メールを書いていて、「この部分は削除予定だけど、一応見えるようにしておきたい」と思ったことはありませんか?
例えば、会議の予定変更を知らせるときや、価格改定の案内をするとき。変更前の情報を取り消し線で示せば、何が変わったのか一目で分かりますよね。
この記事では、Outlookで文字に取り消し線を引く方法を、デスクトップ版からWeb版まで詳しく解説していきます。ショートカットキーを使った素早い方法も紹介するので、ぜひマスターしてください。
取り消し線って何?基本を理解しよう

取り消し線とは
取り消し線とは、文字の中央に横線を引いて、その文字が「無効」や「削除予定」であることを示す書式のことです。
例えばこんな感じです:この文字には取り消し線が引かれています
ワードやエクセルと同じように、Outlookのメールでも取り消し線を使って文章を装飾できます。
どんなときに使うの?
取り消し線が活躍する場面は意外と多くあります。
変更内容を明確に伝えたいとき
「会議時間を14時15時に変更します」のように書けば、変更箇所が一目瞭然になります。
訂正や修正を分かりやすく示したいとき
価格表で「旧価格:5,000円 新価格:4,500円」と表示すれば、値下げが強調されるでしょう。
完了したタスクをリストで示すとき
「資料作成 確認依頼 プレゼン準備」のように、終わったタスクに線を引けば進捗が分かりやすくなります。
冗談や軽いニュアンスを表現したいとき
「本当は嫌だけど喜んで協力します!」のような使い方もSNS的な表現として定着しています。
デスクトップ版Outlookで取り消し線を引く方法
方法1:ショートカットキーを使う(最速)
最も素早く取り消し線を引く方法です。
手順
- 取り消し線を引きたい文字を選択する
- キーボードで「Ctrl + Alt + D」を同時に押す
たったこれだけ!選択した文字に取り消し線が引かれます。
もう一度同じショートカットを押せば、取り消し線を解除できます。この方法を覚えておけば、メール作成中にマウスを使わずサッと装飾できるでしょう。
方法2:リボンのフォントメニューから
マウス操作で確実に設定する方法です。
手順
- 新規メール作成画面またはメール返信画面を開く
- 取り消し線を引きたい文字を選択
- 「書式設定」タブをクリック
- 「フォント」グループにある「abc」(取り消し線アイコン)をクリック
アイコンは、文字の中央に横線が引かれたデザインになっています。クリックするとアイコンが押された状態(背景が色付き)になり、選択した文字に取り消し線が適用されるはずです。
方法3:フォントダイアログボックスから
より詳細な書式設定と一緒に取り消し線を設定したい場合はこちら。
手順
- 取り消し線を引きたい文字を選択
- 「書式設定」タブの「フォント」グループ右下にある小さな矢印(ダイアログボックス起動ツール)をクリック
- 「フォント」ダイアログボックスが開く
- 「文字飾り」セクションにある「取り消し線」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
この方法なら、フォントサイズや色の変更も同時にできます。
下線との違いに注意
取り消し線と似た機能に「下線」があります。混同しないように注意しましょう。
下線:文字の下に線を引く(ショートカット:Ctrl + U)
取り消し線:文字の中央に線を引く(ショートカット:Ctrl + Alt + D)
下線は強調したい文字に使い、取り消し線は削除や無効を示すときに使います。用途が全く異なるので、使い分けが大切です。
Outlook Web版(ブラウザ版)で取り消し線を引く方法
Web版での操作手順
Outlook Web(ブラウザで使うOutlook)でも取り消し線を使えます。
手順
- 新規メール作成または返信画面を開く
- 取り消し線を引きたい文字を選択
- メール作成エリアの下部にある書式設定ツールバーを確認
- 「その他のオプション」(「…」のアイコン)をクリック
- 表示されるメニューから取り消し線アイコンをクリック
Web版では、書式設定オプションが最初は隠れていることがあります。「その他のオプション」をクリックすると、追加の書式設定ボタンが表示されるでしょう。
ショートカットキーも使える
実は、Web版でもデスクトップ版と同じショートカットキーが使えます。
「Ctrl + Alt + D」で取り消し線
ブラウザの種類(Chrome、Edge、Firefoxなど)に関係なく、このショートカットが有効です。覚えておくと、Web版でも素早く作業できます。
モバイル版Outlookでの取り消し線
スマートフォン・タブレットでの対応
残念ながら、現時点ではOutlookのモバイルアプリ(iOSやAndroid版)では取り消し線の機能が制限されています。
できること
- パソコンで作成された取り消し線付きメールの表示・閲覧
- 取り消し線付きのメールへの返信
できないこと
- 新規メール作成時に取り消し線を新たに追加する
- 返信メール内で新しく取り消し線を引く
モバイルアプリは基本的な書式設定機能に限定されているため、取り消し線のような細かい装飾はパソコンで行う必要があります。
代替方法
どうしてもスマートフォンから取り消し線を使いたい場合は、以下の方法があります。
ブラウザ版を使う
スマートフォンのブラウザ(SafariやChrome)で outlook.office.com にアクセスすれば、Web版のOutlookが使えます。デスクトップ表示モードに切り替えると、取り消し線の設定が可能です。
取り消し線を解除する方法
取り消し線を消したい
一度引いた取り消し線を削除するのは簡単です。
手順
- 取り消し線が引かれている文字を選択
- 再度「Ctrl + Alt + D」を押す、またはリボンの取り消し線ボタンをクリック
取り消し線の設定と解除は、同じ操作で切り替えられます。トグル式(オン・オフを切り替える方式)なので、覚えやすいでしょう。
部分的に解除することも可能
長い文章の一部だけ取り消し線を解除したい場合も対応できます。
手順
- 取り消し線を残したい部分と削除したい部分を分ける
- 削除したい部分だけを選択
- 「Ctrl + Alt + D」で取り消し線を解除
この方法で、細かく編集できます。
取り消し線の便利な活用テクニック
活用例1:会議案内の変更通知
会議の日時や場所を変更するとき、取り消し線は非常に便利です。
例文
【会議日程変更のお知らせ】
日時:~~12月15日(金)14:00~~ → 12月18日(月)15:00
場所:~~第1会議室~~ → 第2会議室
ご確認よろしくお願いいたします。
変更前の情報を取り消し線で残すことで、「何が変わったのか」が明確になります。
活用例2:見積書や価格表の訂正
価格変更を伝える際にも効果的です。
例文
【12月限定キャンペーン価格】
商品A:~~通常価格 10,000円~~ → 特別価格 8,500円
商品B:~~通常価格 15,000円~~ → 特別価格 12,000円
値引き額が視覚的に分かりやすくなり、お得感を演出できるでしょう。
活用例3:タスクリストの進捗管理
チーム内のタスク共有メールで使えます。
例文
【本日のタスク進捗】
~~提案資料の作成~~ (完了)
~~クライアントへの送付~~ (完了)
フィードバック待ち (進行中)
修正作業 (未着手)
完了したタスクに取り消し線を引けば、進捗状況が一目で分かります。
活用例4:オプションの削除や変更
複数の選択肢から一部を除外するときにも使えます。
例文
【ランチ候補】
1. イタリアン
2. ~~中華~~ (定休日のため除外)
3. 和食
4. ~~カフェ~~ (満席のため除外)
候補から外れた理由も併記すれば、より親切な案内になるでしょう。
よくあるトラブルと解決方法

ショートカットキーが効かない
「Ctrl + Alt + D」を押しても取り消し線が引けない場合があります。
原因1:他のソフトとの競合
パソコンにインストールしている他のソフト(スクリーンショットツールなど)が同じショートカットを使っている可能性があります。
解決方法
リボンメニューから取り消し線ボタンを使うか、競合しているソフトのショートカット設定を変更してください。
原因2:テキスト形式メールの場合
メールの形式が「テキスト形式」になっていると、取り消し線を含むすべての書式設定が使えません。
解決方法
- 「書式設定」タブをクリック
- 「HTML」または「リッチテキスト」を選択
- 形式を変更してから取り消し線を設定
受信者側で取り消し線が表示されない
送ったメールの取り消し線が相手に表示されない場合があります。
原因:相手のメールソフトの設定
受信者が「テキスト形式」でメールを表示する設定にしていると、取り消し線を含む書式が無視されます。
対処方法
残念ながら、送信者側ではコントロールできません。ただし、ほとんどの現代的なメールクライアントはHTML形式に対応しているため、通常は問題なく表示されるでしょう。
重要な変更事項を伝える場合は、取り消し線だけに頼らず、「変更前→変更後」のように文章でも明記すると安心です。
取り消し線が太すぎる・細すぎる
取り消し線の太さは、フォントサイズに連動して自動調整されます。
調整方法
フォントサイズを変更すれば、取り消し線の太さも変わります。ただし、取り消し線の太さだけを個別に調整することはOutlookではできません。
取り消し線と他の書式を組み合わせる
複数の書式を同時に適用
取り消し線は、他の書式設定と組み合わせて使えます。
可能な組み合わせ例
太字 + 取り消し線重要な変更点 のように、削除された重要項目を目立たせられます。
色 + 取り消し線
赤文字の取り消し線で、削除予定の警告事項を強調できるでしょう。
斜体 + 取り消し線
補足情報や注釈を削除する際に使えます。
段階的な編集履歴の表現
複数回の修正履歴を色分けで表現することも可能です。
例文
価格:~~10,000円~~(1回目の訂正)~~9,500円~~(2回目の訂正)9,000円(最終)
ただし、複雑になりすぎると読みにくくなるので、適度な使用を心がけましょう。
テキスト形式との違いを理解する
メール形式の種類
Outlookには3つのメール形式があります。
HTML形式
最も多機能で、取り消し線を含むすべての書式設定が使えます。現代のメールでは標準的な形式です。
リッチテキスト形式
Microsoft独自の形式で、書式設定が可能ですが、Outlook以外では正しく表示されない場合があります。
テキスト形式
文字だけのシンプルな形式で、書式設定は一切使えません。取り消し線も使用不可です。
確認と変更方法
現在のメール形式を確認・変更するには:
手順
- メール作成画面を開く
- 「書式設定」タブをクリック
- 「形式」グループで現在の形式を確認
- 必要に応じて「HTML」を選択
取り消し線を使いたい場合は、必ず「HTML形式」または「リッチテキスト形式」を選択してください。
まとめ:取り消し線で分かりやすいメールを作ろう
Outlookの取り消し線機能は、メールをより分かりやすく、視覚的に魅力的にする便利なツールです。
この記事のポイント
- 基本操作:「Ctrl + Alt + D」で素早く取り消し線を設定・解除
- 複数の方法:ショートカット、リボンメニュー、フォントダイアログから選べる
- Web版でも使用可能:ブラウザ版Outlookでも同じショートカットが有効
- 活用シーン:変更通知、価格表示、タスク管理、オプション削除など多彩
- 注意点:HTML形式でのみ使用可能、モバイルアプリは閲覧のみ
取り消し線は単なる装飾ではなく、「何が変わったのか」「何が削除されるのか」を明確に伝えるコミュニケーションツールです。
会議の変更案内、価格改定のお知らせ、タスクの進捗報告など、ビジネスシーンで活用できる場面は数多くあります。ショートカットキー「Ctrl + Alt + D」を覚えて、今日から実践してみてください。きっとメールの分かりやすさが格段に向上するはずです。


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