Outlookでメール一覧からメールを選択しても、内容が表示されない。プレビューウィンドウが真っ白だったり、「メッセージのプレビューを使用できません」と表示されたり。
こうしたトラブルは意外と多く、特に大切なメールが見られないときは焦ってしまいますよね。
実は、Outlookのプレビュー表示トラブルには、いくつかの典型的な原因があります。設定の問題だったり、ファイルの破損だったり、あるいはアドインが悪さをしていたり。
この記事では、Outlookのプレビューが表示されない原因と、誰でもできる解決方法を分かりやすく解説していきます。
Outlookの「プレビュー」って何?

まず、プレビュー機能について簡単に説明しておきましょう。
閲覧ウィンドウ(プレビューウィンドウ)とは
Outlookの閲覧ウィンドウは、メール一覧でメールを選択したときに、その内容をすぐに表示してくれる機能です。
「プレビューウィンドウ」や「読み取りウィンドウ」とも呼ばれることがあります。
表示位置は3種類:
- 右側表示:メール一覧の右側に内容を表示
- 下側表示:メール一覧の下部に内容を表示
- オフ:プレビューを表示せず、ダブルクリックで開く
メールをいちいちダブルクリックして開かなくても、選ぶだけで内容が確認できるので便利な機能なんですね。
プレビューが表示されない主な症状
トラブルの症状は人によって異なります。あなたの症状はどれに当てはまるでしょうか?
症状1:プレビューウィンドウが真っ白
メールを選択しても、プレビューエリアに何も表示されず、真っ白なまま。
症状2:エラーメッセージが表示される
- 「メッセージのプレビューを使用できません」
- 「このアイテムは開けません」
- 「Outlookでこのファイルのプレビューを表示できません」
こうしたメッセージが表示されることも。
症状3:一部のメールだけ表示されない
ほとんどのメールは正常に表示されるのに、特定のメール(添付ファイル付きなど)だけプレビューできない。
症状4:添付ファイルのプレビューができない
メール本文は表示されるけれど、PDFやWordなどの添付ファイルのプレビューが機能しない。
症状5:プレビューウィンドウ自体が消えた
以前は表示されていたプレビューウィンドウが、画面から完全に消えてしまった。
プレビュー表示されない原因7つ
それでは、考えられる原因を一つずつ見ていきましょう。
原因1:閲覧ウィンドウがオフになっている
最もシンプルな原因がこれです。
設定で閲覧ウィンドウが「オフ」になっていると、当然プレビューは表示されません。知らない間に設定を変更してしまったり、アップデート後に設定がリセットされたりすることがあります。
原因2:Outlookデータファイルの破損
PSTファイルやOSTファイルなど、Outlookのデータファイルが破損していると、プレビューが正常に機能しなくなります。
特に、長年使っているアカウントで大量のメールを保存している場合、ファイルが破損するリスクが高くなるんです。
原因3:アドインの競合
サードパーティのアドインがOutlookの動作に干渉して、プレビュー機能を妨げることがあります。
特にセキュリティソフトやPDF関連のアドインが原因になることが多いですね。
原因4:プレビューハンドラーの問題
添付ファイルのプレビューができない場合、Windowsのプレビューハンドラーに問題がある可能性があります。
プレビューハンドラーとは、ファイルの内容をプレビュー表示するための仕組みのことです。
原因5:メールの形式や暗号化
HTML形式のメールが正しく表示されなかったり、暗号化されたメールや署名付きメールでプレビューが機能しなかったりします。
セキュリティが関係するメールは、プレビュー制限がかかることがあるんです。
原因6:Outlookのキャッシュの問題
Outlookは動作を高速化するためにキャッシュを使用していますが、このキャッシュが破損すると表示トラブルの原因になります。
原因7:画面解像度や表示設定
ディスプレイの設定やWindowsの拡大率によって、プレビューウィンドウが見えない位置に表示されることもあります。
解決方法1:閲覧ウィンドウの設定を確認する
まずは基本中の基本。閲覧ウィンドウが有効になっているか確認しましょう。
閲覧ウィンドウを表示する手順
手順1:表示タブを開く
- Outlookを起動
- 画面上部の「表示」タブをクリック
手順2:閲覧ウィンドウを選択
- 「閲覧ウィンドウ」グループを探す
- 以下から選択:
- 右:メール一覧の右側に表示(推奨)
- 下:メール一覧の下部に表示
- オフ:プレビューを非表示
手順3:確認
「右」または「下」を選択すると、すぐにプレビューウィンドウが表示されます。
表示されない場合の追加確認
閲覧ウィンドウを「右」や「下」に設定しても表示されない場合:
- Outlookを一度再起動してみる
- 別のメールフォルダ(送信済みアイテムなど)で確認
- ウィンドウのサイズを最大化してみる
解決方法2:セーフモードで起動してアドインを確認
アドインが原因かどうかを確認するため、セーフモードで起動してみましょう。
Outlookをセーフモードで起動する方法
手順1:セーフモード起動
- すべてのOutlookウィンドウを閉じる
- Windowsキー + R を押す
- 「ファイル名を指定して実行」に以下を入力:
outlook.exe /safe
- Enter キーを押す
手順2:プロファイル選択
プロファイル選択画面が表示されたら、使用するプロファイルを選んで「OK」をクリック。
手順3:動作確認
セーフモードで起動したOutlookで、プレビューが正常に表示されるか確認します。
セーフモードで正常に表示される場合
アドインが原因です。次の手順で問題のアドインを特定しましょう。
アドインを無効化する手順:
- 通常モードでOutlookを起動
- 「ファイル」→「オプション」を選択
- 「アドイン」をクリック
- 下部の「管理」で「COMアドイン」を選択
- 「設定」ボタンをクリック
- アドインのチェックを一つずつ外して確認
原因となったアドインは、削除するか更新版がないか確認しましょう。
解決方法3:受信トレイ修復ツールを実行する

データファイルが破損している場合は、受信トレイ修復ツールを使います。
Scanpst.exeの場所
Outlook 2019/2021/Microsoft 365の場合:
64ビット版:
C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16\SCANPST.EXE
32ビット版:
C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16\SCANPST.EXE
見つからない場合は、エクスプローラーで「SCANPST.EXE」を検索してください。
受信トレイ修復ツールの使い方
ステップ1:Outlookを終了
タスクマネージャーでOutlookのプロセスが完全に終了していることを確認します。
ステップ2:ツールを起動
SCANPST.EXEをダブルクリックして起動します。
ステップ3:ファイルを選択
- 「参照」ボタンをクリック
- 問題のあるPSTまたはOSTファイルを選択
PSTファイルの場所(一般的):
C:\Users\[ユーザー名]\Documents\Outlook ファイル
OSTファイルの場所(一般的):
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Microsoft\Outlook
ステップ4:スキャンと修復
- 「開始」ボタンをクリック
- スキャンが完了したら「修復」をクリック
- 修復完了後、Outlookを起動して確認
解決方法4:プレビューハンドラーを再設定する
添付ファイルのプレビューができない場合の対処法です。
プレビューハンドラーを無効化する方法
手順1:レジストリエディタを開く
- Windowsキー + R を押す
- 「regedit」と入力してEnter
- 「はい」をクリック(管理者権限が必要)
⚠️ 注意: レジストリの編集は慎重に行ってください。間違えるとシステムに影響が出ることがあります。
手順2:設定を探す
以下のパスに移動:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook\Security
※「16.0」はバージョンによって異なる場合があります。
手順3:値を作成
- 右側の空白部分を右クリック
- 「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択
- 名前を「DisableAttachmentPreviewing」にする
- 値を「1」に設定(プレビュー無効化)
手順4:Outlookを再起動
設定後、Outlookを再起動します。
より安全な方法:Outlookの設定から変更
レジストリを触りたくない場合は、こちらの方法もあります:
- Outlookを起動
- 「ファイル」→「オプション」を選択
- 「セキュリティセンター」をクリック
- 「セキュリティセンターの設定」ボタンをクリック
- 「添付ファイルの取り扱い」を選択
- 「添付ファイルのプレビューをオフにする」のチェックを外す
解決方法5:キャッシュをクリアする
Outlookのキャッシュをクリアすることで、表示問題が解決することがあります。
Outlookのキャッシュをクリアする手順
方法1:フォームキャッシュのクリア
- Outlookを起動
- 「ファイル」→「オプション」を選択
- 「詳細設定」をクリック
- 「開発」セクションの「カスタムフォーム」ボタンをクリック
- 「フォームのキャッシュをクリア」をクリック
※「開発」セクションが表示されない場合:
- 「ファイル」→「オプション」→「ユーザー設定」
- 「開発者」タブにチェックを入れる
方法2:一時ファイルの削除
- Outlookを完全に終了
- エクスプローラーで以下を開く:
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Microsoft\Outlook
- 「RoamCache」フォルダ内のファイルを削除
- Outlookを再起動
方法3:OSTファイルの再作成
Exchange OnlineやMicrosoft 365を使っている場合:
- Outlookを終了
- 以下の場所を開く:
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Microsoft\Outlook
- OSTファイル(*.ost)の名前を変更(例:古いファイル.ost.old)
- Outlookを起動すると、新しいOSTファイルが自動作成される
- メールの再同期が始まる
解決方法6:表示設定をリセットする
Outlookの表示設定に問題がある場合の対処法です。
ビュー設定をリセットする手順
手順1:ビューの管理を開く
- Outlookの「表示」タブをクリック
- 「ビューの変更」グループを探す
- 「ビューの管理」をクリック
手順2:ビューをリセット
- 現在使用しているビュー(例:「コンパクト」)を選択
- 「リセット」ボタンをクリック
- 確認メッセージで「はい」をクリック
手順3:確認
ビューがリセットされ、プレビューが表示されるか確認します。
ナビゲーションウィンドウの設定
手順:
- 「表示」タブをクリック
- 「ナビゲーションウィンドウ」をクリック
- 「標準」を選択
解決方法7:Officeを修復する
上記の方法で解決しない場合、Office全体を修復してみましょう。
Officeの修復手順
ステップ1:コントロールパネルを開く
- Windowsキー + R を押す
- 「control」と入力してEnter
ステップ2:プログラムと機能
- 「プログラムと機能」をクリック
- プログラム一覧が表示される
ステップ3:修復の実行
- 「Microsoft Office」または「Microsoft 365」を探す
- 右クリックして「変更」を選択
- 「クイック修復」を選択して「修復」をクリック
クイック修復で解決しない場合:
- 同じ手順で「変更」を選択
- 「オンライン修復」を選択
- 「修復」をクリック(インターネット接続が必要)
ステップ4:再起動
修復完了後、パソコンを再起動してOutlookを起動します。
特定の状況での対処法
よくある特定の状況への対処法をまとめました。
HTMLメールが表示されない場合
対処法:
- 「ファイル」→「オプション」→「セキュリティセンター」を開く
- 「セキュリティセンターの設定」をクリック
- 「電子メールのセキュリティ」を選択
- 「すべての標準メールをテキスト形式で表示する」のチェックを外す
- 「OK」をクリックして適用
暗号化メールや署名付きメールの場合
デジタル署名や暗号化されたメールは、セキュリティ上の理由でプレビューが制限されることがあります。
対処法:
メールをダブルクリックして別ウィンドウで開く。これなら正常に表示されることがほとんどです。
大きな添付ファイルがある場合
サイズの大きな添付ファイルがあると、プレビューの読み込みに時間がかかります。
対処法:
- しばらく待ってみる(数秒~数十秒)
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「Outlookウィンドウ」セクション
- 「添付ファイルのサイズが次の値を超える場合は警告する」で適切な値に設定
特定の差出人からのメールだけ表示されない
特定の差出人からのメールだけ表示されない場合、そのメールの形式や設定に問題がある可能性があります。
対処法:
- そのメールを選択
- 右クリック→「その他のアクション」→「メッセージのソースを表示」
- エラーや異常がないか確認
プレビュー機能の便利な設定
トラブルが解決したら、より便利にプレビューを使うための設定も確認しておきましょう。
閲覧ウィンドウの表示位置
おすすめの設定:
横長ディスプレイの場合:
- 「右」表示がおすすめ
- メールの件名と本文を同時に広く表示できる
縦長ディスプレイや小さい画面の場合:
- 「下」表示がおすすめ
- メール一覧を多く表示できる
既読マークの設定
プレビューで表示しただけで「既読」になるのが気になる場合:
手順:
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」を開く
- 「Outlookウィンドウ」セクションを探す
- 「閲覧ウィンドウで表示したときに開封済みにするまでの時間」を調整
- 時間を長く設定(例:10秒)
- または「閲覧ウィンドウで表示したときに開封済みにする」のチェックを外す
これで、じっくり読んでから既読にできます。
プレビューウィンドウのサイズ調整
プレビューウィンドウと一覧の境界線にマウスカーソルを合わせると、カーソルが「⇔」に変わります。
この状態でドラッグすると、ウィンドウのサイズを自由に調整できますよ。
よくあるトラブルと対処法
その他のよくあるトラブルをまとめました。
トラブル1:プレビューは表示されるが画像が表示されない
原因:
セキュリティ設定で外部画像のダウンロードがブロックされている。
対処法:
- メール上部の「画像をダウンロードするにはここをクリック」をクリック
- または「ファイル」→「オプション」→「セキュリティセンター」
- 「自動ダウンロード」を選択
- 信頼できる差出人の画像は自動ダウンロードするよう設定
トラブル2:プレビューウィンドウが小さすぎて見えない
対処法:
- プレビューウィンドウと一覧の境界線をドラッグして調整
- Outlookウィンドウ自体を最大化
- 画面の解像度設定を確認
トラブル3:一部の添付ファイル形式だけプレビューできない
原因:
その形式のプレビューハンドラーがインストールされていない。
対処法:
- PDF: Adobe AcrobatやAdobe Readerをインストール
- Office文書: Officeがインストールされているか確認
- 画像: Windows標準機能で対応(通常は問題なし)
プレビューにこだわらず、添付ファイルを開いて確認するのも一つの方法です。
トラブル4:新しいOutlook for Windowsでプレビューがおかしい
新しいOutlook for Windowsでは、一部機能や表示が従来版と異なります。
対処法:
- 画面右上の「新しいOutlookを試す」トグルをオフにして従来版に戻す
- または新しいOutlookの動作に慣れる
- フィードバック機能で問題を報告
予防策:今後トラブルを起こさないために
プレビュー表示トラブルを予防するための対策です。
定期的なメンテナンス
月に1回程度:
- 不要なメールを削除
- 「削除済みアイテム」フォルダを空にする
- 古いメールをアーカイブ
3ヶ月に1回程度:
- 受信トレイ修復ツール(Scanpst.exe)を実行
- Outlookのキャッシュをクリア
データファイルの容量管理
PSTファイルが大きくなりすぎると、トラブルの原因になります。
推奨:
- PSTファイルは2GB以下に保つ
- 大きくなったら古いメールをアーカイブ
- 不要な添付ファイルを削除
アドインの管理
注意点:
- 必要最小限のアドインだけ有効にする
- 使っていないアドインは無効化または削除
- アドインは公式ストアから信頼できるものだけインストール
Outlookのバージョンを最新に保つ
重要:
- Windows Updateを定期的に実行
- Office更新プログラムを確認
- 自動更新を有効にしておく
最新版には、バグ修正やパフォーマンス改善が含まれています。
まとめ:段階的に確認して確実に解決
Outlookのプレビューが表示されないトラブルは、原因を一つずつ確認していけば必ず解決できます。
この記事のポイント:
- まずは閲覧ウィンドウの設定を確認(最も簡単)
- セーフモードで起動してアドインが原因か確認
- 受信トレイ修復ツールでデータファイルを修復
- キャッシュのクリアで一時ファイルの問題を解決
- それでもダメならOffice全体を修復
- 特定の状況(HTMLメール、暗号化など)には個別対応
- 定期的なメンテナンスで予防
特に重要なのは、基本設定の確認とアドインのチェック、そしてデータファイルの修復の3つです。
多くの場合、これらのいずれかで問題は解決します。それでも解決しない場合は、Microsoftサポートへの問い合わせも検討しましょう。
快適なメール環境で、効率的な業務を実現してくださいね!

コメント