「Parallels Desktopをインストールしたいけど、失敗したらどうしよう…」
Mac上でWindowsを動かせる便利なParallels Desktopですが、インストール作業に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、Parallels Desktopのインストールは思っているよりも簡単です。ただし、いくつか注意すべきポイントがあるのも事実。
この記事では、Parallels Desktopのインストールに特化して、事前準備から完了後の確認まで、一つ一つ丁寧に解説していきます。
インストール前の準備

スムーズにインストールするために、事前に確認しておくべきことがあります。
Macのスペックを確認する
まずは、お使いのMacがParallels Desktopを動かせるか確認しましょう。
確認方法
- 左上のAppleメニューをクリック
- 「このMacについて」を選択
- 以下の情報を確認
チェック項目
- チップ:Intel / Apple M1 / M2 / M3
- メモリ:搭載RAM容量
- ストレージ:空き容量
- macOS:バージョン
最低スペックと推奨スペック
Intel Macの場合
最低スペック:
- macOS Big Sur 11.0以降
- メモリ 4GB
- 空き容量 600MB + ゲストOS用
推奨スペック:
- macOS最新版
- メモリ 16GB以上
- SSD 100GB以上の空き容量
Apple Silicon Mac(M1/M2/M3)の場合
最低スペック:
- macOS Big Sur 11.3以降
- メモリ 8GB
- 空き容量 600MB + ゲストOS用
推奨スペック:
- macOS最新版
- メモリ 16GB以上
- SSD 100GB以上の空き容量
空き容量の計算
Parallelsと仮想マシンで必要な容量を計算しておきましょう。
必要な容量の内訳
- Parallels Desktop本体:約600MB
- Windows 11本体:約25GB
- Windowsアプリとデータ:20〜50GB
- 作業用の余裕:10GB以上
合計目安:60〜90GB
現在の空き容量が不足している場合は、不要なファイルを削除してください。
macOSを最新版に更新
古いmacOSでは、最新のParallelsが動作しない可能性があります。
更新方法
- Appleメニュー→「システム設定」を開く
- 「一般」→「ソフトウェアアップデート」をクリック
- 更新がある場合はインストール
- 再起動
アップデートには時間がかかるので、時間に余裕がある時に行いましょう。
バックアップを取る
念のため、Macのバックアップを取っておくと安心です。
Time Machineでのバックアップ
- 外付けHDDを接続
- システム設定→「Time Machine」を開く
- 「バックアップを今すぐ作成」をクリック
万が一の時に、すぐに元に戻せます。
インターネット環境の確認
インストールには、安定したインターネット接続が必要です。
確認ポイント
- Wi-Fiが安定して接続されている
- 速度が十分(最低10Mbps以上)
- データ通信量の制限がない
ダウンロードに数GBかかるため、Wi-Fi環境を推奨します。
ダウンロード手順

準備が整ったら、Parallels Desktopをダウンロードしましょう。
公式サイトへアクセス
手順
- Safariなどのブラウザを開く
- 「https://www.parallels.com/jp/」にアクセス
- 公式サイトのトップページが表示される
注意:必ず公式サイトからダウンロードしてください。非公式サイトは危険です。
無料トライアルをダウンロード
購入前に、14日間の無料トライアルで試すことができます。
手順
- 「無料トライアルをダウンロード」ボタンをクリック
- メールアドレスを入力
- 「今すぐダウンロード」をクリック
- dmgファイルのダウンロードが開始
ダウンロードファイル名の例
- Install-Parallels-Desktop.dmg
ファイルサイズは約500〜600MBです。通常5〜15分でダウンロード完了します。
ダウンロード場所の確認
ダウンロードしたファイルは、通常「ダウンロード」フォルダに保存されます。
確認方法
- Finderを開く
- 左側のサイドバーから「ダウンロード」をクリック
- 「Install-Parallels-Desktop.dmg」があることを確認
ダウンロードに失敗した場合
対処法
- インターネット接続を確認
- ブラウザを再起動
- もう一度ダウンロードを試す
- 別のブラウザを使ってみる
それでも失敗する場合は、時間をおいて再度試してください。
インストール手順(詳細版)
いよいよインストールを開始します。一つ一つ確認しながら進めましょう。
ステップ1:dmgファイルを開く
手順
- 「ダウンロード」フォルダを開く
- 「Install-Parallels-Desktop.dmg」をダブルクリック
- ディスクイメージがマウントされる
- インストーラーウィンドウが自動で開く
ウィンドウが開かない場合は、デスクトップの「Parallels Desktop」アイコンをダブルクリックしてください。
ステップ2:インストーラーの起動
手順
- 「Parallels Desktopをインストール」アイコンをダブルクリック
- 「開く」の確認が出たら「開く」をクリック
- インストーラーが起動する
ステップ3:管理者パスワードの入力
手順
- 「Parallels Desktopがこのコンピュータに変更を加えようとしています」と表示
- Macの管理者パスワードを入力
- 「OK」をクリック
パスワードは、Macにログインする時と同じものです。
ステップ4:アクセシビリティの許可
重要な手順です
- 「アクセシビリティへのアクセスを許可してください」と表示される
- 「システム環境設定を開く」をクリック
- セキュリティとプライバシーの画面が開く
- 左下の鍵マークをクリック
- 管理者パスワードを入力
- 「Parallels Desktop」の横にチェックを入れる
- システム環境設定を閉じる
この設定をしないと、Parallelsが正常に動作しません。
ステップ5:インストールの実行
手順
- Parallelsのインストーラーに戻る
- 「続ける」をクリック
- インストールが開始される
- プログレスバーが表示される
所要時間:5〜10分程度
この間、Macは他の作業もできますが、重い処理は避けた方が無難です。
ステップ6:インストール完了の確認
手順
- 「インストールが完了しました」と表示される
- 「続ける」をクリック
- Parallels Desktopが自動的に起動する
これで、Parallelsのインストールは完了です。
アカウント作成とライセンス認証
Parallelsを使うには、アカウントとライセンスが必要です。
Parallelsアカウントの作成
初回起動時の画面
- 「新しいアカウントを作成」または「サインイン」が表示される
- 初めての方は「新しいアカウントを作成」を選択
アカウント作成手順
- メールアドレスを入力
- パスワードを設定(8文字以上)
- 「アカウントを作成」をクリック
- 確認メールが届く
- メール内の「アカウントを確認」リンクをクリック
- アカウント作成完了
トライアルの開始
手順
- 「トライアルを開始」を選択
- 「続ける」をクリック
- 14日間の無料試用期間が始まる
トライアル期間中は、すべての機能が使えます。
ライセンスキーの入力(購入済みの場合)
手順
- 「ライセンスキーを入力」を選択
- 購入時に受け取ったキーを入力
- 「アクティベート」をクリック
- 認証完了
ライセンスキーは、購入確認メールに記載されています。
アカウント情報の確認
確認方法
- Parallels Desktopのメニューバーから「Parallels Desktop」→「アカウント」を選択
- 現在のライセンス状態が表示される
- トライアルの残り日数も確認できる
Parallels Toolsのインストール

Parallels Toolsは、Macと仮想マシンの統合を強化するソフトです。
Parallels Toolsとは
提供される機能
- ドラッグ&ドロップでファイル共有
- クリップボードの共有
- 画面解像度の自動調整
- マウスカーソルのスムーズな移動
- フォルダの共有
Windows起動後に自動でインストールが始まります。
自動インストール
通常の流れ
- Windowsを初めて起動
- 「Parallels Toolsをインストールしますか?」と表示
- 「続ける」をクリック
- Windows側でインストーラーが起動
- 「Install」をクリック
- インストール完了後、Windowsを再起動
手動インストール
自動でインストールされない場合の手順です。
手順
- Parallelsのメニューバーから「操作」を選択
- 「Parallels Toolsをインストール」をクリック
- Windows側でディスクドライブが表示される
- 「prl-tools-win.exe」をダブルクリック
- インストーラーの指示に従う
- 完了後、Windowsを再起動
インストール確認
確認方法
- Windows側のタスクトレイを確認
- Parallelsのアイコンがあれば成功
- マウスカーソルがスムーズに動くことを確認
インストール後の初期設定
快適に使うための初期設定を行いましょう。
仮想マシンの名前変更
分かりやすい名前に変更できます。
手順
- Parallels Desktopのコントロールセンターを開く
- 仮想マシンを右クリック
- 「構成」を選択
- 「一般」タブで名前を変更
- 「OK」をクリック
メモリとCPUの調整
パフォーマンスに合わせて調整しましょう。
推奨設定
Macのメモリが16GBの場合:
- Windows用メモリ:8GB
- Mac用メモリ:8GB
設定方法
- 仮想マシンの「構成」を開く
- 「ハードウェア」タブを選択
- 「CPU & メモリ」をクリック
- スライダーで調整
- 「OK」をクリック
共有フォルダの設定
MacとWindowsでファイルを共有できるようにします。
設定方法
- 「構成」→「オプション」タブを開く
- 「共有」を選択
- 「Macとファイルを共有」にチェック
- 共有したいフォルダを追加
- 「OK」をクリック
これで、デスクトップやドキュメントフォルダが両方から見えるようになります。
表示モードの設定
使いやすい表示モードを選びましょう。
選択肢
- Coherenceモード:MacとWindowsが一体化
- ウィンドウモード:通常のウィンドウ表示
- フルスクリーン:画面全体にWindows
おすすめは、作業に応じて切り替えることです。
自動起動の設定
Macを起動した時に、自動でWindowsを起動するか設定できます。
設定方法
- 「構成」→「オプション」を開く
- 「起動と終了」を選択
- 好みの起動方法を選択
- Macログイン時に起動
- ウィンドウを開いた時に起動
- 手動起動
- 「OK」をクリック
頻繁に使う方は、自動起動が便利です。
インストール時のよくあるトラブル
インストール中に起こりやすい問題と解決方法です。
トラブル1:インストーラーが起動しない
症状
dmgファイルをダブルクリックしても何も起こらない。
対処法
- dmgファイルを右クリック
- 「開く」を選択
- 確認画面で「開く」をクリック
- それでもダメなら、dmgを再ダウンロード
トラブル2:「開発元を確認できません」エラー
症状
「開発元が未確認のため開けません」と表示される。
対処法
- システム環境設定→「セキュリティとプライバシー」を開く
- 「一般」タブで「このまま開く」をクリック
- 確認画面で「開く」をクリック
または、dmgファイルを右クリック→「開く」でも可能です。
トラブル3:アクセシビリティの許可ができない
症状
アクセシビリティ設定でParallelsが表示されない。
対処法
- 左下の鍵マークをクリックしてロック解除
- 「+」ボタンをクリック
- 「アプリケーション」フォルダから「Parallels Desktop」を選択
- 追加後にチェックを入れる
トラブル4:インストールが途中で止まる
症状
プログレスバーが動かなくなる。
対処法
- 10分以上待ってみる(処理に時間がかかる場合がある)
- それでも進まない場合は強制終了
- インストーラーを終了
- Macを再起動
- もう一度インストールを実行
トラブル5:「空き容量が不足」エラー
症状
「ディスクの空き容量が不足しています」と表示される。
対処法
- ストレージ管理を開く
- 不要なファイルを削除
- ダウンロードフォルダ
- ゴミ箱を空に
- 古いTime Machineバックアップ
- 最低30GB以上の空き容量を確保
- 再度インストールを試す
トラブル6:管理者パスワードが通らない
症状
正しいパスワードを入力しているのに受け付けられない。
対処法
- Caps Lockがオンになっていないか確認
- 数字キーの入力モードを確認
- パスワードを間違えていないか再確認
- 別の管理者アカウントでログインして試す
アップデート方法
Parallelsを最新版に保つことは重要です。
自動アップデート
通常は自動で更新されます。
確認方法
- Parallels Desktopを起動
- 「Parallels Desktop」→「環境設定」を開く
- 「一般」タブで「自動的に更新を確認」がオンか確認
手動アップデート
手順
- 「Parallels Desktop」→「更新を確認」をクリック
- 更新がある場合は「ダウンロード」をクリック
- ダウンロード完了後、インストール
- 再起動を求められたら再起動
メジャーアップデート(例:バージョン18→19)は、別途購入が必要な場合があります。
バージョン確認方法
手順
- 「Parallels Desktop」→「Parallels Desktopについて」をクリック
- 現在のバージョンが表示される
アンインストール方法
Parallelsが不要になった場合の削除手順です。
完全アンインストール
手順
- Parallels Desktopを終了
- Finderで「アプリケーション」フォルダを開く
- 「Parallels Desktop」を右クリック
- 「ゴミ箱に入れる」を選択
- 管理者パスワードを入力
- ゴミ箱を空にする
仮想マシンファイルの削除
アプリを削除しても、仮想マシンのファイルは残ります。
削除方法
- Finderで「書類」フォルダを開く
- 「Parallels」フォルダを探す
- フォルダごとゴミ箱に入れる
- ゴミ箱を空にする
大きなファイルなので、空き容量が大幅に増えます。
設定ファイルの削除
完全に削除したい場合は、設定ファイルも消しましょう。
手順
- Finderで「移動」→「フォルダへ移動」を選択
- 「~/Library/Preferences/」と入力
- 「com.parallels」で始まるファイルを削除
- 「~/Library/Application Support/Parallels」フォルダも削除
再インストールの準備
再度インストールする場合は、完全削除後に行ってください。
設定ファイルが残っていると、問題が起きる可能性があります。
よくある質問
Q: インストールにどれくらい時間がかかる?
A: Parallels本体のインストールは5〜10分程度です。Windows のインストールを含めると、全体で1〜2時間程度かかります。
Q: インストール中にMacを使える?
A: 使えますが、重い処理は避けた方が安全です。ブラウジング程度なら問題ありません。
Q: トライアル版と製品版で違いはある?
A: トライアル版は全機能が使えます。14日後に購入しないと使えなくなりますが、機能制限はありません。
Q: 複数のMacにインストールできる?
A: ライセンスによります。Standard Editionは1台のみ、Pro/Business Editionは複数台可能です。
Q: 古いバージョンのParallelsから移行できる?
A: はい。古いバージョンをアンインストールしてから、新しいバージョンをインストールしてください。仮想マシンは引き継げます。
まとめ
Parallels Desktopのインストールについて詳しく解説しました。
重要なポイントをおさらいしましょう。
- 事前にMacのスペックと空き容量を確認(60〜90GB必要)
- 公式サイトから無料トライアルをダウンロード
- インストールは5〜10分で完了
- アクセシビリティの許可を忘れずに
- Parallels Toolsのインストールで機能が向上
- トラブル時は再起動や再インストールで解決できることが多い
手順通りに進めれば、初心者でも簡単にインストールできます。
この記事を参考に、ぜひParallels Desktopを導入して、MacとWindowsの両方を快適に使える環境を手に入れてください!

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