湖の静かな水面に突然現れる、長い首と巨大な体を持つ謎の生物…。
こんな光景を想像したことはありませんか?
南米アルゼンチンのリゾート地にある美しい湖で、100年以上も前から目撃され続けている謎の生物がいます。
その名も「ナウエリート」。
地元では愛され、かつて紙幣のデザインにまで採用されたこの生物の正体とは一体何なのでしょうか?
この記事では、南米最大の謎として知られる未確認生物「ナウエリート」について詳しくご紹介します。
ナウエリートってどんな生物なの?

ナウエリート(Nahuelito)は、アルゼンチン南部のパタゴニア地域にあるナウエル・ウアピ湖に生息するといわれる未確認生物(UMA)です。
「南米版ネッシー」や「パタゴニアのプレシオサウルス」とも呼ばれ、首長竜を思わせる姿から世界中の注目を集めています。
アルゼンチン国内での知名度は非常に高く、かつて使用されていた旧1ペソ紙幣には、湖面から首を出したナウエリートの姿がデザインされていたほどなんです。
ナウエル・ウアピ湖は高級リゾート地として知られる観光地でもあり、美しい景観の中でこの謎の生物が目撃され続けているんですね。
姿・見た目
ナウエリートの外見は、まさに恐竜時代の生き残りを思わせる不思議な姿をしています。
ナウエリートの身体的特徴
- 体長:5〜40メートル(目撃者によって大きく異なる)
- 体色:灰色から黒色
- 首:細長く、水面から2メートル以上も突き出す
- 頭部:小さめ
- 背中:コブ(隆起)がある
- ヒレ:魚のようなヒレを持つ
- 体型:ヘビのように細長い胴体
- 皮膚:毛皮のような質感という証言もある
興味深いのは、目撃者によって報告される体長が5メートルから40メートルまでと、かなりバラつきがあることです。これは複数の個体が存在する可能性や、距離感の誤認などが考えられますね。
全体的な姿は、大蛇のような細長い体に小さな頭を持ち、背中にはコブがあるという、まさに恐竜の首長竜を思わせる特徴を備えているんです。
特徴

ナウエリートの行動パターンや生態には、いくつか興味深い特徴があります。
生息地の特徴
ナウエル・ウアピ湖は、アルゼンチン南部のパタゴニア地域にある大きな湖で、周辺は高級リゾート地として観光客に人気があります。
この湖は深く広大で、もし大型の水棲生物が潜んでいても不思議ではない環境なんですね。
移動方法
目撃証言によると、ナウエリートはヘビのように体を上下に波打たせて泳ぐそうです。
この動き方は、水棲爬虫類の特徴と一致しており、プレシオサウルス説を裏付ける証拠の一つとされています。
人間との関わり
基本的には人間を襲うような凶暴な存在ではないとされていますが、1960年にはアルゼンチン海軍の潜水艦が正体不明の物体に18日間も追跡されたという不気味な出来事もあったそうです。
もし本当にナウエリートだったとすると、敵と見なした対象には警戒心を示すのかもしれませんね。
伝承

ナウエリートの目撃証言は、古くから現代まで続いています。
先住民の伝承
ナウエリートの物語の起源は、スペインによる征服以前の先住民の伝承にまで遡るといわれています。
先住民たちは、湖に棲む水の怪物との遭遇について、代々語り伝えてきたそうです。
1897年:最初の公式記録
記録に残る最初の目撃報告は1897年のものです。地元住民が湖で奇妙な生物を目撃したことが報告されました。
1910年:ジョージ・ギャレットの目撃
1910年、湖の近くで働いていたジョージ・ギャレットという男性が、湖岸から約400メートル離れた場所で怪物を目撃しました。
目撃時の詳細
- 水面に見えていた部分の長さ:5〜7メートル
- 水面から突き出していた首の高さ:約2メートル
- 距離:約400メートル
ギャレットは地元の人々に話を聞いたところ、先住民の間でも似たような生物の話が伝わっていることを知りました。
この目撃は1922年にトロント・グローブ紙で報じられ、国際的な注目を集めたんです。
1922年:ブエノスアイレス動物園の調査
ギャレットの証言が新聞で報道されると、ブエノスアイレス動物園の園長クレメンテ・オネリが大規模な調査隊を組織しました。
パタゴニアの湖にプレシオサウルスが生息している可能性を探る初の本格的な調査でしたが、残念ながら決定的な証拠は見つかりませんでした。
この調査が行われた小さな湖は、今でも「プレシオサウルスの湖(Laguna del Plesiosaurio)」と呼ばれています。
1930年:引きずり痕の発見
1930年には、マーチン・シフィールドという人物が湖岸で何かを引きずったような不思議な痕跡を発見しました。
さらに彼は、ワニのような胴体を持つ怪物が湖面から首を出している場面も目撃したそうです。
1960年:海軍の追跡事件
1960年、アルゼンチン海軍が湖で正体不明の水中物体を18日間も追跡したという出来事がありました。
結局、その正体を特定することはできませんでしたが、一部の人々はこれをナウエリートと関連付けています。
2006年:写真の登場
もっとも話題になったのは、2006年4月17日の出来事です。
サンカルロス・デ・バリローチェにある「エル・コルディレラーノ」という新聞社に、匿名の男性から3枚の写真が送られてきました。
写真には、ヘビのような体を上下に波打たせながら泳ぐ生物の姿が写っていたんです。
新聞社はこのうち2枚を紙面に掲載しましたが、「真偽の判断は読者に任せます」というコメントを添えました。
この写真をめぐっては、世界中で真偽についての大論争が巻き起こりました。
起源
ナウエリートの正体については、いくつかの説が唱えられています。
プレシオサウルス説
もっとも有名なのが、プレシオサウルスの生き残り説です。
プレシオサウルスとは、約2億年前から6,600万年前まで海に生息していた首長竜の一種で、長い首と大きな体を持っていました。
目撃証言がプレシオサウルスの特徴と一致することから、この説が最も支持されています。
イクチオサウルス説
イルカに似た姿をしているという証言から、同じく絶滅した海棲爬虫類のイクチオサウルス(魚竜)の生き残りではないかという説もあります。
イクチオサウルスは流線型の体を持ち、現代のイルカのように泳いでいたとされる生物です。
古代クジラ説
一部の研究者は、絶滅した古代クジラの仲間が生き残っている可能性を指摘しています。
核実験による突然変異説
1950年代にこの地域で秘密裏に核実験が行われ、その影響で何らかの生物が突然変異を起こして巨大化したという説もあります。
ただし、この説を裏付ける確実な証拠はありません。
誤認説
冷静に考えると、潜水艦や流木、波、あるいは既存の大型魚類を見誤った可能性も否定できません。
湖という限られた環境で、恐竜のような大型生物が数千万年も生き延びるのは生物学的にかなり困難だからです。
名前の由来
「ナウエリート」という名前は、先住民の言葉でジャガー(大型ネコ科動物)を意味する「yaguarete」に由来するという説があります。
また、湖の名前「ナウエル・ウアピ」から付けられたという説もあり、はっきりとした語源は分かっていません。
まとめ
ナウエリートは、100年以上にわたって目撃され続けている南米最大の謎です。
重要なポイント
- アルゼンチンのナウエル・ウアピ湖に生息するとされる未確認生物
- 「南米版ネッシー」「パタゴニアのプレシオサウルス」とも呼ばれる
- 体長5〜40メートル、細長い首と小さな頭、コブのある背中が特徴
- 1897年から現代まで、数多くの目撃証言がある
- 旧1ペソ紙幣にデザインされるほど地元で愛されている
- プレシオサウルスやイクチオサウルスの生き残り説が有名
- 2006年の写真が世界的な議論を呼んだ
真実は誰にも分かりませんが、美しいリゾート地の湖に今も謎の生物が潜んでいるかもしれないと思うと、ロマンを感じますね。
もしアルゼンチンのパタゴニアを訪れる機会があれば、ナウエル・ウアピ湖の水面をじっくり観察してみてはいかがでしょうか?
もしかしたら、あなたがナウエリートの新たな目撃者になるかもしれません。


コメント