パソコンから音が出ない、マイクが認識されない、音量を細かく調整したい…そんな時、どこで設定すればいいか迷ったことはありませんか?
Windowsには「サウンドコントロールパネル」という、音に関するすべての設定ができる画面があります。
しかし、Windows 10や11になってから、この画面がどこにあるのか分かりにくくなったと感じる人も多いはずです。
この記事では、Windowsのコントロールパネルにある「サウンド」設定について、開き方から具体的な使い方まで初心者の方にも分かりやすくご紹介します。
概要

Windowsの「サウンドコントロールパネル」とは、パソコンのスピーカーやマイクなど、音に関するすべての詳細設定ができる画面のことです。
正式には「サウンド」または「サウンドの詳細設定」と呼ばれています。
サウンドコントロールパネルって何ができるの?
この画面では、音に関する様々な設定ができます。
サウンドコントロールパネルでできること
- スピーカーやヘッドホンの切り替え
- マイクの設定と音量調整
- Windowsの効果音の変更
- 既定のデバイスの設定
- 音質の調整(サンプリングレート、ビット深度など)
- 空間オーディオの設定
- 通話時の音量自動調整
特に、複数のスピーカーやマイクを接続している時に、どれを使うか選ぶ場面で便利なんです。
新しい「設定」アプリとの違い
Windows 10以降、「設定」アプリという新しい設定画面が登場しました。
設定アプリのサウンド設定
- シンプルで分かりやすい
- 基本的な設定ができる
- タッチ操作にも対応
コントロールパネルのサウンド設定
- 詳細な設定ができる
- プロ向けの項目が多い
- Windows 7時代から使われている
基本的な設定は「設定」アプリで、細かい調整はコントロールパネルで行うのが一般的です。
どんな時に必要になるの?
サウンドコントロールパネルは、こんな場面で使います。
使う場面の例
- パソコンから音が出なくなった時
- マイクが認識されない時
- 外付けスピーカーやヘッドホンに切り替えたい時
- Zoomやテレビ会議で音声トラブルが起きた時
- 音質を細かく調整したい時
- Windowsの効果音を変更したい時
特に、リモートワークやオンライン会議が増えた今、マイクやスピーカーの設定を確認する機会が増えています。
Windows 11と10での違い
基本的な機能は同じですが、開き方が少し違います。
Windows 11の特徴
- 設定アプリが大幅に刷新された
- サウンド設定へのアクセスが分かりやすくなった
- ただし、詳細設定は従来通りコントロールパネルから
Windows 10の特徴
- 設定アプリとコントロールパネルが混在
- 詳細設定へのアクセスがやや分かりにくい
どちらのバージョンでも、最終的に開く画面は同じです。
開き方
サウンドコントロールパネルを開く方法を、いくつかご紹介します。
【最速】タスクバーのスピーカーアイコンから開く
最も簡単で早い方法です。
Windows 11での手順
- タスクバー右下のスピーカーアイコンを右クリック
- 「サウンドの設定」をクリック
- 設定画面が開いたら下にスクロール
- 「サウンドの詳細設定」をクリック
- サウンドコントロールパネルが開く
Windows 10での手順
- タスクバー右下のスピーカーアイコンを右クリック
- 「サウンドの設定を開く」をクリック
- 設定画面の右側を下にスクロール
- 「サウンドコントロールパネル」をクリック
スピーカーアイコンが見えない場合は、タスクバーの「∧」(上向き矢印)をクリックすると表示されます。
【確実】コントロールパネルから開く
従来通りの方法です。
Windows 11での手順
- スタートボタンを右クリック
- 「設定」を選択
- 検索ボックスに「コントロールパネル」と入力
- 「コントロールパネル」をクリック
- 「ハードウェアとサウンド」をクリック
- 「サウンド」をクリック
Windows 10での手順
- スタートボタンをクリック
- 「Windows システムツール」→「コントロールパネル」を選択
- 表示方法を「カテゴリ」にする
- 「ハードウェアとサウンド」をクリック
- 「サウンド」をクリック
コントロールパネルの表示が「小さいアイコン」や「大きいアイコン」になっている場合は、直接「サウンド」をクリックすればOKです。
【プロ向け】ファイル名を指定して実行から開く
コマンドで直接開く方法です。
手順
- Windowsキー + R を押す
- 「ファイル名を指定して実行」が開く
- 「mmsys.cpl」と入力
- Enterキーまたは「OK」をクリック
- サウンドコントロールパネルが直接開く
この方法が最も早く開けます。「mmsys.cpl」を覚えておくと便利ですよ。
【便利】検索機能から開く
Windows検索を使う方法です。
手順
- タスクバーの検索ボックスをクリック
- 「サウンドの設定」または「サウンド」と入力
- 検索結果から「サウンドの設定」を選択
- 「サウンドの詳細設定」または「サウンドコントロールパネル」をクリック
検索機能は、場所を覚えていなくても見つけられるので便利です。
ショートカットを作成する
頻繁に使う場合は、デスクトップにショートカットを作っておくと便利です。
ショートカット作成手順
- デスクトップの空いている場所を右クリック
- 「新規作成」→「ショートカット」を選択
- 「項目の場所」に「mmsys.cpl」と入力
- 「次へ」をクリック
- 名前を「サウンド設定」などに変更
- 「完了」をクリック
これで、デスクトップのショートカットをダブルクリックするだけで開けるようになります。
設定項目
サウンドコントロールパネルには、4つのタブがあります。
再生タブ
スピーカーやヘッドホンなど、音を出すデバイスを管理するタブです。
再生タブでできること
- 既定のスピーカーを選択する
- デバイスの有効/無効を切り替える
- 音量レベルを調整する
- 音質を設定する(サンプリングレート、ビット深度)
- 拡張機能を設定する
基本的な使い方
- 「再生」タブを開く
- 使いたいデバイス(スピーカーなど)を選択
- 「既定値に設定」ボタンをクリック
- または右クリック→「既定のデバイスとして設定」
既定に設定されたデバイスには、緑色のチェックマークが表示されます。
録音タブ
マイクなど、音を録音するデバイスを管理するタブです。
録音タブでできること
- 既定のマイクを選択する
- マイクの音量を調整する
- マイクブーストを設定する
- ノイズ抑制などの拡張機能を設定する
マイクが認識されない時の確認方法
- 「録音」タブを開く
- 何も表示されていない場合、空白部分を右クリック
- 「無効なデバイスの表示」にチェックを入れる
- マイクが表示されたら右クリック→「有効化」
Zoomやテレビ会議で音声が届かない時は、ここを確認しましょう。
サウンドタブ
Windowsの効果音を設定するタブです。
サウンドタブでできること
- 起動音やエラー音を変更する
- サウンドテーマを選択する
- 個別のイベントに音を割り当てる
- すべての音を無効にする
効果音を変更する方法
- 「サウンド」タブを開く
- 「プログラムイベント」から変更したいイベントを選択
- 「サウンド」ドロップダウンから音を選択
- 「テスト」ボタンで確認
- 「OK」で保存
「サウンド設定なし」を選べば、Windowsの効果音を完全に消すこともできます。
通信タブ
通話中の音量自動調整を設定するタブです。
通信タブでできること
- Windowsが通話を検出した時の動作を設定
- 他の音を小さくするかどうかを選択
設定の種類
- すべての他のサウンドをミュートにする:通話中は音楽などが完全に消える
- 他のサウンドの音量を80%下げる:通話を優先しつつ、他の音も聞こえる
- 他のサウンドの音量を50%下げる:バランス型
- 何もしない:音量調整しない
通話中に音楽が勝手に小さくなるのが嫌な場合は、「何もしない」を選びましょう。
デバイスのプロパティ

各デバイスをダブルクリック、または右クリック→「プロパティ」で、さらに詳細な設定ができます。
全般タブ
デバイスの基本情報が表示されます。
確認できる情報
- デバイス名
- コントローラー情報
- デバイスの使用状況
「デバイスの使用状況」で「このデバイスを使用する(有効)」を選ぶと、デバイスが有効になります。
レベルタブ
音量を細かく調整できます。
調整できる項目
- メイン音量
- 左右バランス
- マイクの場合は、マイクブースト
マイクブーストは、声が小さい時に便利ですが、上げすぎるとノイズが増えるので注意が必要です。
拡張機能タブ
音質を向上させる特殊な機能を設定できます。
主な拡張機能
- 低音ブースト
- 仮想サラウンド
- ラウドネス等化
- ルームコレクション
これらは環境によって効果が異なるので、いろいろ試してみるのがおすすめです。
詳細タブ
音質の詳細設定ができます。
設定できる項目
- サンプリングレート(例:44.1 kHz、48 kHz、96 kHz)
- ビット深度(16ビット、24ビット、32ビット)
- 排他モード
高音質で音楽を聴きたい場合は、サンプリングレートを上げると良いでしょう。ただし、デバイスが対応している必要があります。
空間オーディオタブ
立体音響の設定ができます(Windows 10 バージョン1703以降)。
設定できる項目
- Windows Sonic for Headphones
- Dolby Atmos for Headphones
ヘッドホンで映画やゲームを楽しむ時に、より臨場感のある音を体験できます。
よくある問題と解決方法
サウンド設定でよくある問題と、その解決方法をご紹介します。
音が出ない
パソコンから音が出ない場合の対処法です。
確認手順
- サウンドコントロールパネルの「再生」タブを開く
- 正しいデバイスが既定に設定されているか確認
- デバイスが「無効」になっていないか確認
- 音量スライダーが最小になっていないか確認
- 「プロパティ」→「レベル」タブで音量を確認
それでも解決しない場合は、デバイスドライバーの更新が必要かもしれません。
マイクが認識されない
マイクが使えない場合の対処法です。
確認手順
- 「録音」タブを開く
- 空白部分を右クリック→「無効なデバイスの表示」にチェック
- マイクが表示されたら右クリック→「有効化」
- 既定のデバイスに設定
- プロパティでレベルを確認(低すぎないか)
Windows 10以降は、プライバシー設定でマイクへのアクセスを許可する必要もあります。
デバイスが表示されない
スピーカーやマイクが一覧に出てこない場合です。
解決方法
- 空白部分を右クリック→「無効なデバイスの表示」と「切断されているデバイスの表示」の両方にチェック
- デバイスがパソコンに正しく接続されているか確認
- USBデバイスの場合、別のUSBポートに挿してみる
- Bluetoothデバイスの場合、ペアリングを確認
エラーコードが表示される
デバイスに問題がある時は、エラーコードが表示されます。
よくあるエラー
- コード10:デバイスを起動できません→ドライバーの再インストール
- コード28:ドライバーがインストールされていません→ドライバーのインストール
- コード43:デバイスが故障しています→ハードウェアの問題
デバイスマネージャーで該当デバイスのドライバーを更新または再インストールしましょう。
音質が悪い
音がこもる、ノイズが入るなどの問題です。
改善方法
- プロパティ→「拡張機能」タブで「すべての拡張機能を無効にする」にチェック
- 「詳細」タブでサンプリングレートを変更してみる
- マイクの場合、マイクブーストを下げる
- ケーブルの接触不良を確認
環境によって最適な設定が異なるので、いろいろ試してみましょう。
設定が保存されない
変更した設定がすぐに元に戻ってしまう場合です。
解決方法
- 管理者権限でログインしているか確認
- オーディオドライバーの設定ツールと競合していないか確認
- Windowsを再起動してから再度設定
- サウンドドライバーを最新版に更新
まとめ
Windowsのサウンドコントロールパネルは、音に関するあらゆる設定ができる重要な機能です。
重要なポイント
- サウンドコントロールパネルはスピーカーやマイクの詳細設定ができる
- タスクバーのスピーカーアイコンから簡単にアクセスできる
- 「mmsys.cpl」で直接開ける
- 再生・録音・サウンド・通信の4つのタブがある
- デバイスごとに細かい設定が可能
- 音が出ない時やマイクが認識されない時の問題解決に使える
開き方のおさらい
- 最速:タスクバーのスピーカーアイコン→サウンドの設定→サウンドの詳細設定
- 直接:Windowsキー + R →「mmsys.cpl」と入力→Enter
- 従来:コントロールパネル→ハードウェアとサウンド→サウンド
音のトラブルが起きた時、まずこのサウンドコントロールパネルを開いて設定を確認することで、多くの問題が解決します。
特にリモートワークやオンライン会議が増えた今、マイクやスピーカーの設定方法を知っておくことは、とても重要です。
設定に迷ったら、この記事を参考に一つずつ確認してみてください。きっと問題が解決するはずです!

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