【障子の向こうの巨大な顔…】妖怪「おおかむろ」とは?その姿・特徴・伝承をやさしく解説!

夜、家の外で物音がして、障子を開けた瞬間、巨大な顔がニュッと現れたら…想像しただけで背筋が凍りますよね。

日本の妖怪の中には、こうして人を驚かすことだけを目的とした不思議な存在がいるんです。

それが「おおかむろ」という妖怪なんですね。

この記事では、人を驚かせる巨大な顔の妖怪「おおかむろ」について詳しくご紹介します。

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概要

おおかむろは、日本の妖怪研究家・水木しげるの著書などに登場する妖怪です。

巨大な顔を突然見せて人間を驚かすという、シンプルだけど恐ろしい存在なんですね。

正体は狸が化けたものとされています。

主な特徴

  • 突然現れて人を驚かす
  • 巨大な顔だけの姿
  • 正体は狸の化身
  • 驚かすだけで危害は加えない

興味深いのは、この妖怪が人を驚かすことだけが目的だという点です。

直接的な危害を加えることはなく、ただ人間をびっくりさせたいだけなんですね。

狸らしいいたずら好きな性格が表れているのかもしれません。

名前について

「おおかむろ」という名称は、水木しげるの著書で使われていますが、古い文献には明確な記載がありません。

江戸時代の『絵本小夜時雨』という書物に、狸が巨大な顔に化けて人を脅かす場面が描かれており、これが元になっていると考えられています。

ただし原典では「大入道」と呼ばれており、「おおかむろ」という名称は後世に付けられた可能性が高いんです。

注意点: 鳥山石燕が描いた妖怪「大禿(おおかぶろ)」とは名前が似ていますが、まったく別の妖怪です。石燕の大禿は振袖を着た妖怪として描かれており、おおかむろとは関係がありません。

伝承

出現パターン

おおかむろの典型的な出現シーンはこんな感じです:

  1. 夜、家の外で物音がする
  2. 何だろうと思って障子を開ける
  3. 突然、巨大な顔が目の前に現れる
  4. 家の人はびっくり仰天

シンプルですが、確実に人を驚かせる方法ですよね。

狸の本場・徳島との関係

実は、狸の妖怪伝承が特に盛んなのが徳島県なんです。

徳島では、ありとあらゆる妖怪が「狸の仕業」とされる傾向があります。

おおかむろのような驚かせ方も、まさに化けの大家である狸ならではの芸当だと考えられていました。

徳島の狸たちは、こんなこともするとされています:

  • 鐘の音や汽車の音を真似る
  • 葬式や婚礼の様子を真似る
  • 他の地域では別の妖怪とされるものも狸の仕業とされる

つまり、徳島では妖怪界が狸に「占領」されているような状態なんですね。

創作での登場

1985年にフジテレビで放映されたドラマ版『ゲゲゲの鬼太郎』にも登場しています。

このドラマでは「おっかむろ」という名前で呼ばれていました。

まとめ

おおかむろは、人を驚かすことだけを目的とした、狸が化けた妖怪です。

重要なポイント

  • 巨大な顔だけの姿で突然現れる
  • 正体は狸が化けたもの
  • 驚かすだけで実害はない
  • 徳島など狸伝承が盛んな地域と関連
  • 江戸時代の『絵本小夜時雨』が元ネタと考えられる
  • 鳥山石燕の「大禿」とは別の妖怪

もし夜中に家の外で物音がしても、むやみに障子を開けない方がいいかもしれませんね。

そこには、あなたを驚かせようと待ち構えている、おおかむろがいるかもしれませんから。

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