「Outlookでメール内のリンクをクリックしても、Webページが開かない」「エラーメッセージが表示されてリンクが使えない」と困っていませんか?
Outlookのハイパーリンクが開けない問題は、Windows更新後やブラウザの変更後によく発生します。設定の不具合やレジストリの問題など、いくつかの原因が考えられますが、適切な対処をすれば解決できる場合がほとんどです。
この記事では、Outlookでハイパーリンクが開けない原因と、エラーメッセージ別の具体的な解決方法を分かりやすく解説していきます。
ハイパーリンクが開けない主な原因

なぜOutlookでリンクをクリックしても開かないのでしょうか。
原因1:デフォルトブラウザの設定問題
最も多い原因が、Windowsのデフォルトブラウザ設定の不具合です。
Outlookは、リンクをクリックすると、Windowsで設定されているデフォルトブラウザでWebページを開きます。この設定が正しくないと、リンクが機能しません。
特に、以下の場合に問題が起こりやすいです。
- 新しいブラウザをインストールした後
- Windowsアップデート後
- ブラウザをアンインストールした後
原因2:レジストリの破損
Windowsのレジストリ(システム設定情報)が壊れていると、リンクが開けなくなります。
レジストリは、Windowsの重要な設定が保存されている場所です。ここが壊れると、どのアプリケーションでリンクを開くかという情報が失われてしまいます。
原因3:Outlookの設定問題
Outlook自体の設定に問題がある場合もあります。
特に、セキュリティ設定が厳しすぎると、リンクが正常に機能しないことがあります。
原因4:セキュリティソフトの影響
ウイルス対策ソフトやファイアウォールが、Outlookからのリンクアクセスをブロックしている可能性があります。
セキュリティを重視するあまり、正規のリンクまでブロックしてしまうケースです。
原因5:ブラウザ本体の問題
使用しているブラウザ(Chrome、Edge、Firefoxなど)が正常に動作していない場合も、リンクが開けません。
ブラウザのアップデートや再インストールが必要な場合があります。
エラーメッセージ別の対処法
表示されるエラーメッセージによって、対処法が異なります。
エラー1:何も表示されず開かない
症状:
リンクをクリックしても何の反応もなく、ブラウザが開かない。
対処法:デフォルトブラウザの再設定
- Windowsの「設定」を開く
スタートボタン→歯車アイコン(設定)をクリックします。 - 「アプリ」→「既定のアプリ」を開く
Windows 11の場合は「アプリ」→「既定のアプリ」
Windows 10の場合も同様です。 - 「Webブラウザー」を確認
現在設定されているブラウザを確認してください。 - ブラウザを選択し直す
- 使いたいブラウザ(Chrome、Edge、Firefoxなど)をクリック
- 「既定値に設定」をクリック
- Outlookを再起動
Outlookを完全に終了して、もう一度起動します。 - リンクを試す
メール内のリンクをクリックして、正常に開くか確認してください。
エラー2:「このコンピューターに設定されている制約のため、この操作は中止されました」
症状:
このエラーメッセージが表示され、リンクが開けない。
対処法1:レジストリの修復(推奨)
Microsoftが提供する自動修復ツールを使います。
- Microsoft公式サポートページにアクセス
ブラウザで「outlook hyperlink not working」または「Outlook リンク 開かない 修正」を検索します。 - 修正ツールをダウンロード
Microsoft公式の「Easy Fix」ツールまたは修正プログラムをダウンロードしてください。 - ツールを実行
ダウンロードしたファイルをダブルクリックして実行します。 - 画面の指示に従う
自動的にレジストリが修復されます。 - パソコンを再起動
修復後、必ずパソコンを再起動してください。
対処法2:手動でレジストリを修復
自動ツールが使えない場合の手動修復方法です。
注意: レジストリの編集は慎重に行ってください。間違えるとWindowsが起動しなくなる可能性があります。
- コマンドプロンプトを管理者として起動
- スタートメニューで「cmd」を検索
- 右クリック→「管理者として実行」
- 以下のコマンドを実行(Chromeを使用する場合)
reg add HKCU\Software\Classes\.html /ve /d "ChromeHTML" /f
reg add HKCU\Software\Classes\ChromeHTML\shell\open\command /ve /d "\"C:\Program Files\Google\Chrome\Application\chrome.exe\" -- \"%1\"" /f
Edgeの場合:
reg add HKCU\Software\Classes\.html /ve /d "htmlfile" /f
reg add HKCU\Software\Classes\htmlfile\shell\open\command /ve /d "\"C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\msedge.exe\" -- \"%1\"" /f
Firefoxの場合:
reg add HKCU\Software\Classes\.html /ve /d "FirefoxHTML" /f
reg add HKCU\Software\Classes\FirefoxHTML\shell\open\command /ve /d "\"C:\Program Files\Mozilla Firefox\firefox.exe\" -osint -url \"%1\"" /f
- パソコンを再起動
コマンド実行後、必ず再起動してください。
エラー3:「一般的なエラー」または「アプリケーションが見つかりません」
症状:
「一般的なエラーが発生しました」「関連付けられたアプリケーションが見つかりません」と表示される。
対処法:ファイルの関連付けをリセット
- 「設定」→「アプリ」→「既定のアプリ」を開く
Windowsの設定画面を開きます。 - 下にスクロールして「ファイルの種類ごとに既定のアプリを選ぶ」をクリック
ファイル形式別の設定画面が開きます。 - 「.html」と「.htm」を探す
リストの中から探してください。 - それぞれにブラウザを設定
- 「.html」をクリック→使用するブラウザを選択
- 「.htm」をクリック→同じブラウザを選択
- 「http」と「https」の設定も確認
同様に、URLプロトコルの設定も確認します。 - Outlookを再起動
設定を反映させるため、Outlookを再起動してください。
エラー4:セキュリティ警告が表示される
症状:
「このファイルを開きますか?」などの警告が毎回表示される。
対処法:Outlookのセキュリティ設定を調整
- Outlookで「ファイル」→「オプション」を開く
設定画面を開きます。 - 「セキュリティ センター」を選択
左側のメニューから「セキュリティ センター」をクリックしてください。 - 「セキュリティ センターの設定」をクリック
詳細設定が開きます。 - 「保護ビュー」を確認
左側のメニューから「保護ビュー」を選択します。 - 設定を調整
必要に応じて、信頼できるリンクの警告を減らす設定に変更します。 注意: セキュリティレベルを下げすぎないよう注意してください。 - 「OK」をクリック
設定を保存します。
ブラウザ別の詳細設定
使用しているブラウザによって、追加の設定が必要な場合があります。
Google Chromeの場合
手順:
- Chromeを既定のブラウザに設定
- Chromeを起動
- 右上の「⋮」→「設定」を開く
- 「既定のブラウザ」セクションで「デフォルトに設定」をクリック
- Chromeを再インストール(解決しない場合)
- コントロールパネルからChromeをアンインストール
- 最新版のChromeをダウンロードしてインストール
Microsoft Edgeの場合
手順:
- Edgeを既定のブラウザに設定
- Edgeを起動
- 右上の「…」→「設定」を開く
- 「既定のブラウザ」で「既定値に設定」をクリック
- Edgeの修復
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
- 「Microsoft Edge」を探す
- 「…」→「変更」→「修復」を実行
Mozilla Firefoxの場合
手順:
- Firefoxを既定のブラウザに設定
- Firefoxを起動
- 右上の「≡」→「設定」を開く
- 「既定のブラウザに設定」をクリック
- Firefoxのプロファイルをリセット(解決しない場合)
- 「ヘルプ」→「他のトラブルシューティング情報」
- 「Firefoxをリフレッシュ」をクリック
Outlook側の設定確認
Outlook自体の設定を確認・変更する方法です。
方法1:Outlookをセーフモードで起動
アドインが原因の場合、セーフモードで起動すると解決することがあります。
手順:
- Windowsキー + Rを押す
「ファイル名を指定して実行」が開きます。 - 以下を入力
outlook.exe /safe
- Enterキーを押す
Outlookがセーフモードで起動します。 - リンクを試す
この状態でリンクが開けば、アドインが原因です。 - 問題のあるアドインを無効化
- 「ファイル」→「オプション」→「アドイン」
- 「COMアドイン」の「設定」をクリック
- 怪しいアドインのチェックを外す
方法2:Outlookのプロファイルを再作成
プロファイルが壊れている場合の対処法です。
手順:
- コントロールパネルを開く
スタートメニューで「コントロールパネル」を検索します。 - 「Mail(Microsoft Outlook)」を開く
表示方法を「大きいアイコン」にすると見つけやすいです。 - 「プロファイルの表示」をクリック
現在のプロファイル設定が表示されます。 - 「追加」をクリック
新しいプロファイルを作成します。 - プロファイル名を入力
例:「Outlook新規」など、分かりやすい名前を付けます。 - メールアカウントを設定
メールアドレスとパスワードを入力して設定します。 - 新しいプロファイルを既定に設定
「常に使用するプロファイル」で、新しいプロファイルを選択します。 - Outlookを再起動
新しいプロファイルで起動されます。
方法3:Outlookを修復
Outlook自体に問題がある場合の修復方法です。
手順:
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開く
Windowsの設定画面を開きます。 - 「Microsoft Office」または「Microsoft 365」を探す
アプリ一覧から探してください。 - 「…」→「変更」をクリック
修復オプションが表示されます。 - 「クイック修復」を選択
まずはクイック修復を試します。 - 「修復」をクリック
修復処理が開始されます。 - 解決しない場合は「オンライン修復」
クイック修復で解決しない場合、オンライン修復を実行してください。
セキュリティソフトの設定確認

ウイルス対策ソフトがリンクをブロックしている場合の対処法です。
Windows Defenderの場合
手順:
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」を開く
Windows 11の場合の手順です。 - 「アプリとブラウザーコントロール」をクリック
セキュリティ設定を確認します。 - 「評価ベースの保護設定」をクリック
詳細設定が開きます。 - 設定を確認
- 「望ましくない可能性のあるアプリのブロック」をオフにしてみる
- ただし、セキュリティリスクがあることを理解してください
- Outlookを再起動
設定を反映させます。
サードパーティ製セキュリティソフトの場合
一般的な手順:
- セキュリティソフトの設定を開く
- 「例外」「除外」「許可リスト」などのメニューを探す
- Outlookを例外として追加
- ブラウザも例外として追加
- 設定を保存して再起動
各セキュリティソフトによって設定方法が異なるため、詳細はソフトのマニュアルを確認してください。
その他の解決方法
上記の方法で解決しない場合の追加の対処法です。
方法1:Windowsをクリーンブートで起動
他のプログラムとの競合を確認します。
手順:
- 「ファイル名を指定して実行」を開く
Windowsキー + Rを押します。 - 「msconfig」と入力
システム構成が開きます。 - 「サービス」タブを選択
起動しているサービスの一覧が表示されます。 - 「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェック
Microsoft以外のサービスだけを表示します。 - 「すべて無効」をクリック
サードパーティ製のサービスをすべて無効化します。 - パソコンを再起動
最小限のプログラムで起動されます。 - Outlookでリンクを試す
この状態で動作すれば、他のプログラムとの競合が原因です。
方法2:新規ユーザーアカウントを作成
Windowsのユーザープロファイルに問題がある場合の対処法です。
手順:
- 「設定」→「アカウント」→「他のユーザー」を開く
Windowsの設定画面を開きます。 - 「アカウントの追加」をクリック
新しいユーザーを作成します。 - 新しいアカウントを作成
ローカルアカウントまたはMicrosoftアカウントを選択します。 - 新しいアカウントでログイン
一度ログアウトして、新しいアカウントでログインします。 - Outlookを設定
新しいアカウントでOutlookを設定し、リンクが開くか確認します。
方法3:Windowsの更新プログラムを確認
古いWindowsバージョンや、特定の更新プログラムが原因の場合があります。
手順:
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」を開く
Windows 11の場合は「Windows Update」です。 - 「更新プログラムのチェック」をクリック
最新の更新があるか確認します。 - すべての更新をインストール
利用可能な更新をすべてインストールしてください。 - パソコンを再起動
更新後、必ず再起動します。
予防策と日常のメンテナンス
今後、同じ問題を防ぐための対策です。
定期的なメンテナンス
1. Windowsとブラウザを最新版に保つ
定期的にアップデートを確認し、最新の状態を維持しましょう。
2. デフォルトブラウザを頻繁に変更しない
ブラウザの変更は設定の不具合を招きやすいため、必要な場合のみ行いましょう。
3. セキュリティソフトの設定を確認
新しいセキュリティソフトをインストールしたら、Outlookが正常に動作するか確認してください。
バックアップの作成
Outlookのデータをバックアップ:
- 「ファイル」→「開く/エクスポート」→「インポート/エクスポート」
- 「ファイルにエクスポート」を選択
- 「Outlook データ ファイル (.pst)」を選択
- エクスポートするフォルダを選択
- バックアップファイルを保存
定期的にバックアップを取っておけば、設定をリセットする際も安心です。
よくある質問
特定のリンクだけ開かない場合は?
リンク先のWebサイトに問題があるか、URLが間違っている可能性があります。
- 別のブラウザで直接URLを開いてみる
- URLをコピーして確認する
- サイトが閉鎖されていないか確認
Outlookでは開かないがブラウザでは開く場合は?
Outlookとブラウザの連携に問題があります。
デフォルトブラウザの設定を確認し、レジストリの修復を試してください。
会社のパソコンで解決できない場合は?
企業のIT部門が設定を制限している可能性があります。
- IT部門に問い合わせ
- グループポリシーで制限されている場合は、管理者権限が必要
リンクをクリックすると違うブラウザが開く場合は?
デフォルトブラウザの設定が正しくありません。
Windowsの「設定」→「既定のアプリ」で、希望するブラウザを設定し直してください。
まとめ:段階的にトラブルシューティング
Outlookのハイパーリンクが開けない問題は、原因を特定して適切に対処すれば解決できます。
解決手順まとめ
ステップ1:基本設定の確認
- デフォルトブラウザを再設定
- Outlookを再起動
- パソコンを再起動
ステップ2:エラー別の対処
- エラーメッセージを確認
- レジストリの修復
- ファイルの関連付けをリセット
ステップ3:詳細設定
- ブラウザを再インストール
- Outlookのプロファイルを再作成
- セキュリティソフトの設定確認
ステップ4:最終手段
- Outlookを修復
- 新規ユーザーアカウントを作成
- Officeを再インストール
重要なポイント
- レジストリ編集は慎重に行う
- バックアップを取ってから作業
- 簡単な方法から順に試す
- 解決したら予防策を実施
この記事の手順に従えば、ほとんどの場合は問題を解決できます。快適なOutlook環境を取り戻してくださいね!

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