「仕事用とプライベート用のメールを別々のアプリで管理するのって面倒…」
そんな悩みを抱えている方に朗報です。無料メールソフトのThunderbird(サンダーバード)なら、複数のメールアカウントを一つの画面でまとめて管理できます。
この記事では、Thunderbirdにメールアカウントを追加する方法を、初心者の方でもわかるように画像なしでも理解できるよう丁寧に解説していきます。
Gmail、Yahoo!メール、Outlookなど、どんなメールサービスでも設定できるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
Thunderbirdとは?なぜ複数アカウント管理に最適なのか

Thunderbirdは、Mozilla(モジラ)という団体が開発している無料のメールソフトです。
主な特徴
- 完全無料で使える
- Windows、Mac、Linuxすべてに対応
- 迷惑メールフィルター機能が優秀
- アドオン(追加機能)で自分好みにカスタマイズ可能
- セキュリティ対策がしっかりしている
「メールソフト」というのは、パソコンにインストールして使うメール管理アプリのことです。ブラウザ(ChromeやEdgeなど)でメールを見るのと違って、オフラインでもメールを読めたり、複数のメールアカウントを一度に管理できたりするメリットがあります。
特に仕事用、プライベート用、副業用など、複数のメールアドレスを使い分けている方には、Thunderbirdの一元管理機能が非常に便利です。
アカウント追加の前に準備するもの
実際の設定に入る前に、以下の情報を手元に用意しておきましょう。
必要な情報
- メールアドレス(例:example@gmail.com)
- パスワード(メールアカウントのログインパスワード)
- 送信者名(メールを送ったときに相手に表示される名前)
基本的にはこの3つだけでOKです。Thunderbirdは賢いので、入力したメールアドレスから自動的にサーバー設定を見つけてくれます。
Gmail、Yahoo!メール、Outlook.comなどの主要なメールサービスなら、ほぼ100%自動設定が成功します。
【基本編】初めてアカウントを追加する方法
それでは、実際の手順を見ていきましょう。
手順1:Thunderbirdを起動する
まずはThunderbirdを起動します。
初回起動の場合は、自動的に「既存メールアカウントのセットアップ」というウィンドウが表示されるので、そのまま次の手順に進んでください。
手順2:必要情報を入力する
表示された画面に、以下の情報を入力していきます。
- あなたのお名前:メール送信時に相手に表示される名前(例:山田太郎)
- メールアドレス:追加したいメールアドレス
- パスワード:そのメールアドレスのパスワード
すべて入力したら「続ける」ボタンをクリックしましょう。
手順3:自動設定を確認する
「続ける」をクリックすると、Thunderbirdが自動的にサーバー設定を探してくれます。
数秒待つと、「アカウント設定がMozilla ISPデータベースから見つかりました」というメッセージが表示されることがあります。これは「自動設定が成功した」という意味なので安心してください。
表示された設定内容を確認して、問題なければ「完了」ボタンをクリックします。
手順4:設定完了
これで最初のアカウント追加は完了です!
Thunderbirdの左側メニューに、今追加したメールアカウントが表示されているはずです。受信トレイ、送信済みアイテム、ごみ箱などのフォルダも自動的に作成されています。
【応用編】2個目以降のアカウントを追加する方法
「もう一つ別のメールアドレスも追加したい」という場合の手順を説明します。
手順1:メニューを開く
Thunderbirdの画面右上にある「三本線」のアイコン(ハンバーガーメニューと呼ばれます)をクリックします。
手順2:「アカウント設定」を選択
表示されたメニューから「アカウント設定」を選びます。
手順3:「メールアカウントを追加」をクリック
アカウント設定画面が開いたら、左側のメニューにある「アカウント操作」ボタンをクリックしてください。
すると、いくつかの選択肢が表示されるので、その中から「メールアカウントを追加」を選びます。
手順4:情報を入力して完了
あとは初回と同じように、名前、メールアドレス、パスワードを入力して「続ける」→「完了」の順にクリックすれば、2個目のアカウント追加は完了です。
3個目、4個目も同じ手順で追加できますよ。
Gmailを追加する場合の特別な手順(OAuth2認証)
Gmailなどの一部のメールサービスでは、「OAuth2(オーオース・ツー)」という特別な認証方式を使います。
OAuth2というのは、パスワードを直接入力するのではなく、Googleのログイン画面を経由して安全に認証する仕組みのことです。より安全性が高いので、最近では多くのサービスで採用されています。
Gmail追加時の追加手順
基本的な流れは同じですが、「完了」ボタンをクリックした後に以下の追加作業が必要です。
1. Googleのログイン画面が表示される
新しいウィンドウまたはタブで、Googleのログイン画面が自動的に開きます。
2. メールアドレスを入力
追加したいGmailアドレスを入力して「次へ」をクリックします。
3. パスワードを入力
そのアカウントのパスワードを入力して「次へ」をクリックしましょう。
4. アクセス許可を承認
「ThunderbirdがGoogleアカウントへのアクセスをリクエストしています」という画面が表示されるので、内容を確認して「許可」をクリックします。
これでGmailの追加も完了です。
最新版の「アカウントハブ」について知っておこう
Thunderbird 140.0以降のバージョンでは、「アカウントハブ」という新しい設定画面が導入されました。
アカウントハブでは、メールアカウントだけでなく、カレンダーやアドレス帳も同時に設定できるようになっています。
ただし、「カレンダーは使わない」「シンプルに設定したい」という方には、従来の設定画面のほうが使いやすいかもしれません。
アカウントハブを使わない設定方法
もし従来の設定画面を使いたい場合は、以下の手順で切り替えられます。
- 画面右上の「三本線」メニューをクリック
- 「設定」を選択
- 左側メニューの「一般」をクリック
- 「アカウントハブ」の項目を探す
- 「新アカウントハブでアカウントを作成する」のチェックを外す
これで、次回からは従来の設定画面が表示されるようになります。
手動設定が必要なケースとその方法

自動設定がうまくいかない場合や、会社のメールサーバーなど特殊な設定が必要な場合は、手動設定を行います。
手動設定で必要な情報
手動設定には、以下の情報が必要になります。
- 受信サーバーの種類(POP3またはIMAP)
- 受信サーバーのアドレス(例:mail.example.com)
- 受信サーバーのポート番号(例:993)
- 送信サーバーのアドレス(例:smtp.example.com)
- 送信サーバーのポート番号(例:587)
- セキュリティ設定(SSL/TLSまたはSTARTTLS)
これらの情報は、メールサービスのマニュアルやヘルプページに記載されているので、あらかじめ確認しておきましょう。
手動設定の手順
- アカウント情報入力後、「続ける」をクリック
- 自動設定が表示されたら、「手動設定」ボタンをクリック
- 受信サーバー、送信サーバーの情報を入力
- 「再テスト」ボタンで設定を確認
- 問題なければ「完了」をクリック
手動設定は少し難易度が高いですが、一度設定してしまえば後は自動設定と同じように使えます。
よくあるトラブルと解決方法
トラブル1:パスワードが認証されない
原因と解決策
- パスワードの入力ミスがないか再確認しましょう
- CapsLockがオンになっていないかチェックしてください
- Gmailの場合、2段階認証を有効にしている場合は「アプリパスワード」が必要です
Gmailで2段階認証を使っている場合は、通常のパスワードではなく、Google側で発行する「アプリパスワード」という特別なパスワードを使う必要があります。
トラブル2:メールが受信できない
原因と解決策
- インターネット接続を確認しましょう
- アカウント設定で受信サーバーの設定が正しいか確認してください
- メールサーバー側でメンテナンス中の可能性もあります
トラブル3:設定画面が表示されない
原因と解決策
- Thunderbirdを再起動してみましょう
- 最新バージョンにアップデートしてください
- それでも解決しない場合は、一度Thunderbirdを再インストールすることも検討しましょう
複数アカウントを効率的に管理するコツ
複数のメールアカウントを追加したら、以下のような工夫で管理がさらに便利になります。
コツ1:アカウントごとに色を設定する
Thunderbirdでは、アカウントごとに識別色を設定できます。
視覚的にどのアカウントのメールか分かりやすくなるので、誤送信の防止にも役立ちます。
コツ2:フォルダを整理する
受信トレイが複数のアカウントで散らかってしまわないよう、フィルター機能を使って自動振り分けを設定しましょう。
たとえば、仕事関連のメールは「仕事」フォルダに、プライベートは「個人」フォルダに自動的に振り分けることができます。
コツ3:統合受信トレイを活用する
Thunderbirdには「統合受信トレイ」という機能があり、すべてのアカウントの新着メールを一つの受信トレイにまとめて表示できます。
複数アカウントのメールを一度にチェックしたい方には便利な機能です。
まとめ
Thunderbirdへのメールアカウント追加は、思っているよりずっと簡単です。
この記事のポイント
- 基本的には「名前・メールアドレス・パスワード」の3つで自動設定可能
- 2個目以降も同じ手順で何個でも追加できる
- Gmailなど一部のサービスはOAuth2認証が必要
- 自動設定がうまくいかない場合は手動設定も可能
- 複数アカウント管理にはフィルターや色分け機能が便利
仕事用、プライベート用、副業用など、複数のメールアドレスを一つのソフトで管理できれば、メールチェックの効率が大幅にアップします。
今回紹介した手順を参考に、ぜひThunderbirdで快適なメール環境を構築してみてください。
設定でわからないことがあっても、焦らず一つずつ確認していけば必ず解決できますよ!


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