「Microsoft Officeは高すぎる」「Word、Excel、PowerPointと同じようなソフトを無料で使いたい」と思ったことはありませんか?
そんな方におすすめなのが、WPS Officeです。以前はKingsoft Officeという名前で親しまれていたこのソフトは、Microsoft Officeとほぼ同じ機能を持ちながら、無料または低価格で使えるんです。
でも、「本当にMicrosoft Officeの代わりになるの?」「無料版で十分?」「互換性は大丈夫?」といった疑問を持つ方も多いはず。実際、選択肢が増えた今だからこそ、自分に合ったオフィスソフトを選びたいですよね。
この記事では、WPS Officeの基本的な特徴から、実際の使い方、Microsoft Officeとの違いまで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
WPS Officeとは?
まずは、WPS Officeがどんなソフトウェアなのか理解しておきましょう。
基本情報
WPS Office(ダブリューピーエス オフィス)は、中国のKingsoft社が開発しているオフィスソフトウェアです。
WPSの意味:
- W = Writer(文書作成)
- P = Presentation(プレゼンテーション)
- S = Spreadsheets(表計算)
この3つの頭文字を取って「WPS Office」と名付けられています。
旧名称「Kingsoft Office」からの変更
以前は「Kingsoft Office」という名前でしたが、2016年に「WPS Office」へと名称が変更されました。
日本では長らくキングソフトオフィスとして親しまれていたので、今でも旧名で呼ぶ人も多いですね。機能や開発元は変わっていないので、同じソフトだと考えて大丈夫です。
対応プラットフォーム
WPS Officeは、様々なデバイスで使えます。
対応OS:
- Windows(Windows 10、11など)
- Mac(macOS)
- Linux
- Android(スマホ・タブレット)
- iOS(iPhone・iPad)
一つのアカウントで、複数のデバイス間でファイルを同期できるのも便利なポイントです。
世界中で使われている実績
WPS Officeは、世界中で10億人以上のユーザーに利用されています。
特にアジア地域では人気が高く、中国、韓国、日本などで広く使われているんです。企業や学校での導入実績も多く、信頼性のあるソフトウェアと言えます。
Microsoft Officeとの違い
多くの人が気になる、Microsoft Officeとの比較を見ていきましょう。
価格の違い(最大のメリット)
最も大きな違いは、価格です。
Microsoft Office:
- Office 365 Personal:年間約12,000円〜14,000円(サブスクリプション)
- Office Home & Business 2021:買い切りで約38,000円
WPS Office:
- 無料版:0円(広告表示あり)
- Premium版:年間約5,000円〜6,000円
- 買い切り版:約8,000円〜10,000円
価格差は一目瞭然ですね。特に無料版があるのは、WPS Officeの最大の魅力です。
機能の違い
基本的な機能は、Microsoft Officeとほぼ同じです。
WPS Officeでできること:
- 文書作成(Wordと同等)
- 表計算(Excelと同等)
- プレゼンテーション作成(PowerPointと同等)
- PDFの編集・変換
- クラウドストレージとの連携
Microsoft Officeにしかない主な機能:
- Access(データベースソフト)
- Publisher(出版物作成)
- Outlook(メールクライアント)
- 高度なマクロやVBA機能の完全互換
- Microsoft 365の統合サービス
日常的な文書作成や表計算であれば、WPS Officeで十分対応できます。
インターフェースの違い
見た目は、Microsoft Officeに非常に似ています。
WPS Officeは意図的にMicrosoft Officeのインターフェースを参考にしているため、Microsoft Officeを使い慣れた人でも、すぐに操作できるんです。リボンメニュー(上部のタブ形式のメニュー)の配置も似ているので、違和感なく使えますよ。
ファイル形式の互換性
これも重要なポイントです。
WPS Officeが扱えるファイル形式:
- Word形式:.doc、.docx
- Excel形式:.xls、.xlsx
- PowerPoint形式:.ppt、.pptx
- PDF形式:.pdf
- その他:.txt、.csv、.rtfなど
Microsoft Officeのファイルを開いて編集し、同じ形式で保存できます。ただし、複雑なレイアウトやマクロを含むファイルは、完全には互換しないこともあるので注意が必要です。
WPS Officeの3つの主要アプリケーション
WPS Officeに含まれる3つのソフトを詳しく見ていきましょう。
WPS Writer(文書作成)
Microsoft Wordに相当するアプリケーションです。
主な機能:
- 文書の作成と編集
- フォント、サイズ、色の変更
- 画像や表の挿入
- ページレイアウトの設定
- スペルチェック機能
- テンプレートの利用
使える場面:
- レポートやレジュメの作成
- ビジネス文書の作成
- 契約書や提案書の作成
- お知らせやチラシの作成
基本的な文書作成なら、Wordとほとんど同じ感覚で使えます。
WPS Spreadsheets(表計算)
Microsoft Excelに相当するアプリケーションです。
主な機能:
- 表やグラフの作成
- 計算式の入力と自動計算
- データの並べ替えやフィルタリング
- ピボットテーブル
- マクロ機能(VBAの基本的なものに対応)
- 複数シートの管理
使える場面:
- 家計簿や予算管理
- 売上データの集計
- スケジュール表の作成
- 成績表や名簿の管理
- グラフを使ったデータ分析
関数も、ExcelのSUM、AVERAGE、IF、VLOOKUPなど、主要なものはほぼすべて使えます。
WPS Presentation(プレゼンテーション)
Microsoft PowerPointに相当するアプリケーションです。
主な機能:
- スライドの作成と編集
- アニメーション効果
- 画面切り替え効果
- 画像や動画の挿入
- スライドショーの実行
- テンプレートの豊富な選択肢
使える場面:
- ビジネスプレゼンテーション
- 学校の発表資料
- 研修資料の作成
- 営業提案書
- イベントのスライドショー
PowerPointとほぼ同じ感覚で、見栄えの良いプレゼンテーションが作れます。
無料版と有料版の違い
WPS Officeには、無料版と有料版があります。
無料版でできること
無料版でも、基本的な機能はすべて使えます。
無料版の主な機能:
- Writer、Spreadsheets、Presentationのすべての基本機能
- Microsoft Office形式のファイルの読み書き
- PDFファイルの閲覧
- 基本的なテンプレート
- クラウドストレージの利用(容量制限あり)
個人で使う分には、無料版でも十分なケースが多いです。
無料版の制限
ただし、無料版にはいくつかの制限があります。
主な制限:
- 広告が表示される: 画面の一部に広告バナーが表示されます
- 一部のテンプレートが使えない: プレミアムテンプレートは有料版のみ
- PDF編集機能が制限される: PDFの高度な編集は有料版が必要
- クラウド容量が少ない: 無料版は1GB、有料版は20GB以上
- 透かしが入る場合がある: 一部の機能で「WPS Office」の透かしが入ることも
広告が気にならなければ、無料版で十分使えます。
有料版のメリット
Premium版にアップグレードすると、以下が追加されます。
有料版の特典:
- 広告が完全に非表示
- すべてのテンプレートが使い放題(10,000種類以上)
- PDF編集機能の完全解放
- クラウドストレージ容量の増加(20GB〜)
- 優先的なカスタマーサポート
- 複数デバイスでの同時利用
- 透かしなし
ビジネスで使う場合や、頻繁に使う場合は、有料版がおすすめです。年間5,000円程度なら、Microsoft Officeと比べて圧倒的にお得ですね。
WPS Officeの基本的な使い方
実際にWPS Officeを使う際の基本操作を見ていきましょう。
ソフトの起動方法
インストール後、デスクトップやスタートメニューからアイコンをクリックして起動します。
起動方法:
- Windows:スタートメニュー→「WPS Office」を選択
- Mac:Launchpad→「WPS Office」をクリック
初回起動時には、アカウント登録を求められることがありますが、スキップして使い始めることも可能です。
新しいファイルの作成
起動すると、スタート画面が表示されます。
新規作成の手順:
- スタート画面で作成したいファイルタイプを選択
- 「文書」(Writer)
- 「表計算」(Spreadsheets)
- 「プレゼンテーション」(Presentation)
- 「新しいドキュメント」をクリック
- テンプレートから選ぶか、白紙の文書を開く
白紙から始めることも、テンプレートを使うこともできます。
既存ファイルを開く
パソコンに保存されているファイルを開く方法です。
開き方:
- スタート画面で「開く」をクリック
- ファイルの保存場所を選択
- 開きたいファイルをダブルクリック
または、エクスプローラー(Finder)でファイルを直接ダブルクリックしても、WPS Officeで開けます。
基本的な編集操作
編集画面の操作は、Microsoft Officeとほぼ同じです。
よく使う操作:
文字入力:
- 文書内をクリックして、キーボードで入力
文字の装飾:
- 文字を選択→上部のリボンメニューから「太字」「斜体」「色」などを選択
画像の挿入:
- 「挿入」タブ→「画像」→挿入したい画像を選択
表の挿入:
- 「挿入」タブ→「表」→行と列の数を指定
保存:
- Ctrl + S(Windows)またはCmd + S(Mac)
- または「ファイル」→「保存」
ファイルの保存方法
作成したファイルを保存する手順です。
保存手順:
- 「ファイル」メニュー→「保存」または「名前を付けて保存」を選択
- 保存場所を選択(デスクトップ、ドキュメントフォルダなど)
- ファイル名を入力
- ファイル形式を選択
- .docx(Word形式)
- .xlsx(Excel形式)
- .pptx(PowerPoint形式)
- .pdf(PDF形式)
- WPS独自形式(.wps、.et、.dpsなど)
- 「保存」をクリック
Microsoft Office形式で保存すれば、他の人とファイル共有がスムーズです。
クラウドストレージへの保存
WPS Cloudを使えば、ファイルをクラウドに保存できます。
クラウド保存の手順:
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- 保存場所で「WPS Cloud」を選択
- アカウントにログイン(初回のみ)
- ファイル名を入力して保存
これで、他のデバイスからもファイルにアクセスできるようになります。
WPS Officeのメリット
実際に使ってみて感じる、WPS Officeの利点をまとめました。
コストパフォーマンスが抜群
何と言っても、価格が魅力です。
無料版なら完全に0円で使えますし、有料版でも年間5,000円程度。Microsoft Officeの3分の1以下のコストで、ほぼ同じことができるのは大きなメリットですね。
個人利用や小規模ビジネスには、非常にコスパの良い選択肢です。
動作が軽快
WPS Officeは、Microsoft Officeよりも軽量で、起動が速いです。
特に古いパソコンや、スペックの低いノートPCでも快適に動作します。Microsoft Officeが重く感じる環境でも、WPS Officeならサクサク動くことが多いんです。
メモリ使用量も少なめなので、他のアプリと同時に使っても負担になりにくいですよ。
使いやすいインターフェース
Microsoft Officeに似たデザインなので、学習コストが低いです。
「新しいソフトを一から覚える」というストレスがありません。Officeを使ったことがある人なら、すぐに操作できます。
豊富なテンプレート
有料版では、10,000種類以上のテンプレートが使えます。
テンプレートの種類:
- ビジネス文書
- 履歴書・職務経歴書
- チラシ・ポスター
- 名刺
- カレンダー
- プレゼンテーション資料
- 家計簿
- 年賀状
テンプレートを使えば、デザインの知識がなくても見栄えの良い資料が作れます。
マルチデバイス対応
Windows、Mac、スマホ、タブレットなど、様々なデバイスで使えます。
クラウド経由でファイルを同期すれば、外出先でスマホから確認したり、帰宅後にPCで続きを編集したりすることも簡単です。
WPS Officeのデメリット
良い点だけでなく、注意点もお伝えします。
完全な互換性ではない
Microsoft Officeのファイルを開けますが、100%完全な互換性があるわけではありません。
互換性の問題が出やすいケース:
- 複雑なレイアウトの文書
- 高度なマクロやVBAを含むファイル
- 特殊なフォントや図形を使った資料
- Excelの複雑な関数や機能
基本的な資料なら問題ありませんが、業務で使う場合は事前にテストすることをおすすめします。
無料版の広告が気になる
無料版では、画面の一部に広告が表示されます。
作業に支障が出るほどではありませんが、人によっては気になるかもしれません。広告が気になる場合は、有料版を検討しましょう。
一部の高度な機能は使えない
Microsoft Officeの全機能が使えるわけではありません。
使えない・制限がある機能:
- Accessのようなデータベースソフト
- Outlookのようなメールクライアント
- 高度なマクロやVBA(一部のみ対応)
- Microsoft 365の統合サービス
- 一部の専門的な機能
日常的な用途には十分ですが、業務で高度な機能が必要な場合は、Microsoft Officeのほうが適しているかもしれません。
日本語サポートがやや弱い
開発元が中国の企業なので、日本語対応が完璧ではないこともあります。
起こりうる問題:
- ヘルプやマニュアルの一部が機械翻訳のような文章
- カスタマーサポートの対応が遅い
- 一部の日本独自の機能(年賀状ソフトとの連携など)がない
ただし、基本的な使い方に関しては、日本語化されているので問題ありません。
どんな人にWPS Officeがおすすめか
WPS Officeが特に向いている人をまとめました。
個人ユーザー
家庭での文書作成や表計算には、WPS Officeで十分です。
おすすめの用途:
- 家計簿の管理
- レポートやレジュメの作成
- 年賀状や案内状の作成
- 写真を使ったアルバム作り
- スケジュール表の作成
無料版でも、これらの用途には十分対応できます。
学生
レポートや課題作成に最適です。
Microsoft Office形式で保存すれば、学校のPCで開くこともできます。無料または低価格で使えるので、学生にとって経済的な選択肢ですね。
小規模ビジネス・フリーランス
コストを抑えたい個人事業主や小規模な会社におすすめです。
ビジネス用途:
- 見積書や請求書の作成
- 顧客管理表の作成
- プレゼン資料の作成
- 営業報告書の作成
有料版でも年間5,000円程度なので、コストパフォーマンスに優れています。
Microsoft Officeからの移行を検討中の人
「Office 365のサブスクリプションが高い」と感じている人は、WPS Officeへの移行を検討する価値があります。
基本的な操作は同じなので、移行もスムーズです。まずは無料版を試して、自分の用途に合うか確認してみるといいでしょう。
WPS Officeが向いていない人
逆に、以下のような人には、Microsoft Officeのほうが適しています。
高度なマクロやVBAを使う人
複雑なマクロやVBAプログラムを組む必要がある場合、互換性の問題が出やすいです。
業務で既存のマクロ付きファイルを多用している場合は、Microsoft Officeを継続して使ったほうが安全でしょう。
大企業での業務利用
大きな組織では、Microsoft Officeが標準になっていることがほとんどです。
ファイルの互換性や、社内システムとの連携を考えると、組織全体で同じソフトを使うのが無難です。個人的にWPS Officeを使いたくても、会社の規定で使えないこともあります。
Accessなどの専門ソフトが必要な人
データベース管理にAccessを使っている場合、WPS Officeには代替がありません。
また、OutlookやPublisherなど、Microsoft Office特有のソフトが必要な場合も、WPS Officeでは対応できません。
インストール方法の概要
最後に、WPS Officeのインストール方法を簡単にご紹介します。
ダウンロード先
公式サイトからダウンロードできます。
公式サイト:
- 日本語版:https://www.kingsoft.jp/office
- 国際版:https://www.wps.com
公式サイト以外からのダウンロードは、セキュリティリスクがあるので避けましょう。
インストールの流れ
基本手順:
- 公式サイトにアクセス
- 「無料ダウンロード」または「購入」ボタンをクリック
- インストーラー(.exeまたは.dmgファイル)をダウンロード
- ダウンロードしたファイルを実行
- 画面の指示に従ってインストール
- 完了後、WPS Officeを起動
インストール自体は5〜10分程度で完了します。
アカウント登録
アカウントを作成すると、クラウド機能などが使えます。
登録のメリット:
- クラウドストレージの利用
- 複数デバイスでの同期
- テンプレートのダウンロード
- 有料版へのアップグレードが簡単
無料のアカウントで、基本的なクラウド機能が使えます。
まとめ
WPS Office(旧Kingsoft Office)は、Microsoft Officeの優れた代替ソフトです。
この記事のポイント:
- WPS Officeは無料または低価格で使えるオフィスソフト
- Writer、Spreadsheets、Presentationの3つが含まれる
- Microsoft Office形式のファイルを開いて編集できる
- 無料版でも基本的な機能はすべて使える(広告表示あり)
- 有料版は年間約5,000円で広告なし+全機能解放
- Microsoft Officeと完全な互換性はないが、日常的な用途には十分
- 動作が軽快で、古いPCでも快適に使える
- 個人利用、学生、小規模ビジネスに特におすすめ
- 高度なマクロや企業での本格利用にはMicrosoft Officeが適している
「Microsoft Officeは高いけど、オフィスソフトは必要」という人は、まず無料版のWPS Officeを試してみることをおすすめします。
自分の用途に合うかどうかを確認してから、有料版へのアップグレードや、Microsoft Officeの購入を検討すれば良いでしょう。コストを抑えながら、快適な文書作成環境を手に入れてください!
