パソコンの設定を変更したい時、「設定」と「コントロールパネル」の2つがあって、どっちを使えばいいか迷ったことはありませんか?
実は、Windowsには昔からある「コントロールパネル」と、新しい「設定」アプリの2つの設定画面があるんです。
最近では「コントロールパネルが廃止される」という話題で注目を集めましたが、結局撤回され、今も重要な役割を果たしています。
この記事では、Windowsのコントロールパネルとは何か、設定アプリとの違い、使い方を初心者の方にも分かりやすくご紹介します。
概要

Windowsの「コントロールパネル」とは、パソコンの設定や機能を管理するための中心的なツールのことです。
1980年代の初代Windowsから存在している、長い歴史を持つ機能なんです。
コントロールパネルって何ができるの?
コントロールパネルでは、パソコンに関するあらゆる設定ができます。
コントロールパネルでできること
- ハードウェア(プリンター、マウス、キーボードなど)の設定
- ネットワークとインターネットの設定
- システムとセキュリティの設定
- ユーザーアカウントの管理
- プログラムのアンインストール
- 外観とディスプレイの設定
- 日付と時刻の設定
- サウンドの設定
要するに、パソコンを自分好みにカスタマイズしたり、トラブルを解決したりするための「設定の宝庫」なんです。
なぜ「パネル」なのか?
「コントロールパネル」という名前の由来を見てみましょう。
名前の意味
- Control(コントロール):制御する、操作する、管理する
- Panel(パネル):計器盤、操作盤、パネル
つまり、「パソコンを制御するための操作盤」という意味です。
飛行機のコックピットにたくさんの計器やスイッチが並んでいるように、パソコンの各種設定にアクセスできる「操作盤」だとイメージすると分かりやすいですね。
コントロールパネルの歴史
コントロールパネルは、Windowsの長い歴史とともに進化してきました。
コントロールパネルの変遷
- 1980年代:初代Windowsに登場
- Windows XP時代:カテゴリ表示とアイコン表示が選べるようになる
- Windows 8(2012年):「設定」アプリが登場し、一部機能が移行開始
- Windows 10(2015年):設定アプリが強化され、コントロールパネルが裏方に
- Windows 11(2021年):さらに設定アプリが充実するも、コントロールパネルは残存
長年Windowsユーザーに親しまれてきた機能なんです。
廃止騒動とは?
2024年8月、マイクロソフトが「コントロールパネルを廃止する」と公表し、大きな話題になりました。
廃止騒動の経緯
- 2024年8月23日:マイクロソフトがコントロールパネル廃止を発表
- ユーザーから「使いづらくなる」「慣れているのに」と反対の声
- 2024年8月28日:マイクロソフトが方針を撤回、廃止の記述を削除
結果として、コントロールパネルは今も健在で、Windows 11でも使い続けられています。
この騒動は、コントロールパネルがどれだけ多くのユーザーに必要とされているかを示したとも言えますね。
設定アプリとの違い
Windows 10以降、「設定」という新しいアプリが登場しました。
設定アプリ
- モダンで洗練されたデザイン
- タッチ操作に最適化
- よく使う基本的な設定が配置されている
- 初心者にも分かりやすい
コントロールパネル
- 従来からのクラシックなデザイン
- より詳細で高度な設定ができる
- Windows XP時代からのインターフェース
- 上級者向けの機能が多い
簡単に言うと、基本的な設定は「設定」アプリで、細かい設定はコントロールパネルでという使い分けになっています。
開き方
コントロールパネルを開く方法をいくつかご紹介します。
【最速】検索から開く
最も簡単で確実な方法です。
Windows 11での手順
- タスクバーの検索アイコン(虫眼鏡マーク)をクリック
- 「コントロールパネル」と入力
- 検索結果の「コントロールパネル」をクリック
Windows 10での手順
- タスクバーの検索ボックスをクリック
- 「コントロール」または「コントロールパネル」と入力
- 検索結果から「コントロールパネル デスクトップアプリ」を選択
検索機能を使えば、どのバージョンでも確実に見つかります。
【プロ向け】ファイル名を指定して実行
コマンドで直接開く方法です。
手順
- Windowsキー + R を押す
- 「control」と入力
- Enterキーまたは「OK」をクリック
この方法が最も早く開けます。「control」という短いコマンドなので覚えやすいですよ。
スタートメニューから開く(Windows 10)
従来の方法です。
Windows 10での手順
- スタートボタンをクリック
- アプリ一覧を下にスクロール
- 「W」の欄にある「Windows システムツール」を展開
- 「コントロールパネル」をクリック
Windows 11では、スタートメニューから直接アクセスできなくなったので、検索を使うのがおすすめです。
Windowsツールから開く(Windows 11)
Windows 11の新しい方法です。
手順
- スタートボタンをクリック
- 「すべてのアプリ」を選択
- 下にスクロールして「Windows ツール」を探す
- 「Windows ツール」をクリック
- フォルダーが開いたら「コントロールパネル」をダブルクリック
少し手順が多いので、検索を使う方が早いかもしれません。
タスクバーやスタートにピン留めする
頻繁に使う場合は、ピン留めしておくと便利です。
ピン留め手順
- 検索で「コントロールパネル」を見つける
- 右クリック
- 「スタートにピン留めする」または「タスク バーにピン留めする」を選択
これで、いつでもワンクリックでアクセスできます。
設定アプリから開く場合もある
設定アプリの一部項目は、クリックするとコントロールパネルが開きます。
例
- システム→サウンド→「サウンドの詳細設定」
- 個人用設定→色→「ハイ コントラスト」
設定アプリとコントロールパネルは、互いにリンクしている部分もあるんです。
主な機能

コントロールパネルの主なカテゴリと機能をご紹介します。
システムとセキュリティ
パソコンの根幹に関わる重要な設定です。
主な機能
- システム:パソコンの基本情報確認、コンピューター名の変更
- Windows Update:システム更新の確認
- 電源オプション:省電力設定、スリープ時間の変更
- バックアップと復元:システムのバックアップ作成
- Windows Defender ファイアウォール:セキュリティ設定
- デバイスマネージャー:ハードウェアの状態確認
特に、デバイスマネージャーは設定アプリからは直接開けないので、コントロールパネルが便利です。
ネットワークとインターネット
インターネット接続に関する設定です。
主な機能
- ネットワークと共有センター:接続状態の確認、ネットワーク設定
- ホームグループ:家庭内でファイルを共有
- インターネット オプション:ブラウザの詳細設定
Wi-Fiのトラブルシューティングなど、ネットワーク関連の問題解決に使います。
ハードウェアとサウンド
周辺機器や音に関する設定です。
主な機能
- デバイスとプリンター:接続されている機器の管理
- サウンド:スピーカーやマイクの詳細設定
- 電源オプション:バッテリー設定
- 自動再生:USBメモリ挿入時の動作設定
- マウス:マウスの詳細設定
サウンドの詳細設定は、設定アプリでは限定的なので、コントロールパネルから行うことが多いです。
プログラム
ソフトウェアに関する管理です。
主な機能
- プログラムのアンインストール:不要なソフトの削除
- Windowsの機能の有効化または無効化:システム機能のオン/オフ
- 既定のプログラム:ファイルを開くソフトの設定
特に、古いソフトのアンインストールは、コントロールパネルの方が確実なことがあります。
ユーザーアカウント
アカウントに関する管理です。
主な機能
- ユーザーアカウントの種類の変更:管理者権限の設定
- パスワードの変更:アカウントパスワードの設定
- アカウントの追加と削除:新しいユーザーの作成
家族でパソコンを共有する時などに使います。
外観とカスタマイズ
見た目に関する設定です。
主な機能
- 個人設定:デスクトップの背景、色の設定
- ディスプレイ:画面の解像度、テキストサイズ
- フォント:システムフォントの管理
- タスクバーとナビゲーション:タスクバーの設定
デザインの細かい調整は、コントロールパネルから行うことが多いです。
時計と地域
日時や言語に関する設定です。
主な機能
- 日付と時刻:システム時計の設定
- 地域:表示言語、日付形式の設定
タイムゾーンの変更など、細かい設定はここから行います。
コンピューターの簡単操作
アクセシビリティに関する設定です。
主な機能
- 音声認識:音声入力の設定
- 画面の拡大表示:拡大鏡の設定
- ハイコントラスト:見やすい色設定
視覚や聴覚に配慮した設定が集まっています。
表示モードの切り替え
コントロールパネルには、2つの表示モードがあります。
カテゴリ表示
デフォルトの表示モードです。
特徴
- 設定項目がカテゴリごとにまとめられている
- 初心者に分かりやすい
- 大きなアイコンと説明文が表示される
主なカテゴリ:システムとセキュリティ、ネットワークとインターネット、ハードウェアとサウンドなど。
アイコン表示(大きいアイコン/小さいアイコン)
すべての設定項目が一覧表示されます。
特徴
- すべての設定項目が一度に見える
- 目的の設定に直接アクセスできる
- 上級者向け
切り替え方法
- コントロールパネルを開く
- 右上の「表示方法」をクリック
- 「カテゴリ」「大きいアイコン」「小さいアイコン」から選択
慣れてきたら、アイコン表示の方が効率的かもしれません。
設定アプリとの使い分け
現代のWindowsでは、2つの設定ツールを状況に応じて使い分けます。
設定アプリを使うべき場面
設定アプリが便利な場面
- Wi-Fiの接続
- ディスプレイの明るさ調整
- アプリのアンインストール(Microsoft Store アプリ)
- 通知の設定
- プライバシー設定
- Windows Updateの基本操作
モダンな機能や、日常的によく使う設定は設定アプリが便利です。
コントロールパネルを使うべき場面
コントロールパネルが必要な場面
- サウンドの詳細設定
- デバイスマネージャーへのアクセス
- 電源オプションの詳細設定
- インターネットオプションの変更
- 古いデスクトップアプリのアンインストール
- システムの詳細情報確認
細かい調整や上級者向けの設定は、コントロールパネルが必要です。
両方からアクセスできる設定
一部の設定は、どちらからでもアクセスできます。
例
- プリンターの管理
- 日付と時刻
- 電源とバッテリー(基本設定)
- ネットワークの状態
ただし、コントロールパネルの方がより詳細な設定ができることが多いです。
よくある質問
コントロールパネルに関してよくある質問にお答えします。
コントロールパネルは本当に廃止されないの?
2024年8月の廃止発表は撤回され、現時点では廃止予定はありません。
ただし、長期的にはすべての機能が設定アプリに統合される方向性は変わっていないようです。
設定アプリとコントロールパネル、どっちを使えばいい?
基本的な考え方
- まず設定アプリで探してみる
- 見つからない、または機能が足りない場合はコントロールパネルを使う
迷ったら、両方確認してみるのも良いでしょう。
コントロールパネルが開けません
開けない場合の対処法です。
確認事項
- 検索で「コントロールパネル」と入力してみる
- 「control」コマンドで開いてみる
- Windowsの更新を確認
- システムファイルの修復を試す
それでも開けない場合は、システムに問題がある可能性があります。
Windows 11でコントロールパネルはどこ?
Windows 11でもコントロールパネルは存在します。
開き方
- 検索で「コントロールパネル」と入力
- Win + R →「control」と入力
- Windows ツールフォルダーから開く
見つけにくくなっていますが、ちゃんとあります。
コントロールパネルの項目が英語になっています
表示言語が英語に設定されている可能性があります。
確認方法
- 設定アプリを開く
- 「時刻と言語」→「言語と地域」
- 優先する言語に「日本語」が設定されているか確認
設定を変更したら元に戻せなくなりました
システムの復元機能を使えば、以前の状態に戻せます。
復元の手順
- コントロールパネル→「システムとセキュリティ」
- 「システム」→「システムの保護」
- 「システムの復元」ボタンをクリック
- 復元ポイントを選択
ただし、復元ポイントが作成されている必要があります。
まとめ
Windowsのコントロールパネルは、パソコンのあらゆる設定を管理する中心的なツールです。
重要なポイント
- コントロールパネルは1980年代から存在する歴史あるツール
- パソコンの設定や機能を一元管理できる
- Windows 10/11では「設定」アプリと併存
- 廃止騒動があったが撤回され、現在も使用可能
- 詳細な設定はコントロールパネルが必要
- 検索で「コントロールパネル」と入力するのが最も簡単
開き方のおさらい
- 最速:検索で「コントロールパネル」と入力
- プロ向け:Win + R →「control」と入力
- 従来:スタートメニュー→Windows システムツール→コントロールパネル
使い分けのコツ
- 基本的な設定→設定アプリ
- 詳細な設定→コントロールパネル
- 迷ったら両方確認
コントロールパネルは、一見難しそうに見えますが、使い方を覚えればパソコンを自分好みにカスタマイズできる便利なツールです。
最初はよく使う設定項目だけを覚えて、徐々に使いこなしていきましょう。
トラブルが起きた時の解決にも、コントロールパネルの知識は役立ちます。ぜひこの記事を参考に、コントロールパネルを活用してみてください!

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