「Google Search Consoleは使っているけど、Bing Webmaster Toolsって必要なの?」
多くのWebサイト運営者は、Googleに注力しがちですが、実はBingも無視できない存在なんです。日本ではシェアが小さいものの、Windows標準ブラウザのEdgeではBingが既定の検索エンジン。アメリカでは検索シェア約30%を占めています。
Bing Webmaster Toolsは完全無料で使えて、サイトのパフォーマンス分析やSEO改善に役立つ機能が満載です。
この記事では、Bing Webmaster Toolsのアカウント作成から基本的な使い方、便利な機能まで、初心者の方にも分かりやすく詳しく解説していきます。
Bing Webmaster Toolsとは?

まずは、Bing Webmaster Toolsの基本を理解しておきましょう。
Microsoft提供のウェブマスターツール
Bing Webmaster Toolsは、Microsoftが提供する無料のサイト分析・管理ツールです。
開発元
- Microsoft Corporation
- Bing検索エンジンの公式ツール
- 2006年から提供開始
Googleのサービスに頼りたくない方にも最適です。
主な機能
豊富な機能が無料で使えます。
基本機能
- サイトのパフォーマンス分析
- 検索クエリの確認
- インデックス状況の監視
- クロールエラーの検出
- サイトマップの送信
- 被リンクの確認
分析機能
- キーワードリサーチツール
- SEOレポート
- ページ速度分析
- モバイルフレンドリーチェック
- セキュリティ問題の検出
追加機能
- URL検査ツール
- robots.txt テスター
- マークアップバリデーター
- APIアクセス
Google Search Consoleと同等、またはそれ以上の機能があります。
なぜBing Webmaster Toolsが必要なのか
理由1:Bingの検索シェア
日本では5%程度ですが、世界では無視できないシェアです。
- アメリカ:約30%
- ヨーロッパ:10〜20%
- 企業内検索:高いシェア
理由2:DuckDuckGoなどへの影響
Bingの検索結果は、DuckDuckGoなど他の検索エンジンでも使われています。
理由3:追加のインサイト
Googleとは異なる視点でのデータが得られます。
理由4:完全無料
すべての機能が無料で、制限なく使えます。
Google Search Consoleとの違い
2つのツールを比較してみましょう。
基本機能の比較
共通する機能
- サイトの登録と所有権確認
- 検索パフォーマンスの分析
- クロールエラーの検出
- サイトマップの送信
- URL検査
- モバイルユーザビリティチェック
Bing独自の機能
- キーワードリサーチツール(無料)
- より詳細なSEOレポート
- SEOアナライザー
- サイトスキャン機能
- 競合サイト分析
Google独自の機能
- コアウェブバイタルの詳細
- AMP関連レポート
- 動画やニュースの専用セクション
データの見方の違い
Bing Webmaster Tools
- より直感的なUI
- SEO初心者に優しい
- 改善提案が具体的
Google Search Console
- より詳細なデータ
- プロ向けの情報が多い
- リアルタイム性が高い
どちらを使うべきか
答え:両方使うのがベスト
理由:
- 無料だから導入コストゼロ
- 異なる視点でサイトを分析できる
- トラフィックの機会損失を防げる
- 相互補完的に使える
アカウント作成方法
Bing Webmaster Toolsを使い始めましょう。
必要なもの
準備するもの
- Microsoftアカウント(無料で作成可能)
- または、Googleアカウント、Facebookアカウント
- 管理するウェブサイト
Microsoftアカウントがなくても、Googleアカウントでサインインできます。
サインアップ手順
手順
- Bing Webmaster Tools公式サイトにアクセス
- https://www.bing.com/webmasters/
- 「サインイン」または「使用を開始する」をクリック
- アカウントの選択画面が表示される
選択肢
- Microsoft アカウント
- Google アカウント
- Facebook アカウント
- 希望するアカウントを選択
- 認証情報を入力
- サインイン完了
Microsoftアカウントの新規作成
Microsoftアカウントを持っていない場合の作成方法です。
手順
- サインイン画面で「Microsoft アカウントの作成」をクリック
- メールアドレスを入力
- 既存のメールアドレス
- または新しいOutlook.comアドレスを作成
- パスワードを設定
- 名前を入力
- 生年月日と国を入力
- セキュリティ情報(電話番号またはメール)を追加
- 認証コードを入力
- アカウント作成完了
数分で完了します。
サイトの登録・追加方法

アカウント作成後、サイトを登録します。
方法1:手動でサイトを追加
最も一般的な方法です。
手順
- Bing Webmaster Toolsにサインイン
- 「サイトを追加」ボタンをクリック
- サイトのURLを入力
- 例:https://example.com
- httpsかhttpを正確に入力
- サイトマップのURLを入力(任意)
- 例:https://example.com/sitemap.xml
- 「追加」をクリック
次に所有権の確認が必要になります。
方法2:Google Search Consoleからインポート
既にGoogle Search Consoleを使っている場合、データをインポートできます。
手順
- サイト追加画面で「インポート」を選択
- Googleアカウントでサインイン
- 権限を許可
- インポートするサイトを選択
- 「インポート」をクリック
メリット
- 所有権確認が不要
- サイトマップなども自動で設定
- 数クリックで完了
これが最も簡単な方法です。
方法3:サイトマップファイルから追加
XMLサイトマップからサイトを追加することもできます。
手順
- 「サイトマップから追加」を選択
- サイトマップのURLを入力
- サイトマップが解析される
- 検出されたサイトを選択
- 追加
複数のサイトを一度に追加したい場合に便利です。
所有権の確認方法
サイトを追加したら、所有権を確認する必要があります。
方法1:XMLファイルの配置(推奨)
最も簡単で一般的な方法です。
手順
- 所有権確認画面でXMLファイルをダウンロード
- ファイル名:BingSiteAuth.xml
- FTPまたはファイルマネージャーでサイトのルートディレクトリにアップロード
- 例:https://example.com/BingSiteAuth.xml
- ブラウザでファイルにアクセスして確認
- Bing Webmaster Toolsで「確認」をクリック
確認には数分かかることがあります。
方法2:HTMLメタタグ
サイトのHTMLにタグを追加する方法です。
手順
- 所有権確認画面で「HTMLメタタグ」を選択
- 表示されたタグをコピー
<meta name="msvalidate.01" content="12345ABCDE..." />
- サイトのホームページの
<head>セクションに貼り付け - ファイルを保存してアップロード
- Bing Webmaster Toolsで「確認」をクリック
WordPressの場合
テーマの functions.php またはSEOプラグイン(Yoast SEO、All in One SEO)の設定で追加できます。
方法3:CNAME レコード
DNS設定を使う方法です。
手順
- 所有権確認画面で「CNAME」を選択
- 表示されたCNAMEレコードをメモ
- ホスト名:〇〇〇.example.com
- 値:verify.bing.com
- ドメインのDNS設定画面にアクセス
- CNAMEレコードを追加
- DNS変更が反映されるまで待つ(最大24時間)
- Bing Webmaster Toolsで「確認」をクリック
技術的な知識が必要ですが、確実な方法です。
方法4:HTMLファイルのアップロード
XMLファイルと似た方法です。
手順
- HTMLファイルをダウンロード
- ルートディレクトリにアップロード
- ブラウザでアクセスして確認
- 「確認」をクリック
どの方法でも問題ありませんが、XMLファイルまたはHTMLメタタグが簡単です。
ダッシュボードの見方

所有権確認後、ダッシュボードにアクセスできます。
ダッシュボードの構成
左サイドバーに主なメニューが表示されます。
主要メニュー
- ダッシュボード(ホーム)
- サイトエクスプローラー
- パフォーマンス
- URL検査
- サイトマップ
- レポートとデータ
- 診断とツール
- セキュリティ
- 設定
ホーム画面の概要
表示される情報
- インプレッション数(表示回数)
- クリック数
- 平均CTR(クリック率)
- 平均掲載順位
- インデックス済みページ数
- クロールエラー数
- サイトマップの状態
一目でサイトの健康状態が分かります。
パフォーマンスグラフ
期間の選択
- 過去7日間
- 過去28日間
- 過去3か月
- 過去12か月
- カスタム期間
データを比較して、トレンドを把握できます。
主な機能の使い方
実際にツールを活用していきましょう。
パフォーマンスレポート
サイトへのトラフィックを分析します。
確認できるデータ
検索クエリ
- どんなキーワードで表示されているか
- 各キーワードのクリック数
- インプレッション数
- CTR(クリック率)
- 平均順位
ページ
- どのページが人気か
- ページごとのクリック数
- パフォーマンスの推移
国
- どの国からのアクセスが多いか
- 地域別のパフォーマンス
デバイス
- デスクトップ
- モバイル
- タブレット
活用方法
- 高順位だがCTRが低いキーワード → メタディスクリプション改善
- インプレッションは多いがクリックが少ない → タイトル改善
- 順位が下がっているページ → コンテンツ見直し
サイトエクスプローラー
サイト全体の健康状態をチェックします。
確認項目
概要
- インデックス済みページ数
- クロール統計
- 検出されたエラー
ページ
- すべてのインデックス済みページ
- ページの状態
- 最終クロール日時
除外されたページ
- インデックスされていないページ
- 除外理由
- 対処方法
クロールエラー
- 404エラー
- サーバーエラー(5xx)
- アクセス拒否
- リダイレクト問題
エラーは優先的に修正しましょう。
キーワードリサーチ
無料のキーワード調査ツールです。
使い方
- 左メニューから「診断とツール」→「キーワードリサーチ」を開く
- 調べたいキーワードを入力
- 国を選択(日本を選択)
- 「検索」をクリック
表示される情報
- 月間検索ボリューム
- 関連キーワード
- キーワードの難易度
- 推奨入札価格(広告用)
コンテンツ作成に役立ちます。
SEOレポート
サイトのSEO上の問題点を自動検出します。
チェック項目
エラー
- 重複コンテンツ
- メタタグの問題
- altタグの欠落
- リンク切れ
- ページ速度の問題
警告
- 改善可能な項目
- ベストプラクティス違反
成功
- 正しく設定されている項目
スコアが表示されるので、改善の優先順位が分かります。
URL検査ツール
特定のURLの状態を調べます。
使い方
- 上部の検索ボックスにURLを入力
- Enterキーを押す
表示される情報
- インデックス状態
- 最終クロール日時
- クロールされたバージョン(PC/モバイル)
- 検出された問題
- 構造化データ
できること
- インデックスのリクエスト
- ライブテスト
- モバイルフレンドリーチェック
新しく公開した記事は、この機能でインデックスをリクエストしましょう。
サイトマップの送信

検索エンジンにサイト構造を伝えます。
サイトマップとは
サイト内のページ一覧をXML形式で記述したファイルです。
サイトマップの利点
- クロール効率の向上
- 新しいページの早期発見
- 更新情報の通知
- 優先度の指定
サイトマップの送信方法
手順
- 左メニューから「サイトマップ」を選択
- 「サイトマップの送信」をクリック
- サイトマップのURLを入力
- 例:https://example.com/sitemap.xml
- 相対パス:/sitemap.xml
- 「送信」をクリック
複数のサイトマップ
複数送信することも可能です。
- メインサイトマップ:sitemap.xml
- 記事用:post-sitemap.xml
- 固定ページ用:page-sitemap.xml
サイトマップの状態確認
確認項目
- 送信日時
- 最終読み取り日時
- 検出されたURL数
- インデックス済みURL数
- エラーや警告
エラーがある場合は、サイトマップの内容を確認して修正してください。
サイトマップがない場合
WordPressの場合
Yoast SEOやAll in One SEOなどのプラグインが自動生成します。
手動作成の場合
オンラインツールを使って生成できます。
- XML-sitemaps.com
- Screaming Frog SEO Spider
または、開発者に依頼してください。
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法です。
トラブル1:所有権確認ができない
症状
「所有権を確認できませんでした」とエラーが出る。
対処法
XMLファイルの場合
- ファイルが正しくアップロードされているか確認
- ブラウザで直接アクセスしてファイルが表示されるか確認
- サーバーのファイアウォール設定を確認
- robots.txtでブロックしていないか確認
HTMLメタタグの場合
- タグがホームページの
<head>内にあるか確認 - タグの内容が正確か確認(コピーミスがないか)
- キャッシュをクリア
- ページのソースコードを確認
トラブル2:データが表示されない
症状
サイトを追加したのに、データが何も表示されない。
対処法
- 登録から24〜48時間待つ(データ収集に時間がかかる)
- サイトマップを送信
- URL検査でインデックスをリクエスト
- robots.txtでBingbotをブロックしていないか確認
トラブル3:クロールエラーが大量にある
症状
404エラーが何百件も表示される。
対処法
- エラーの内容を確認
- 削除したページ→301リダイレクト設定
- 存在しないページ→404のまま放置(問題なし)
- 重要なページ→リンク切れを修正
- 優先度の高いものから対処
- 「修正済み」としてマーク
すべてのエラーを完璧に修正する必要はありません。
トラブル4:インデックスされない
症状
新しいページがインデックスされない。
対処法
- URL検査でページの状態を確認
- robots.txtでブロックしていないか確認
- noindexタグがついていないか確認
- サイトマップに含まれているか確認
- URL検査から「インデックスをリクエスト」
通常、数日から数週間でインデックスされます。
トラブル5:サイトマップエラー
症状
「サイトマップを読み取れませんでした」と表示される。
対処法
- サイトマップのURLが正しいか確認
- ブラウザで直接アクセスして表示されるか確認
- XMLの構文エラーがないか確認
- ファイルサイズが大きすぎないか確認(50MB以下推奨)
- サーバーが正常に応答しているか確認
Google Search Consoleとの連携
両方のツールを効率的に使う方法です。
データのエクスポートと比較
活用方法
- Google Search Consoleでデータをエクスポート
- Bing Webmaster Toolsでデータをエクスポート
- スプレッドシートで比較分析
比較すべき項目
- 検索クエリの違い
- CTRの違い
- 順位の違い
異なる検索エンジンでのユーザー行動が分かります。
相互補完的な使い方
Googleで評価されているページ
- Bingでも上位表示を狙う
- メタタグをBing向けに最適化
Bingで評価されているページ
- Googleでも同様の戦略を適用
- コンテンツをさらに強化
両方で問題が出ているページ
共通の問題がある可能性が高いので、優先的に改善しましょう。
API利用(上級者向け)
プログラムから自動でデータを取得できます。
Bing Webmaster Tools API
できること
- クエリデータの取得
- クロール統計の取得
- URLの送信
- サイトマップの管理
利用方法
- Bing Webmaster Toolsで「設定」→「API アクセス」を開く
- APIキーを生成
- APIドキュメントに従ってリクエストを送信
プログラミング知識が必要です。
活用例
- 毎日の自動レポート生成
- ダッシュボードへのデータ統合
- 大量のURL送信の自動化
大規模サイトや複数サイト管理に便利です。
よくある質問
Q: Bing Webmaster Toolsは日本語対応している?
A: はい、インターフェースは日本語化されています。一部英語表記もありますが、基本的な使用には問題ありません。
Q: 登録にお金はかかる?
A: 完全無料です。すべての機能が無料で、制限もありません。
Q: Google Search Consoleとどちらが重要?
A: Googleの検索シェアが高いため、Google Search Consoleの方が優先度は高いです。ただし、Bingも登録しておくべきです。
Q: 登録したらBingの検索順位が上がる?
A: 登録自体では順位は上がりません。ただし、インデックスが促進され、問題点を把握できるため、間接的にSEOに貢献します。
Q: 複数サイトを管理できる?
A: はい、1つのアカウントで複数のサイトを管理できます。サイト数の制限はありません。
まとめ
Bing Webmaster Toolsについて詳しく解説しました。
重要なポイントをおさらいしましょう。
- Bing Webmaster Toolsは完全無料のサイト管理ツール
- Google Search Consoleと併用するのがベスト
- 登録はGoogle Search Consoleからのインポートが最も簡単
- 所有権確認はXMLファイルまたはHTMLメタタグで
- キーワードリサーチ、SEOレポートなど独自の便利機能あり
- サイトマップを送信してクロールを促進
- データ反映には24〜48時間かかる
Bingのシェアは日本では小さいですが、設定は簡単で無料。登録しておいて損はありません。
この記事を参考に、ぜひBing Webmaster Toolsを導入して、より多くの検索エンジンからのアクセスを獲得してください。
検索流入の最大化を応援しています!


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