「iPhoneの充電器を買いたいけど、どのタイプを選べばいいの?」と悩んでいませんか?
実は、iPhoneは2023年発売のiPhone 15シリーズから、それまでのLightning端子からUSB-C端子へ大きく変更されました。そのため、お使いのiPhoneのモデルによって、必要な充電器のタイプが変わってくるんです。
この記事では、各iPhoneモデルの充電器タイプと、急速充電に必要なものを分かりやすく解説していきます。
iPhoneの充電端子は2種類

現在使われているiPhoneには、大きく分けて2種類の充電端子があります。
Lightning(ライトニング)端子
2012年から2023年まで使われていたApple独自の充電端子です。
2012年のiPhone 5で初めて登場し、iPhone 14シリーズまで採用されていました。小型でリバーシブルなデザインが特徴で、どちらの向きでも挿し込むことができます。
Lightning端子を使うiPhone:
- iPhone 5〜iPhone 14シリーズまで
- iPhone SE(第1世代〜第3世代)
これらのモデルには、「Lightning – USB-A」または「Lightning – USB-C」ケーブルが必要です。
USB-C(USB Type-C)端子
最新のiPhoneで採用されている標準規格の充電端子です。
2023年9月発売のiPhone 15シリーズから、Lightningに代わってUSB-Cが採用されるようになりました。これは欧州連合が2022年に、EU域内で販売される携帯電話について2024年末までにUSB-Cポートを搭載するよう義務づける法律を可決したことが大きな理由です。
USB-C端子を使うiPhone:
- iPhone 15シリーズ(iPhone 15、15 Plus、15 Pro、15 Pro Max)
- iPhone 16シリーズ(iPhone 16、16 Plus、16 Pro、16 Pro Max)
これらのモデルには、「USB-C – USB-C」ケーブルが使えます。
Lightning充電器の特徴と種類
Lightningケーブルの2タイプ
Lightning端子を使うiPhoneの場合、充電器側の端子によって2種類に分かれます。
1. USB-A – Lightning ケーブル
古いタイプの充電ケーブルです。充電器側がUSB-A(長方形の端子)になっています。
iPhone 11以前のモデルに付属していたケーブルがこのタイプ。充電速度は遅めですが、多くの充電器やモバイルバッテリーで使えます。
2. USB-C – Lightning ケーブル
iPhone 8シリーズ以降のモデルは急速充電に対応しており、USB-C & Lightningケーブルと対応充電器を使うと、30分で最大50%まで急速充電が可能です。
iPhone 11 Pro / Pro Maxから、付属ケーブルがUSB-A & LightningからUSB-C & Lightningに変更されました。
MFi認証について
Lightning端子にはMFi(Made for iPhone)認証が必須です。
MFi認証の導入によって設計不良品が排除され、安全性が大幅に向上しました。非認証品を使うと、充電できなくなったり、iOSアップデート後に使えなくなったりする可能性があります。
ケーブルに「Designed by Apple in California」と印字されているものがMFi認証品です。
USB-C充電器の特徴と種類
USB-Cの大きなメリット
USB Type-Cは、スマートフォンやタブレット、ノートPCなど多くのデバイスで採用されており、高速データ転送や大容量電力供給、映像伝送にも対応しています。
USB-Cのメリット:
- 裏表どちらでも挿せる
- 急速充電に対応
- データ転送が高速
- 他社製品とも共通で使える
iPhone 15での注意点
iPhone 15とiPhone 15 PlusはUSB 2.0の480Mbpsまで、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro MaxはUSB 3.2 Gen 2の10Gbpsまで対応しています。
つまり、同じUSB-C端子でも、モデルによってデータ転送速度が異なるんです。
ただし充電速度については、どのiPhone 15モデルでも変わりません。
急速充電に必要なもの
iPhoneを素早く充電したい場合、適切な充電器とケーブルが必要です。
対応モデル
iPhone 8以降の機種がUSB PDによる急速充電に対応しています。
- iPhone 8〜iPhone 14シリーズ
- iPhone SE(第2世代・第3世代)
- iPhone 15・16シリーズ
必要なワット数
iPhone 12以降を高速充電するには、最低出力20Wの電源アダプタが必要です。iPhone 8〜11シリーズの場合は18W以上で急速充電できます。
推奨ワット数:
- iPhone 8〜11:18W以上
- iPhone 12以降:20W以上
- iPhone 16でMagSafe充電:30W以上
30W以上の充電器を使っても充電速度は20W充電時とほとんど変わらないため、20〜30W程度の充電器で十分です。
急速充電の仕組み
iPhoneにはバッテリー劣化を抑えるため、バッテリー残量が80%までは高速に、80%を超えると充電速度が緩やかになるように設計されています。
そのため、「30分で50%充電」という表記をよく見かけますが、残り50%の充電にはさらに時間がかかります。
充電器の選び方

iPhone 14以前の場合
必要なもの:
- Lightning – USB-Cケーブル
- 20W以上のUSB-C充電器(急速充電したい場合)
または
- Lightning – USB-Aケーブル
- USB-A対応の充電器(充電は遅くなります)
iPhone 15以降の場合
必要なもの:
- USB-C – USB-Cケーブル(付属しています)
- 20W以上のUSB-C充電器
iPhone 15以降には充電器は付属していないので、別途購入する必要があります。
純正品かサードパーティ製か
iPhoneの充電器は、USB PD規格に準拠していれば、Apple純正にこだわる必要はありません。
サードパーティ製でも、充電性能が高く、コンパクトで価格も安い優秀な製品がたくさん販売されています。
選ぶポイント:
- USB PD対応
- PSE認証(日本の安全規格)取得
- 20W以上の出力
- 折りたたみ式プラグ(持ち運びに便利)
古い充電器は使える?
iPhone 11以前に付属していた5W充電器
使えますが、充電速度は非常に遅いです。
急速充電には対応していないので、フル充電に3〜4時間かかることもあります。新しい充電器への買い替えをおすすめします。
MacBookの充電器
MacBookに付属する最大出力が67Wや96W、140Wの充電器も、iPhoneと接続すればiPhoneに合わせて出力が調整されるので、過剰な電力が供給されて故障することはありません。
ただし、出力が大きくてもiPhoneの充電速度は変わりません。
iPadの20W充電器
問題なく使えます。
iPadに付属している20Wの充電器も、iPhoneの急速充電に対応しています。
ワイヤレス充電について
iPhone 8以降は、ワイヤレス充電にも対応しています。
Qi(チー)規格
一般的なワイヤレス充電規格です。
iPhoneの場合、最大7.5Wで充電できますが、有線の急速充電と比べると遅くなります。
MagSafe充電器
iPhone 12以降で使えるMagSafe充電器は、iPhone 12〜15の場合は20W以上のアダプター、iPhone 16以降なら30W以上のアダプターを使うと15Wを超える充電速度を実現できます。
磁石でピタッと装着できるので便利ですが、有線の急速充電と比べるとやや遅めです。
変換アダプタは使える?
Lightning to USB-C 変換
AppleからUSB-C – Lightningアダプタが発売されており、充電(24Wまで)、データ通信(480Mbps / USB 2.0まで)、オーディオ接続に対応しています。
ただし、価格は4,780円と高価なので、ケーブルを買い替えた方が安上がりです。
非純正の変換アダプタ
市場に大量に出回っている変換器は、MFi認証を受けていないものの場合はiPhoneやケーブルの損傷の原因となる可能性があるため、利用は推奨されません。
充電器選びのよくある質問
W(ワット)数が高すぎると壊れる?
壊れません。
iPhoneは必要な電力だけを受け取る仕組みになっているので、100Wの充電器を使っても安全です。ただし、充電速度は速くなりません。
急速充電はバッテリーを傷める?
急速充電時の発熱がバッテリー劣化の主な原因になる可能性はありますが、個人的にはあまり気にしなくていいと考えられています。
iPhoneには充電管理システムが備わっており、バッテリーを保護する設計になっています。
USB-Cケーブルは認証が必要?
USB-CケーブルについてはMFi認証のような制限はなく、正式発表前に懸念されていた機能制限はありませんでした。
ただし、品質の良いケーブルを選ぶことをおすすめします。
車の充電器は使える?
使えます。
ただし、シガーソケット用充電器の出力は製品によって異なるので、急速充電したい場合は20W以上の出力があるか確認しましょう。
充電器を長持ちさせるコツ
ケーブルの扱い方
- 根元から抜き差しする
- 無理に曲げない
- きつく巻かない
- 高温の場所に置かない
充電器本体の扱い方
- コンセントの抜き差しは充電器本体を持つ
- 落下や衝撃に注意
- 湿気の多い場所を避ける
- 定期的に接点を掃除する
まとめ:自分のiPhoneに合った充電器を選ぼう
iPhoneの充電器タイプは、モデルによって異なります。
タイプ別まとめ
iPhone 14以前(Lightning端子):
- 急速充電するには「USB-C – Lightning ケーブル」と「20W以上のUSB-C充電器」
- 通常充電でよければ「USB-A – Lightning ケーブル」と既存の充電器でOK
- MFi認証品を選ぶ
iPhone 15以降(USB-C端子):
- 「USB-C – USB-C ケーブル」と「20W以上のUSB-C充電器」
- 付属ケーブルを活用できる
- MFi認証は不要
購入時のチェックポイント
- 出力は20W以上
- USB PD対応
- PSE認証取得
- コンパクトで持ち運びやすい
- 信頼できるメーカー
自分のiPhoneモデルを確認して、適切な充電器とケーブルを選べば、快適に充電できます。この記事を参考に、最適な充電環境を整えてくださいね!


コメント