仕事やプロジェクトでSlackを使う機会が増えていますよね。「Linuxを使っているけど、Slackってちゃんと動くの?」と心配している方もいるかもしれません。
安心してください。Linux版のSlackは公式にサポートされており、Windows版やMac版と同じように快適に使えます。この記事では、あなたのLinuxディストリビューションに合わせた、最適なインストール方法を紹介していきます。
Slackとは?まずは基本を確認

Slack(スラック)は、ビジネス向けのチャットツールです。チーム内でのメッセージのやり取り、ファイル共有、ビデオ通話などができます。
企業やプロジェクトチームのコミュニケーション手段として、世界中で広く使われているサービスです。
Linux版Slackの提供形式
Linux向けには、以下の形式でSlackが提供されています:
- DEBパッケージ(Ubuntu、Debian系)
- RPMパッケージ(Fedora、Red Hat系)
- Snap版(多くのディストリビューションで利用可能)
- Flatpak版(多くのディストリビューションで利用可能)
自分の使っているLinuxディストリビューションに合わせて、適切な方法を選びましょう。
Ubuntu・Debian系でのインストール方法

公式パッケージを使う方法(推奨)
Ubuntu、Linux Mint、Debian、elementary OSなどを使っている場合は、この方法が最も簡単です。
手順1:公式サイトからDEBファイルをダウンロード
- Webブラウザで「https://slack.com/intl/ja-jp/downloads/linux」にアクセス
- 「DEB 64ビット」ボタンをクリック
- ダウンロードフォルダに「slack-desktop-×.×.×-amd64.deb」というファイルが保存されます
手順2:ターミナルでインストール
ダウンロードフォルダに移動してから、次のコマンドを実行します:
cd ~/ダウンロード
sudo apt install ./slack-desktop-*.deb
パスワードを求められたら、システムのパスワードを入力してください。
手順3:起動確認
アプリケーションメニューから「Slack」を探して起動しましょう。初回起動時は、ワークスペースへのサインインが求められます。
Snap版を使う方法
Snapがインストール済みの環境では、この方法も簡単です:
sudo snap install slack
一行のコマンドで完了します。自動更新にも対応しているため、常に最新版を使えるのがメリットです。
Fedora・Red Hat系でのインストール方法
Fedora、CentOS、Rocky Linux、Alma Linuxなどを使っている場合は、RPMパッケージを利用します。
手順1:公式サイトからRPMファイルをダウンロード
- 「https://slack.com/intl/ja-jp/downloads/linux」にアクセス
- 「RPM 64ビット」ボタンをクリック
- 「slack-×.×.×-×.x86_64.rpm」というファイルがダウンロードされます
手順2:インストール実行
ダウンロードフォルダで次のコマンドを実行:
cd ~/ダウンロード
sudo dnf install ./slack-*.rpm
Fedora 21以前やCentOS 7などでは、dnfの代わりにyumを使用してください。
Arch Linux・Manjaro でのインストール方法
Arch LinuxやManjaroでは、AUR(Arch User Repository)からインストールできます。
手順1:AURヘルパーを使う方法
yayなどのAURヘルパーがインストール済みの場合:
yay -S slack-desktop
手順2:手動でインストールする方法
AURヘルパーがない場合は、手動でビルドします:
git clone https://aur.archlinux.org/slack-desktop.git
cd slack-desktop
makepkg -si
Flatpak版を使う方法
Flatpakはディストリビューションをまたいで使える、パッケージ管理システムです。
手順1:Flatpakをセットアップ
Flatpakがまだインストールされていない場合:
# Ubuntu/Debian系
sudo apt install flatpak
# Fedora系
sudo dnf install flatpak
手順2:Flathubリポジトリを追加
flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo
手順3:Slackをインストール
flatpak install flathub com.slack.Slack
手順4:起動方法
flatpak run com.slack.Slack
インストール後の初期設定
初回サインイン
- Slackを起動すると、サインイン画面が表示されます
- 「ワークスペースのURLを入力」または「メールアドレスでサインイン」を選択
- 参加しているワークスペースの情報を入力
- ブラウザが開いて認証が行われます
- 認証完了後、Slackアプリにワークスペースが表示されます
通知設定の確認
Linux環境では、デスクトップ通知の設定が必要な場合があります:
- Slackの設定(左上のワークスペース名をクリック)を開く
- 「環境設定」→「通知」を選択
- 通知方法を好みに合わせて調整
自動起動の設定
システム起動時に自動でSlackを起動したい場合:
- Slackの環境設定を開く
- 「詳細設定」セクションを探す
- 「起動時にSlackを自動的に起動する」にチェックを入れる
Web版との違いを理解しよう

Linux版のデスクトップアプリには、Web版にはないメリットがあります。
デスクトップアプリのメリット
1. 独立したウィンドウで動作
ブラウザのタブに埋もれず、作業に集中できます。
2. 通知機能が充実
デスクトップ通知がより確実に届きます。
3. オフライン対応
一度開いたメッセージは、オフラインでも閲覧可能です。
4. システムトレイに常駐
閉じても完全には終了せず、バックグラウンドで通知を受け取れます。
Web版が便利な場面
- 複数のアカウントを同時に使いたいとき
- インストール権限がない環境で使うとき
- ディスク容量を節約したいとき
よくあるトラブルと解決方法
起動できない場合
原因1:依存パッケージの不足
以下のコマンドで依存関係を修復できます:
# Ubuntu/Debian系
sudo apt --fix-broken install
# Fedora系
sudo dnf install --best --allowerasing
原因2:古いバージョンとの競合
古いSlackがインストールされている場合、一度削除してから再インストールしてください:
# Ubuntu/Debian系
sudo apt remove slack-desktop
sudo apt autoremove
# Fedora系
sudo dnf remove slack
音声通話・ビデオ通話ができない
Linux環境では、音声・ビデオ機能に追加の設定が必要な場合があります。
PulseAudioの確認:
pulseaudio --check
pulseaudio --start
カメラとマイクの権限確認:
Flatpak版を使っている場合、権限の付与が必要です:
flatpak permission-set devices camera com.slack.Slack yes
flatpak permission-set devices microphone com.slack.Slack yes
日本語入力がうまくいかない
一部の日本語入力システム(IME)では、設定が必要です。
fcitxを使っている場合:
環境変数を設定してSlackを起動します:
GTK_IM_MODULE=fcitx QT_IM_MODULE=fcitx slack
恒久的に設定したい場合は、デスクトップエントリファイルを編集してください。
アップデート方法
DEBパッケージの場合
公式サイトから最新のDEBファイルをダウンロードして、再度インストールコマンドを実行します。既存のバージョンが上書きされます。
RPMパッケージの場合
同様に、最新のRPMファイルをダウンロードして再インストールします。
Snap版・Flatpak版の場合
自動更新が有効になっているため、基本的に手動操作は不要です。
手動で更新を確認したい場合:
# Snap版
sudo snap refresh slack
# Flatpak版
flatpak update com.slack.Slack
どのインストール方法を選ぶべき?
それぞれの方法にメリット・デメリットがあります。
DEBパッケージ / RPMパッケージ(推奨)
メリット:
- システムに統合される
- パフォーマンスが良い
- 依存関係の管理が明確
デメリット:
- 手動更新が必要
おすすめの人:
標準的な方法を好む方、システムの管理に慣れている方
Snap版
メリット:
- 自動更新される
- インストールが簡単
- サンドボックス化されていて安全
デメリット:
- 起動がやや遅い
- ストレージを多く使う
おすすめの人:
自動更新を重視する方、Snapに慣れている方
Flatpak版
メリット:
- 自動更新される
- ディストリビューションに依存しない
- サンドボックス化されていて安全
デメリット:
- 初期設定がやや複雑
- 権限管理が必要な場合がある
おすすめの人:
Flatpakの環境が整っている方、セキュリティを重視する方
まとめ:Linuxでも快適にSlackを使おう
Linux環境でSlackを使うことは、まったく難しくありません。公式のサポートも充実しており、Windows版やMac版と同等の機能を利用できます。
この記事のポイント:
- Linux版Slackは公式にサポートされており、安定して動作する
- DEBパッケージ、RPMパッケージ、Snap、Flatpakから選べる
- ディストリビューションごとに最適なインストール方法がある
- デスクトップアプリはWeb版よりも通知機能が優れている
- トラブルシューティングの方法を知っておけば安心
自分のLinux環境に合った方法を選んで、快適なSlackライフを始めましょう。リモートワークやチームコミュニケーションが、さらにスムーズになるはずです。
困ったときは:
公式のヘルプセンター(https://slack.com/help)も充実しています。Linux固有の問題については、コミュニティフォーラムで情報を探すのも有効です。

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