Outlookが突然動かなくなった、メールが送受信できない、起動すらしない…そんな時に「プロファイルを削除して作り直してください」と言われて困ったことはありませんか?
プロファイルという言葉は聞いたことがあっても、実際に何をどう削除すればいいのか分からない方も多いはずです。
実は、Outlookのプロファイル削除は、様々な問題を解決する効果的な方法なんです。
この記事では、Outlookのプロファイル削除について、その意味から具体的な手順、注意点まで初心者の方にも分かりやすくご紹介します。
概要

Outlookの「プロファイル」とは、メールアカウントの設定情報やデータファイルの場所などをまとめた設定の集まりのことです。
簡単に言うと、Outlookが動作するための「設計図」のようなものなんです。
プロファイルには何が含まれているの?
プロファイルには、Outlookを使うための様々な情報が保存されています。
プロファイルに含まれる情報
- メールアカウントの設定(サーバー情報など)
- データファイル(PSTファイル)の保存場所
- アドレス帳の設定
- 送受信グループの設定
- 仕分けルールやクイック操作
- 署名の設定
- 表示設定やオプション
これらの設定情報がひとまとめになって、一つのプロファイルを構成しているんです。
プロファイルとデータの違い
ここで重要なのは、プロファイルを削除してもメール本体は削除されないということです。
プロファイル
- アカウント設定などの「情報」
- 削除してもメールやカレンダーは残る
- 設定だけを削除する
データファイル(PSTファイル)
- 実際のメールや連絡先が保存されている「ファイル」
- 削除するとメールも消える
- プロファイル削除では削除されない
プロファイルは「地図」、データファイルは「宝物」だと考えてください。地図を捨てても宝物は残りますが、宝物の場所が分からなくなるイメージです。
なぜプロファイルを削除するの?
プロファイル削除は、主にOutlookのトラブル解決のために行います。
プロファイル削除が必要な場面
- Outlookが起動しない
- メールの送受信ができない
- 頻繁にフリーズする
- エラーメッセージが繰り返し表示される
- アカウント設定がうまくいかない
- プロファイルが破損している
プロファイルが壊れてしまうと、様々な問題が発生します。そんな時、プロファイルを削除して新しく作り直すことで、多くの問題が解決するんです。
削除すると何が起こるの?
プロファイルを削除すると、設定がリセットされます。
削除後に必要な作業
- 新しいプロファイルの作成
- メールアカウントの再設定
- データファイルの再接続
- 署名や仕分けルールの再設定
つまり、Outlookを初めて使う時と同じ状態に戻るということです。
削除前の重要な注意点
プロファイル削除は便利な解決方法ですが、事前に確認すべきことがあります。
削除前のチェックリスト
- メールアカウントのパスワードを控えているか
- サーバー情報(POP/IMAP設定)を控えているか
- 重要なメールはエクスポートしたか
- データファイル(PSTファイル)の場所を把握しているか
- 署名のテキストを保存しているか
特にメールアカウントの情報がないと、再設定ができなくなってしまいます。必ず事前に確認しましょう。
削除方法
それでは、実際にOutlookのプロファイルを削除する手順を見ていきましょう。
【準備】メールアカウント情報を確認する
削除する前に、必ず再設定に必要な情報を確認しておきます。
確認すべき情報
- メールアドレス
- パスワード
- 受信サーバー(POPまたはIMAP)の情報
- 送信サーバー(SMTP)の情報
- ポート番号
- セキュリティの種類
会社のメールの場合は、IT部門に情報を確認しておきましょう。
【手順1】Outlookを完全に終了する
プロファイル削除の前に、Outlookを完全に終了させます。
完全終了の手順
- Outlookの画面を閉じる
- タスクバーの通知領域(右下)を確認
- Outlookのアイコンがあれば右クリック
- 「終了」を選択
- タスクマネージャーを開く(Ctrl + Shift + Esc)
- Outlookが動作していないか確認
- 残っていれば「タスクの終了」
バックグラウンドで動作していると、プロファイル削除ができないことがあります。
【手順2】コントロールパネルからメール設定を開く
Outlookのプロファイル管理は、コントロールパネルから行います。
Windows 11でのコントロールパネルの開き方
- タスクバーの検索ボックスに「コントロールパネル」と入力
- 「コントロールパネル」をクリック
- 表示方法を「大きいアイコン」または「小さいアイコン」に変更
- 「Mail (Microsoft Outlook 16)」または「Mail」をダブルクリック
Windows 10での開き方
- スタートボタンを右クリック
- 「コントロールパネル」を選択
- 表示方法を「アイコン」に変更
- 「Mail」をダブルクリック
コントロールパネルの表示方法が「カテゴリ」になっていると見つけにくいので、「アイコン」表示に変更するのがポイントです。
【手順3】プロファイル管理画面を開く
メール設定の画面から、プロファイル管理に進みます。
プロファイル管理画面の開き方
- 「メールセットアップ – Outlook」ウィンドウが開く
- 「プロファイルの表示」ボタンをクリック
- 「メール」ウィンドウが開く
- 現在のプロファイル一覧が表示される
この画面で、すべてのプロファイルが一覧表示されます。
【手順4】プロファイルを削除する
いよいよ実際の削除作業です。
削除の手順
- 削除したいプロファイルを選択
- 「削除」ボタンをクリック
- 確認メッセージが表示される
- 内容を確認して「はい」をクリック
- プロファイルが一覧から消える
この時点では、データファイルは削除されていません。設定情報だけが削除された状態です。
【手順5】新しいプロファイルを作成する
削除したら、新しいプロファイルを作成します。
新規プロファイル作成手順
- 「メール」ウィンドウで「追加」ボタンをクリック
- 「新しいプロファイル」ウィンドウが開く
- プロファイル名を入力(例:「Outlook」や「新しいプロファイル」)
- 「OK」をクリック
- 「アカウントの追加」ウィンドウが開く
- メールアドレスを入力
- 「接続」をクリック
- パスワードを入力
- 自動設定が完了するのを待つ
自動設定がうまくいかない場合は、手動で設定を入力する必要があります。
【手順6】既存のデータファイルを接続する
既存のメールデータを新しいプロファイルに接続します。
データファイル接続手順
- Outlookを起動
- 「ファイル」タブをクリック
- 「アカウント設定」→「アカウント設定」を選択
- 「データファイル」タブを開く
- 「追加」をクリック
- 既存のPSTファイルを選択
- 「OK」をクリック
既存のPSTファイルは通常、以下の場所にあります:
C:\Users\[ユーザー名]\Documents\Outlook ファイルC:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Microsoft\Outlook
【手順7】既定のプロファイルを設定する
複数のプロファイルがある場合、どれを使うか設定します。
既定プロファイル設定手順
- 「メール」ウィンドウを開く
- 「使用するプロファイル」セクションを確認
- 「常に使用するプロファイル」を選択
- ドロップダウンリストから新しいプロファイルを選択
- 「OK」をクリック
これで、次回Outlook起動時から新しいプロファイルが使われます。
複数プロファイルの管理
場合によっては、複数のプロファイルを使い分けることもできます。
複数プロファイルの使い分け方
- 「メール」ウィンドウで「使用するプロファイルの選択」を選ぶ
- Outlook起動時にプロファイルを選べるようになる
- 仕事用とプライベート用で分けることができる
ただし、通常は一つのプロファイルで十分です。
削除できない場合の対処法
プロファイルが削除できない時の対処法です。
削除できない時の確認事項
- Outlookが完全に終了しているか
- 管理者権限でログインしているか
- 他のユーザーがそのプロファイルを使用していないか
- Windowsを再起動してから試す
それでも削除できない場合は、セーフモードでWindowsを起動してから試してみましょう。
よくある質問

プロファイル削除に関してよくある質問にお答えします。
プロファイルを削除するとメールも消えますか?
いいえ、プロファイルを削除してもメール本体(PSTファイル)は削除されません。
ただし、新しいプロファイルでデータファイルを再接続する必要があります。
複数のメールアカウントを使っている場合は?
複数のアカウントを使っている場合も、すべて再設定が必要です。
新しいプロファイル作成後に、一つずつアカウントを追加していきます。
署名や仕分けルールはどうなりますか?
プロファイルを削除すると、署名や仕分けルールも消えます。
事前にエクスポートしておくか、テキストファイルなどに保存しておくことをおすすめします。
削除後、古いプロファイルに戻せますか?
一度削除したプロファイルは元に戻せません。
ただし、データファイル自体は残っているので、新しいプロファイルで同じデータにアクセスできます。
プロファイルを削除しても問題が解決しない場合は?
プロファイル削除で解決しない場合、以下を試してみましょう。
他の解決方法
- Office修復ツールを実行
- Outlookの再インストール
- データファイル(PSTファイル)の修復
- Windowsユーザープロファイルの問題を確認
- Microsoftサポートに問い合わせ
プロファイルとアカウントの違いは?
プロファイルは設定の集まり、アカウントは個別のメールアドレスの設定です。
一つのプロファイルの中に、複数のアカウントを持つことができます。
まとめ
Outlookのプロファイル削除は、様々なトラブルを解決する効果的な方法です。
重要なポイント
- プロファイルはアカウント設定などの情報の集まり
- 削除してもメール本体(データファイル)は消えない
- 削除前に必ずアカウント情報を控える
- コントロールパネルの「Mail」から削除する
- 削除後は新しいプロファイルを作成する
- 既存のデータファイルを再接続すれば過去のメールも見られる
- 署名や仕分けルールは再設定が必要
削除の基本的な流れ
- アカウント情報を確認・控える
- Outlookを完全に終了
- コントロールパネル→Mail→プロファイルの表示
- プロファイルを選択して削除
- 新しいプロファイルを作成
- メールアカウントを再設定
- データファイルを再接続
プロファイル削除は「リセットボタン」のようなものです。
Outlookの調子が悪い時、設定がうまくいかない時、この方法を試してみると、多くの問題が解決します。
ただし、削除は取り消せないので、必ず事前準備をしっかり行ってから実行してくださいね。
もし不安な場合は、会社のIT部門やパソコンに詳しい人に相談しながら作業することをおすすめします!


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