Thunderbirdをアップデートしたら、なんだか使いにくくなった…そんな経験はありませんか?
新しいバージョンになって機能が変わってしまったり、使っているアドオンが動かなくなったりすることってありますよね。そんなとき、「前のバージョンに戻せないかな?」と思うのは自然なことです。
この記事では、Thunderbirdを安全に旧バージョンへ戻す方法をわかりやすく解説します。ただし、バージョンを下げることにはリスクもあるので、その点もしっかりお伝えしていきますね。
Thunderbirdのバージョンを戻したい理由とは?

まず、どんなときにバージョンダウングレード(前のバージョンに戻すこと)を考えるのか見ていきましょう。
よくある理由
アドオンが使えなくなった
お気に入りの拡張機能が新バージョンに対応していないことがあります。メール作業の効率を左右する重要なツールが使えないのは困りますよね。
操作感が変わってしまった
UIデザイン(画面の見た目や配置)が大きく変わると、慣れるまで時間がかかるものです。特に仕事で毎日使う場合、作業効率が下がってしまうこともあるでしょう。
動作が不安定になった
新バージョンには予期しないバグ(プログラムの不具合)が含まれていることもあります。メールが開けない、送信できないといったトラブルは業務に支障をきたしますね。
パソコンのスペックに合わない
新しいバージョンほど高い性能を要求することがあり、古めのパソコンでは動作が重くなる場合があります。
バージョンを戻す前に知っておくべきこと
ダウングレードを実行する前に、重要な注意点をお伝えします。
セキュリティリスクについて
古いバージョンには、すでに修正された脆弱性(セキュリティ上の弱点)が残っている可能性があります。サイバー攻撃やウイルス感染のリスクが高まるため、基本的には最新版の使用が推奨されています。
どうしても戻す必要がある場合は、できるだけ近いバージョンを選び、問題が解決したらすぐに最新版へ戻すことをおすすめします。
データ互換性の問題
新しいバージョンで作成されたプロファイル(メールデータや設定を保存しているフォルダ)は、古いバージョンで正しく読み込めないことがあるんです。
これが、バックアップが絶対に必要な理由です。
【重要】必ずバックアップを取りましょう
作業を始める前に、必ずデータのバックアップを取ってください。これを怠ると、大切なメールや連絡先をすべて失う可能性があります。
プロファイルフォルダの場所
Windowsの場合C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\
Macの場合~/Library/Thunderbird/Profiles/
Linuxの場合~/.thunderbird/
バックアップ手順
- Thunderbirdを完全に終了する
- 上記の場所にある「Profiles」フォルダ全体をコピー
- デスクトップや外付けハードディスクなど、安全な場所に保存する
この作業を必ず行ってから、次のステップへ進んでくださいね。
Thunderbirdを旧バージョンに戻す手順
それでは、実際のダウングレード方法を説明していきます。
ステップ1: 現在のバージョンをアンインストール
Windowsの場合
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開く
- 「Mozilla Thunderbird」を見つけてクリック
- 「アンインストール」を選択
- 指示に従って削除を完了する
Macの場合
- アプリケーションフォルダを開く
- Thunderbirdアイコンをゴミ箱へドラッグ
- ゴミ箱を空にする
重要な注意点
アンインストール時に「個人データも削除しますか?」と聞かれた場合、必ず「削除しない」を選んでください。ここで削除してしまうと、バックアップがない限りメールデータが消えてしまいます。
ステップ2: 旧バージョンをダウンロード
Mozilla公式のアーカイブサイトから、希望するバージョンをダウンロードします。
ダウンロード先https://ftp.mozilla.org/pub/thunderbird/releases/
ここには過去のすべてのバージョンが保存されています。フォルダを開いて、戻したいバージョン番号(例: 115.0/)を選び、お使いのOS(Windows、Mac、Linuxなど)に合ったファイルをダウンロードしましょう。
ステップ3: 旧バージョンをインストール
ダウンロードしたインストーラーを実行します。通常のソフトウェアインストールと同じ手順です。
- ダウンロードしたファイルをダブルクリック
- インストールウィザードの指示に従う
- インストール場所は標準のままでOK
- 完了したらThunderbirdを起動する
ステップ4: 自動アップデートを無効化
せっかく旧バージョンに戻しても、自動的に最新版へアップデートされてしまったら意味がありませんよね。これを防ぐ設定をしましょう。
- Thunderbirdを起動
- 「設定」(または「オプション」)を開く
- 「一般」タブを選択
- 「更新」セクションまでスクロール
- 「更新を確認しない」を選択
これで、自動アップデートが無効になります。
ステップ5: 動作確認
旧バージョンが正しく動作しているか確認しましょう。
- メールの送受信ができるか
- 過去のメールが正しく表示されるか
- アドレス帳が読み込まれているか
- アドオンが動作するか
問題なく使えることを確認できたら、ダウングレード完了です!
トラブルが起きたときの対処法
もしうまくいかない場合は、以下の方法を試してみてください。
メールが表示されない場合
プロファイルの互換性問題かもしれません。バックアップしておいたプロファイルフォルダを、現在のプロファイルフォルダに上書きコピーしてみましょう。
起動しない場合
- Thunderbirdを完全にアンインストール
- プロファイルフォルダを手動で削除
- バックアップからプロファイルを復元
- 再度旧バージョンをインストール
どうしても解決しない場合
最新版に戻すことも選択肢の一つです。問題の原因が本当にバージョンにあるのか、それとも別の要因なのかを見極めることも大切ですよ。
より安全な代替案

バージョンダウングレード以外の解決策も検討してみましょう。
ポータブル版の利用
通常版とは別に、ポータブル版(USBメモリなどから起動できるバージョン)をインストールすれば、複数のバージョンを共存させることができます。
これなら、新バージョンで問題が解決するまで旧バージョンを使い続け、両方を比較しながら移行できるんです。
問題の報告
動作不良やバグが原因なら、Mozillaの公式フォーラムやバグ報告システムに報告してみてください。次のアップデートで修正される可能性があります。
アドオンの代替探し
使えなくなったアドオンに、同じ機能を持つ代替品があるかもしれません。Thunderbird Add-onsサイトで「類似のアドオン」を検索してみるのもいいでしょう。
まとめ
Thunderbirdを旧バージョンに戻す方法について解説しました。
大切なポイント
- 必ずプロファイルのバックアップを取ること
- セキュリティリスクがあることを理解すること
- 自動アップデートを無効化すること
- できるだけ早く最新版へ戻る計画を立てること
ダウングレードは、一時的な対処法として考えるのがベストです。根本的な問題解決に向けて、代替案も含めて検討してみてくださいね。
メールソフトは日常業務に欠かせないツールだからこそ、自分に合った使いやすい環境を整えることが大切です。この記事が、皆さんの快適なメール環境づくりに役立てば嬉しいです!

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