会議の議事録や授業のメモ、取材の記録など、音声を文字に変換できたら便利ですよね。iPhoneのボイスメモには、録音した音声を自動で文字に起こしてくれる機能があるんです。
でも、「文字起こしのボタンが見当たらない」「文字起こしを試したけど何も起こらない」そんな困った経験はありませんか?
実は、この文字起こし機能には使えるための条件がいくつかあります。設定が間違っていたり、iPhoneのバージョンが古かったりすると、使えないことがあるんです。
この記事では、iPhoneのボイスメモで文字起こしができない原因と、その解決方法を分かりやすく解説します。手順を一つずつ確認していけば、きっと使えるようになりますよ!
ボイスメモの文字起こし機能とは?基本を知ろう

文字起こし機能の概要
iPhoneのボイスメモアプリには、録音した音声を自動的にテキストに変換する機能が搭載されています。この機能は「文字起こし」または「トランスクリプション」と呼ばれています。
この機能を使うと:
- 録音した音声が自動的に文字になる
- 音声を聞きながら、テキストで内容を確認できる
- テキスト部分をタップすると、その位置から再生できる
- 文字起こしされたテキストをコピーして、メモやメールに貼り付けられる
まるで議事録を自動で作ってくれるような、とても便利な機能なんです。
いつから使えるようになったの?
この文字起こし機能は、iOS 17で初めて追加された新しい機能です。
それより前のiOSバージョン(iOS 16以前)では、この機能は使えません。まずは自分のiPhoneがiOS 17以降にアップデートされているか確認する必要があります。
どの言語に対応している?
文字起こし機能が対応している言語は限られています。
対応言語:
- 英語(アメリカ、イギリス、オーストラリアなど複数の地域)
- 日本語
- 中国語(簡体字、繁体字)
- 広東語
- 韓国語
- スペイン語
- フランス語
- ドイツ語
- イタリア語
- ポルトガル語
日本語にも対応しているので、日本のユーザーも安心して使えます。ただし、方言が強かったり、専門用語が多かったりすると、認識精度が落ちることがあります。
文字起こしができない7つの原因と解決方法
それでは、ボイスメモで文字起こしができない原因を一つずつ見ていきましょう。当てはまるものがないか確認してみてください。
【原因1】iOSのバージョンが古い
文字起こし機能はiOS 17以降でしか使えません。iOS 16以前のバージョンを使っている場合、この機能は表示されません。
確認方法:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「情報」をタップ
- 「iOSバージョン」の項目を確認
ここに表示されているバージョンが「17.0」以上になっているか確認しましょう。
解決方法:
iOSをアップデートします。
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「ソフトウェアアップデート」をタップ
- 利用可能なアップデートがあれば「ダウンロードしてインストール」をタップ
注意点:
- アップデートには時間がかかるので、Wi-Fi環境で行いましょう
- 充電しながら、またはバッテリーが十分にある状態で実行してください
- 重要なデータはバックアップしておくと安心です
【原因2】機種が文字起こしに対応していない
すべてのiPhoneで文字起こし機能が使えるわけではありません。iPhone XS以降のモデルが必要です。
対応機種:
- iPhone XS / XS Max / XR(2018年発売)以降
- iPhone 11シリーズ
- iPhone 12シリーズ
- iPhone 13シリーズ
- iPhone 14シリーズ
- iPhone 15シリーズ
- iPhone SE(第2世代、第3世代)
非対応機種:
- iPhone X以前のモデル(iPhone 8、iPhone 7など)
- iPhone SE(第1世代)
古い機種を使っている場合、残念ながらiOS 17にアップデートしても文字起こし機能は使えません。
確認方法:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「情報」をタップ
- 「機種名」を確認
【原因3】文字起こしの設定がオフになっている
文字起こし機能がオフになっていると、当然使えません。設定を確認してみましょう。
確認・設定方法:
- 「設定」アプリを開く
- 下にスクロールして「ボイスメモ」をタップ
- 「文字起こし」の項目を探す
- スイッチがオン(緑色)になっているか確認
もしオフ(グレー)になっていたら、タップしてオンに切り替えましょう。
【原因4】iPhoneの言語設定が対応言語になっていない
文字起こし機能は、iPhoneの言語設定に基づいて動作します。設定言語が対応していないと、機能が表示されないことがあります。
確認方法:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「言語と地域」をタップ
- 「iPhoneの使用言語」を確認
日本語で使いたい場合は、「日本語」になっているか確認しましょう。
変更方法:
- 「iPhoneの使用言語」をタップ
- 使いたい言語を選択
- 「完了」をタップ
- 確認画面で「日本語に変更」をタップ
言語を変更すると、iPhoneが再起動します。
【原因5】音声の品質が悪い
録音した音声の品質が悪いと、文字起こしが正しく動作しないことがあります。
音質が悪くなる原因:
- 周囲の雑音が大きい
- マイクから遠すぎる
- 複数の人が同時に話している
- 音量が小さすぎる
- 声がこもっている
解決方法:
録音環境を改善する:
- 静かな場所で録音する
- マイクに近づいて話す(15cm〜30cm程度が理想)
- はっきりと、ゆっくり話す
- 一人ずつ順番に話してもらう
録音品質の設定を確認:
- 「設定」アプリを開く
- 「ボイスメモ」をタップ
- 「オーディオ品質」を確認
- 「ロスレス」または「圧縮」を選択
「ロスレス」の方が高品質ですが、ファイルサイズが大きくなります。文字起こしの精度を優先するなら「ロスレス」がおすすめです。
【原因6】インターネット接続がない
文字起こし機能は、初めて使うときや、一部の処理でインターネット接続が必要です。
オフラインでは機能が制限される場合があります。
確認方法:
- Wi-Fiまたはモバイルデータ通信に接続されているか確認
- 設定で「ボイスメモ」のモバイルデータ通信がオンになっているか確認
モバイルデータ通信の設定:
- 「設定」アプリを開く
- 「モバイル通信」をタップ
- 下にスクロールして「ボイスメモ」を探す
- スイッチをオンにする
ただし、一度ダウンロードされた言語モデルは、オフラインでも使えるようになります。
【原因7】ストレージの空き容量が不足している
文字起こし機能を使うには、言語モデルをダウンロードする必要があり、それなりのストレージ容量が必要です。
容量が不足していると、ダウンロードできずに機能が使えません。
確認方法:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「iPhoneストレージ」をタップ
- 上部に表示される使用状況を確認
空き容量が1GB以下の場合は、容量不足の可能性があります。
解決方法:
不要なアプリや写真、動画を削除して、空き容量を増やしましょう。
- 使っていないアプリを削除
- 写真や動画をiCloudにバックアップして、本体から削除
- ブラウザのキャッシュをクリア
- 古いメッセージや添付ファイルを削除
ボイスメモの文字起こし機能の使い方

原因が解決したら、実際に文字起こし機能を使ってみましょう。基本的な使い方を説明します。
新規録音で文字起こしする方法
リアルタイム文字起こし:
- ボイスメモアプリを開く
- 画面下部の赤い録音ボタンをタップ
- 録音が開始される
- 音声を録音する
- 停止ボタンをタップして録音を終了
- 自動的に文字起こしが始まる(少し時間がかかります)
- 完了すると、再生画面に文字が表示される
初回起動時の注意:
初めて文字起こし機能を使うときは、言語データのダウンロードが必要です。数百MB程度の容量が必要なので、Wi-Fi環境で行うことをおすすめします。
既存の録音を文字起こしする方法
すでに録音してあるボイスメモも、後から文字起こしできます。
- ボイスメモアプリを開く
- 文字起こししたい録音をタップ
- 録音の詳細画面が開く
- 下部にある「文字起こし」ボタンをタップ
- 文字起こしが開始される
- 完了すると、テキストが表示される
長い録音の場合、文字起こしには数分かかることがあります。処理中は他のアプリを使っていても大丈夫です。
文字起こしされたテキストを活用する
テキストを読む:
録音の再生画面で、文字起こしされたテキストを読むことができます。スクロールして全体を確認しましょう。
特定の場所から再生:
テキストの特定の部分をタップすると、その位置から音声が再生されます。「あの話はどこだったかな?」というときに便利です。
テキストをコピー:
- 文字起こしされたテキスト部分を長押し
- 「すべて選択」または必要な部分を選択
- 「コピー」をタップ
- メモアプリやメールなど、他のアプリに貼り付けられる
テキストを検索:
- 文字起こし画面で、検索バー(虫眼鏡アイコン)をタップ
- 検索したいキーワードを入力
- 該当する部分がハイライト表示される
長い会議の録音から、特定の話題を見つけるのに便利です。
文字起こしの精度を上げるコツ
自動の文字起こしは便利ですが、100%完璧というわけではありません。精度を上げるコツを知っておきましょう。
録音環境を整える
静かな場所を選ぶ:
雑音が多いと、音声認識の精度が下がります。なるべく静かな場所で録音しましょう。
- 空調やファンの音を止める
- 窓を閉めて外の音をシャットアウト
- 人通りの少ない場所を選ぶ
マイクとの距離に注意:
iPhoneのマイクから15cm〜30cm程度の距離が理想的です。近すぎても遠すぎても、音質が悪くなります。
話し方を工夫する
はっきりと発音する:
ぼそぼそと話したり、早口で話したりすると、認識されにくくなります。普段よりも少しゆっくり、はっきりと話すことを意識しましょう。
適度な声の大きさで:
小さすぎる声も大きすぎる声も、認識精度を下げます。普通の会話くらいの音量が最適です。
専門用語や固有名詞に注意:
一般的でない専門用語や、珍しい固有名詞(人名、地名、会社名など)は、誤変換されやすいです。
これらを録音する際は、特にゆっくり、はっきり発音しましょう。
複数人の会話の場合
一人ずつ話す:
複数の人が同時に話すと、音声が重なって認識できなくなります。順番に話すようにしましょう。
マイクの位置を工夫:
複数人で録音する場合、iPhoneを中央に置くか、話者の近くに移動させながら録音すると効果的です。
文字起こし機能のよくある質問
Q1. 文字起こしは無料で使える?
はい、完全に無料です。追加料金は一切かかりません。
iOS 17以降のiPhoneなら、誰でも無料で使えます。
Q2. 文字起こしの精度はどのくらい?
はっきり話せば、80%〜90%程度の精度で認識されます。
ただし、以下の要因で精度は変わります:
- 音声の品質
- 話し方(速さ、明瞭さ)
- 周囲の雑音
- 方言や訛りの強さ
- 専門用語の多さ
完璧な精度ではないので、重要な内容は必ず自分で確認・修正しましょう。
Q3. 方言でも文字起こしできる?
標準語に近い話し方であれば問題ありませんが、強い方言は認識されにくいです。
方言特有の言葉や表現は、標準語に置き換えられたり、誤変換されたりすることがあります。
可能であれば、録音時は標準語に近い話し方をすると精度が上がります。
Q4. 長時間の録音も文字起こしできる?
技術的には可能ですが、録音が長いほど処理時間がかかります。
1時間の録音なら、文字起こしに10分〜20分ほどかかることもあります。バッテリーやストレージ容量にも注意が必要です。
長時間の録音を文字起こしする場合は、充電しながら、Wi-Fi環境で行うのがおすすめです。
Q5. 文字起こしされたテキストは編集できる?
ボイスメモアプリ内では、テキストの編集機能はありません。
文字起こしされたテキストをコピーして、メモアプリやPages(ページズ)などに貼り付けてから編集しましょう。
Q6. オフラインでも文字起こしできる?
一度言語データをダウンロードすれば、基本的にオフラインでも使えます。
ただし、初回利用時や言語データの更新時には、インターネット接続が必要です。
Q7. 外国語の録音も文字起こしできる?
対応言語であれば可能です。
ただし、録音する言語とiPhoneの設定言語を合わせる必要があります。たとえば、英語の録音を文字起こしするなら、iPhoneの言語設定も英語にしておくとより正確です。
Q8. 電話の通話も文字起こしできる?
通常の電話通話は、直接文字起こしできません。
ただし、スピーカーフォンにして、ボイスメモで録音すれば、後から文字起こしすることは可能です。ただし、相手の許可を得てから録音しましょう。
文字起こし機能の代替手段

もしどうしてもボイスメモの文字起こし機能が使えない場合、他の方法もあります。
Apple純正の音声入力機能
メモアプリやメールアプリで、リアルタイムで音声入力する方法です。
- メモアプリを開く
- 新規メモを作成
- キーボードのマイクボタンをタップ
- 話した内容がその場で文字になる
録音は残りませんが、リアルタイムで文字化したい場合に便利です。
サードパーティアプリ
App Storeには、文字起こし専用のアプリもたくさんあります。
代表的なアプリ:
- Otter(オッター)
- 英語に強い
- 無料版でも月600分まで使える
- Notta(ノッタ)
- 日本語対応
- リアルタイム文字起こしが可能
- Speechy(スピーチー)
- 音声ファイルのアップロードに対応
有料プランもありますが、無料でも基本的な機能は使えます。
Google ドキュメントの音声入力
Googleドキュメントアプリでも音声入力ができます。
- Googleドキュメントアプリをインストール
- 新規ドキュメントを作成
- キーボードのマイクボタンをタップ
- 話した内容が文字になる
パソコンとの同期もできて便利です。
まとめ:一つずつ確認すれば必ず解決できる!
iPhoneのボイスメモで文字起こしができないときの原因と解決方法を解説しました。
もう一度ポイントを整理しましょう:
文字起こしができない主な原因
- iOSバージョンがiOS 17未満
- iPhone XS以前の機種を使っている
- 文字起こし設定がオフになっている
- 言語設定が対応言語になっていない
- 音声の品質が悪い
- インターネット接続がない
- ストレージ容量が不足している
解決のステップ
- まずiOSバージョンと機種を確認
- 設定アプリでボイスメモの文字起こしをオン
- 言語設定を確認
- 静かな場所ではっきり録音
- ストレージ容量を確保
精度を上げるコツ
- 静かな環境で録音
- マイクから15cm〜30cm程度の距離
- はっきり、ゆっくり話す
- 一人ずつ順番に話す
文字起こし機能は、使いこなせばとても便利なツールです。会議の議事録作成や、講義のメモ取り、取材の記録など、様々な場面で活躍します。
この記事で紹介した方法を試して、ぜひ快適な文字起こしライフを楽しんでください。うまくいかないときは、一つずつ原因を確認していけば、必ず解決できるはずです!
録音した大切な内容を、簡単にテキスト化できる便利な機能。今日から活用してみませんか?

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