XMLスタイルシートが表示できない!原因と解決方法を徹底解説

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「XMLファイルにスタイルシートを適用したのに、ブラウザで見栄え良く表示されない」

こんな経験はありませんか?

XMLファイルは、CSSやXSLTといったスタイルシートを使って見た目を整えることができます。しかし、設定が少しでも間違っていると、スタイルが適用されず生のXMLデータがそのまま表示されてしまうことがあります。

この記事では、XMLスタイルシートが表示できない原因を詳しく解説し、それぞれの問題に対する具体的な解決方法をご紹介します。初めてXMLスタイルシートを扱う方でも分かるよう、基礎から丁寧に説明していきますね。

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  1. XMLスタイルシートの基本を理解しよう
    1. スタイルシートとは
    2. XMLで使える2種類のスタイルシート
    3. XMLファイルとスタイルシートの関連付け方法
  2. スタイルシートが表示できない主な原因
    1. 原因1:ファイルパスの指定ミス
    2. 原因2:CORS(Cross-Origin)の制限
    3. 原因3:XMLまたはスタイルシートの構文エラー
    4. 原因4:文字エンコーディングの不一致
    5. 原因5:ブラウザの対応状況
    6. 原因6:キャッシュの問題
    7. 原因7:サーバーのMIMEタイプ設定
  3. ファイルパス指定の問題を解決する方法
    1. 相対パスと絶対パスの違い
    2. ファイル構造とパス指定の例
    3. パス指定のトラブルシューティング
  4. CORS問題を解決する方法
    1. ローカル環境でのCORS問題
    2. 本番環境でのCORS対策
  5. 構文エラーを解決する方法
    1. XMLファイルの構文チェック
    2. CSSファイルの構文チェック
    3. XSLTファイルの構文チェック
  6. 文字エンコーディングの問題を解決する方法
    1. エンコーディングの統一
    2. エンコーディングの確認と変更方法
    3. BOM(バイトオーダーマーク)の問題
  7. ブラウザ対応の問題を解決する方法
    1. ブラウザごとの対応状況
    2. クロスブラウザ対応の推奨方法
    3. 開発者ツールでのデバッグ
  8. キャッシュ問題を解決する方法
    1. ブラウザキャッシュのクリア
    2. クエリパラメータを使った回避策
    3. 開発時のキャッシュ無効化
  9. サーバー設定の問題を解決する方法
    1. MIMEタイプの確認方法
    2. ApacheでのMIMEタイプ設定
    3. NginxでのMIMEタイプ設定
  10. 実践的な完全動作例
    1. 例1:CSS形式の基本的な例
    2. 例2:XSLT形式の基本的な例
  11. よくある質問と回答
    1. Q1. ローカルではスタイルが表示されるのに、サーバーにアップすると表示されません
    2. Q2. Chromeでは表示されないのに、Firefoxでは表示されます
    3. Q3. スタイルシートを更新したのに反映されません
    4. Q4. 日本語が文字化けします
    5. Q5. XMLのタグが画面に表示されてしまいます
  12. まとめ

XMLスタイルシートの基本を理解しよう

スタイルシートとは

スタイルシートとは、XMLファイルの見た目を整えるための指示書のことです。

XMLファイル自体はデータの構造だけを定義しているため、そのままブラウザで開いても読みにくい表示になってしまいます。スタイルシートを使うことで、色やレイアウトを指定して見やすくできます。

XMLで使える2種類のスタイルシート

XMLファイルには、主に2種類のスタイルシートを適用できます。

CSS(カスケーディング・スタイル・シート)

  • Webページでよく使われるスタイルシート
  • 色、フォント、レイアウトなどを指定できる
  • 比較的シンプルで理解しやすい

XSLT(XML Stylesheet Language Transformations)

  • XMLデータをHTML形式に変換できる
  • より複雑な変換処理が可能
  • CSSよりも高度だが習得が難しい

この記事では、両方のスタイルシートについて解説していきます。

XMLファイルとスタイルシートの関連付け方法

XMLファイルの冒頭に、以下のような記述を追加してスタイルシートを関連付けます。

CSS形式の場合

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<?xml-stylesheet type="text/css" href="style.css"?>
<books>
    <book>
        <title>XMLの基礎</title>
        <author>田中太郎</author>
    </book>
</books>

XSLT形式の場合

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<?xml-stylesheet type="text/xsl" href="transform.xsl"?>
<books>
    <book>
        <title>XMLの基礎</title>
        <author>田中太郎</author>
    </book>
</books>

この<?xml-stylesheet...?>という行が、スタイルシートとの橋渡し役になります。

スタイルシートが表示できない主な原因

XMLスタイルシートが正しく表示されない原因は、大きく分けて以下の7つがあります。

原因1:ファイルパスの指定ミス

最も多い原因が、スタイルシートファイルへのパス(場所)の指定間違いです。

よくある間違い

  • ファイル名のスペルミス
  • 相対パスと絶対パスの混同
  • フォルダ階層の間違い
  • 大文字小文字の不一致(Linuxサーバーなど)

症状

  • ブラウザの開発者ツールに404エラーが表示される
  • スタイルが全く適用されない
  • XMLがそのまま表示される

原因2:CORS(Cross-Origin)の制限

セキュリティ上の理由で、別のドメインやローカルファイルからのスタイルシート読み込みが制限されることがあります。

具体的な状況

  • ローカルのHTMLファイルからXMLを読み込んでいる
  • 異なるドメインのスタイルシートを参照している
  • file://プロトコルでファイルを開いている

症状

  • ブラウザのコンソールにCORSエラーが表示される
  • ネットワークタブでスタイルシートの読み込みが失敗している

原因3:XMLまたはスタイルシートの構文エラー

XMLファイルやスタイルシート自体に文法的な間違いがあると、正しく表示されません。

よくあるエラー

  • XMLのタグ閉じ忘れ
  • CSSの記述ミス
  • XSLTの構文エラー
  • 特殊文字のエスケープ漏れ

症状

  • ブラウザに「XMLの解析に失敗しました」というエラー
  • スタイルの一部だけが適用される
  • 真っ白なページが表示される

原因4:文字エンコーディングの不一致

XMLファイルとスタイルシートの文字コードが一致していないと問題が発生します。

よくあるケース

  • XMLはUTF-8、CSSはShift_JIS
  • エンコーディング宣言と実際の文字コードが異なる
  • BOM(バイトオーダーマーク)の有無の違い

症状

  • 日本語が文字化けする
  • スタイルシートが読み込めない
  • 一部のスタイルが無視される

原因5:ブラウザの対応状況

ブラウザによって、XMLスタイルシートのサポート状況が異なります。

ブラウザごとの違い

  • ChromeはXML+CSSの表示が制限的
  • FirefoxはXML+CSSに比較的対応している
  • SafariもXML表示に制限がある
  • Internet Explorerは独自の実装

症状

  • 特定のブラウザでのみ表示されない
  • 開発環境では動くが本番で動かない

原因6:キャッシュの問題

ブラウザがスタイルシートの古いバージョンをキャッシュしていることがあります。

症状

  • スタイルシートを更新したのに反映されない
  • 他の人のブラウザでは正しく表示される
  • リロードしても変わらない

原因7:サーバーのMIMEタイプ設定

Webサーバーが正しいMIMEタイプを返していないと、ブラウザがファイルを正しく解釈できません。

必要なMIMEタイプ

  • XMLファイル:application/xml または text/xml
  • CSSファイル:text/css
  • XSLTファイル:application/xslt+xml または text/xsl

症状

  • ローカルでは動くがサーバーにアップすると動かない
  • ブラウザがファイルをダウンロードしようとする

ファイルパス指定の問題を解決する方法

相対パスと絶対パスの違い

ファイルパスには、相対パスと絶対パスの2種類があります。

相対パス
現在のファイルからの相対的な位置を示す方法です。

<!-- 同じフォルダにある場合 -->
<?xml-stylesheet type="text/css" href="style.css"?>

<!-- サブフォルダにある場合 -->
<?xml-stylesheet type="text/css" href="css/style.css"?>

<!-- 親フォルダにある場合 -->
<?xml-stylesheet type="text/css" href="../style.css"?>

絶対パス
ルートディレクトリや完全なURLを指定する方法です。

<!-- サーバーのルートから指定 -->
<?xml-stylesheet type="text/css" href="/styles/style.css"?>

<!-- 完全なURLで指定 -->
<?xml-stylesheet type="text/css" href="https://example.com/style.css"?>

ファイル構造とパス指定の例

具体的なフォルダ構造で、正しいパス指定を見ていきましょう。

フォルダ構造

project/
├── data.xml
├── style.css
└── css/
    └── advanced.css

data.xmlの記述

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!-- 同じフォルダのstyle.css -->
<?xml-stylesheet type="text/css" href="style.css"?>
<!-- または、cssフォルダ内のadvanced.css -->
<?xml-stylesheet type="text/css" href="css/advanced.css"?>
<root>
    <!-- データ -->
</root>

パス指定のトラブルシューティング

パスが正しいか確認する手順です。

ステップ1:ブラウザの開発者ツールで確認

  1. ブラウザでXMLファイルを開く
  2. F12キーを押して開発者ツールを開く
  3. 「Network」または「ネットワーク」タブを選択
  4. ページをリロード
  5. スタイルシートファイルが読み込まれているか確認
  6. 404エラーが出ていないかチェック

ステップ2:パスを1つずつ確認

<!-- まず絶対パスで動作確認 -->
<?xml-stylesheet type="text/css" href="https://example.com/style.css"?>

<!-- 動いたら相対パスに変更 -->
<?xml-stylesheet type="text/css" href="style.css"?>

ステップ3:ファイル名の大文字小文字を確認
Windowsでは大文字小文字を区別しませんが、LinuxやMacのサーバーでは区別されます。

<!-- これらは別のファイルとして扱われる -->
<?xml-stylesheet type="text/css" href="Style.css"?>
<?xml-stylesheet type="text/css" href="style.css"?>

CORS問題を解決する方法

ローカル環境でのCORS問題

ローカルでXMLファイルを開く場合、CORSの制限に引っかかることがあります。

解決方法1:ローカルサーバーを立ち上げる

Pythonを使う方法(Python 3がインストールされている場合):

# XMLファイルがあるフォルダで実行
python -m http.server 8000

その後、ブラウザで http://localhost:8000/data.xml にアクセスします。

Node.jsを使う方法(Node.jsがインストールされている場合):

# http-serverをインストール
npm install -g http-server

# XMLファイルがあるフォルダで実行
http-server

Visual Studio Codeの拡張機能を使う方法

  1. VS Codeで「Live Server」拡張機能をインストール
  2. XMLファイルを右クリック
  3. 「Open with Live Server」を選択

解決方法2:ブラウザのセキュリティ設定を一時的に無効化

注意:この方法は開発・テスト時のみ使用してください。

Chrome

# Windowsの場合
chrome.exe --disable-web-security --user-data-dir="C:/temp/chrome"

# Macの場合
open -na "Google Chrome" --args --disable-web-security --user-data-dir="/tmp/chrome"

本番環境でのCORS対策

Webサーバーで適切なCORSヘッダーを設定します。

Apache(.htaccess)

<IfModule mod_headers.c>
    Header set Access-Control-Allow-Origin "*"
</IfModule>

Nginx

location ~* \.(xml|xsl|css)$ {
    add_header Access-Control-Allow-Origin *;
}

構文エラーを解決する方法

XMLファイルの構文チェック

XMLファイル自体にエラーがないか確認しましょう。

ブラウザでの確認方法

  1. XMLファイルをブラウザで開く
  2. エラーがあれば、エラーメッセージと行番号が表示される
  3. 該当箇所を修正

よくあるXMLエラーと修正例

エラー1:タグの閉じ忘れ

<!-- 間違い -->
<book>
    <title>XMLの基礎
    <author>田中太郎</author>
</book>

<!-- 正しい -->
<book>
    <title>XMLの基礎</title>
    <author>田中太郎</author>
</book>

エラー2:特殊文字のエスケープ漏れ

<!-- 間違い -->
<description>価格は100円 < 200円</description>

<!-- 正しい -->
<description>価格は100円 &lt; 200円</description>

エラー3:属性の引用符忘れ

<!-- 間違い -->
<book id=123>

<!-- 正しい -->
<book id="123">

CSSファイルの構文チェック

XMLに適用するCSSファイルにも特有の注意点があります。

基本的なCSS構文

/* XMLの要素名をセレクタとして使用 */
books {
    display: block;
    margin: 20px;
}

book {
    display: block;
    border: 1px solid #ccc;
    padding: 10px;
    margin-bottom: 10px;
}

title {
    display: block;
    font-size: 18px;
    font-weight: bold;
    color: #333;
}

author {
    display: block;
    color: #666;
    font-style: italic;
}

重要なポイント

  • XML要素にはデフォルトの表示スタイルがないため、displayプロパティを明示的に指定する
  • display: block;を指定しないと、要素が表示されないことがある

XSLTファイルの構文チェック

XSLT形式のスタイルシートの基本構造を確認しましょう。

基本的なXSLT構文

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<xsl:stylesheet version="1.0" xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform">
    <xsl:template match="/">
        <html>
            <head>
                <title>書籍リスト</title>
            </head>
            <body>
                <h1>書籍一覧</h1>
                <xsl:apply-templates select="books/book"/>
            </body>
        </html>
    </xsl:template>

    <xsl:template match="book">
        <div>
            <h2><xsl:value-of select="title"/></h2>
            <p>著者: <xsl:value-of select="author"/></p>
        </div>
    </xsl:template>
</xsl:stylesheet>

よくあるXSLTエラー

  • 名前空間(xmlns:xsl)の記述漏れ
  • xsl:プレフィックスの付け忘れ
  • テンプレートのマッチングパス間違い

文字エンコーディングの問題を解決する方法

エンコーディングの統一

XMLファイルとスタイルシートの文字コードを統一しましょう。

推奨設定:すべてUTF-8にする

XMLファイル

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<?xml-stylesheet type="text/css" href="style.css"?>

CSSファイルの先頭

@charset "UTF-8";

/* スタイル定義 */
books {
    display: block;
}

エンコーディングの確認と変更方法

Visual Studio Codeでの確認・変更

  1. ファイルを開く
  2. 右下のステータスバーに表示されている文字コードを確認
  3. クリックして「エンコード付きで保存」を選択
  4. 「UTF-8」を選択

Windowsメモ帳での確認・変更

  1. ファイルを開く
  2. 「ファイル」→「名前を付けて保存」
  3. 「エンコード」で「UTF-8」を選択
  4. 保存

BOM(バイトオーダーマーク)の問題

UTF-8ファイルには、BOMありとBOMなしの2種類があります。

推奨:BOMなしのUTF-8

XMLファイルでBOMありのUTF-8を使うと、パーサーがエラーを起こすことがあります。

BOMを削除する方法

  1. Visual Studio Codeで開く
  2. 「エンコード付きで保存」
  3. 「UTF-8」を選択(「UTF-8 with BOM」ではなく)

ブラウザ対応の問題を解決する方法

ブラウザごとの対応状況

主要ブラウザのXMLスタイルシートサポート状況です。

Firefox

  • XML+CSSの表示に最も対応している
  • XSLTのサポートも充実
  • 開発時の確認に最適

Chrome

  • XML+CSSの表示に制限がある
  • セキュリティ上の理由で一部機能が制限されている
  • XSLTは比較的よくサポートされている

Safari

  • Chromeと同様の制限がある
  • XSLTのサポートは良好

Edge

  • 最新版(Chromiumベース)はChromeと同様
  • 旧Edge(EdgeHTML)は独自の挙動

クロスブラウザ対応の推奨方法

すべてのブラウザで確実に動作させるには、以下の方法を推奨します。

方法1:XSLTでHTMLに変換する

XMLをHTMLに変換してから表示する方法が最も確実です。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<?xml-stylesheet type="text/xsl" href="transform.xsl"?>
<books>
    <!-- データ -->
</books>

XSLTでHTML形式に変換すれば、すべてのブラウザで同じように表示されます。

方法2:サーバーサイドで変換する

PHPやNode.jsなどのサーバーサイド言語でXMLを変換してからブラウザに送る方法です。

PHPの例

<?php
$xml = new DOMDocument();
$xml->load('data.xml');

$xsl = new DOMDocument();
$xsl->load('transform.xsl');

$proc = new XSLTProcessor();
$proc->importStylesheet($xsl);

echo $proc->transformToXML($xml);
?>

開発者ツールでのデバッグ

ブラウザの開発者ツールを使って問題を特定しましょう。

確認手順

  1. XMLファイルをブラウザで開く
  2. F12キーで開発者ツールを開く
  3. 「Console」(コンソール)タブでエラーメッセージを確認
  4. 「Network」(ネットワーク)タブでファイルの読み込み状況を確認
  5. 「Elements」(要素)タブでDOM構造を確認

キャッシュ問題を解決する方法

ブラウザキャッシュのクリア

スタイルシートを更新したのに反映されない場合は、キャッシュをクリアしましょう。

Chrome

  1. Ctrl + Shift + Delete(Macは Cmd + Shift + Delete)
  2. 「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
  3. 「データを削除」をクリック

スーパーリロード(強制再読み込み)

  • Windows:Ctrl + Shift + R
  • Mac:Cmd + Shift + R

これで、キャッシュを無視して最新のファイルを読み込めます。

クエリパラメータを使った回避策

スタイルシートのURLにバージョン番号を追加する方法です。

<!-- 更新のたびにバージョン番号を変更 -->
<?xml-stylesheet type="text/css" href="style.css?v=1.0.2"?>

URLが変わるため、ブラウザは新しいファイルとして認識し、必ず最新版を読み込みます。

開発時のキャッシュ無効化

開発中は、ブラウザの設定でキャッシュを無効化できます。

Chrome開発者ツール

  1. F12で開発者ツールを開く
  2. 「Network」タブを開く
  3. 「Disable cache」にチェックを入れる

これで、開発者ツールが開いている間はキャッシュが無効になります。

サーバー設定の問題を解決する方法

MIMEタイプの確認方法

サーバーが正しいMIMEタイプを返しているか確認しましょう。

ブラウザ開発者ツールでの確認

  1. F12で開発者ツールを開く
  2. 「Network」タブを開く
  3. XMLファイルやスタイルシートをクリック
  4. 「Headers」セクションの「Content-Type」を確認

正しいMIMEタイプ

  • XMLファイル:application/xml または text/xml
  • CSSファイル:text/css
  • XSLTファイル:application/xslt+xml

ApacheでのMIMEタイプ設定

.htaccessファイルでMIMEタイプを設定します。

# .htaccessファイル
AddType application/xml .xml
AddType text/css .css
AddType application/xslt+xml .xsl

NginxでのMIMEタイプ設定

Nginxの設定ファイル(nginx.confまたはmime.types)で設定します。

types {
    application/xml xml;
    text/css css;
    application/xslt+xml xsl;
}

実践的な完全動作例

例1:CSS形式の基本的な例

実際に動作するXMLとCSSのセットです。

data.xml

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<?xml-stylesheet type="text/css" href="style.css"?>
<books>
    <book>
        <title>XMLプログラミング入門</title>
        <author>山田花子</author>
        <price>2800</price>
    </book>
    <book>
        <title>Web技術の基礎</title>
        <author>佐藤一郎</author>
        <price>3200</price>
    </book>
</books>

style.css

@charset "UTF-8";

books {
    display: block;
    font-family: "メイリオ", sans-serif;
    max-width: 800px;
    margin: 20px auto;
    padding: 20px;
    background-color: #f5f5f5;
}

book {
    display: block;
    background-color: white;
    border: 2px solid #ddd;
    border-radius: 8px;
    padding: 15px;
    margin-bottom: 15px;
    box-shadow: 0 2px 4px rgba(0,0,0,0.1);
}

title {
    display: block;
    font-size: 20px;
    font-weight: bold;
    color: #2c3e50;
    margin-bottom: 8px;
}

author {
    display: block;
    color: #7f8c8d;
    font-size: 14px;
    margin-bottom: 5px;
}

author:before {
    content: "著者: ";
}

price {
    display: block;
    color: #e74c3c;
    font-size: 16px;
    font-weight: bold;
}

price:after {
    content: "円";
}

例2:XSLT形式の基本的な例

XMLをHTMLに変換する例です。

data.xml

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<?xml-stylesheet type="text/xsl" href="transform.xsl"?>
<books>
    <book>
        <title>XMLプログラミング入門</title>
        <author>山田花子</author>
        <price>2800</price>
    </book>
    <book>
        <title>Web技術の基礎</title>
        <author>佐藤一郎</author>
        <price>3200</price>
    </book>
</books>

transform.xsl

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<xsl:stylesheet version="1.0" xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform">
    <xsl:template match="/">
        <html>
            <head>
                <meta charset="UTF-8"/>
                <title>書籍一覧</title>
                <style>
                    body { font-family: "メイリオ", sans-serif; max-width: 800px; margin: 20px auto; }
                    .book { border: 2px solid #ddd; padding: 15px; margin-bottom: 15px; border-radius: 8px; }
                    .title { font-size: 20px; font-weight: bold; color: #2c3e50; }
                    .author { color: #7f8c8d; margin-top: 8px; }
                    .price { color: #e74c3c; font-weight: bold; margin-top: 5px; }
                </style>
            </head>
            <body>
                <h1>書籍一覧</h1>
                <xsl:apply-templates select="books/book"/>
            </body>
        </html>
    </xsl:template>

    <xsl:template match="book">
        <div class="book">
            <div class="title">
                <xsl:value-of select="title"/>
            </div>
            <div class="author">
                著者: <xsl:value-of select="author"/>
            </div>
            <div class="price">
                価格: <xsl:value-of select="price"/>円
            </div>
        </div>
    </xsl:template>
</xsl:stylesheet>

よくある質問と回答

Q1. ローカルではスタイルが表示されるのに、サーバーにアップすると表示されません

MIMEタイプの設定やファイルパスの問題が考えられます。

対処法

  1. サーバーのMIMEタイプ設定を確認
  2. 相対パスが正しいか確認(大文字小文字に注意)
  3. .htaccessファイルで明示的にMIMEタイプを設定
  4. ブラウザの開発者ツールでネットワークエラーを確認

Q2. Chromeでは表示されないのに、Firefoxでは表示されます

ChromeはセキュリティがFirefoxより厳しいため、特にローカルファイルでの動作に制限があります。

対処法

  1. ローカルサーバーを使用して http://localhost で開く
  2. XSLTを使用してHTMLに変換する方法に切り替える
  3. サーバーにアップして動作確認

Q3. スタイルシートを更新したのに反映されません

ブラウザのキャッシュが原因です。

対処法

  1. スーパーリロード(Ctrl + Shift + R)
  2. ブラウザのキャッシュをクリア
  3. スタイルシートのURLにバージョン番号を追加(?v=2など)
  4. 開発中は開発者ツールでキャッシュを無効化

Q4. 日本語が文字化けします

文字エンコーディングの問題です。

対処法

  1. XMLファイルとCSSファイルをすべてUTF-8で保存
  2. XMLヘッダーに encoding="UTF-8" が記述されているか確認
  3. CSSファイルの先頭に @charset "UTF-8"; を追加
  4. BOMなしのUTF-8で保存

Q5. XMLのタグが画面に表示されてしまいます

スタイルシートが読み込まれていないか、display属性が設定されていません。

対処法

  1. スタイルシートのパスが正しいか確認
  2. CSSで各要素に display: block; または display: inline; を設定
  3. ブラウザの開発者ツールでエラーを確認

まとめ

XMLスタイルシートの表示トラブルは、原因を特定すれば解決できます。

この記事の重要なポイントをまとめます。

主な原因と解決策

ファイルパスの問題

  • 相対パスと絶対パスを正しく使い分ける
  • 大文字小文字に注意する
  • ブラウザの開発者ツールで404エラーを確認

CORS問題

  • ローカルサーバーを使用する
  • 本番環境では適切なCORSヘッダーを設定
  • file://プロトコルでの動作は避ける

構文エラー

  • XMLとスタイルシートの文法をチェック
  • ブラウザでエラーメッセージを確認
  • オンラインバリデーターを活用

文字エンコーディング

  • すべてのファイルをUTF-8で統一
  • BOMなしのUTF-8を使用
  • 適切なcharset宣言を記述

ブラウザ対応

  • XSLTを使用したHTML変換が最も確実
  • Firefoxで開発・テストを行う
  • 開発者ツールでデバッグ

キャッシュ問題

  • スーパーリロードで強制更新
  • バージョン番号をURLに追加
  • 開発中はキャッシュを無効化

サーバー設定

  • 正しいMIMEタイプを設定
  • .htaccessまたはサーバー設定で明示的に指定

XMLスタイルシートは、正しく設定すればデータを美しく表示できる便利な機能です。この記事で紹介した解決策を1つずつ試していけば、きっと問題は解決するはずです。

トラブルに遭遇したら、まずブラウザの開発者ツールでエラーメッセージを確認することから始めましょう。エラーの内容が分かれば、適切な対処法を選べますよ。

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