル検索やクイックフィルターで複数キーワード検索がうまくいかない場合、スペースが全角になっていないか確認してください。
必ず半角スペースで区切る必要があります。
よくある質問
Q1. OR条件で3つ以上の条件を指定できる?
できます。
詳細検索で「以下のいずれかの条件に一致」を選び、「+」ボタンで必要な数だけ条件を追加してください。
Q2. 本文の内容でも検索できる?
できます。
グローバル検索では自動的に件名・差出人・本文すべてが検索対象になります。
詳細検索では、検索条件に「本文」の項目がある場合とない場合があります(バージョンによる)。
Q3. 検索フォルダは何個まで作れる?
特に制限はありません。
ただし、たくさん作りすぎると管理が大変になるので、本当に必要なものだけを作ることをおすすめします。
Q4. 検索フォルダを削除するには?
検索フォルダを右クリックして「削除」を選択するだけです。
検索フォルダを削除しても、実際のメールは削除されません。
Q5. メールフィルタと検索フォルダの違いは?
メールフィルタ
- 受信時に自動でメールを移動・分類
- メールが実際に別のフォルダに移動する
検索フォルダ
- 条件に合うメールを表示するだけ
- メールは元のフォルダに残ったまま
用途に応じて使い分けましょう。
まとめ
Thunderbirdの複数条件検索を使いこなせば、大量のメールの中から目的のメールを素早く見つけられます。
この記事のポイント
- 簡単検索:グローバル検索で半角スペース区切り
- フォルダ内検索:クイックフィルターバーで素早く絞り込み
- 詳細検索:
Ctrl+Shift+Fで細かい条件指定 - AND/OR条件:「すべて」か「いずれか」を選択
- 検索フォルダ:よく使う条件を保存して効率化
特に検索フォルダ機能は、「未処理の重要メール」「添付ファイル付きメール」など、よく見るメールのパターンを登録しておくと、日々のメール管理がぐっと楽になります。
まずは簡単なものから試して、徐々に複雑な検索条件にも挑戦してみてください!

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