「パソコンの操作を動画で説明したい」「オンライン講座用の動画を作りたい」
そんな時に便利なのが、画面録画と動画編集を1つのソフトで完結できる「Camtasia(カムタジア)」です。
Camtasiaは、TechSmith社が開発した画面録画・動画編集ソフトで、世界中で3,400万人以上のユーザーに利用されています。プロの映像編集経験がなくても、直感的な操作でプロ並みの動画を作成できるのが最大の魅力です。
この記事では、Camtasiaの基本機能から使い方、料金体系、代替ソフトとの比較まで、初心者の方でも分かるよう詳しく解説していきます。動画制作に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
Camtasiaの基本を理解しよう

Camtasiaとは
Camtasiaは、画面録画から動画編集までできる有料のキャプチャーソフトです。WindowsとMacに対応していて、3,400万人以上のユーザーが利用しています。
主な特徴:
- 画面録画と動画編集が1つのソフトで完結
- 初心者でも使いやすいインターフェース
- WindowsとMacの両方に対応
- プロ品質の動画を簡単に作成可能
どんな用途で使われているか
Camtasiaは、様々な場面で活用されています。
ビジネス・教育分野:
- オンライン講座の教材動画
- 社内研修用のチュートリアル
- ソフトウェアの使い方説明
- プレゼンテーション動画
- ウェビナー(オンラインセミナー)の録画
クリエイティブ分野:
- YouTube動画の制作
- ゲーム実況動画
- 製品デモンストレーション
- ハウツー動画
その他:
- 会議の記録
- オンライン授業の録画
- 顧客サポート用のFAQ動画
他の動画編集ソフトとの違い
Camtasiaの最大の特徴は、「画面録画」と「動画編集」の両方に特化している点です。
一般的な動画編集ソフト(Adobe Premiere Proなど):
- 動画編集機能は高度
- 画面録画は別ソフトが必要
- 学習コストが高い
- プロ向けの複雑な機能が多い
Camtasia:
- 画面録画と編集が一体化
- 初心者でも使いやすい
- チュートリアル動画作成に最適
- テンプレートが豊富
Camtasiaの主な機能
画面録画機能
画面全体、特定のサイズ、範囲、ウィンドウ、アプリケーションなど、思いどおりの録画を実行できます。
録画範囲の選択:
- 全画面録画
- 特定のウィンドウのみ
- 自由に範囲を指定
- カスタムサイズでの録画
音声録音:
- マイクからの音声録音
- システムオーディオ(パソコンの音)
- Webカメラの映像も同時録画可能
- 録音レベルの調整が簡単
録画中の操作:
- 録画の一時停止・再開
- 画面への描画(ペンツール)
- エフェクトの追加
- ホットキーで簡単操作
動画編集機能
録画した動画を、様々な方法で編集できます。
基本的な編集:
- カット、トリミング
- 分割、結合
- ドラッグ&ドロップで直感的に操作
- 複数のトラックで素材を重ねられる
エフェクトと効果:
テキスト、トランジション、エフェクトなど多彩なビデオ編集ツールを提供します。
- 75種類以上のトランジション(画面切り替え効果)
- アニメーション効果
- ズーム、パン効果
- モーションブラー
- グリーンスクリーン合成
テキストと注釈:
- テキストの挿入
- 吹き出しコメント
- 図形や矢印の追加
- ハイライト効果
- ぼかし処理
カーソルと画面効果
カーソルにハイライトや拡大、スポットライトなどの効果を付け、動きを滑らかにして、あらゆるビデオの表示をプロフェッショナルで洗練されたものにします。
カーソル効果:
- カーソルのハイライト表示
- クリック時のエフェクト
- カーソルの拡大表示
- スポットライト効果
- カーソルパスの編集
オーディオ編集
音声の編集機能も充実しています。
音声処理:
- ノイズ除去
- 音量調整
- フェードイン・フェードアウト
- オーディオの分離
- 複数音声トラックの管理
音楽とサウンド:
著作権料無料の音楽やサウンド エフェクトをライブラリから選んで、ビデオにお使いください。
- ロイヤリティフリーの音楽
- 効果音ライブラリ
- BGMの追加
- 音声レベルの自動調整
テンプレートとアセット
テンプレート、ライブラリ、テーマ、ショートカット、お気に入り、プリセットを1つのファイルで共有できます。
テンプレート機能:
- あらかじめデザインされたテンプレート
- イントロ・アウトロのテンプレート
- ローワーサード(字幕風の装飾)
- アニメーション付きタイトル
アセットライブラリ:
- 著作権フリーの画像
- アイコン素材
- 背景画像
- モーションアニメーション
PowerPoint連携
プレゼンテーションをビデオに変換できます。PowerPoint用アドインを使用して録画するか、スライドをCamtasiaに直接インポートします。
PowerPoint機能:
- スライドの直接インポート
- PowerPointアドインでの録画
- スライドショーの録画
- プレゼン動画への変換
出力と共有
完成した動画を様々な形式で出力できます。
エクスポート形式:
- MP4(最も一般的)
- AVI
- MOV
- GIF アニメーション
直接アップロード:
作った動画をそのままYouTubeやVimeoにアップロードできるため便利です。
- YouTube
- Vimeo
- Screencast(TechSmith提供)
- Google Drive
Camtasiaの使い方

インストールと初期設定
Camtasiaを使い始める手順を説明します。
ダウンロードとインストール:
- TechSmith公式サイトにアクセス
- 無料体験版または製品版をダウンロード
- インストーラーを実行
- 画面の指示に従ってインストール
- ライセンスキーを入力(製品版の場合)
初回起動:
最初に起動すると、簡単なチュートリアルが表示されます。基本操作を学べるので、ぜひ活用しましょう。
画面録画の基本手順
実際に画面を録画する方法を説明します。
ステップ1:新規録画を開始
- Camtasiaを起動
- 「新規録画」ボタンをクリック
- Camtasia Recorderが起動します
ステップ2:録画設定
デフォルトでは全画面録画に設定されています。
- 録画範囲を選択(全画面、カスタム、範囲指定など)
- Webカメラのオン/オフを切り替え
- マイクを選択して音声録音を設定
- システムオーディオのオン/オフを設定
ステップ3:録画開始
- 「REC」ボタンをクリック(またはF9キー)
- カウントダウン後、録画が開始されます
- 必要な操作を実行
- 停止ボタンをクリックして終了
ステップ4:編集画面へ
録画が終わると、自動的に編集画面に映像が読み込まれます。
動画編集の基本手順
録画した動画を編集する方法です。
タイムラインの操作:
- 録画した動画がタイムラインに表示されます
- 再生ヘッド(縦線)を移動して編集位置を決定
- 不要な部分を選択して削除
- トラックを追加して素材を重ねる
カット編集:
- 分割したい位置に再生ヘッドを移動
- ハサミアイコンをクリック(またはSキー)
- 不要な部分を選択
- Deleteキーで削除
エフェクトの追加:
- 左側のメニューから「注釈」「カーソル効果」などを選択
- 追加したいエフェクトをドラッグ
- タイムライン上にドロップ
- プロパティで詳細設定
テキストと注釈の追加
動画に説明を加える方法です。
テキストの挿入:
- 左メニューから「注釈」を選択
- テキストボックスを選択
- タイムラインにドラッグ&ドロップ
- プレビュー画面でテキストを入力
- フォント、サイズ、色を調整
吹き出しの追加:
- 「注釈」から吹き出し図形を選択
- タイムラインに配置
- 位置とサイズを調整
- テキストを入力
音声の調整
音声を聞きやすくする方法です。
ノイズ除去:
- オーディオクリップを選択
- 「オーディオエフェクト」タブを開く
- 「ノイズ除去」にチェック
- プレビューで確認しながら調整
音量の調整:
- オーディオクリップを選択
- 「オーディオ」タブでボリュームスライダーを調整
- フェードイン・フェードアウトを追加
動画の出力
完成した動画をファイルとして保存します。
エクスポート手順:
- 「共有」ボタンをクリック
- 「ローカルファイル」を選択
- ファイル名を入力
- 保存先フォルダを指定
- 形式を選択(通常はMP4)
- 「エクスポート」をクリック
YouTubeへの直接アップロード:
- 「共有」→「YouTube」を選択
- Googleアカウントでログイン
- 動画のタイトルと説明を入力
- 公開設定(公開、限定公開、非公開)を選択
- 「アップロード」をクリック
Camtasiaの料金体系
2024年の価格改定について
2024年9月末までは買い切り版を購入できますが、それ以降はサブスクリプション制に移行しました。
重要な変更点:
- 2024年10月以降は買い切り版の新規販売終了
- サブスクリプション制に完全移行
- 既存の買い切り版ユーザーは継続利用可能
サブスクリプション料金
現在の主な料金プランです。
個人向けプラン:
- 月額または年額での支払い
- Camtasia本体
- Screencast(動画ホスティング)
- 著作権フリーアセットライブラリ
- 優先サポート
ビジネスプラン:
- チーム向けの複数ライセンス
- 管理機能
- 拡張サポート
無料体験版
購入前に、無料で試すことができます。
体験版の特徴:
- 全機能を使用可能
- 期間制限あり
- 出力動画に透かし(ウォーターマーク)が入る
- TechSmith公式サイトからダウンロード
教育機関向け割引
学校や教育機関向けの特別価格があります。
対象:
- 小中高校
- 大学・専門学校
- 教育関連機関
- 教職員・学生
割引率は通常より大幅に安く設定されています。
Camtasiaのメリット
初心者でも使いやすい
直感的にわかりやすく操作性も高いのですぐに編集作業ができるようになりました。
使いやすさのポイント:
- ドラッグ&ドロップの直感的操作
- 分かりやすいアイコン表示
- 日本語対応のインターフェース
- 豊富なチュートリアル動画
画面録画と編集が一体化
別々のソフトを使う必要がなく、効率的です。
ワークフローの例:
- Camtasiaで画面を録画
- そのまま同じソフトで編集
- 不要部分をカット
- テキストやエフェクトを追加
- 動画を出力
すべてが1つのソフトで完結します。
軽快な動作
会社のデスクトップパソコンはもちろん、在宅用のラップトップでも非常によく動きます。
パフォーマンス:
- 比較的軽量なソフトウェア
- ノートPCでも快適に動作
- エンコード時間も適切
テンプレートが豊富
すぐに使えるテンプレートで、時短できます。
テンプレートの種類:
- オープニング動画
- エンディング動画
- ローワーサード(字幕風装飾)
- タイトルアニメーション
- トランジション効果
PowerPointとの連携
プレゼン資料を簡単に動画化できます。
活用例:
- 会議のプレゼンを録画
- オンライン講座の教材作成
- ナレーション付きスライド動画
- ウェビナー用の資料
Camtasiaのデメリット

価格が高め
一部の代替品と比較して比較的高価です。
買い切り版時代は約3万円前後、サブスクリプションになってからも決して安くはありません。
高度な動画編集には不向き
動画編集をする視点で導入を検討する場合には、機能的に不足する部分が多いので、あくまでもキャプチャー主体の編集をする場合において使いやすいソフトという位置づけです。
不向きな用途:
- 映画のような高度な編集
- カラーグレーディング
- 複雑なモーショングラフィックス
- プロレベルの映像作品
無料版の制限
無料版ではビデオに透かしが入ります。
体験版の制限:
- 透かし(ウォーターマーク)が入る
- 使用期間の制限
- すべての機能は使えるが実用には不向き
ストック素材の質
ソフトに無料のストック素材が付いているのですが、あまり種類がなく品質はまあまあなので、その点はAdobeが強いかもしれません。
付属アセットの限界:
- 素材の種類が限定的
- デザインの質はそこそこ
- 有料素材の追加購入が必要なことも
エンコード時間
使用するPCのスペックに依存すると思いますが、エンコードにどうしても時間がかかります。
対策:
- 高性能なPCを使用
- 録画設定で解像度を調整
- 不要なエフェクトを減らす
Camtasiaの代替ソフト
無料の代替ソフト
予算を抑えたい場合の選択肢です。
OBS Studio:
Windowsでは、OBS(Open Broadcaster Software)がオープンソースで強力な画面録画機能を持つことで際立っています。
- 完全無料のオープンソース
- 画面録画とライブ配信に強い
- 設定がやや複雑
- 動画編集機能は別途必要
DaVinci Resolve:
- 無料版でも高機能
- プロレベルの動画編集
- カラーグレーディングに強い
- 画面録画機能はなし
Mac専用の代替ソフト
Macユーザーには、Screenflowが無料のCamtasia代替品として有名です。
ScreenFlow:
- macOS専用
- Camtasiaと似た機能
- 直感的な操作
- 買い切り版あり
より安価な選択肢
機能は限定的でも、コストを抑えたソフトです。
Wondershare DemoCreator:
- Camtasiaより低価格
- 画面録画+編集機能
- 初心者向け
- 無料版も充実
Bandicam + 動画編集ソフト:
- 画面録画に特化
- 軽量で高速
- 編集は別ソフトが必要
- 低価格
よくある質問と回答
Q1. Camtasiaは買い切りですか?サブスクですか?
2024年10月以降、サブスクリプション制に完全移行しました。
それ以前に買い切り版を購入したユーザーは、引き続き使用できます。ただし、最新版へのアップグレードには別途メンテナンス料金が必要です。
Q2. 無料で使い続けることはできますか?
体験版は期間限定で、透かしが入ります。
無料で継続使用したい場合は、OBS Studioなどの完全無料ソフトを検討しましょう。
Q3. WindowsとMacの両方で使えますか?
はい、両方に対応しています。
1つのライセンスで最大2台のコンピューターにインストールできますが、同時に使用できるのは1台のみです。
Q4. 初心者でも使えますか?
はい、初心者向けに設計されています。
動画の編集はiPhoneのdefaultアプリでしかやったことがないくらいの初心者でしたが、画面が直観的にわかりやすく操作性も高いのですぐに編集作業ができるようになりました。
公式チュートリアルやYouTube動画も豊富にあります。
Q5. ゲーム実況動画も作れますか?
画面録画機能を使えば可能ですが、最適ではありません。
注意点:
- ゲーム録画にはOBS Studioなどが適している
- リアルタイム配信には向いていない
- 録画後の編集には十分使える
- フレームレートの設定に注意が必要
Q6. 商用利用できますか?
はい、ライセンスに応じて可能です。
ビジネスライセンス:
- 商用利用OK
- 企業の宣伝動画
- 有料のオンライン講座
- YouTube収益化動画
Q7. どれくらいのPCスペックが必要ですか?
最低動作環境:
- Windows 10以降、またはmacOS 10.15以降
- メモリ4GB以上(8GB以上推奨)
- ハードディスク空き容量4GB以上
- 1366×768以上の画面解像度
推奨環境:
- メモリ16GB以上
- SSD搭載
- 専用グラフィックカード
Q8. スマートフォンの画面も録画できますか?
直接はできませんが、工夫すれば可能です。
方法:
- スマホの画面をPCにミラーリング
- ミラーリングされた画面をCamtasiaで録画
- ミラーリングアプリ(ApowerMirrorなど)が必要
まとめ
Camtasiaは、画面録画と動画編集を1つで完結できる優れたソフトウェアです。
この記事の重要なポイントをまとめます。
Camtasiaの特徴:
- 画面録画+動画編集のオールインワン
- 初心者でも使いやすい直感的操作
- WindowsとMac両対応
- 世界で3,400万人以上が利用
主な機能:
- 自由度の高い画面録画
- ドラッグ&ドロップの簡単編集
- 豊富なエフェクトとトランジション
- PowerPoint連携
- YouTube直接アップロード
料金体系:
- 2024年10月以降はサブスクリプション制
- 無料体験版あり(透かし入り)
- 教育機関向け割引あり
メリット:
- 学習コストが低い
- チュートリアル動画作成に最適
- テンプレートで時短できる
- 軽快な動作
デメリット:
- 価格が高め
- 高度な動画編集には不向き
- ストック素材の質はそこそこ
- エンコードに時間がかかる
おすすめの人:
- オンライン講座の講師
- 社内研修担当者
- YouTubeクリエイター
- ソフトウェアのサポート担当
- 教育関係者
代替ソフトの検討:
予算が限られている場合は、OBS Studio(無料)やWondershare DemoCreator(低価格)も選択肢です。
Camtasiaは、「とにかく簡単に、きれいな説明動画を作りたい」という方に最適なソフトです。無料体験版が用意されているので、まずは実際に触ってみて、自分の用途に合うか確認してみることをおすすめします。
画面録画と動画編集の両方を効率よく行いたい方は、ぜひCamtasiaを試してみてくださいね。

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