静かな湖面に突然現れる巨大な影。
そして轟音とともに水中へ消えていく謎の生物——。
スコットランドには「ネッシー」で有名なネス湖がありますが、実はそこから約50キロ離れた場所に、もう一つの湖の怪物伝説が存在するんです。
その名も「モラーグ」。ネッシーに次いでスコットランドで最も有名な湖の怪物として、130年以上にわたって目撃され続けています。
この記事では、謎に包まれた湖の怪物「モラーグ」について、その正体や特徴、衝撃的な目撃証言を詳しくご紹介します。
モラーグってどんな生物なの?

モラーグは、スコットランドのモラール湖(Loch Morar)に生息するとされる未確認生物(UMA)です。
「モラーグ」という名前は、生息地である湖の名前「モラール」とスコットランドの女性の名前「モラグ」を掛け合わせたものなんですね。海外では「ロッホ・モラー・モンスター」とも呼ばれています。
1887年から目撃例が報告され始め、1981年までに34件もの目撃談が記録されました。そのうち16件は複数の人が同時に目撃したという、信頼性の高い証言なんです。
ネッシーに次いで、スコットランドで最も書き記された伝説的な怪物として知られています。
姿・見た目
モラーグの外見は、目撃証言によって詳しく描写されています。
基本的な特徴
最も詳細な目撃証言(1969年の事件)によると、モラーグの姿はこんな感じです。
モラーグの外見的特徴
- 体長: 約7.6~9.1メートル(25~30フィート)
- 体色: 茶色っぽい色
- 皮膚: ざらざらした質感
- こぶ: 背中に3つの盛り上がり(水面から約46センチ突き出る)
- 頭部: 幅約30センチで、水面から約46センチ突き出ていた
- 首: 長い首を持つ
姿の変化
興味深いことに、モラーグの描写は時代とともに変化してきました。
1960年以前
当初は、男性を誘惑して溺死させる湖の精霊や死神のような存在として語られていました。つまり、物理的な生物というよりも、超自然的な存在だったんですね。
1960年以降
ネッシーが世界的に有名になると、モラーグも次第に首長竜タイプのUMAとして認識されるようになりました。頭部が小さく、首が長い、背中にコブを持つ恐竜のような姿です。
特徴
モラーグには、湖の怪物らしい特徴的な行動パターンがあります。
攻撃的な一面
他の湖の怪物と違って、モラーグには積極的に人間に接近するという特徴があるんです。
単に湖面に姿を現すだけでなく、時にはボートに近づいたり、体当たりしてくることもあるとされています。これは非常に珍しい行動で、ネッシーなどの他の湖の怪物にはあまり見られない特徴なんですね。
巨大な体格
目撃者たちの証言によると、モラーグの大きさはゾウよりも大きかったと言われています。
轟音を立てて水中に潜る様子が何度も目撃されており、その巨体が動くことで生じる水しぶきや波の大きさも相当なものだったようです。
伝承

モラーグについては、多くの目撃証言が残されています。その中でも特に有名な事件をご紹介しましょう。
最古の目撃談(1887年/1893年)
最も古い記録として残っているのは、1887年(一部の資料では1893年)の目撃談です。
湖面に浮かぶ黒い影が不気味な咆哮をあげたという報告がありました。この時点では、まだその正体が何なのか分かっていませんでした。
子供たちの目撃(1948年)
1948年には、ボートに乗った9人の子供たちが衝撃的な光景を目撃しました。
目撃の詳細
- 約6メートル(20フィート)の奇妙な蛇のような生物
- ゾウほどもある大きな体
- 大きな音を立てて沈んでいった
複数の子供たちが同時に見たという点で、この証言は信頼性が高いとされています。
最も有名な事件(1969年)
モラーグ伝説で最も有名なのが、1969年に起きた襲撃事件です。
事件の概要
- 地元の男性、ダンカン・マクドネルとウィリアム・シンプソンの2人が5メートルのモーターボートに乗っていた
- 突然、船の後方にモラーグが現れ、船を攻撃してきた
- マクドネルがオールで反撃
- シンプソンがライフルを発砲
- モラーグはゆっくりと潜って消えていった
この事件は、湖の怪物が人間と直接格闘したという、世界的にも極めて珍しい事例なんです。
写真撮影(1977年)
1977年には、M・リンゼイという人物が2枚の写真を撮影することに成功しました。
2枚の写真を比較すると、モラーグとされる物体が数ヤード位置を変えています。1枚目には丸い背中が、2枚目には2つのこぶのようなものが写っているそうです。
継続的な目撃
1887年から1981年までの間に、少なくとも34件の目撃例が報告されています。
1930年代には地元の小学生が、湖に飛び込む巨大な怪物の姿を目撃し、写真が公開されるなどしました。1983年にも目撃情報があり、モラーグ伝説は現代まで続いているんですね。
起源
モラーグの正体については、いくつかの説が提唱されています。
プレシオサウルス説
最も有力とされているのが、プレシオサウルス(首長竜)の生き残り説です。
この説の根拠
- 長い首と大きな体という外見的特徴が一致
- モラール湖がネス湖に近い位置にある
- ネッシーと同様の生態系を持つ可能性
多くの研究者が、モラーグの正体をネッシーと同じく古代の首長竜ではないかと推測しています。
ネッシーと同一説
さらに興味深い説もあります。それは、モラーグとネッシーが同一の存在ではないかという説です。
この説によると、モラール湖とネス湖は地下で繋がっているため、同じ生物が両方の湖を行き来している可能性があるというんです。
スコットランド一帯には、ほかにも似たような怪物の目撃談が複数存在することから、この地域に未知の巨大生物が潜んでいる可能性は高いと考える研究者もいます。
科学的調査
1970年、ネス湖現象研究所(LNIB)がモラーグを正式な調査対象に加えました。
その後、モラーグを発見するためにいくつかの探検隊が組織されましたが、残念ながら決定的な証拠は見つかっていません。巨大な生物の存在を裏付ける物的証拠も発見されていないんですね。
まとめ
モラーグは、ネッシーと並ぶスコットランドを代表する湖の怪物です。
重要なポイント
- スコットランドのモラール湖に生息するとされるUMA
- 1887年から130年以上にわたって目撃されている
- 体長約7.6~9.1メートル、茶色でざらざらした肌を持つ
- 背中に3つのこぶがある首長竜のような姿
- 1969年にはボートを襲撃し、人間と格闘した
- 正体はプレシオサウルスの生き残りという説が有力
- ネッシーと同一の存在かもしれないという説もある
ネッシーに比べると知名度は劣りますが、人間を襲撃したという衝撃的な事件や、複数の目撃証言の存在から、モラーグもまた実在する可能性を秘めた謎の生物なのかもしれません。
スコットランドの深い湖には、今も私たちの知らない巨大生物が潜んでいる——そんなロマンを感じさせてくれる存在です。


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